道尾秀介のレビュー一覧

  • 雷神(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    物語全体の不穏な雰囲気や、丁寧な伏線回収がよかったです。個人的な好みの問題かもしれませんが、どの登場人物にもあまり感情移入できず、クライマックスもなんとなく淡々と読み進めてしまいました。ただ、ラストは虚しさのような余韻が感じられて好きです。

    0
    2025年05月25日
  • 笑うハーレキン

    Posted by ブクログ

    再読。
    川縁のスクラップ置き場に暮らす、ホームレスで家具職人の主人公、東口。ホームレス仲間たちと割と楽しく暮らしているけれど、過去に影を背負ったまま、「疫病神」から逃れられずにいる。そんな生活に突然現れた女奈々恵が家具職人に弟子入りしてきて、物語が動き出す。
    登場人物皆暗い過去を背負っていて、素顔を隠して仮面をかぶっているのが切ない。人は時に道化師(ハーレキン)にさえならないと生きていけないことを何度も見せつけられて辛いけれど、明るいラストには希望を感じます。
    表紙にある猫の装飾の箪笥が怖い!

    0
    2025年05月25日
  • スケルトン・キー

    Posted by ブクログ

    幼稚園へ子供を迎えに行く前
    ちょっと時間あるわね…
    と思って読みだしたら、
    あまりの衝撃に
    現実世界に戻るのに時間かかりました。

    お迎え前に読んじゃだめな本だー!

    というわけで
    夜中に一気読みすることに。

    サイコパスの人間が見る世界。
    恐怖の感情がないって想像もつかなかったけど
    なんとなくその世界を覗いた感じ。
    恐いバイオレンスな描写が
    ちょいちょいあって
    そこは薄目で飛ばし読み…

    最後は
    お母さんの存在にほんの少し救われる。

    2度読みしたくなる展開もありました。

    0
    2025年05月24日
  • 鬼の跫音

    Posted by ブクログ

    ケモノ、冬の鬼
    箱詰めの文字、よいぎつね、鈴虫
    悪意の顔
    の順で好き

    全編どんでん返しや叙述トリックが仕掛けられていて飽きない。
    考察しがいのある締め方が多いので読み終えて、モヤモヤした気持ちが残るものの自分で考えたり、考察サイト読んだり楽しめる作品だった。

    2025.0520.15

    0
    2025年05月22日
  • 鬼の跫音

    Posted by ブクログ

    Sや虫、カラスがずっと出てくるから続き物かと思いきや全く別の短編。
    道尾さんのNを読んだ後だから、勝手に1冊の中で関連性があるのかと期待してしまっていた(;_;)

    割と読み手に委ねられる系が多い印象?現実味がなく、ファンタジックな設定に人間のリアルなグロテスクさが混ざっていて、全体的に薄気味悪い

    0
    2025年05月18日
  • きこえる

    Posted by ブクログ

    本当にこの作者はコンテンツ化が巧み。今回も新しい読書体験を体感できた。最終話の仕掛けは若干反則に感じたりもして(そもそも話がそれほど面白くもなく…)、辟易しましたが、第二話や第四話は「音声ならでは」を活かした仕掛けで特に楽しめました。もっと作ってほしい。

    0
    2025年05月18日
  • スケルトン・キー

    Posted by ブクログ

    サイコパスサスペンスミステリー
    サイコパス一人称による、感情が薄いと言われるサイコパスの深層心理

    作中の「金の鍵」は、グリム童話の最後のお話

    児童養護施設で育った錠也
    養父母の元で育った双子の鍵也
    同じ養護施設で育った母親の違う順平
    三人の兄弟の三つ巴サイコパス
    解説は新書「サイコパス」著者脳科学者の中野信子さん
    彼らは恐怖や苦痛を感じない
    猟奇的事件を引き起こす人がサイコパスであるという事ではない
    大胆な行動ができ、無駄なことをしないから
    政治家や社長等にも多いらしい

    とはいえ、三人の兄弟は入り乱れ入れ替わり
    道尾さんに委ねて混乱し続けます

    0
    2025年05月16日
  • カエルの小指 a murder of crows

    Posted by ブクログ

    カラスの親指の続編です。
    色んなところで裏切られて、読んでいるこちらも時々迷子に。親子の関係がずっとこの作品の軸にあるので、詐欺行為うんタラよりも家族愛の話。続編にしては薄口で個人的にはちょっと物足りなかったかな。

    0
    2025年05月16日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    道尾さんもなんとなく読み積んで9冊目
    タイトルになった「方眼の猿」の逸話が作中に登場するのですが、これも創作ということで良いのかしら?これが、なかなか良いのです。この逸話が意味するところのジェンダーとかマイノリティを
    先がけた作品かも。

    盗聴専門の探偵が産業スパイ中に一人の女性と知り合い、殺人事件に巻き込まれていくミステリなのだけど、事件とは別のところで小粋に騙される感じ。

    0
    2025年05月15日
  • ラットマン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    道尾秀介さんの本は初めて読みました。

    お名前は以前から存じ上げていましたが、どういうわけか手に取ることもなかった次第。

    Wikipediaで見ますと、道尾氏は私と同じ1975年生まれ(因みに五月生まれも私と同じ)。2004年に『背の眼』でデビュー。以降、サスペンス調ミステリーでヒットを連発。

