柴崎友香のレビュー一覧
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30歳になる女性・野村果絵の揺れる心。
日常の何気ないことを観察している冷静な視点。
恋人はいるが結婚の予定はない。
職場の先輩の薦めで、ライフカウンセリングの先生の所に行くと、ヒーリングでマイナスエネルギーを調和して貰ったらしく、熟睡して肩こりが軽くなるが、1万5千円するのでそれ以上通う気にはなれない。
とくに不幸でもないが、すごく幸福というのでもない、どうしてもと思う指針やこだわりもない…
友達と占いに行ってみたりしながら、何となく過ぎる日常。
淡々としている中で、それぞれの生きているちょっと奇妙で少しだけ必死な感じがじわっと来ます。
著者は1973年生まれ。2008年10月発行。 -
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30目前のOLとその彼氏と友達たちの何げない毎日。コレと言って何かが起こるわけではなくて。だけど何も起こらないわけでもなくて。このままで自分はいいのだろうか と思ったりするけど、だからって何か変えようと思うほど今に不満があるわけでもない。そんな毎日をとても丁寧に書いている。うん こういうの好きだな。何かが変わる直前ってもしかするとこんな風にじわじわと予感のような温度の変化のようなモノがあるのかもしれないな。「もっと、自分が確かだと思えるような、基準みたいな、理由みたいなもの。なんでもあって、なんでもしていいから、さあ選びなさいって言われて、これでいいって思えるような、なにか」を探しているんだよ
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芽衣と音生の、行き当たりばったり旅行物語。
思いつきでトルコ行くとかすげーと思う。
最後もいきなり沖縄いるし。
ケンカしても気まずくなっても、自分の事見ててくれて幸せを願ってくれる音生みたいな友達がいたらな、と思う。
あそこまでわがままなのは考えものだけど。
普段からわがままで言いたい放題だけど、だからこそふっと自分に優しくしてくれると心を掴まれてしまう。
音生って、そんな子だと思います。
最後の方のシーンは、芽衣に自分を重ねてしまって、自分が音生に引き込まれていくのが分かった。
透明感のある文体も相変わらず。
柴崎さん独特の、綺麗な情景描写が読めます。
読んでて楽しい本でした。 -
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離れているけど気持ち次第で近くなる距離。
なにか、雲を掴むような話です。
といっても、いかんせん土台無理な話ってことではなくて
掴んでもそこには無い、指の間からこぼれ落ちていくような、そんな儚い話です。
短編4つなんですが微妙に繋がっています。
その薄い繋がりの描き方が上手くて何度もページを遡りました。
最後のタイトルが、その名も
『ポラロイド』
僕も使っている大好きなPolaroid690が出てきます。
おそらく柴崎さんも使っておられるのは?
描き方が細かくて、ホントに使っている人でしかわからないようなこともこまごまと書いていて
おもわずウンウンと頷きながら読ん -
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ネタバレ個々の記述は詳細で具体的だが、非常に抽象的。ブコウスキーの“セリーヌ”に「退屈がゲイジュツだと思ってやがる」と言われそうな内容。目線は散漫で意識は分散し、刻々変化する形の無い実体は捕まえられない。時折、形になる時もあるが。
2章まで理解不能だったが、3,4章からわりと面白くなってはくる。絶望、苦悩、愛憎、復讐などは表面的には描かれず、主人公も独白キャラではなく、あまり感情を露にしないので、その手のドロドロしたキツさがなく、一種の軽さがある。
しかし、雰囲気頼みの架空の旅行記かと思えば、かなり政治的でジャーナリズム的側面があり、著者は「わたし」を通して世界を説明しているようだ。トランプやパランテ -
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私には難しく、少し読みづらい本だった。自分の感性不足、読みの力不足で書かれていることを捉えきれていないのではないかという気がする。
主人公の内向的で自信無さげな様子、すぐにとりあえず「すみません」と言ってことなきを得ようとしてしまう心性に自分の嫌な部分が重なるようで読み辛いという面もあったし、時代性ということもあると思う。
本文中では主人公の祖父の経験に絡めて、戦後65年、ということが何度か言われた。震災や戦争、世界の紛争などにも触れて、時間と空間の偶然性と接続性みたいなものが描かれているようにも思った。
ただ、やはり一つの戦争が終わって、一方世界の遠いところで続く戦争、という時間と空間