柴崎友香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「今から10年くらいあとの話。」から始まる不思議な小説。
探偵が主人公だが、よくある探偵ものではない。
ミステリーっぽさもあるにはあるが、ミステリーではない。
出てくる人たちがみんな仮名で、本当にいるのかいないのかわからない。
どこの国の話かもわからない。
タイトル通り、家に帰ることができない探偵が、仕事の都合でどこかの国へ行って探偵稼業を続けていく。
謎解きや伏線回収などのエンタメ感は無い。
帰れないことは理不尽であり、帰る場所がないということは不幸である。
でも、探偵はそれを受け入れ、淡々と仕事をこなしていく。
いきなり出国して別の国へ行け、という理不尽な命令についても受け入れる。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ柴崎友香さんの小説を読むと、いつも登場人物たちがとても身近に感じられて、本当に登場人物たちが生活していると錯覚してしまう。
今回のお話は30代の女性3人がメインで、私にちょうどぴったりで読んでみたかった。
物語は1ヶ月ごとに区切られていて、12ヶ月分の3人の物語が書かれている。
全員に大きな変化はないけれど、1ヶ月ごとに嬉しいこともあれば、そうではないことも起こる。
仕事の変化、家族の変化、恋人の変化、そうした日常の変化にいろんな感情になりながらも生活を続ける3人の物語。
どうなるかわからない未来を、それでもいまの気持ちを大切にしながら、過ごしていきたいと思った。 -
Posted by ブクログ
皆様、今年も宜しくお願いいたします。
年末年始かなりのお休みがあったから、年末にまた本を何冊か買って、さあと思いましたが、掃除をしながら立ち止まり、雪の舞う年越しにちょこっと騒ぎ、テレビを観ながら整頓整頓。
箱根駅伝観て大騒ぎ、そしてまた、探し物。
そんなこんなで実家にあった積ん読。
コロナ期に買って忙殺されて読めなかったのかあと、読み始めたこの本がお休み中に読んだ本になりました。
散歩にでる時はAudible。でのこの作品はなんだか自身の振り返りとこの先をじわっと考えた作品で。
何処かで起こっていることに耳を傾けながら遠くでしか考えていなくなにもしていない自分。
コロナは全世界を巻き込んで、 -
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【目次】
Better late than never(島本理生)
肉体が観た奇跡(村田沙耶香)
「妊娠」と過ごしてきた(藤野可織)
身体に関する宣言(西加奈子)
汚してみたくて仕方なかった(鈴木涼美)
胸を突き刺すピンクのクローン(金原ひとみ)
私は小さくない(千早茜)
てんでばらばら(朝吹真理子)
両乳房を露出したまま過ごす(エリイ)
敵としての身体(能町みね子)
愛おしき痛み(李琴峰)
肉体の尊厳(山下紘加)
ゲームプレーヤー、かく語りき(鳥飼茜)
私と私の身体のだいたい五十年(柴崎友香)
トイレとハムレット(宇佐美りん)
捨てる部分がない(藤原麻里菜)
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日々のいろいろが跡形もなく消えていくのが切なくて、全てを記録出来たら、なんて事を思う時もあるのだけれど、ずぼらな私にそんな細かい記録は出来ず、
出来たとして、それを読むのはこんなに大変なんだなと思い知る。読むのがしんどい本だった。
親との距離感。
災害の近くにいなかった事で感じる、
どうしようもない申し訳なさ。
共感する部分はあった。
知らず口にしたり、やらかしてしまった自分の罪に
ずーっと後になって気付いてしまってうろたえる。
「答え合わせをしたい」
「傷つけてしまった人に直接謝罪したい」
って、傷つけた側の自己満足に過ぎないんだろう。
傷つけられた側からすると、
せっかく折り合いをつけ -
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「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。
「トイレとハムレット」宇佐見りん
面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。
「私の三分の一なる軛」児玉雨子
生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深 -
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Posted by ブクログ
身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。