柴崎友香のレビュー一覧

  • きょうのできごと 増補新版

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    本当にある日の大学生たちの日常を描いた作品です。描き方がうまいのか、映画を見ているようです。淡々と進みますし、何か事件が起きるわけではないので、想像力豊かな人の方が楽しめるかもしれません。

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    2026年06月04日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    年代が違う3人の女性の物語が淡々と進んでいきます。自分が主人公の春子と一番年齢が近いせいか、一番共感できる部分が多かったです。後半はちょっと打算的な人物の態度などにモヤモヤするところもありました。

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    2026年06月04日
  • 帰れない探偵

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    タイトルにもある帰れない探偵。上層部の司令に従って住処や仕事場を世界中に転々と移していく探偵は、移り住んだある場所で自分の住居が“消えて”戻れなくなる。道を間違えたのか、本当に消えたのかはわからないが、これは本作に通底している人の記憶や視覚、聴覚の曖昧さを表しているものだと思う。
    例えば、ある曲を聞いて、その瞬間に脳が反応して世界観が変わり、世界が変わって見えることがある。曲が終わった後の世界は元に戻ったようにも見えるが、実際の世界は変わっていない。ただし、曲の前後でその人の脳と目を通して見える(聴こえる)世界はたしかに変わっている。
    これを一概に良い悪いと言うことは難しく、その都度異なるとは

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    2026年06月01日
  • 帰れない探偵

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    主人公は探偵ではあるが、殺人事件の謎を解き明かしたり、難事件を苦労しつつ解決に導いたりしない。どちらかと言うと観察者に近い。
    物語は激動の10年を語っている。日本のような国が出てきたと思えば明らかにそれとわかる海外の国が出てくる。その中を主人公は飛び回るでもなく、じっと見ている。
    探偵は周囲をよく見ながら深く思考の中に潜り込むタイプなのだろう。探偵の思考を読み取っていくのだから中盤以降は展開に起伏がほしかった。
    終盤は首を傾げた。色々な事が変わって探偵も変わったのだろうが、突然ポンとこれを出されても、という気持ちになった。柴崎友香だから分かってはいたが、もっと変化を見せて欲しかった。

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    2026年05月29日
  • 帰れない探偵

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    帰れない"探偵"の自分"探し"。
    自分を消して奔走する探偵が、忘れものを見つける話。

    この小説には不思議な「浮遊感」があります。大半の人が感じるはず。短編集のような構成、定住地がないところ、依頼者や同僚の探偵たちと色々な出会いがありながらも次の章では別の国に飛んで縁が切れるところ、主人公ふくめ登場人物の人となりを必要以上に描いていないところ……このあたりに「掴みどころのなさ」「落ち着きのなさ」みたいな浮遊感があるのかもしれません。

    ただひとつ気になったのは、全体を通して「固有名詞」が異様に少ないところ。登場人物の本名、訪れる国名、各国の地名等々はみな

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    2026年05月19日
  • 帰れない探偵

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    新しい街で心機一転構えた自分の探偵事務所兼住宅に帰れなくなってしまった探偵の話。
    なぜ帰れなくなってしまったのか。
    夢落ちという書評を見てしまってしばらく読む気がしなかったのだが、夢落ちではないと思う。
    それを言ったら小説は全部夢落ちなのでは。
    主人公が行くことになるいろいろな場所がどこなのか推測したり、その土地独特の雰囲気が味わえるのも面白かった。
    こういった近未来が訪れそう。

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    2026年05月18日
  • 帰れない探偵

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    どことも特定しづらい国を彷徨い、登場人物は仮名だし、実在しなさそうな「世界探偵委員会連盟」まで出てきて、ずっととらえどころのない話を読んでいる感覚でした

    でも最後に具体的な固有名詞が出てくると、「今から10年後」という設定が急に効いて、「この10年に何があったんだ?」ってなる

    もう1回読んだ方が面白いタイプの小説かも

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    2026年05月16日
  • 帰れない探偵

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    帰れなくなった探偵の「わたし」と任務で出会った人たちとの短編連作。
    正直、主人公の人となりがあまり見えてこなくて、読み切るのに時間がかかった。主人公に感情移入して読むタイプの私には少し読みづらかった。

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    2026年05月13日
  • 春の庭

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    同じアパートに住む西が写真集『春の庭』を見て隣の洋館に惚れ込み、何とか実際を確かめたいと行動するのに着いてゆく話

    14年の芥川賞受賞作。物語性はなくシーンの断片描写。視点の移動が不思議で驚いたが審査員の評言と堀江さんの解説を読みなるほど納得

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    2026年05月10日
  • 続きと始まり

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    3人の視点から、それぞれ年ごとに進んでいくお話。
    男の人は覚えられるけど、女の人2人が読んでいるうちに、どちらがどちらかわからなくなってしまった。
    一気に読んだら良かったかな?

