道尾秀介のレビュー一覧
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ネタバレ道尾秀介の短編集。
知的で幻想的、じっとりと仄暗い。全編にわたり、文体が醸し出す雰囲気がとても素敵でした。道尾さんって、いつもこんな感じだっけ?
特に好きだったのは、「ケモノ」。
猟奇殺人の足跡を辿りつつ、最後にはそれが主人公と重なるという衝撃のラスト。
文字を用いた面白い構成だったし、叙述トリックにも上手く騙されたし、凄く好みでした!
他の作品も素敵で、奇抜な設定や妖しげな雰囲気が読む手を止めず、退屈しなかったです。
ただ、オチの説明が省かれて、こちらに投げかけてくるテイストのものが多く、やや難しい印象も。
「箱詰めの文字」については、オチの意味をあまり汲み取れませんでした…。
面白かったですが、不思議な設定であるが故、感情移入がしにくかったり、必要以上に第三者的な目で読んでしまう部分もあったかと思います。
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Posted by ブクログ
それぞれの章では逃れられない不幸や登場人物の些細な行動をきっかけとして、大切な存在が失われてしまった家族の話が描かれる。
あと一歩早ければ。あんな言葉をかけなければ。どうすることもできない自分。そんな起きてしまった誰のせいでもない不幸に苦悩し、悶々とした日々を過ごす登場人物たち。そんな彼らの人生を6つのパラレルワールドを通して見ていくことになる。
この作品をより深くより難しいものにしているのは、残酷な分岐が必ずしも悪い方向だけに作用してはいないということ。
不幸が起きたからこそ、他の世界線ではなんともない関係だった姉の友達に特別な感情を抱くことになったり、不幸が起きなかったからこそ、遠い未来で別の大切な存在を失うことになってしまったり。
人として生きている以上、いつか訪れることになる等身大の不幸から目を背けず、押し寄せる欠落感と折り合いをつけている登場人物たちは、悲壮感に溢れていつつもどこか気高く、美しかった。
他人との交流は世界をぐっと広げたり、逆にぎゅっと狭めたり、自分にとてつもない影響を与えているのに、どれだけ影響を受けているかを自分で把握することは難しい。だからこそ日常の中で訪れる小さな選択も、できるだけ悔いのないものにしようと思わせてくれた作品だった。 -
Posted by ブクログ
ラジオパーソナリティを務める素敵な声と冴えない容姿の持ち主・桐畑恭太郎は、仕事終わりにいつもの仲間たちと飲みかわすべく、行きつけのバー『if』へ訪れる。大雨のその夜、びしょ濡れになった美女・三梶恵がバーに迷い込んだことをきっかけとして、『if』に集うメンバーは彼女の殺害計画を手伝わされることに。
恵の計画に振り回される愉快な飲み仲間たちと恭太郎。恭太郎は傍若無人な恵に呆れつつも次第に心惹かれていき……。そんな道尾秀介先生の描くドタバタコメディと思いきや、最後にはまさかの結末が。テンポよく進んでいくギャグのような掛け合いも、このラストのためだったのかと思えるほど。
気になって読み返すと、いたるところに伏線があるのなんの。この作品を読み終えたあと、読者はきっと主人公の恭太郎が大好きになっていると思う。
どこか初恋の人の面影を感じる恵に恋をし、些細な勘違いから自己嫌悪に浸る、そんなガラスハートのチキン男。それでいて多くの人が立ち竦んでしまうような状況下でも、大好きな人のために立ち上がる姿が本当に愛おしい。愛すべきバカという言葉がこれほど似合う男がいるだろうか。こんな人になりたいと思える人物像を示してくれた。 -
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滑り込みで夏の読書となったクリスマスのお話(^^;
最初のお話好きだなぁ。騙されてあっという間に真相がわかる叙述トリックもあり(笑)
苦手なファンタジー要素は出てくるものの、童話の世界だと分かっているので、なんでもアリな感じではなく想像もしやすい。全然問題なかった。
圭介の作った物語もおじいさんが作ってきた物語も優しくて好き。
ただ、3話目の「あのね…」で話が途切れる箇所が何回かあるのがもどかしい。結局何なのか分からなかったのは、私の読解力のなさかな。
最後に出てきた若い男女はあの2人ではないの?(他のサイトで違うこと書いてあるの見た)とか。
とても感動する良いお話だっただけに、ちゃんと理解できなかった自分が悔しい! -
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ネタバレ【収録作品】「ある部屋にて」 今村昌弘/「転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件」 結城真一郎/「二〇XX年の手記」 潮谷験/「血腐れ」 矢樹純/「同好のSHE」 荒木あかね/「モーティリアンの手首」 白井智之/「ハリガネムシ」 道尾秀介
「ある部屋にて」 倒叙形式に一ひねり。
「転んでも……」 「ゴーストレストラン」を舞台にしたブラックな安楽椅子探偵もの。シリーズの1編。燃えさかるアパートに、「女」はなぜ勇んで飛び込んでいったのか。
「二〇XX年……」 近未来の独裁国家のある特別な人間を集めた集落で起きた事件を描く。
「血腐れ」 ホラーミステリ。
「同好の……」 夜行バスで出会った二人の女性。
「モーティリアンの手首」 異星生物の発掘現場で、生前に手首を切断された死体が発見される。3万年前、この死体に何があったのか。
「ハリガネムシ」 〈きこえる〉シリーズ第2弾。最後にQRコードがついていて、作中で登場するのと同じ音声を聞くことができ、それにより謎が解ける。 -
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考察・推理好きな方には堪らないだろう、道尾先生ならではのクセ強々で悪戯で意地悪(笑)な、写真と短い文から読み解く謎かけショートショートストーリー50。
挑戦的というか遊び心に弾けてるというか(笑)。じっくり展開を読み進めるものでもなく、主な登場人物というものもないので、読後はあっさりさっぱりテイスト。ミステリークイズみたいでした。
あっという間に読み終えてしまうんですけど、一つ一つに読み手に投げかけられていく謎問いは色々考えさせられる。
正直何回読んでも「う、うーんっ、さっぱりわかんない!」ってお話も数話あり、どなたか頭の良い方の考察が欲しいです(諦めるな)。
ゾッとするものやクスッとしてしまうもの、SFっぽいものやら幅が広い。ちょっと『シャドウ』を思わせたものもあったり。
頭使うので、頭の体操にいいかもしれないと思った。ただかなり好みは分かれそうな作品でもあるので、書店で実際目を通してみるのもいいかなと。
写真で見るという点では『いけない』シリーズに似ていますが、今作は短過ぎるが故に更に難解さを感じました。
正直言えば私は推理力も考察力も乏しいので、今作はちょっと苦手系だった(笑)。
『世界平和』『思い出』が好き。言葉なるほどでは『干しガキ』。シュールさでは『ちょっと遅かった』。
個人的には登場人物の肉付けある起承転結ありのお話が好きなので、このタイプの作品だともう読まないかな。道尾先生の作品は大好きなんですが。
『雷神』のような長編がまた読みたいです。