道尾秀介のレビュー一覧

  • 水の柩

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    東野⇒伊坂⇒道尾の無限ループ?

    老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。
    同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。
    文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。
    「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」敦子の頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。
    だが、少女には秘めた決意があった。逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。。。

    だんだんと道尾作品に求めているものと実際の作品が違ってきているのかもしれない。
    デビュー当初(?)、道尾秀介の小説はとにかくミスディレクションと伏線と、ラスト近くの騙された感が満載だった。
    そこが嫌だった部分もあったが、そこが最も突き抜けた魅力だった。
    ただし、当時から少年少女を描くことが多く、そこは今も変わっていない模様。
    …何が言いたいのかというと、道尾氏は「純文学」「文芸作品」方面に向かっていて
    「ミステリ」を求めると残念なことになるという事。

    で、この作品だが、凡そ「ミステリ」的要素は1点のみ。敢えて言えば祖母の いく の生い立ち辺りも含んでいいかもしれないが。
    まぁ、その1点のみの「ミステリ」要素にまんまとやられた。
    あの展開、あの書かれ方であれば、注意深い人でない限り絶対に敦子が自殺したものだと思うだろう。
    見事にやられた。
    ただ、そのおかげで終盤の展開がとても暖かく、明るい兆しのあるように思えた。

    でも、やっぱり、道尾作品にはコメディ的な部分を求めてしまう。


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    2021年03月14日
  • 水の柩

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    5,6年程前、初めて読んだ道尾作品。

    この本を読んでから、お弁当を包む布は
    裏が外側にくるように、開いた時に布の
    表を見ながら、食べられる包みかたにと
    私も変えました。逸夫の祖母は、孫のお弁当箱をいつもそんな包み方にしていたのです。

    旅館の女将を引退した祖母。子供時代には、つらい過去があった。そして・・・・
    子供時代を過ごした村は・・・・ダムの底に
    沈んだ。村の貧乏な家の娘という身分を隠し偽り、旅館の女中として働いた。
    そんな祖母は、主人に見初められる・・・・
    結婚するからにはと、祖母は貧乏な
    家の出の娘だと打ちあける。主人は、
    そのことを秘密にしていてくれる。
    幸せな人生を送るわけだが、女将引退後
    認知症になってしまう。

    過去のことを、皆には秘密にして生きてきた。認知症になったしまった理由は、皆に隠して生きてきたことが、重荷になっていたのではないか・・・・・

    認知症の祖母に、今のダムの様子を
    見せて良かったのだろうか?
    祖母には、衝撃が強すぎたのではない
    だろうか。
    「水の柩」という題名の意味を、考える
    作品でした。

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    2021年03月14日
  • スタフ staph

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    道尾秀介の作品を読んだのは本作品で7冊目です。ドタバタ感の臨場感は道尾ワールド全開といった感じで相変わらず面白く読めました。しかし本作品を読む2冊前に、同じような誘拐モノを読んでいたので、内容的には少し物足りなかった感じが残ってしまいました。こちらを先に読むか、もしくはもうちょっと間を空けて読んでれば星4つでした。

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    2021年03月07日
  • 鏡の花

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    最初パラレルやifモノとは思わなかったから、読み間違えたのかページを戻したりもしたけれど、終わってみればとても不思議な魅力を持った作品だと感じた。
    この感情は、切なさだと思う。

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    2021年02月17日
  • 笑うハーレキン

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    全てを失ったホームレス家具職人。希望・再生を願うも常に付きまとう謎の道化師。サスペンス付ヒューマンドラマの位置づけ。常に人間は弱く、道化師の仮面をかぶっている。それを脱ぎ捨て素顔になったとき、素直な自分に出会えるのかな。

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    2020年11月12日
  • 笑うハーレキン

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    ミステリ+人間讃歌的なお話。
    何もかも失った男が、過去と決別をして再生に向かうまでのお話…。
    ちょっと途中読み続けるのに疲れるかなというところがあり、という感じです。

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    2020年10月24日
  • 月の恋人―Moon Lovers―

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    面白かったけど、展開は読めてしまったなという印象。ただ、社長は中国語堪能になるほど中国ビジネスに力を入れているような序盤だったのに、後半以降は日本だけになっているようで設定が活かしきれていないかなと思った。弥生が子供っぽいし、派遣レベルの仕事している子が、社長の苦悩とか心情を理解出来るわけないので吊り合ってないとは思う。

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    2020年10月15日
  • スタフ staph

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    パプアニューギニアに海外赴任中の姉の息子を預かり、借金をしながらギリギリの生活を送る、移動デリで経営をするバツイチアラサーの主人公夏都。
    ある日、突然、中学生アイドルとそのオタク親衛隊に拉致される。
    しかしながら、それは人違いの拉致であり、あれよあれよと芸能界の暗部に巻き込まれてゆく。

    誰しもとは言わないが、意識してか無意識か、関わる集団ごとに顔を作ってしまうことはある。キャラを作ることで、自分を守るように。自己に自信のない者には多いのかもしれない。
    身に付けた強みはどうしてある日、弱点になってしまうのか。自分の人生を守る武器だったものを他人を傷つける凶器として使ってしまうのか。いつから、大事な人がどれだけ自分のために傷つき、耐えてくれるかで、愛を計ろうとするのだろうか。

    子供や女性の心理描写を描く筆は、相変わらず秀逸。

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    2020年10月05日
  • 満月の泥枕

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    道尾ファンだが「カササギ…」以降の“人情もの”はあまりハマらない。本作も設定や展開が強引過ぎて没入できずちょっと残念。じゃりン子チエ風少女で、叔父を支える汐子に癒されたので☆一つオマケ。道尾作品はダークなミステリーの方がいい。

