道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供の残虐さと繊細さ、弱さと強さがバランスよく描かれていると思う。
弱いものを痛めつけることで、相手を思い通りにできる優越感や自己優位性を得て、ストレスを発散させる。死んだヤドカリを神として崇め奉ることは、神を創造した全能感や、大きなものから護られ赦される追体験。いずれも、現実を生き延びる為。
3人それぞれの家庭内のシンドさのぼやかし方と、山の上でのヤドカリ炙りのしつこいくらい詳細な描写のコントラストの、子ども目線での描かれ方は絶妙。
子供は、大人がおもってるより、何でもよく見てよく聞いてよく想像してカンをはたらかせて、物事を解釈するスピードは速い。一見短絡的にみえるけど、そこにいたる背景は想像以上に複雑だったりする。
おとなは子供をなめすぎて、甘えすぎ。大人の事情ってのを一方的に押し付けすぎ。繊細で、自分の心の変化や情報の多さを消化しきれず、頭も心もパンパンなのを、昭三さんみたいに、敏感に感じ取って見守る存在がいなくなって、それでも前に進んでいくってことが、大人になるってことなのかな。
心理描写は丁寧でよかったけど、最後の急展開に至るまでの経過が長すぎて間延びが半端ない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ6つの短編集
ハンコ屋、橋のエピソードなど所々で繋がりがある。光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を蝶を通して表現している。
第1章隠れ鬼
ハンコ屋さん、認知症の母。中学生の時の回顧、愛と憎悪は紙一重。
第2章虫送り
小学生の兄弟、橋のエピソード。良いホームレスと悪いホームレス。
第3章冬の蝶
2に出てきた良いホームレスさんの中学生の時の話。淡い青春、毒親。
第4章春の蝶
3に出てきた女の子が大人になってからの話。耳が聞こえなくなってしまった女の子、お爺さんの家に泥棒。
第5章風媒花
父をなくした家族の話。息子目線、姉の入院、母と仲直り
第6章
5で出てきた姉の小学生教師としての話。 -
Posted by ブクログ
──世の中にすでに存在する写真に文を添えることでまったくあたらしい物語がうまれた──道尾秀介による危険な悪戯── カバー折り返し文より
道尾秀介VSフリー画像!なのだと思うのだけど、違うのかな?
人畜無害に思える写真にあの道尾秀介さんが文を添えることで、写真の意味合いが最初見たときと大きく変わるショートショートミステリ。
道尾さんの作品は『向日葵の咲かない夏』以来で実に約二十年ぶり。
『向日葵〜』はとにかくインパクトの強い作品でオチは今でも覚えている。
その『向日葵〜』を読んだ印象と違わず、暗くて怖くて変でイケズなお話が多かったように思う。
意味のわからない作品もあり、わかったと思った作品も勘違いの場合も考えられるがネットの解説はシャクなので見ない。
一篇ほっこり系に思えるものがあるが、騙されているのかもしれない…。