柴崎友香のレビュー一覧

  • 春の庭

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    「春の庭」は気を衒うことなく淡々と話が進む中に色んな人生の歩み方が語られている。何か特別な技巧は感じないながら、他の小説との類似性を感じない伸びやかさがあった。読解力がないせいか、残り僅かな場面で語り手が太郎から太郎の姉に変わるところの意図が理解出来なかった。

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    2023年12月29日
  • ご本、出しときますね?

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    最近オードリーの若林さんにハマっており、たどり着いた一冊です。
    この番組見たかったなー。対談相手の作家さんも好きな人達ばかり!

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    2023年08月26日
  • ご本、出しときますね?

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    ◆心に刺さったワード◆
    ⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
    ⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
    ⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
    ⚫強い心は強い肉体に宿る
     

    ◆読んでみたい本◆
    ⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
    ⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
    ⚫世界の実相をつかみたい人 古井由吉 辻
    ⚫次から次に変人が出てくる 村上龍 ライン

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    2023年08月18日
  • きょうのできごと 増補新版

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    飲み会の夜の空気を書くのがすごい、面白すぎる、しかも退屈とか呆れとかそういう、一見ドラマティックじゃない感情も書いてて、でもその書き方は鮮やかだから大したことが起きてないのに読んでいて引き込まれる。解説読んでなるほど、と思った。視点や語り方の移動。すごいなあ。

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    2023年08月16日
  • かわうそ堀怪談見習い

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    ☆3.4

    ふっと突然に日常が今までと地続きに思えなくなる瞬間が訪れそうで、この暑い中でも寒くなれる。
    自分を見失わないようにここに帰ってこなければ、と思ってしまった。

    ほんのりじわじわと怖い話だった。
    例えば普通の道を普段通りに歩いていたのに、ちょっと瞬きした間に何かが変わってしまったような。
    ほとんど同じなのに決定的にさっきまでとは何かが変わってしまったことだけはわかる。
    どうしようもない怖さ。
    そんなものがずっと背中にはりついている。

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    2023年08月19日
  • こどものころにみた夢

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    12人の作家による夢や思い出のアンソロジー。
    堀江敏幸氏の「ハントヘン」、長野まゆみの「衣がえ」が良かったです。

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    2023年08月02日
  • 春の庭

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    第151回芥川賞受賞作。くわえて、単行本未収録短編二点と、書下ろし短編一点を収録。

    表題作『春の庭』は、妙な出会いというか縁というかによって話をするようになった、取り壊し間近の同じアパートに住む主人公・太郎と西という女性漫画家。この二人を主要人物として物語は進んでいきます。しかしながら、物語はどうなっていくのか、中盤まで読み進めていってもまったく先が読めません。僕にとっては「物語」というものの引き出しの外にある「物語」で、つまりは自分にとっての新種の「物語」なのかもしれない、なんて思いました。あるいは、「物語」のどのようなコードに対してもそのまま従うということをしない、というカテゴリに分類される「物語」なのかもしれません。とはいっても、僕の中にある「物語」の類型のストックがまだまだ少ないがために断言はできないのですが、それでもおそらく未踏の地を行く冒険家の類いの作風なのではないかと思いました。くわえて言うならば、派手な物語ではないのだけれど、現実というものの質感のある物語であるといったところでしょうか。

    それが残り40ページくらいのところから、怪しい感じ、つまりこの先に何かあるなあ、という感覚になりました。それからそれまで三人称で語られていた人称がいきなり変わり、「え」と楽しくあたふたし、その後まもなく「やっちまってるじゃないか!」というふうにそれまで納まってきていた枠外に飛び出し、ねじれていく物語にわくわくしながらめまいを感じました。これは語りの技術だし、独自の表現方法でした。それで仕舞いの一行ですとんとそしてぐにゃりと着地させる技があります。その一行までのあいだの40ページくらいでは、ぎりぎりのところで読者をおきざりにするかしないかみたいな、でも技術的にはテンポやトーンを変えていて「ついてこれますか」と走っていくんです。さらに背後から忍び寄るような緊張感が漂いだします。それをたった最後の一行で見事に回収する、というか、解放する、というか、無に帰す、というか。相撲や柔道で、うまく投げられてしまった、という感じ、それに似ていたかもしれません。

