道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつ買ったか忘れるほど前から積んでいました。浜田青年、こんなところにイタンスカ。不可能犯罪ばかりが起こる蝦蟇倉市を舞台にした短編集で、伊坂幸太郎の『ジャイロスコープ』に収録されていた「浜田青年ホントスカ」を改めて読む。
複数の作家による連作というわけでもないから、この短編集に臨む作家5人の姿勢いろいろ。前の作家の話をまるで気にせずに書いている人もいれば、小ネタ程度に話題に出す人もいる。その点で、道尾秀介から伊坂幸太郎への流れは連作風の楽しさを味わわせてもらえました。蝦蟇倉市地図の掲載もオツ。
異なる作家陣による2作目もあるとはつゆ知らず。次も是非というほどにはこの1作目全部が全部は面白くな -
Posted by ブクログ
死んだ妻に会うために霊現象探求所を構えている真備。
真備とその助手の凛、売れない作家の道尾が様々な事件を解決していく。
真備庄介シリーズの短編集。
前作のように霊現象を探究するようなエピソードは無いけども、真相から読者の視線を逸らして誤った方向に促し、最後に謎が解かれた時にものがなしい物語が浮かび上がる、というミステリのようなサスペンスのような、「奇妙な味」が冴えわたる短編集となっています。
一番心に残ったのは最後に据えられた「花と氷」。
優しい余韻を残す、作者のまなざしが暖かいお話でした。
弱く哀しい人間心理を鮮やかに紐解いて見せる手腕が見事で、上質なミステリへと昇華させています。
真 -
Posted by ブクログ
2018年、21冊目は、ライト感覚(という噂の)ミステリ調の、道尾秀介。
リサイクルショップ・カササギを舞台に、店長、華沙々木、副店長、日暮、入り浸る女子中学生、南見の周りに起こった四つの事件。探偵気取りの華沙々木が事件を解決して行くが、真相は……。四季を追いながら展開される、連作短編。
確かに、自分の既読の、道尾作品と比べるとライトです。起こる事件も殺人事件ではなく、主に、窃盗や器物損壊だし……。
ただ、全体的に軽めながらも、描写や比喩は秀逸。また、中国や、ギリシャの神話の引用的なモノも上手く機能している。
そして、裏テーマは、家族の形かな(❔)。
『向日葵の咲かない夏』の対極的一