道尾秀介のレビュー一覧
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ネタバレ【隠れ鬼】★★★★☆
中学男子と30歳の甘酸っぱい恋物語。結局最後まで「あの人」の名前を知れなかったのが切ない。
女の雰囲気が幽霊っぽくて、そっち系の話になるのかと思ったら違った。思春期の男の子に手出してモヤモヤさせて、再会したら冷たくするのは酷いでしょ。愛人の息子にイタズラするとか何考えてるか謎だった。
母親の認知描写は読んでて辛い。弁当のバランを食うシーンは、もし自分の母が将来こうなったら...と想像したら悲しくなる。
【虫送り】★★★★☆
かくれんぼで隠れてる間にみんなに帰られて残される陰鬱なスタート。まさか前作に登場したパッと出のキャラが主人公になるとは思わなんだ。妹も虐められてるらしく兄弟揃って境遇が可哀想。
コオロギが採れると嘘ついて、女の子にイタズラするホームレス怖い。まあよく考えたら拍手だけで大量のコオロギ捕獲できるわけないか。コオロギたちが虫かごに入ってくるの想像したら気持ち悪かった。
その後あらわれたホームレスの男も敵か味方か分からず、小学生たちが内心ビクビクしてるのが伝わり緊張感ある。
【冬の蝶】★★★★☆
ホームレス殺しの犯人は前作の兄弟ではないことに驚く。「この世に死んでいい人間なんていない」と言っておきながら、アンタが殺しちゃってるんかい笑
サチがミステリアスで魅力的なキャラで印象に残る。母の男に犯されながらも、平然と日常を送ってる彼女の精神力すごい。あの男が居なかったらピュアなラブストーリーになってたのに...。
強風吹いた時にサチが顔をしかめず、笑っていたのを見て惚れるシーン好き。紙を裏返して自分を内側に閉じ込める、というサチの発想が面白かった。
【春の蝶】★★★☆☆
悲惨な幼少期を過ごしたサチがまともな大人になってホッとした。後味悪い話が続く中で、今作の最後は希望を持てる話。誰が犯人か気になったが、由希の耳聞こえないふり、牧川の自作自演など思わぬ展開に。
今までの話と比べると、うまくまとまりすぎてて薄味な印象。後味悪い展開の方が好き。
【風媒花】★★☆☆☆
母を嫌う理由が結局よく分からなかった。デカい理由があるかと思いきや、父が死んで荒れたのが原因で拍子抜け。母がなにかやらかしたのが原因かと思ってたのに。しかも小さい頃から嫌いになって、大人になるまで引きずるのは長すぎ。お母さんが可哀想だよ...最後和解エンドに向かったのが救いか。
【遠い光】★★☆☆☆
少女が両親の離婚と向き合う話なのは分かったが、主人公の葛藤がよく見えず、結局何がいいたいかよく分からない作品だった。
これまでの気味悪い話と違って、風媒花とこの作品だけはハッピー寄りな話で浮いてる。最初から最後まで気味悪さを通して欲しかった。 -
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短編連作と思いきや、最後に収斂されていく物語。
「風が吹けば桶屋が儲かる」や「バタフライ効果」とか言ったものを連想します。
最後伏線がすべて回収されてスッキリ。
ちょっとした嘘が人生を変える
嘘がテーマの物語です。
■心中花
歩実は母親の奈津実とともに、奈津実の撮影のため、遺影専門の写真館を訪れます。そこで見つけた一枚の写真。
そこから、奈津実の過去が語られます。
西取川で行われる鮎の火振り漁。
そこで知り合った崎村という男性。
当時、西取川で起きた奈津実の父親の会社の事件。
また、崎村の父親の事件。
そして、火振り漁の最終日に起きた大きな悲劇。
しかし、その真相は...
■口笛鳥
ひょんなことから知り合った小学5年生の二人。でっかちとまめ。
何気なく、ついていた嘘。
そして、でっかちの父親が拉致されたことを知った二人は、救出に向かいます。
そこで起きたこととは..
