柴崎友香のレビュー一覧
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ還暦過ぎと氷河期世代とゆとり世代、三人の女性たちがひょんなことから関わり合っていく。
この小説のフィクションで割り切れない感じ、「正しい人生」の定義や見本がない現実と鏡合わせだからかな。
立場が個人を透明にしたり、人それぞれ大事にしていることが違ったり、善悪に絶対がなかったり、誰でも過ちを犯したり…。
自分の歩みを信じたいから他人にも押しつけたくなるし、異なる価値観を否定したくなるんだよなあ、と思った。もちろん自戒とともに。
語りが大阪弁ですいすいとリズムよく読まされるけれど、ふと気がついたら思考が深いところまで潜っているような、不思議な物語だった。
立ち止まって考えたいときに、また手に取るか -
Posted by ブクログ
*
わたしのこと、見てるんです。
*
恋愛小説家から転身し、怪談見習いへ。住む環境も変えるも、幽霊は見えないし怪奇現象にも遭遇しない。しかし中学時代の同級生に会ったことをきっかけに日常が歪み始める。
.
タイトルが気になって購入。不思議な雰囲気の小説だった。まるで実体験みたいな。怖い話って興味ありつつ、でも怖すぎると逃げたくなるから微妙なラインだけどこの作品はじーっと読めた。解説を読んで理解した所もあったが、短編ごとに話も進むから多少分からなくてもこういうこと言いたかったのか?と思いながら進んだ。
.
心霊を見てしまったではなく、
心霊から見られてる
って感覚が新しいな。
.