柴崎友香のレビュー一覧

  • つかのまのこと

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    東出君をモデルとした小説。異色、というが『騙し絵の牙』も同じようなものかと思ってた。まだ読んでないけど。
    東出君がとにかく好き。だからぜんぜんいいんだけど、
    いまいち、小説と写真がズレている気がする。かっこいいからいいけど。別物感が...かっこいいからいいんだけど。

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    2018年10月04日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    途中まで読んで、映画観て、そして読み終えた。総括感想としては、映画と小説は表現手法において同じではないってこと(当たり前ですが)。すなわち映画も独立して面白く(そうでなくっちゃ!)、小説もなんかこう不思議ワールドに引き込まれる感じで読んでいてとても心地よかった。(鉛筆線いっぱい引いたよ。) 内容に関しては、映画には映像の現実的なリアリティが描かれ、小説には文章による夢見るようなリアリティがあった。そのいずれにも、人とは何か? 人が正直に生きる、あるいは愛するということはどういうことか? そんな根本命題を否が応にも考えさせる迫力がありました。小説の文章表現の新鮮さに驚き、かつ愉楽した。

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    2019年03月06日
  • その街の今は

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    大阪の事が大好きな事がよくわかる本でした。
    心斎橋近辺の事を少しでも知っていると細かい情景が浮かんでくるし一気に読めた。

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    2018年09月02日
  • 公園へ行かないか? 火曜日に

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    柴崎友香が2016年にアイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラム(IWP)に参加したときの経験を描いた連作短編集。言葉と思考、多様な国から集まる作家たち、アメリカの食べ物、文化、歴史、そして大統領選挙。読みながらまるでそこにいたような気持ちにさせられ、いつの間にか著者と同化する感覚を味わう。なんとなく思考が似ているからかもしれないが、面白い体験だった。
    筆致は端正で、英語も大阪弁に変換されるのが柴崎さんならではだな、と思って読んだ。

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    2018年08月02日
  • その街の今は

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    柴崎友香らしい作品。やはり舞台は大阪。
    飽きずに最後まで読み進められた。
    良太郎との関係が気になるけれど、はっきりさせずに終わらせるところがまた良いと思った。

    終盤のお好み焼き屋さんの場面が好きだなぁ。
    「智佐はうれしそうでおいしそうで楽しそうだった。」
    すごく好きな一文。微笑ましい。

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    2018年07月25日
  • 週末カミング

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    解説で瀧井朝代が言うように、確かにどの作品にも「生の一回性」を意識する瞬間がある。
    だからこそいまここにいる自分、自分がいないどこかやいつかに思いを馳せる。
    場所。時間。記憶。取り返せない過去。他人になれない自分。
    それらを「無理なく思う」のが柴崎友香の作風なのだろう。
    大雑把に言えば作中で行われているのは、歩く。話す。それだけ。
    それだけで思考が広がり、「深まりそう」になる。
    深く考え込む一歩手前でまた、歩く。話す。豊かだ。

    ■ハッピーでニュー
    ■蛙王子とハリウッド
    ■つばめの日
    ■なみゅぎまの日
    ■海沿いの道
    ■地上のパーティー
    ■ここからは遠い場所
    ■ハルツームにわたしはいない
    ■あと

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    2018年05月03日
  • パノララ

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    ネタバレ

    普通より少し波乱に満ちた人生と、それぞれに少し不思議な能力をもつ三兄弟の家に間借りすることになった主人公。主人公もまた複雑な過去を持ち、他人との距離感をつかめずにいる。一番共感したのはその主人公の、優しさや冷静さや諦めを含みながら周りを観察するその視点。自分やまわりを客観的に見つめながらも、思う通りの行動はできないということはよくあるものだ。。
    最後、主人公が、ぎこちなさを伴いながらもちゃんと自分のしたいことを言葉にできたのは貴重な瞬間だった。それと、主人公はその優しさ、繊細さゆえに間借りしている家族たちの信頼を少しずつ得ているようにも見えたので、それもまた希望にうつった。

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    2018年04月01日
  • 春の庭

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     難解な作品だな、というのが感想。
     途中までは何も起こらない、だけど何も起こらない故の面白さみたいなものが感じられて、スイスイと読み進められたのだが、作品の終盤近く、視点が三人称から「太郎」という登場人物の姉に唐突に変わってからは、作品の様相がガラリと変わってしまったように感じられた。
     視点どころか、過去・現在といった時系列も入り組んでしまったように感じる。
     しかも視点は姉に変わっているはずなのに、いつのまにか三人称、つまり変わる前の状態に戻ってしまっているようにも読める。
     ネットで検索してみると、この視点の変化については色々な意見が出されているのだが、「これだ!」という解釈は

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    2018年01月04日
  • 走る?