    全体をぼんやり見てみると、平常の感覚では、日常はつるんとしたものだ、と、とくに疑いもなくとらえている。それがなにかひとつ、気にかかったことをきっかけとして注意を与えると、そのつるんして見えてきた日常に実は存在している凹凸が見えてくる。たとえばそれは、小説を作るという一連の流れと似ていたりもするかもしれない(作り方にもよるけれど)。つるんとした細部の決まっていないアイデアを、粘土を練り造形するみたいに凹凸をこしらえていく、あるいは探り当てていきますから。そんなふうにもこの作品からは感じられました。

    その他の短編も含めて、住んでいるアパートやマンションの重要度が高く扱われていました。本書の特徴の一つだと思います。そして、どこか不穏で、でもなまぬるさのようなものがあって、健全なのか不健全なのかわからないような安穏がある。

    その他の短編のなかでは、書下ろしの『出かける準備』がとくに気に入りました。女性二人による、亡くなった知人の男の噂話のところがぐっときたのです。男と昔いっしょだった職場で、主人公ではないほうの女性がとてもしんどくてどこか遠くへ行きたくなっていたとき、男はなにげなく「だいじょうぶ?」と声をかけ、でも、冗談のようにそれはうやむやになるのだけれども、女性はそれで救われた、と今になって涙を流すのです。この男についての噂話はまだあって、それで一人の人間の多面性、立体性が浮かび上がりながら最後にこのエピソードで締められていて、ここらのあたりの没入感は違いました。

    というところです。なんとなくですが、著者は実直に原稿に向う方なのかな、という気がしました。でも、他の作品をまた手に取ってみないとわかりませんし、一作だけの印象ってあてにならなかったりします。またそのうち、違う作品に触れてみようと思います。

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    2023年07月26日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    独身で、恋愛もしてなくて、働きながら一人暮らしをしている主人公の生活に憧れる。
    今の私と同年代だから、余計に。
    ひとりを楽しみながら生きていけるのって素敵。
    大きな浮き沈みもないけど、地に足をつけた生活。
    いいなあ。かっこいい。

    ご近所のゆかりさんは少しおせっかいだけどおしゃべり好きでいい人だし、こんなおばさまとご近所だったら楽しいかな?うっとうしいかな?と考えながら読んでしまった。

    20代で新婚の沙希が、自分勝手とも思える言動だけどその危なっかしい不安定さは、素直さの表れなのかもしれない。

    みんなそれぞれ事情はある。それを表に出さないだけで。

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    2023年07月25日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    柴崎友香さんの日常感とか、そこで流れてくる日常の中での人生観、感覚はやっぱりおもしろいけれど、そのすべての中ではこの作品はいまいち…
    主要登場人物の沙希さんに共感出来ないからじゃないかと思う。遠慮のない人が、苦手なのかもしれない。

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    2023年07月23日
  • こどものころにみた夢

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    【収録作品】「男」 角田光代 絵/網中いづる/「ガラスの便器」 石田衣良 絵/松尾たいこ/「さよなら、猫」 島本理生 絵/鯰江光二/「水の恵み」 阿川弘之 絵/木内達朗/「タイムリミット」 辻村深月 絵/吉田尚令/「ヘビ」 西加奈子 絵/西加奈子/「ふたり流れる」 市川拓司 絵/いとう瞳/「ハントヘン」 堀江敏幸 絵/中村純司/「雲の下の街」 柴崎友香 絵/田雜芳一/「衣がえ」 長野まゆみ 絵/望月道陽/「おしっこを夢から出すな」 穂村弘 絵/ささめやゆき/「さらば、ゴヂラ」 高橋源一郎 絵/しりあがり寿

    夢だけにシュールな感じを引きずる。続き…はないのかな。

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    2023年07月20日
  • ご本、出しときますね?

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    若さま一人のエッセイのほうがだんぜん面白い。
    暗くて、ネガティブで、面倒臭い部分がいいのだ。
    聞き役にまわると、気を使う感じが透けてみえるから

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    2023年06月07日
  • 青空感傷ツアー

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    物々交換の本棚で手に取ったもの。

    わたしは芽衣パターン。きれいな顔に弱くてなかなか行動に移せない。
    音生みたいな強烈な子、好きか嫌いかの両極端だろうな。次へ次はぐんぐんやりたいように進んでくのははたから見てたら気持ちいい。
    なんの計画もなくあっちこっち旅するのいいな、と思いながら音生みたいな子が隣にいないと出来なさそうだな。

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    2023年06月06日
  • こどものころにみた夢

