道尾秀介のレビュー一覧

  • 笑うハーレキン

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    息子を失い、経営する会社を倒産させてホームレスになった男が、仲間との生活を通して少しずつ自分を見つめ直して再生する物語。
    話の展開は面白く、疫病神の正体やビデオの真相なども意外性があって良いのですが、奈々恵の父親の肩書きと謎の老人の扱いが中途半端で収まりが悪い。そのせいで何となく不完全燃焼で終わった印象です。

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    2019年10月29日
  • 笑うハーレキン

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    ネタバレ

    展開に起伏があってなかなか面白かった。
    あとスピード感、テンポ感が良かった。
    でもテーマの一貫性があまりない感じ。
    人は皆ハーレキンの仮面を被って生きてるというテーマに繋げ方が説得力に欠けるような、最後の怒涛の展開で一気にまとめられてる感があって読んでいてしっくり来なかった。
    ラストは星新一的なぞっとする感じがあってよかったけど、エピローグで語り過ぎてるかなと。エピローグの内容は内容でよかったけど「エピローグ」としてしまうと蛇足感が否めない……。

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    2019年09月04日
  • 貘の檻

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    ネタバレ

    まぁ、ミステリー読んでいると、あぁこういうタイプが実は悪いことやってるよね、とかこの人怪しいと思わせといて実は良い奴だったとかあるでしょ。まぁ、だいたいその予想通り。
    主人公の見る悪夢が作品の読み進む上でアクセントになっているけど、若干違和感があるというか、何十年もあとに自殺を考えるほどか、と思わなくはない。

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    2019年08月13日
  • 球体の蛇

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    ウソと過ちの連鎖、知らないうちの共犯関係。普通に生きていくのは楽ではないなあ、と思わされるのだが、明かされていく真相のゾワゾワ感はそれほどではなかった。もっとそれぞれの登場人物に感情移入して読むことができればよかったのだが。ミステリー度低、気持ち悪さ中。

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    2019年08月12日
  • 満月の泥枕

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    6年前に不運が重なって娘を死なせてしまった二美男と、父を亡くして二美男と同居している姪の汐子。
    地元の祭りの夜、酔った二美男は小さな悲鳴と何か大きなものが池に落ちる音を聞く。
    池に沈んでいる何かを拾い上げるため、アパートの住人達とある計画を立てる二美男。

    読みにくい訳ではないが、続きが気になって仕方がないというこ事もなく、さらりと読んだ。
    切なくも、じんわりほっこりするお話。
    道尾氏にはパンチを期待してしまうが、そういうのはなかった。

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    2019年07月11日
  • 満月の泥枕

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    67ここにも明日に向かい合えない男がおり、それを周りのお節介が変化させていくというお話。木内氏の探偵の方が生きがいいかも。

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    2019年06月09日
  • 晴れた日は謎を追って がまくら市事件

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    いつ買ったか忘れるほど前から積んでいました。浜田青年、こんなところにイタンスカ。不可能犯罪ばかりが起こる蝦蟇倉市を舞台にした短編集で、伊坂幸太郎の『ジャイロスコープ』に収録されていた「浜田青年ホントスカ」を改めて読む。

    複数の作家による連作というわけでもないから、この短編集に臨む作家5人の姿勢いろいろ。前の作家の話をまるで気にせずに書いている人もいれば、小ネタ程度に話題に出す人もいる。その点で、道尾秀介から伊坂幸太郎への流れは連作風の楽しさを味わわせてもらえました。蝦蟇倉市地図の掲載もオツ。

    異なる作家陣による2作目もあるとはつゆ知らず。次も是非というほどにはこの1作目全部が全部は面白くな

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    2019年03月11日
  • 花と流れ星

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    連作。
    一話ずつ短くさらりと読みやすいが、
    もう少し深く謎に浸かっていたい気もした。
    細やかな心理描写が上手い。どこか村上春樹風味も感じた。

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    2019年02月15日
  • 満月の泥枕

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    久しぶりに読んだ道尾秀介。
    なんだかほのぼのとした感じで進んでいった。
    歌野さんのような…?
    どうしようもない主人公だなぁと思いながら、汐子ちゃんのキャラが素敵すぎ。
    このまま一緒に歩んでいって欲しいなぁ〜。

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    2019年02月14日
  • 花と流れ星

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    売れない作家として自分を出演させちゃうのアリなのか…
    前作を読んでなかったので読んでてところどころ寂しい気持ちになった。
    「モルグ街の奇術」が印象的で、時間も場所も全く違う場所の出来事を推理する探偵モノかと思いきや、ラストシーンでめちゃくちゃ衝撃を受けた。締まり方がとにかく綺麗だった。

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    2019年02月03日
  • 花と流れ星

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    死んだ妻に会うために霊現象探求所を構えている真備。
    真備とその助手の凛、売れない作家の道尾が様々な事件を解決していく。

    真備庄介シリーズの短編集。
    前作のように霊現象を探究するようなエピソードは無いけども、真相から読者の視線を逸らして誤った方向に促し、最後に謎が解かれた時にものがなしい物語が浮かび上がる、というミステリのようなサスペンスのような、「奇妙な味」が冴えわたる短編集となっています。

