道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観】と本の紹介にはあったので、もっとミステリー要素の強いのかな、と思って読み始めたが、読んでみての個人的な印象としては、ミステリー感は薄かったような気がする。
とは言え、章が進むごとに、見えていた事実が事実とは異なり、新たな事実が見えてくる。そんな物語の進み方は、やはり道尾さんらしいミステリーとも言えるのかもしれない。
この小説では、「嘘」が1つのキーになっていると思う。嘘にも、色々と種類があって、人を騙すための悪意ある嘘だけではなく、逆に人を思うが故の嘘もあるし、自分のつらさやコンプレックスを隠したいだけの嘘もある。ちょっとしたおふざけのこともある。
けれど、そんな様々な「嘘」が、複雑に絡み合って、思いもよらないことが起き、人の生き方にまで影響を及ぼしていく、、、やるせない気持ちにもなった。 -
Posted by ブクログ
「道尾秀介」の長篇作品『月の恋人―Moon Lovers』を読みました。
『鬼の跫音』、『龍神の雨』、『球体の蛇』、『光媒の花』に続き「道尾秀介」作品です。
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フジテレビ系月9ドラマとコラボ。
若きカリスマ経営者、つまずきながら生きる元派遣OL。
恋の行く手にはいくつもの謎がある。
不甲斐ない彼氏と理不尽な職場を捨て、ひとり旅に出た「弥生」は、滞在先の上海で「葉月蓮介」と出会う。
「蓮」は、高級家具を扱う「レゴリス」の若き経営者として注目される存在だった。
一方、この街に住む「シュウメイ」は、美貌を買われ、「レゴリス」のCMモデルに選ばれるも、それをきっぱりと断っていた―。
恋は前触れもなく、始まった。
「道尾秀介」があなたに贈る、絆と再生のラブ・ストーリー。
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恋愛小説として愉しめたし、「道尾秀介」らしさもあってクオリティの高い作品だと思いますが… でも、何か「道尾秀介」作品に期待しているモノとは違う感じがするんですよねぇ、、、
良い悪いではなく、なんだか「道尾秀介」作品らしくないという感じ… ゴールデンタイムのドラマ向けに書き下ろされた作品なので、これまでの「道尾秀介」作品と雰囲気が違うのはやむを得ないのですが、やっぱり、心のどこかでミステリ色が強くて、暗さと怖さのある作品を期待しているんでしょうね。
■第一章 二十七年前のなぞなぞ/二十七年間の嘘
■第二章 眩しい世界/いちばん綺麗な花火
■第三章 想いのはじまり/嘘の終わり
■第四章 無情な裏切り/REGOLITH
■第五章 哀しい別れ/寂しい祭り
■第六章 日陰の老木/丘の一本木
■第七章 思わぬ便り/無言の同意
■エピローグ 再見(ツァイチェン)/さようなら
■あとがき
ひと昔前の少女マンガを読んでいるような、もどかしい三角関係、四角関係が展開し… そして、収まるところに、キチンと収まるハッピーエンドで、気持ち良く読めました、、、
ドラマの方は全く観たことがないのですが… 登場人物も異なり、本作品で準主役として重要な役割を果たしている「椋森弥生」を含めて、ドラマには登場しない人物が多数登場し、展開もまったく異なっているようですね。
気楽に読めて、それなりに面白かったけど… なーんか物足りない感じ、、、
次はミステリ要素の強い作品が読みたいなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】道尾秀介「眠らない刑事と犬」/大山誠一郎「カラマーゾフの毒」/芦沢央「アイランドキッチン」/方丈貴恵「影を喰うもの」/浅倉秋成「糸の人を探して」/森川智喜「フーダニット・リセプション」
「眠らない刑事と犬」『N』所収。ペット探偵に犯行現場からいなくなった犬探しを依頼する刑事。母親の気持ちがよくわかる。
「カラマーゾフの毒」 悪役俳優鹿養大介の安楽椅子探偵もの。『カラマーゾフの兄弟』に出てくるような一族で発生した毒殺事件。家政婦が見ている前で、どうやって犯人は被害者に毒を盛ったのか。解説によると、シリーズが完結したので、来年単行本になるそうだ。
「アイランドキッチン」 引退後家を買おうと思いついた元刑事。不動産屋で紹介された物件に過去の事件現場があったことで、当時を思い出す。いやいや妻に相談もせず思いつきで家を買おうとは。それで妻孝行する気分になっているところが情けない。このおじさん本気かよ、へたすると離婚案件になっちゃうな、と別のところで気が揉める。まあ伏線なんだけど。もう一組の勘違い夫に妻はいつまで我慢できるかな。それにしても過去の事件がつらく、後味は良くない。大きな声で自信ありげに繰り返されると信じてしまう。コマーシャルならまだいいけれど、誹謗中傷はきついな。ないことを証明するのは無理だもの。「いい」人ほど生きづらいわけだ。この元刑事を主人公とする連作のアイディアがあるそうだ。
「影を喰うもの」 生き物の影を喰い、その生命を奪う影魚。それに喰いつかれたのは友人か愛犬かをロジックで解き明かす。特殊設定ものながらロジカル。そしてオチは予想がつくがやはりシュール。
「糸の人を探して」 自分を見初めたという相手を合コン相手から探す恋愛経験ゼロの主人公。コミカル。
「フーダニット・リセプション」 犯人当て推理小説の解決編にコーヒーをこぼして読めなくした高校生が、虫食いになった原稿を穴埋めする。論理パズルだと思えば面白いが、コーヒーをこぼした女子高生のキャラが苦手というか不快で斜め読みしてしまった。