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    2020年10月06日
  • 満月の泥枕

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    今まで感じていた道尾作品の「陰」のイメージと比べて、今回はかなり「陽」で面白かった。酔っぱらいのダメ親父が殺人事件を目撃して、追われるか自分で推理を始めるか、な展開かと思ったら、まるで違った。展開が早くて一気読み。汐子かわいい。

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    2020年09月20日
  • 月の恋人―Moon Lovers―

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    純粋な登場人物で構成させれるラブストーリー。描写も丁寧で、場面がコロコロ切り替わるので臨場感がある。ただ少しネタバレするかもしれないが展開が読めてしまい、中盤からもう、仮説検証するために読んでいた。

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    2020年09月13日
  • 満月の泥枕

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    一気読みできる小説。痛快エンターテイメントといった感じでしょうか。
    主人公フミオさんは、時間を巻き戻したいほどの過去の辛い出来事を背負いながら、ちょっと世の中投げちゃってる毎日を送っているけれど、ある出来事に巻き込まれながら希望を取り戻していきます。背中をひと押ししてくれたのは…、姪っ子のしー坊。口は悪いけれど、可愛いな〜とほっこりしちゃいました。

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    2020年09月12日
  • スタフ staph

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    物語と
    伝えたいことが
    はっきり
    しないとも思えるが

    逆に
    そこに
    深みがあるのかもしれないと

    考えさせられる作品だった

    作者は
    女性の感覚を持っているようにも
    思えた

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    2020年09月04日
  • 笑うハーレキン

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    疫病神や謎の女や集団、周りの死等のミステリーはあるものの、ホームレスの半年間の出来事が淡々と進み、盛り上がりもイマイチ。

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    2020年09月03日
  • 満月の泥枕

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    久しぶりの道尾さん。
    道尾さんの作品の中では、「向日葵の咲かない夏」「月と蟹」のような重め報われない系が好きなのですが、本作は「カラスの親指」「笑うハーレキン」のようなドタバタ軽め切ない系です(勝手に名付けています)。
    エンタメ性が強く、一冊のなかでいくつも山場があり楽しく読めました!主人公に「幸せになっていい」と言える汐子ちゃんがいい子すぎる。終わり方がよかった。

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    2020年08月22日
  • 満月の泥枕

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    クライマックスが2度ある感じでした。

    小説読んだのは実に1年以上振りだったんだけど、面白くて読みやすくて、最後まで一気に読めてしまった感じです!

    どうなるのか先が読めない展開、スリルもあり、切なさもある。

    終わり方もまたいいですね、
    本編とは関係ないような、あるような、不思議な感じもしますし、
    この後、この人達はどの様な人生を歩んでいく事になるのだろうか?
    そこは、こうあって欲しいと言う思いを抱いたまま終わるって感じでしょうか。

    ドキドキハラハラと最後は切なさを感じる小説でありました!

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    2020年08月15日
  • 水の柩

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    いつもうまいと感心する。
    小説でしか表現できないことを探しているような気がする。

    蓑虫。中にいる黒い芋虫が本当の蓑虫。人間だってみんな、外に出てるところばっかりみられる。

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    2020年05月25日
  • 水の柩

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    ネタバレ

    過去現在が近過ぎて、どうにも分けられなくて、最初読むのに苦労しました。
    最後、乗り越えたところがよかったです。

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    2020年03月29日
  • 貘の檻

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    暗く、思わせぶりで不気味なトーンに加えて夢の描写が分かりにくく、とにかく読み難い。
    最後まで良い点を見つけられなかったなぁ。

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    2020年03月28日
  • カササギたちの四季

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    短編連作ミステリー
    コメディタッチのライトなミステリーです
    四季ということで、四作から構成されています。

    すべての物語で、リサイクルショップの店長カササギと売れない品物ばかりを引き取ってきてしまう日暮、店に入りびたりの中学生菜美の3人が絡みます。
    店長カササギがなにかと探偵気取りで謎を解き明かしますが、内容は頓珍漢で、実際には日暮が陰でフォローして真実を明らかにする構成。
    一つの物語で二重に楽しめるようになっています(笑)

    春ー鵲(かささぎ)の橋
    ブロンズ像をめぐる謎の解決。倉庫の中のブロンズ像でボヤ。誰が火をつけたのか?その真相は?という展開
    カササギの推理と日暮の真実

    夏ー蜩(ひぐらし)の川
    女性の弟子がいる木工職人の家へ中古家具を届けに行くと破損された木材と脅迫メッセージ。
    誰がそんなことを?その真相は?
    カササギの推理に対して明らかになる真実

    秋ー南の絆
    カササギたちと菜美の出会いのエピソード。
    菜美の家の家具を引き取りに行くと、猫が行方不明に。
    なぜ猫がいなくなったのか?

    冬ー橘(たちばな)の寺
    日暮に高値でものを引き取らせていた和尚に呼ばれ、その寺で起きた出来事。その夜、泥棒が入り、和尚の大切にしていた貯金箱が破壊される。
    なぜ、だれが、それを壊したのか?
    相変わらずのカササギの頓珍漢な推理に対して、日暮が明らかにする真相。そこには、あたたかな親子愛がありました。

    殺人も起きることなく、重いヒューマンドラマがあるわけでもなく、ライトな、そして、ほっこりするような、謎解き物語。
    単純に楽しめます。

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    2020年02月15日