柴崎友香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何か起きそうで起きない
無さそうでありそう、あったのでは?
と思えるような思えないような短編というより
「断片」
神様の視点で、ググッとある時代のある場所のある場面が描かれ、突然サッと終わる。
私達は人間で生きれて百年ちょいの人生の中で全人類の全エピソードに触れることなんてできなくて、繋ぎ合わさった断片の断片をチラッと見るくらいしか出来ない、と思わされた。
だからこそ一瞬を大切にしたいなと少しだけ思いました。
なんてそんな教訓めいても無いんですよ
本当に断片だから、普通に生きてたら教訓めかないし…暮らしていくだけだから、ほんと
感想文だと小綺麗にまとめたくなってしまうけど、コレは絶妙なバランスで「起こらない」
前に読んだ民俗学の学者さんがいろんなエピソードを詰め込んだ本にちょっと似てた。
これ読んでから「帰れない探偵」を読むと柴崎作品の「いつかのどこかには居る感」が自然に馴染めながら読めた気がする。 -
Posted by ブクログ
ぎゃーーーーー!!!!
わからんっ!この本が何を言いたいのか私にはさっっっっぱりわからんっ!!(号泣)
YouTubeの何かの動画でオススメされてたので購入。タイトルにも惹かれるし、ワクワクして読み進める。最後の最後にどうなるのかしら?!ワクワク!!
……!!
おわり??あれ?終わった…おわってまった…。
国語能力がないとこんなにわからないものなのかっ!?!昔から国語の成績は本当に悪くて、いつも作者の言いたいことは当てられなかった私では理解できないというのかっっ?!
という気分を久しぶりに味わいました。
内容はとても面白いです!
でも何を言わんとしているのか冗談抜きで私には理解できず…悲しい…
三宅さんの解説が聞きたい…どなたかの解説を聞いてから読み直したら、わかるのかもしれない…
本当に字面を読んだだけの状態の私に誰か解説してぇぇー
もしや私がわかるのも10年後なのかもしれない…
(うまいこといったかも? 言ってないか) -
Posted by ブクログ
すごく面白かったです。
なんだか変わってて・・・。
7つの短編はすべて、「今から十年くらいあとの話。」から始まります。どこかで謎解きされるのかと読み始めましたが、最後まで「今から十年くらい後の話」でした。
近く来る未来なのか、そこはどこの国なのか、想像を挟みながら「わたし」が世界中の町で探偵の仕事をしている様を読み進めました。
帰れる家がない、国がない、少し浮き草のような「わたし」の生き方。
時代も場所もはっきりさせていないのに、「世界探偵委員会連盟」はくっきりはっきり存在感があって、なんだかおもしろい。
依頼者が数字繋がり、色、植物とかもおもしろい。
請け負った探偵の仕事も淡々と描かれていますが楽しく読めて、トータルですごく好きな感じでした。 -
Posted by ブクログ
凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験をもとに感情が描かれていて、一読するだけでは飲み込みきれなかった部分もあった。一作ずつ丁寧に読みといていきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ素晴らしかった。心がずっとぎゅっとなりながら読んだ。若者ことばでいうエモい、ってこんか感じなのだろうか。
岸さんの書く文章を読むとなぜかちょっと泣きそうになる。文章の合間にほろ苦さと痛みと優しさの中間みたいなものが溢れていて読んでいる間じゅう胸がいたい。自分も育ってきた時代の大阪(私は市内じゃなく府、だけど)を一緒に辿りながら、自分の子ども時代や若いときのことを思い出した。
特に柴崎さんとは歳が一個違いとあって、消費してきたポップカルチャー、お笑い、テレビ、映画など、懐かしくて、今から思うと豊かな時代だったんだなと思う。東京に来る海外のコンサートや美術展も大阪に巡回する頻度が目に見えて減ってしまった。
とにかく気持ちでなんだか読んでしまう本で、最後の西加奈子さんの解説も良くて、うまく感想がまとまらないけれど、とりあえずものすごく良い本だった。
あとtoi booksが出てきて嬉しかった。
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Posted by ブクログ
「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。
痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを覚えている)。この社会で、そうやって女性は、否応がなしに「私の身体」は本当に私のものなのかと、「私」がモノとして扱われ得るということに向き合わされてしまう。時には、まだ第二次性徴も迎えていないうちに。だからこそ、このようなアンソロジーが興味深い。
とはいえ男性視点の「身体」やその社会的表象については私にはわからない部分なのだが(この辺りのアンコンシャスバイアスについて、鳥飼茜さんとパートナーの方との会話が面白かった)。男性作家たちに、同じテーマでアンソロジーを書いてもらったらどのようなものが生まれるのだろう?と好奇心を抱く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ岸さんと柴崎さん、そして私にとっての大阪
大学進学を機に大阪に住み始めた岸さんと、三十二歳になる直前まで大阪に住んでいた柴崎さん。
「わたしにとっては、大阪を書くことは、自分の生きてきた時間と場所と、関係のある人を書くことに、どうしてもなってしまう。」(P16)
柴崎さんは大正区の南の果てご出身、私は大阪市の北の果てに住んでいた(身内に美容師がいるのも同じ)ので「ああ、こういう感じだったなぁ」というところと「南のほうはそうだったんだ」という答え合わせのようでとてもとても興味深く…私が実家やその周辺で子供だった頃、柴崎さんも柴崎さんの場所で子供だったんだなというノスタルジーも感じつつ読みました。
「三十年前に私ははじめて大阪にやってきて、淀川の河川敷に出会い、大阪の自由を感じた。そして、そこから同じ三十年という時間を遡ると、大阪は、阪急百貨店に子供が捨てられる街だったのだ。」(P63)
岸さんサイドは大阪に移住してきた人の心情が丁寧に細やかに描かれていました。私にとって場所として馴染みがあるのは岸さんサイドのエッセイ。野良犬のことが書かれていて、小学生の私が飼った犬は友達が拾った野良犬だったので懐かしく思いました。
居場所を語ることは人生を語ること。でも今の住んでる場所は仮住まい感をヒシヒシと感じるので生まれ育った場所というのは特別なんだなと再認識しました。 -
Posted by ブクログ
「続きと始まり」(柴崎友香)を読んだ。
やっ!柴崎友香、ただ者ではないな。
『帰れない探偵』を読んだ時の衝撃が忘れられずに他の作品も読みたくなったのだが、これはまた素晴らしい。
しみじみと読んでしまう。
西と東の大震災の、新型ウィルスの、ゲリラ豪雨の、過ぎ去った後であったり、最中であったり、その時その時の普通のひとたちの普通の生活を大仰にではなくさらりと描く。だけどその視線は細やかで核心を射抜く。
ああ、確かに、《の前の続き》は始まっているんだよな。何かが少し(でも確実に)違っているんだけれどさ。
以下、引用する。
「どうすればよかったのかわかるのは、いつもそれが過ぎたあとだよね」(本文より)
「なんもなかったみたいに、なんも変わってないみたいに見えた」(本文より)
何というわけではないのに沁み込んでくるのが柴崎友香さんの持つ文章力なんだな。