    一番心に残ったのは最後に据えられた「花と氷」。
    優しい余韻を残す、作者のまなざしが暖かいお話でした。
    弱く哀しい人間心理を鮮やかに紐解いて見せる手腕が見事で、上質なミステリへと昇華させています。

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    2019年01月06日
  • 花と流れ星

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    町田市に事務所を構える霊現象探求所。
    死んだ妻に会いたくてこの生業を始めた主人公、事故で姉を亡くした美人助手、売れない作家。
    そんな三人の元へ、傷心を抱えた人々が訪れる。
    友人の両親を殺害した犯人を見つけたい少年、自分のせいで孫を亡くした老人...
    五篇の短編集。
    道尾氏の作品はどれも、そこはかとないもの寂しさが漂う。怨み、妬み、嫉み。如実に表すのではなく、時間が風化させたと思いつつも、ふとした瞬間にじんわり思い出すような府の冷たい感情。これらを、子供の心情に合わせて描くのが非常に巧い。
    ほんのり温かさを感じるミステリでした。

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    2018年10月25日
  • 鏡の花

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    道夫秀介らしくない作品。情景描写がしつこく感じた。登場人物がリンクしているから、読み進めていくうちに感情移入も高まる。しかし、一貫性のようなものがあまり感じられなく、結局物語の柱が何だったのかもイマイチよくわからない。ただ、その場その場の登場人物の心情は丁寧に描いていると思う。特に老夫婦と成人した息子の話にはグッとくるものがあった。鏡は左右反転ではなく前後反転、というセリフが物語を貫いているのかな?あの子が生きていたら今頃は…的な話。

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    2018年10月13日
  • 瞬間探偵 平目木駿 1

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    作者はハイセンス熱血漫画家の印象が強いものの、本作は児童誌向けロジッククイズ漫画。謎解きページに「ブックマーク機能」があるのが面白いw

    コミカルな描写が多い本作だけど、「犯人の豹変」とかの描写をみるにつけ、ガチの殺人事件ものとかもいけそうだなーとか思ったり。

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    2018年10月08日
  • 満月の泥枕

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    道尾さんが今まで書いた主人公の中で一番好きというのがよく分かった、好きそう(笑)

    どこにでもいそうな人達で多分皆誰かしらに当て嵌まるような将来の自分のような。そんな人達が大事件を起こして、破茶滅茶になっていきます!(笑)
    ただ読み終えると、愛おしさ、そして人間同士の繋がりの儚い美しさがあった。人間って脆いけれどだからこそ人間って良いな、と思える時があるのだろうね。
    と思える作品です。

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    2018年09月20日
  • カササギたちの四季

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    2018年、21冊目は、ライト感覚(という噂の)ミステリ調の、道尾秀介。

    リサイクルショップ・カササギを舞台に、店長、華沙々木、副店長、日暮、入り浸る女子中学生、南見の周りに起こった四つの事件。探偵気取りの華沙々木が事件を解決して行くが、真相は……。四季を追いながら展開される、連作短編。

    確かに、自分の既読の、道尾作品と比べるとライトです。起こる事件も殺人事件ではなく、主に、窃盗や器物損壊だし……。

    ただ、全体的に軽めながらも、描写や比喩は秀逸。また、中国や、ギリシャの神話の引用的なモノも上手く機能している。

    そして、裏テーマは、家族の形かな(❔)。

    『向日葵の咲かない夏』の対極的一

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    2018年08月29日
  • 満月の泥枕

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    汐子と叔父の凸貝二美男の貧乏アパート暮らしに起きる事件。
    中盤だれるけど
    ドタバタ感あり、じんわり感あり。

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    2018年08月27日
  • 鏡の花

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    最初の話だけアンソロジーで読んだことがあって、ああこうなっていたのかと全体を読んで思いました。
    SF的にいえばパラレルワールドとも言えるかもしれませんね。
    第5話まで読んでどう収集するんだろうとおもったけれど、最終章が個人的にはあまり好みではないです。
    それが残念。

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    2018年08月24日
  • 満月の泥枕

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    ネタバレ

    子供を亡くしたオジサンと引き取られた姪っ子が、おんぼろアパートに住むご近所さんたちと騒動に巻き込まれていく。

    お祭り、龍、池に沈んでたドクロ、鉱山博物館での大騒動とストーリーは進んでいきますが、中盤までがなかなか展開が進まず、読むのに時間がかかってしまいました。

    姪っ子の汐子ちゃんがおいちゃんに「幸せになってもええねんで」って言います。
    変わらないものは変わらないから。自分が苦労したって何も変わらないんだから、楽しい方がいいでしょって。

    そんなこと、言ってくれる姪っ子が側にいるオジサンはシアワセです。

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    2018年08月05日
  • 満月の泥枕

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    ネタバレ

    *哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。ろくでもない生活の終わりは、いつくる?生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作! *

    下町風情の人々との関わり、あたたかな描写、せつない事情。ややドタバタを盛り過ぎなのと、途中の中だるみ感を除けば、さくさく面白く読めます。ラスト近くの、娘を死なせてしまった自分は罰を受け続けるしかない、幸せな日なんてあってはいけない…のくだりには泣けた。

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    2018年07月28日