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    「こどものころにみた夢」をテーマにしたショートショート・アンソロジー。色々な作家さんの作品を楽しめます。夢の不思議さや、ならではの不条理を受け入れてる感じが好き。現実なのか、まだ夢の中なのか、分からないような書き味のものも。
    個人的には西加奈子さん、長野まゆみさんの作品が好きでした。

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    2023年05月31日
  • 本からはじまる物語

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    18人の作家による本にまつわるアンソロジー。
    市川拓司さん「さよならのかわりに」が面白かった。梨木香歩さん「本棚にならぶ」は勝手なイメージでほんわかした話かと思ったらなかなかに怖かった。どの作家さんの話からも本好きな気持ちが溢れ出ているように感じた。

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    2023年05月08日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    情景が思い浮かぶような物語でした。
    子育て中の私には3人の主人公よりも、
    直美の今の状況や、大変ながらも子供が小さい頃のことを思い浮かべることが多かったため星3としました。子供が巣立ったら、ゆかりの気持ちがわかるかなぁ、年代別に色々と楽しめる小説だと思います。

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    2023年04月26日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    ネタバレ

    単行本でも文庫でもカバーに3人の女性が描かれている。
    私は沙希を、きらたかし「赤灯えれじい」のチーコのド金髪で思い浮かべていたのだが、文庫カバーではゆるふわな黒髪だった。
    確かに直球ヤンキーな長距離トラックドライバーと、マイルドヤンキーとはいえ医院の受付とは、随分違う。
    解釈違いだった。

    柴崎友香の小説で私が好きなのは、カッコつきの「淡々とした日常」の中で、視点人物が町や建物や対人関係についてあれこれ考える、そのどこかのタイミングで日常がグニャリと変容するような気づきを得る……結果的に高度な都市論や記憶論が小説として展開されている、という点。
    その意味で本作はやや「淡々とした日常」寄りすぎるかな、とか、「毎日新聞」連載だから読者層を慮っているのかな、とか邪推したが、そんな自分の読書中の感想は、間違っているな、と読後気づいた。

    作中、様々な形で、「生きづらさ」や、性愛や生殖にまつわる「抑圧」が、押しつけられる。
    40がらみの男性として、アラフォー女性の「昨今のあるあるネタ」だろうと軽く見ていた、かもしれない。
    春子は、その都度、それこそ「グニャリとする」くらいの怒りを、覚えていたのかもしれないのだ。
    わかりやすい漫画なら「はい~このオッサンブッ殺す」と書いていたかもしれないレベルの抑圧が、たびたび差し挟まれているのだろう(5ちゃんねるのスレッドが思い浮かぶ)。
    しかもその「圧」は、年配男性からだけではなく、図式的にいえば同胞であってもいいゆかりや沙希からも、(ゆかりの場合)やんわりと、(沙希の場合)ツンケンと、齎される。
    ……非公開の読書メモ用に、誰が何をしたというあらすじをメモしながら読んでいたが、そこには反映しきれなかった、「春子はこう思った」という点こそが、作者のメッセージなのだろう。
    似た状況の読者にとっては、春子はある意味で救い主(日常生活と地続きの「ヒーロー」)のように感じられるのだろう。

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    2023年04月25日
  • 待ち遠しい

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    いろいろと「それでいいの?」と思ったり、理解できないこともあったりで、完全に消化不良なんだけども、ほかの方の感想をみて、そうよな、全て解決するなんてリアルじゃないしな、と。
    ホントそうですよね、こっちのほうがリアル。

    (それにしても、いろいろナゾが多すぎるw)

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    2023年04月19日
  • 虹色と幸運

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    3人称多元視点、という技法で書かれている独特の文体は、高頻度で語り手が変わるので、慣れるまで違和感があった。でも、慣れるとよりリアルな人間模様が伝わってきて、一気に読み終えた。
    大きな事件が起きるわけではないけれど、30歳の女性たちの生き様が、読者に共感と勇気を与えてくれる。

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    2023年02月26日
  • 待ち遠しい

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    住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける39歳の春子。母屋に越してきた63歳のゆかりと、裏手の家に暮らす新婚25歳の沙希と出会い、「ご近所付き合い」が始まるが…。『毎日新聞』日曜くらぶ連載を単行本化。

    春子の心の動きがいづい。

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    2023年02月24日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    日々をていねいに。
    楽しみをたいせつに。
    わたしとあなたは違うから、
    わたしは、わたしが前を向けるように生きる。

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    2023年02月20日