道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010年第23回山本周五郎賞
そして2010年直木賞候補作
その後2011年「月と蟹」で直木賞
連作短編6編
作品紹介では連作群像劇としている
それぞれ犯罪に関わっていく者達だから群像劇でも良いのかな
道尾さんの作品には、子供の中の秘めやか憎悪を描いているものがあり、少年達の純真無垢だけでない心情を読むのは好きだ
第一章 隠れ鬼
認知症となった母を苦しめていた父親の自殺
息子が封印していた事件の真相
第ニ章 虫送り
毎夜両親不在の時間に川辺に虫取りに行く兄妹
許せなかったホームレスへの復讐とその真相
第三章 冬の蝶
貧困の少女が隠していた母の男の所為
少年は守りきれない
第四章 春の蝶
両親の不仲のストレスで聴力をなくした少女
家庭を守るための嘘
第五章 風媒体
姉の入院で母との確執を解いていく弟
第六章 遠い光
母親の再婚に不安を持つ少女
その不安の真意に寄り添う女性教師
蝶が光源をたどり物語を一つにまとめる
といった趣向かな
好きな方の道尾さんだけど
罪に対する気持ちがあっさり
というか本人達は納得済みという感じ
がもの足りないかな -
Posted by ブクログ
子供の残虐さと繊細さ、弱さと強さがバランスよく描かれていると思う。
弱いものを痛めつけることで、相手を思い通りにできる優越感や自己優位性を得て、ストレスを発散させる。死んだヤドカリを神として崇め奉ることは、神を創造した全能感や、大きなものから護られ赦される追体験。いずれも、現実を生き延びる為。
3人それぞれの家庭内のシンドさのぼやかし方と、山の上でのヤドカリ炙りのしつこいくらい詳細な描写のコントラストの、子ども目線での描かれ方は絶妙。
子供は、大人がおもってるより、何でもよく見てよく聞いてよく想像してカンをはたらかせて、物事を解釈するスピードは速い。一見短絡的にみえるけど、そこにいたる背景は想像以上に複雑だったりする。
おとなは子供をなめすぎて、甘えすぎ。大人の事情ってのを一方的に押し付けすぎ。繊細で、自分の心の変化や情報の多さを消化しきれず、頭も心もパンパンなのを、昭三さんみたいに、敏感に感じ取って見守る存在がいなくなって、それでも前に進んでいくってことが、大人になるってことなのかな。
心理描写は丁寧でよかったけど、最後の急展開に至るまでの経過が長すぎて間延びが半端ない。