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    14人の新進気鋭の作家たちが、Number Doに寄稿した「走ること」に関する短編集。走る気になる作と、ならない作があるが、作家さんたちがランナーという訳ではないので仕方ない。でも、その著者なりの「走る」ということの考え方がなんとなくわかり面白かった。

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    2017年09月17日
  • ドリーマーズ

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    現在と過去が、現実と夢が、融け合うでもなく混同するでもなく、割合に平然と共存する。
    夢に現れる人は、おおむね死人の気配。
    またこれから生まれる人もいるが、未生の者も死人も生きている語り手も、みな暗いところにいる。
    あるいは暗いところが見える。
    何気ない凄まじさ。

    ■ハイポジション
    ■クラップ・ユア・ハンズ!
    ■夢見がち
    ■束の間 ☆印をきっかけに時間を交互に。
    ■ 寝ても覚めても
    ■ ドリーマーズ

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    2017年07月21日
  • その街の今は

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    至極退屈でドラマがなく、かすかに起承転結がある感じ。いいねー。
    合コン、クラブ、といった若者の普通の日常が描かれていて、森見登美彦みたいな非モテ芸・自虐芸しか引き出しがなくて笑えない感じになってきているような作品群よりも全然リアルな青春。そりゃレコード集めたり写真集めたりするわいな、普通の人間は。くっつき別れたり。
    そして、一々屈託にフォーカスせずに淡々と進行する人間関係もいい。眉間にしわ寄せて苦悩するばかりがおブンガク様ではない。
    何より、登場人物が別に善人でないのか素晴らしいね。その点、原田マハより全然好きだなー。
    保坂和志に近いかも、と思った。女子で、大阪で、若干リア充=人並みに努力して

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    2017年07月16日
  • フルタイムライフ

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    なんというか、なんでもないけど、そこに間違いなくあったって感じのお話。盛り上がりやクライマックスがあるわけでもないのにページをめくる手が止まらない。読み終わった後も、なんかよくわからないけと満足感がある、そんな感じ。柴崎さんの本って本当にいいなぁ。
    あと、読んでる間は自分の頭の中の言葉も関西弁に戻ってしまう。そんだけリアリティがあるゆうことなんやろなぁ。

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    2017年06月06日
  • 週末カミング

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    柴崎さんの本は「ビリジアン」に続いて二作品目。

    なんかいい。
    なにがいいのかよくわからないけどなんかいい。
    どこにでもいそうなひとたちのなんとはいうことのない日常。でもその日常のひとつひとつが大切に描かれていて読んでいるうちにとても愛おしく思えてくる、そんな感じ。

    どの作品も好きだけど、いちばん好きなのは「ここからは遠い場所」かな。なんというか主人公の境遇に共感するのと、ちょっとしたミステリー要素があるのもおもしろい。主人公の名前に関してアレ?って思ったのもポイントだった。
    あと印象深かったのは「地上のパーティ」。唯一主人公が男性なんだよね。

    電車の中で読んでて柴崎さんの他の作品が気にな

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    2017年04月05日
  • 週末カミング

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    そういえば、友達の友達とか、その場で会ったよく知らない人と出会う話が多い。もう二度と会わないかもしれない人の話を聞くのは楽しい

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    2017年02月26日
  • 週末カミング

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    『ハルツームにわたしはいない』が一番よかった。一番柴崎友香らしい。いつものテーマでいつもの書き口ではあるのだが、短編になったぶん旨味がギュッと凝縮してはっきりしたような印象。
    私がいつ、どこで生まれ、いま、ここで生きているのは何故なのか。その素朴な疑問を実生活の中で問いかけ続ける。無理に形而上学や哲学の範囲に持っていかず、あくまで実生活の中で問いかける姿勢にとても親近感を感じる。何事も等身大なのが柴崎作品のいいところ。

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    2017年02月17日
  • フルタイムライフ

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    なんにも事件のないただただ日々を過ごすだけのお話し。あんまりさらさら進むので誰が誰だか、途中で戻りながら読みました。
    自分の新入社員のころの懐かしき思い出を呼び起こされました。

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    2016年11月17日
  • フルタイムライフ

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    芸大を出て一般企業へ事務職として入社した新入社員の日常が、柴崎さんらしい素直な目線と表現で綴られている。
    まだ完全に会社に馴染むことができていないが、サラリーマンのおじさんや先輩OLも、また個性的な学生時代の仲間たちの生き方も否定することなくゆったりとしたスタンスで受け入れるところは、柴崎作品の真骨頂だと思います。

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    2016年09月18日
  • ビリジアン

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    単行本で読んだときのほうが、本自体が記憶の話だとわかりやすかった。表紙も、記憶に強弱がつく感じとかも。だけど、文庫本の方が集中して読めた。こないだの滝口さんの本も、記憶の話はおもしろいと思って読める。

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    2016年09月11日
  • フルタイムライフ

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    「自分がどうしたいかわからへんって、あほみたいじゃない?」
    自分のしたいことが分からない、このままでよいのかという漠然とした不安に共感の嵐だった。職場の人たちとの交流と芸術系に残った大学時代の友人たちとの交流を行き来して、自分なりの社会への馴染み方を見つけていく様がとても美しい。「必要なのは、何かすべきことがあるときに、それをすることができる自分になることだと思う」という言葉が胸に残っている。

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    2016年08月07日
  • ビリジアン

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    雲のなかを走っているようだった。ふわふわしているけど、疾走感が溢れる。善く生きたいですに動揺したら、また出てきた

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    2016年07月30日