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    2026年04月24日
  • かわうそ堀怪談見習い

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    話がよく分からなくて、何度か同じ場所、
    読み返しました。
    ぼや〜とした怖さを表現してるのかもしれませんが
    私には、主人公が病んでいて
    幻覚症状を起こしてるんじゃないかと思えました。
    脳内に出た想像が白昼夢のようで、現実とごっちゃになってしまっているような感じです。
    その感じがちょっと難しくて
    すーっと頭の中に文章が入らなくて苦戦してしまいました。

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    2026年04月17日
  • 百年と一日

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    人名や地名などの情報をほとんどそぎ落とし、男、娘、小説家、港町などの抽象的な言葉でつづられる短編集である。そうした仕掛けにより物語のなかの時間軸についても「いま」がいつなのか読者にわかりにくくされているので、わずか数ページの掌編のなかで思わぬほど時間が過ぎ去ることもあり、この軽い驚きが『百年と一日』という表題に象徴されているように感じた。それだけの長い時間のなかでは人が死んで生まれ、建物はつぶされて更地になりまた新しく建て替わる。時には確固としていたはずの記憶さえ危うく揺らぐ(たとえば学生時代の事故の話のように)のだが、そうした変わるものや、すれ違いのなかにある変わらない風景なり、人の思いなり

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    2026年04月06日
  • ご本、出しときますね?

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    あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
    こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。

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    2026年03月21日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    過去の恋愛を全部ひっくるめて今を生きていて、きっかけ次第で過去の男に戻ることも出来るし、今の男から恨まれることも耐えれる。
    そんな話です。
    女性の底の感情が上手く、間違った選択でも衝動的に選んだり、それ故に友人たちとの縁を切られても生きていける強さと弱さを感じました。
    自分は結構理屈人間なので(頭がカチカチ?)、もっと効率がいい選択しろよと思いましたが、それも含めてこのストーリーの良さなのかなと思いました。

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    2026年03月20日
  • ご本、出しときますね?

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    ネタバレ

    作家から入るのも良いものですなぁ。本を読んでみたくなった作家さんは村田沙耶香さん、海猫沢めろんさん、中村航さん、光浦靖子さんの4人。セクハラに寛容な村田さんは、だいぶん変な人ですね。角田さんは今までのエッセイからは分からなかった愛らしさで、見る目が変わりました。ズキュンときます。番組は終わってしまったようですが、一度くらい観てみたかった。若林さんの表紙につられましたが(そもそも若林さんが読書家だとは、初耳)予想外に良い本でした。

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    2026年03月18日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    小説ならではの作品。想像力がものをいう。
    一目惚れの幻想、踏ん切りのつけ方に迷い戸惑っていたのかなと。似たタイプの人を結果好きになる。一風変わった恋愛小説でした。

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    2026年03月17日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    北川春子、39歳未婚。
    実家を出て10年。
    今は大家さんの敷地内にある離れで、静かに暮らしている。

    会社勤めをしながら、刺繍や消しゴム版画を楽しむ日々。
    春子自身は穏やかに暮らしているのだけれど、両親や友だち、同僚からの
    「まだ結婚しないの?」という軽いプレッシャー。
    そして、自分らしくありたい気持ちとの間で、どこか揺れている。

    元々の大家さんだったおばあちゃんが亡くなり、代わりに娘のゆかりさんが越してきてから、春子の静かな生活は少しずつ賑やかになっていく。

    結婚や恋愛にあまり興味のない春子。
    家族と疎遠なゆかりさん。
    そして、若いけれど結婚という形に強くこだわる沙希ちゃん。

    春子の視

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    2026年03月16日
  • その街の今は

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    かなり久しぶりに柴崎友香さんの著作を読みました。10年ぶりくらいですかね…。
    独特の空気感があるなと勝手に思っているのですが、久しぶりに読んでも空気感が変わっていなくて、読みやすかったです。
    今回は大阪の地理に詳しい方が読むと、より楽しいのではないかと思います。

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    2026年03月02日
  • その街の今は

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    大きな事件が起こるわけではなく、淡々とした日常が丁寧に描かれている作品。その静かな雰囲気やゆったりとしたテンポがとても心地よくて、こうした“日常を大切にすくい取る物語”の魅力を改めて感じた。 風景描写も細やかで、主人公が昔の写真を収集していく様子を追いながら、まるで自分も一緒に写真を眺めている気分になって、変わってきたものと変わらずに残っているものの両方に思いを馳せた。やっぱりモノクロ写真って良いよなあ。

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    2026年02月27日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

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    アンソロジー、あまり読んだことがなかったので読めるか少し心配でしたが、

    いろいろと、それぞれに、自分の身体に関する記憶や経験が書かれていて、

    無事読めました。

    ワンテーマを通して、こんなに豊かなアンソロジーができるんだなーと、やっぱ一流の作家さんたちだからかと思いますが、読者としても自分自身の経験について振り返る機会になったり、他者について少し想像する機会になる、とても良い本だったと思います。

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    2026年02月18日