道尾秀介のレビュー一覧
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東野⇒伊坂⇒道尾の無限ループ?
老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。
同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。
文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」敦子の頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。
だが、少女には秘めた決意があった。逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。。。
だんだんと道尾作品に求めているものと実際の作品が違ってきているのかもしれない。
デビュー当初(?)、道尾秀介の小説はとにかくミスディレクションと伏線と、ラスト近くの騙された感が満載だった。
そこが嫌だった部分もあったが、そこが最も突き抜けた魅力だった。
ただし、当時から少年少女を描くことが多く、そこは今も変わっていない模様。
…何が言いたいのかというと、道尾氏は「純文学」「文芸作品」方面に向かっていて
「ミステリ」を求めると残念なことになるという事。
で、この作品だが、凡そ「ミステリ」的要素は1点のみ。敢えて言えば祖母の いく の生い立ち辺りも含んでいいかもしれないが。
まぁ、その1点のみの「ミステリ」要素にまんまとやられた。
あの展開、あの書かれ方であれば、注意深い人でない限り絶対に敦子が自殺したものだと思うだろう。
見事にやられた。
ただ、そのおかげで終盤の展開がとても暖かく、明るい兆しのあるように思えた。
でも、やっぱり、道尾作品にはコメディ的な部分を求めてしまう。
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Posted by ブクログ
5,6年程前、初めて読んだ道尾作品。
この本を読んでから、お弁当を包む布は
裏が外側にくるように、開いた時に布の
表を見ながら、食べられる包みかたにと
私も変えました。逸夫の祖母は、孫のお弁当箱をいつもそんな包み方にしていたのです。
旅館の女将を引退した祖母。子供時代には、つらい過去があった。そして・・・・
子供時代を過ごした村は・・・・ダムの底に
沈んだ。村の貧乏な家の娘という身分を隠し偽り、旅館の女中として働いた。
そんな祖母は、主人に見初められる・・・・
結婚するからにはと、祖母は貧乏な
家の出の娘だと打ちあける。主人は、
そのことを秘密にしていてくれる。
幸せな人生を送るわけだが、女将引退後
認知症になってしまう。
過去のことを、皆には秘密にして生きてきた。認知症になったしまった理由は、皆に隠して生きてきたことが、重荷になっていたのではないか・・・・・
認知症の祖母に、今のダムの様子を
見せて良かったのだろうか?
祖母には、衝撃が強すぎたのではない
だろうか。
「水の柩」という題名の意味を、考える
作品でした。 -
Posted by ブクログ
パプアニューギニアに海外赴任中の姉の息子を預かり、借金をしながらギリギリの生活を送る、移動デリで経営をするバツイチアラサーの主人公夏都。
ある日、突然、中学生アイドルとそのオタク親衛隊に拉致される。
しかしながら、それは人違いの拉致であり、あれよあれよと芸能界の暗部に巻き込まれてゆく。
誰しもとは言わないが、意識してか無意識か、関わる集団ごとに顔を作ってしまうことはある。キャラを作ることで、自分を守るように。自己に自信のない者には多いのかもしれない。
身に付けた強みはどうしてある日、弱点になってしまうのか。自分の人生を守る武器だったものを他人を傷つける凶器として使ってしまうのか。いつから、大事な人がどれだけ自分のために傷つき、耐えてくれるかで、愛を計ろうとするのだろうか。
子供や女性の心理描写を描く筆は、相変わらず秀逸。 -
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短編連作ミステリー
コメディタッチのライトなミステリーです
四季ということで、四作から構成されています。
すべての物語で、リサイクルショップの店長カササギと売れない品物ばかりを引き取ってきてしまう日暮、店に入りびたりの中学生菜美の3人が絡みます。
店長カササギがなにかと探偵気取りで謎を解き明かしますが、内容は頓珍漢で、実際には日暮が陰でフォローして真実を明らかにする構成。
一つの物語で二重に楽しめるようになっています(笑)
春ー鵲(かささぎ)の橋
ブロンズ像をめぐる謎の解決。倉庫の中のブロンズ像でボヤ。誰が火をつけたのか?その真相は?という展開
カササギの推理と日暮の真実
夏ー蜩(ひぐらし)の川
女性の弟子がいる木工職人の家へ中古家具を届けに行くと破損された木材と脅迫メッセージ。
誰がそんなことを?その真相は?
カササギの推理に対して明らかになる真実
秋ー南の絆
カササギたちと菜美の出会いのエピソード。
菜美の家の家具を引き取りに行くと、猫が行方不明に。
なぜ猫がいなくなったのか?
冬ー橘(たちばな)の寺
日暮に高値でものを引き取らせていた和尚に呼ばれ、その寺で起きた出来事。その夜、泥棒が入り、和尚の大切にしていた貯金箱が破壊される。
なぜ、だれが、それを壊したのか?
相変わらずのカササギの頓珍漢な推理に対して、日暮が明らかにする真相。そこには、あたたかな親子愛がありました。
殺人も起きることなく、重いヒューマンドラマがあるわけでもなく、ライトな、そして、ほっこりするような、謎解き物語。
単純に楽しめます。