柴崎友香のレビュー一覧

  • 公園へ行かないか? 火曜日に

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    すごくよかった。読み終わりたくなかったくらい。
    柴崎友香さんが実際に、アイオア大学の、世界各国の作家が集まるライティング・プログラムに参加したときの話。(「小説集」って帯に書いてあったけど、エッセイだよね。エッセイって言っちゃNGなのかな? 小説よりエッセイっていったほうが手に取りやすい気もするけど。わたしも読むまで、小説仕立てになってるのかな?って思ってたけど、エッセイだと思う)
    世界各国の作家や詩人が集まって、合宿みたいに大学内に宿泊して朗読会や翻訳会を行ったり、週末には旅行したりするプログラムそのものも興味深く、「留学生活」っぽい話も楽しく、それぞれ話す言葉も境遇も違う作家たちと親しくな

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    2018年08月08日
  • ドリーマーズ

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    柴崎友香さん始めて読みましたが、めちゃくちゃ良かったです。
    夢か現実かよくわからない曖昧な世界での淡々とした会話や、何気ない日常が読んでいてとても心地良かった。

    他の作品も是非読んでみたいです。

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    2018年03月07日
  • パノララ

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    新しい町に住むと知らない路地を歩いたり、日常でなかったものが当たり前になっていく。顔見知りもできたりして、自分の人生の一部になっていく。都心の風景は他とは違う速度で変わり続けるから同じではないけれど、そこにいたことで救われたりもする。

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    2018年01月18日
  • 青空感傷ツアー

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    ページをめくる手が止まらない、それくらい面白かった!柴崎さんの作品って内容自体は何てことはないのに何故だか面白い。大阪弁の会話の心地よさも抜群。そしてリアリティ。この子たち絶対知ってる子やわ…って思ってしまうねんなぁ。

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    2017年12月10日
  • また会う日まで

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    柴崎友香の女の子が主人公の話はだいたい友だちの話をきく感覚で読むけど、これはわたしだと思って読んでる。単行本でも数えてですけど、何度目かの再読。毎回そうそうって思う。

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    2017年09月13日
  • 春の庭

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    『ソーセージマフィンは、予期したとおりの味だった。ハッシュポテトもミルクも、過剰でもなく不足でもなく、それは快適ということだと、わたしは思った』―『出かける準備』

    柴崎友香の作品で一番好きな作品はやはり「きょうのできごと」ということになるのだけれど、これはジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」という映画を彷彿とさせる設定のオムニバス的作品だ。但しジャームッシュの映画には必ず出てくるとても個性的な人物が登場したりはしない。ただゆるゆると過ぎてゆく一日の中に流れる輻輳的な物語(それは毎朝の混み合った電車の中にもあるに違いない物語)の描き方が似ていると思うのだ。そんな非日常ではない日常を

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    2025年09月05日
  • 週末カミング

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    文庫になったのでもう一回。お風呂で何ヶ月かかけてじっくり読んだ。再読で、他の短編集で読んだのもあるけど、読むたびに気にいるポイントが違っておもしろい。
    今回は他人っぽさ。自分以外のことは、自分とは関係がないと思うこと。
    女の人の書いた小説で主人公が「おれ」っていうの(つまり男性が主人公)とか逆とか基本嫌なの。でもそれっぽいかどうか、柴崎友香の小説だと全然気にならない。風景を想像しながら読むのが楽しい。

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    2017年07月08日
  • 週末カミング

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    その懐の深さが、私は泣きたくなるくらい好きだ。
    あとがき、瀧井朝世氏の解説も含め良かった。
    ハルツームの話好きだな〜。会社で昼休みに読み進めていたが、いつもほっこり幸せ気分になっていた。

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    2017年03月07日
  • ビリジアン

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    色彩と外人と10代の記憶を詰め込んだエッセイのような空想・妄想も絶妙に絡まるストーリー。
    途中でサラッと衝撃告白があり、それにより最後の2編あたりはぐっときたし、なぜこのタイトルにしたかも理解すると切なく深い。
    これの書き手の本当のシチュエーションは明らかになっていないが、この手の小説なのでそこは読者の想像にお任せします、なのだろう。
    なかなか面白かったし、この著者の文才を感じた。

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    2016年12月08日
  • また会う日まで

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    言葉にしなきゃ伝えられないのに、言葉にすると実感から離れていく。そのジレンマを乗り越えようと努力してもたいてい無駄に終わるのに、なんてことないきっかけで言葉を越えて分かり合っている瞬間がやってきたりする。この小説ではそのジレンマのもやもや感と感覚レベルで分かり合う瞬間の行来が自然に描かれていて、読んでいるととても安心した気持ちになる。感じていることが完全に一致しているわけではないのは分かっているけど、確かに気持ちを共有できている感覚があって、それでいいやと思える。気持ちが通じ合うときの言葉にできないその感覚が確かによみがえってきた。

    主人公のものの見方・感じ方にも共感する部分が多くあった。街

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    2016年08月11日
  • ビリジアン

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    想像だが、何かの節目に主人公は我が身を振り返ろうと思い、何気なく思い出した記憶をその都度書き留めていったのだろう。その主人公の「記憶日記」とでもいうようなものがそのまま小説になっている。

