道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大衆向けエンターテインメントとしては抜群に面白かった。
東野圭吾作品のような読みやすさがあり、キャラクターも一人ひとりしっかり立っている。場面も映像として想像しやすく、最後までテンポよく一気に読ませる力がある。一方で、「小説だからこそ味わえる」という魅力はそこまで強くなく、疑似家族的な関係性にも深く感情移入したというより、個性的な登場人物たちが集まって動いていく面白さの方が印象に残った。
そして最大の仕掛けについては、正直少し引っかかった。振り返れば伏線は張られているし、読者に明確な嘘をついているわけでもない。ただ、人物の感情や情報の隠し方まで含めて、かなりフェアプレーぎりぎりを攻めているように感じた。
そのため、「完全に騙された!やられた!」という爽快感よりも、「結局、全部それだったのか」という出来すぎ感の方が残った。後出しとまでは言えないけれど、すっきり騙されたという感覚にはなれなかった。
とはいえ、それを差し引いてもエンターテインメントとしての完成度は高く、純粋にページをめくるのが楽しい一冊だった。「面白かった。でも、オチには完全には納得していない」というのが一番しっくりくる感想。