■無常風
入院中の高齢女性。彼女の人生は、西取川で起きた事件と共にありました。
西取川で起きた事件の真相に絡んでいた高齢女性。
今まで語られた物語が伏線として回収されていきます。
別の視点から見るとそういうことだったのね。
という感じ。
■待宵月
エピローグですね。
結局のところ、落ち着くところに落ち着いた物語。
帯には
「奇跡の本当の意味を知る感涙のラスト」
とありましたが、感涙のラストというより、
「へぇ、よくまとまったね。」って感じでした。
人は関連して生きているということが伝わる物語です。 -
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ネタバレ盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして……。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
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最初は犬の耳や犬の目をもっていると思った。
最後にいろいろと明かされるんだけど、時間をかけて読んでるからどんな伏線があったかいまいち思い出せなくてすごく損してると思う。 -
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様々な『S』という人物が出てくる、ホラーミステリー短編集です。
どのお話も一話完結で、別の人物だけれど『S』というキーマンが登場します。
淡々と紡がれる物語の中には、静かな狂気がひんやりと流れています。それがどのようなきっかけで、どのような衝動で、もしくは計画的な何かで、あふれだして通常であれば越えないだろう一線を越えてしまう。主人公だったり、その周りだったりが抱く狂気や、悪意や、悲しみや、愛情になんとも言い難い静かな恐ろしさを感じます。
日常の中に潜む人の感情について考えさせられる話です。
ホラーとして読むにはオカルト的な部分はありません。が、『人』が怖いという意味では、十二分にホラーとも言えるように思います。
一篇ずつに謎めいた部分があり、お話の終盤にそれが解消されるような構図になっているので、ミステリといえばミステリなのかもしれません。
いずれにせよ、この人たちはこの後どうなるんだ、と思ってしまう余韻を感じさせる短編集でした。
この作者のお話は、読後感がなんとなく癖になる気がしています。 -
Posted by ブクログ
感想を書くため再読。
とにかくアクティブな子供たち。出来ることを全力で楽しんでる姿に羨ましくなる。自分がここまで子供時代を楽しめたかというと、全く自信がない。
子供達も元気でいいけど、身近に潜む幻想的な風景や奇跡の描写に、現実の世界の出来事のはずだけど、どこか非現実感がある不思議な感じに、緩めてもらえる気持ちになった。リラックス〜。
と思いきや、最後はピンチになってハラハラ。子供が知らず知らずのうちに巻き込まれる大人の事情に、大人はしっかりしなきゃなとも思う。
そして、回想者にしてやられた。
うん、読後感、なんかアンニュイ。紅茶を飲みたい。
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ネタバレ主人公は幼少期に闇のある中年男性、心を病み離婚。小学生の息子と自分の故郷を訪れ、父の死の真相を探る。
というと楽しそうですが、実際には暗く陰鬱な物語です。
■よかったところ
・道尾秀介ワールドで、物語に引き込んでいく力は強いです。一気読みしました。
・なかなか複雑ですが、トリックや真相のカタルシスはしっかりあります。ここはミステリーを読む上で本当に大事です。
■うーんなところ
・暗い、とにかく暗い。最後に救いがあってよかったですが、最終盤までとにかく暗いです。物語の世界観という意味では一貫されています。
・合間合間に入る空想シーンというのか妄想シーンというのか、私には読みにくかったです。物語の雰囲気には一役買っていますが。 -
Posted by ブクログ
道尾秀介の長篇ミステリ作品『サーモン・キャッチャー the Novel』を読みました。
道尾秀介の作品は、先月読んだ『カエルの小指 a murder of crows』以来ですね。
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小説で、すごい世界を見に行こう。
道尾秀介に騙される快感を堪能あれ!
釣り堀カープ・キャッチャーで消えた鯉の謎が、運命を動かしていく。
神様の通う屋内釣り堀カープ・キャッチャーの景品棚には、高得点でもらえる伝説の白い箱があった。
箱の中身を知りたいバイトの明、箱を狙う父親、店主を脅 す女性、幽霊を撮影する兄妹、謎のヒツギム人らが釣り堀に集う時、運命は動く。
一匹の鯉を巡り、悩める者たちが人生をかけた大勝負。
怒涛の展開で大興奮、超絶技巧、名手道尾秀介の人生を変えるミステリー。
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2016年(平成28年)に刊行された作品……劇作家、ミュージシャン、映画監督など多彩な活躍を見せるケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が道尾秀介に声をかける形で実現したコラボレーション企画で、2人が創り上げた1つのコンセプトをもとに、道尾秀介が「the Novel」として小説を書き、KERAが「the Movie」として映画を撮り、それぞれが作品を発表するという共同コンセプト作品です。
君の人生は、たいしたものじゃない……でも、捨てたものでもない……意外性MAX、まさかのコラボレーション! 最強のオフビートエンタメ!!
場末の釣り堀「カープ・キャッチャー」には、「神」と称される釣り名人がいた……釣った魚の種類と数によるポイントを景品と交換できるこの釣り堀で、もっとも高ポイントを必要とする品を獲得できるとすれば、彼しかいない、と噂されている、、、
浅くて小さな生け簀を巡るささやかなドラマは、しかし、どういうわけか、冴えない日々を送る6人を巻き込んで、大きな 事件に発展していく……。
場末の屋内釣り堀「カープ・キャッチャー」では釣った魚の種類と数によって景品と交換することができる……物語は、そんな小さな釣り堀から大きな事件に発展していく、、、
対人恐怖症のフリーター・内山賢史、その兄を支える妹・智(とも)、元800メートル走のオリンピック強化選手で仙人のような風貌で釣り堀の神と呼ばれる河原塚ヨネモト、ホームレスで便利屋の大洞真実(おおほらまこと)、その別れた妻と暮らす娘の春日明(かすがめい)、孤独なマダム・柏手市子……この6人に、釣り堀の経営者兼店長・広島や電動車椅子で生活する裕福な老嬢・霧山美紗、アフリカの小国ヒツギムの人々、そして白地に赤の模様の入った色鯉が絡んで繰り広げるく群像劇をコメディタッチに描いた物語でしたね。
ハッピーエンドに繋がる伏線の張り方は巧いなぁ……と感じましたが、全体的にはまずまずの印象、、、
KERAが撮るはずの「サーモン・キャッチャー the Movie」は……鋭意製作中とのことですが、今のところ完成していないようですね。