    現在の時点から過去を回想する物語はたくさんある。さらに、そのような小説では冒頭かどこかで回想行為の動機なり理由が語られることが多い。しかし、本書はそういう形式を取らない。回想される過去は断片的で順不同だし、過去を語る理由が述べられることもない。その意図は、本書の狙いが「自分を確認する行為そのもの」にあるからではないかと思う。すでに確立した自己や自分の哲学を語るために過去を持ち出しているのではない。考えてみれ

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    2016年07月23日
  • その街の今は

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    柴崎友香さんは時間と場所をテーマとした作品を描くことが多く、本作もその代表のような作品だ。普通の日々を切り取って描かれる物語って簡単そうで実は難しい。日常ってものすごい盛り上がりがあるわけではないから。それを丁寧に描いていることが、この作品の魅力になっている。主人公たちの日々の出来事を通して、大阪という街を浮き彫りにしている作品。

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    2015年11月17日
  • 虹色と幸運

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    そうか、こんなもんなのか。なにかを実行ふると、なにかが変わる。いい方向なのかどうかは、わからないけど。とりあえず、お母さんに無理しなくていいって言わないと。




    もし、だめだったら、悲しめばいいんだ。きっと、それでいい。





    *・*・*・*・
    30代女子三人の一年。
    なんかよかったなー。
    だめもとでりゅうさんにぶつかっていこうと思っちゃった。
    親にも話そう。
    いつか家を出る決心もついちゃった。
    やってみて、だめだったら、その時だ。

    なんも全力でやってない、ふつうの女の人が、ただ仕事をしているだけで、ただ恋愛をしているだけで、ただ親と話しているだけで、励まされる時もある。

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    2015年07月29日
  • わたしがいなかった街で

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    これは純文学。でもとても読みやすいし、登場人物達が魅力的で感情移入しやすいと思う。
    時間の経過を強く意識しながら、人と人との間に起こる争いが、女性らしい細やかな視点で表現されていると思う。大きな戦争を主人公は意識しているけれど、その底にある、争いのもとになっている自身の感情を意識しているようないないような、何とも味わいのある表現が秀逸だと思う。

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    2015年07月07日
  • 虹色と幸運

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    これもよかった。
    先週はおじさんの書いた本ばかりで疲れちゃったので好きなのばかり読んだ今週。
    そうそう、あーそうやんなー、みたいなあいづちうちながら読み終えました。
    わたしも本ばかり読んでる場合じゃないな、自分でそろそろ決めないと。

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    2015年05月03日
  • その街の今は

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    2015年によかった本10位以内に入れた本。もう一回読みたくなって。「おまえ……、おまえはぁ、一人でも大丈夫やけど、おれは、あいつのことはほっとかれへんねん、って言うねんやん」「ほんまにそんなこと言うんや」「あほや」。そう!それ!あほやって言ってたいのよ。あほや言うてても、いろいろよく見てたり大事に思えたり、よかったって思ったりするのよ。昨日読んでた本は、時間は命っていうのはいいなって思ったけどあとはきれいなことばっかりで疲れた。

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    2016年01月28日
  • わたしがいなかった街で

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    単行本で読んでいたので、通して読む前に、適当なページを開いてその部分を読んでみる、ということをやった。どこを読んでもハッとする言葉が書かれていた。
    会いたい人に会いに行くことができるなら、行けばいい。知りたいなら、聞けばいい。私は毎日、ここで生きてる

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    2014年12月30日
  • わたしがいなかった街で

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    平尾砂羽がめんどくさい。人に期待してない感じでめちゃめちゃしてる。口を開けば余計なことを言う。社会に適応してるようで、微妙。なかちゃんと連絡してるのも自分になかちゃんが興味ないからのように見える。夫と別れたこともそれほどダメージうけているようには見えない。でも、それなりに傷をうけていて、戦争や紛争のドキュメンタリーを視ながらなぜ自分がここにいるのか、それをぐにぐに考えている。あの人たちはあそこにいるのに、わたしはここにいて、生きている。死んだ人と生きている人との違いとか。めちゃめちゃめんどくさいけど、すごく、共感できるところもある。子供の頃、核戦争が怖かったとか。葛井夏は若くて、なかちゃんに影

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    2014年12月10日
  • その街の今は

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    これから何度も読み返す作品の一つ。
    大阪が舞台で写真が重要なモチーフになっていて、とても大好きな一冊です。

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    2013年04月06日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    ディズニーランドに行く恵太とルリ子に便乗して、一緒に東京までドライブすることになった小川望とコロ助。真夜中のSAでの望のルリ子への告白、長年思い続けた東京に住む清水さんへのコロ助の告白、4人内部のそれぞれの関係性による様々な会話。たった3日の、それもほとんどが車中での会話なのに、4人それぞれの世界観がよく分かるのが面白い。
    この作品は時間の描き方がとっても上手。気の置けない仲間と過ごす夜の、なんだかフワフワして現実世界から浮遊したような感覚、その後に迎える朝の、紛れもない現実とある種の残酷さ、昼間の地に足の着いた面白みのない、けれどもありのままの時間の流れ。それぞれの時間にそれぞれの過ごし方が

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    2013年03月19日