道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ両親の離婚、クラスに馴染めず不登校、母が出会い系で別の男を探してた、わたしの中学生時代の何もかも嫌になった時期を思い出した。
1つ嫌なことがあると、他のことも上手くいかないって思ってどんどんネガティブ思考になって抜け出せないんだよなぁ。周りの些細な表情や言葉も敏感に感じ取っちゃって生きづらかったあの頃は...。
「何か、粘着質の音が聞こえた。鳴海の父親の、微かな声。同じくらい微かな、純江の声。そしてふたたび静かになった。その静けさの中に、先ほどと同じような粘着質の音が、また聞こえた」(P222)
慎一が車にて、母と鳴海の父の密会現場に潜むシーン。口付けを「粘着質の音」と表現してるのが印象的。母が他の男と性的行為をしてるのを想像するだけでもゾッとするのに、慎一は現場に居合わせちゃうんだからすごい度胸。俺だったらその後、まともに母と顔合わせられないかも。
「鳴海は昼寝から覚めたように、しばし春也に顔を向けていたが、さっと恥ずかしそうに身体を硬くし、それから相手に笑いかけた。前髪で隠れた額は軽く汗ばみ、耳たぶが熱ってピンク色になっていた」(P259)
慎一、春也、鳴海の三角関係は台詞を使わず表情や仕草だけで、照れ、嫉妬、ショックなどを表現してるのが上手い。鳴海と春也の距離がだんだん近づき、慎一が可哀想になってきて切ない。
「『ね』って、逃げてく奴をロープか何かで捕まえとるみたいやろ。このほら、縦の棒が人やとして、首んとこからぐるぐる巻いて、ぎゅっと掴んで」(P34)
春也が「ね」を書きまくる場面が狂気を感じで怖い。他にもヤドカリを躊躇なく潰したり「あ、こいつサイコパスや...」って序盤から感じた。慎一宛のイタズラ手紙はなんとなく「春也が書いたんだろうなー」と予想してたので、慎一が春也が書いたのだと見破るシーンの驚きは少なかった。
最後鳴海の車に乗ってたのは春也なのかヤドカリ神なのか気になる。でも父親を結局殺せなかった春也が慎一のためとはいえ、鳴海の父を殺そうとするかなぁ。モヤモヤして気になる。 -
Posted by ブクログ
母親を癌で亡くした小学五年生の我茂凰介。父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まった。そんな我茂家に様々な気遣いをしてくれたのが水城一家で、父同士、母同士、子供同士が同級生の両家は深い関係で結ばれていた。一方、水城家も問題を抱えており、凰介の同級生亜紀の母親が自殺を遂げる。さらには亜紀が交通事故に遭ってしまい…
多視点描写によって真実を上手く覆い隠しながら、数多く散りばめられた伏線によるミスリードが巧み。ダブルミーニングを用いて、行間を読む読者をまんまと罠に嵌めつつ、終盤にかけて二転三転たたみかける展開は著者の十八番。しかしながら、精神障害(サイコ)を扱ったこの手の作品は先例が数多くあり、新鮮味に欠ける。犯行プロセスもいささか強引で、警察が真相に辿り着けなかった点も疑問。小学生は辿り着けるのに。。。
週刊文春ミステリーベスト10 10位
このミステリーがすごい! 3位
本格ミステリ・ベスト10 6位
本格ミステリ大賞 受賞(2007年)
本格ミステリ•ディケイド300 選出