    本作『ラットマン』は2008年発表、「このミステリーがすごい!」等で高く評価される。

    ・・・
    もうこれは同世代であるという産物の賜物ではありますが、「時代が同じだなあ」「合うなあ」という感想。

    私も中学・高校からバンドをはじめ、マックでバイトした金で神保町やらフリーマーケットやらで中古のギターを

    0
    2025年05月12日
  • ソロモンの犬

    Posted by ブクログ

    【走ったワケは……】

    甘酸っぱい青春と、ほろ苦い事件の要素が
    いい比率で組み立てられてるなぁと。

    そして道尾作品ならではの、どんでん返しも
    しっかりと決められ「やられたッ」の一言。

    装丁のわんちゃんオービーもかわいいけど
    中に出てくるオービーも動きや仕草が
    想像できてほっこりします。

    事件と青春、そして人の明暗の感情が
    黄金比率で配合されている作品。

    ライトに読めてグッと世界に入っていけるので
    どんな人でも読みやすいかなと思います。ぜひ!

    0
    2025年05月10日
  • わたしの名店

    Posted by ブクログ

    週刊誌かなにかの書評で知り、読んでみた。
    おもに作家を中心とした飲食店に関する数ページのコラム集だが、馴染みの店に通う方、逆に馴染みの店が苦手な方がいて、その点が非常に興味深かった。

    お店のチョイスの理由の伝え方の参考になるかもしれない。個人的には、メーヤウしか行ったことがなかった。

    0
    2025年05月09日
  • 満月の泥枕

    Posted by ブクログ

    登場人物みんな個性があってめちゃくちゃ良かった☆
    物語通してずっと温かい空気感とユーモアが流れています。
    とりあえずみんなしあわせになっても良いし、なって欲しいと感じました!

    0
    2025年05月05日
  • スケルトン・キー

    Posted by ブクログ

    サイコパス
    サイコパスとは、精神医学的には「反社会性パーソナリティ障害」に分類されるパーソナリティ障害です。

    0
    2025年05月04日
  • 光媒の花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【隠れ鬼】★★★★☆
     中学男子と30歳の甘酸っぱい恋物語。結局最後まで「あの人」の名前を知れなかったのが切ない。
     女の雰囲気が幽霊っぽくて、そっち系の話になるのかと思ったら違った。思春期の男の子に手出してモヤモヤさせて、再会したら冷たくするのは酷いでしょ。愛人の息子にイタズラするとか何考えてるか謎だった。
     母親の認知描写は読んでて辛い。弁当のバランを食うシーンは、もし自分の母が将来こうなったら...と想像したら悲しくなる。

    【虫送り】★★★★☆
     かくれんぼで隠れてる間にみんなに帰られて残される陰鬱なスタート。まさか前作に登場したパッと出のキャラが主人公になるとは思わなんだ。妹も虐めら

    0
    2025年05月02日
  • カエルの小指 a murder of crows

    Posted by ブクログ

    「久々に派手なペテンを仕掛けるぞ」
    「カラスの親指」から10数年後、あのメンバーが再集結!
    前作同様、癖のあるキャラ達がドタバタとコンゲームを繰り広げ、二転三転する展開を楽しむことができました。文庫解説をヨビノリたくみさんが書いており道尾愛を熱く語ってます!

    0
    2025年04月20日
  • 風神の手(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    短編連作と思いきや、最後に収斂されていく物語。
    「風が吹けば桶屋が儲かる」や「バタフライ効果」とか言ったものを連想します。
    最後伏線がすべて回収されてスッキリ。
    ちょっとした嘘が人生を変える
    嘘がテーマの物語です。

    ■心中花
    歩実は母親の奈津実とともに、奈津実の撮影のため、遺影専門の写真館を訪れます。そこで見つけた一枚の写真。
    そこから、奈津実の過去が語られます。
    西取川で行われる鮎の火振り漁。
    そこで知り合った崎村という男性。
    当時、西取川で起きた奈津実の父親の会社の事件。
    また、崎村の父親の事件。
    そして、火振り漁の最終日に起きた大きな悲劇。
    しかし、その真相は...

    ■口笛鳥
    ひょん

    0
    2025年04月19日
  • わたしの名店

    Posted by ブクログ

    色々な人の、美味しい話。

    行きつけのお店であったり、発掘したお店であったり。
    やはり、というべきか、いけない場所にある店ばかり。
    旅行に行った時など、いつか行ってみたりものです。

    0
    2025年04月19日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして……。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
    ----
    最初は犬の耳や犬の目をもっていると思った。
    最後にいろいろと明かされるんだけど、時間をかけて読んでるからどんな伏線があったかいまいち思い出せなくてすごく損してると思う。

    0
    2025年04月17日
  • ラットマン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この作者のことだからドンデン返しがあるか?と思っていたのに、かなり終盤まで騙された(主人公が殺したと思っていたし、姉も父親に虐待&殺されたと思っていた)。

    先が気になって一気読みできる本だったのは良かったが、やはり自分がドンデン返しに慣れてきているのかあまり読後の爽快感はなかった。本のせいではなく読む側の自分の問題だなと思う。ミステリーを読んでワクワクしたいなぁ

    0
    2025年04月14日