柴崎友香のレビュー一覧

  • その街の今は

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    柴崎さんの小説の空気は、ずっと浸っていたいです。
    嫌なものがあまり無いし、「これは嫌い」と強く声高に拒否するような人も居ないからだと思います。
    登場人物も大阪の人たちでよく喋るけれど、煩くないのも良いのかも。
    こういう景色ある、とか、こういう人たちいる、という現実味もものすごく感じました。
    大阪はたぶん2度しか行ったことないけれど、行きたくなります。無性に、この空気に身を置きたい。柴崎さんの切り取る大阪は良いところのように思えます。過去と現在と、地続きで。
    川上弘美さんの解説もとても良かった。そう!と思います。

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    2021年06月30日
  • また会う日まで

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    誰かに対するはっきりしない感情とか関係性ってあるよなあ、と思った。
    自分だと上手く言い表せないいろんな微妙なことを柴崎さんが綺麗に言語化してくれて、読み進めながらずっとそれな、それな、と思った。
    にしても結婚前なのに女の子と会いすぎでしょ鳴海くん。

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    2021年06月12日
  • 待ち遠しい

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    性別、年齢を超えた人同士の「違い」を描く物語だった。
    主人公は人に対してあまり主張しないタイプの人。もどかしく感じる部分もあったが、自分と似てるので親近感を覚えた。
    主人公がゆかりさん、沙希といった多くの人と付き合う中で、自分を客観視していくように見えた。物語の展開的にそんなふうに感じた。初めは感情の波が少ないようだった。(物語の展開もそんな感じ)だんだん主人公が感情をあらわにするにつれ物語が動いていく。終盤になるにつれ主人公のその人らしさが浮き彫りになっていく感覚がした。
    会社の同僚、沙希、ゆかりさんなど周りの人からの言葉が主人公との違いを浮かび上がらせ、展開していった。

    また、家族とのつ

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    2021年05月19日
  • 待ち遠しい

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    まとめた世間の声をくっきりとした発言に変えて話す、オブラートという概念のない人たちが多いという感じ。
    そのために読んでてもやもやイライラすることも多かったが確かに言葉選びが上手。まんまとイライラさせられた。春子が紅茶の店で頭の中で反論してるところとかその上手さがスッキリと出ている気がしてよかった。自分がうまく言葉にできないことをわかりやすく的確に言葉にする人が好きだと思う。

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    2021年05月04日
  • その街の今は

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    智佐はうれしそうでおいしそうで楽しそうだった。(141)
    わたしがまだいない時間の、この街の風景。知っている建物だけが、そことわたしを繋ぐ。(117)

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    2021年04月29日
  • かわうそ堀怪談見習い

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    断片的に綴られていく、ホラー 小説。
    幽霊など見たことのない作者が怪談を書くために取材を始めるが、徐々に自分自身も奇妙な体験あるいは違和感を感じる。

    作者本人は自分はそういうものと無縁と思っているが、友人からそれは嘘だと言われる。
    実際に奇妙な体験をしてもそれを見ないようにしているかのような振る舞いが、いかにも現実感というか、肌感覚で恐怖を少しずつ、ひしひしと感じる。実際に見たら自分もそんな風に受け流そうとしそうだ。

    穏やかな描写のようでいて、気がつくと怖さが心に侵食してくる、都市伝説系の怪談では得られない強風感覚のできる一冊。

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    2021年03月25日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    映画を鑑賞してからの原作。
    主人公の周辺の描かれ方が全然違ってた。原作のがいいところもあれば映画のがいいところもそれぞれあり。

    小説は完全にあさちゃん視点の世界、あさちゃんのセリフで構成されているので、映画で狂気に見えるあさちゃんの言動も小説の方ではすっと腑に落ちる。
    普通に仕事して、職場のおばさんに気を遣い、ブランド物の洋服を試着して自分の似合う服を探し出す。結局ユニクロで服を買っちゃうことも。ある種普通の20代の女の子なんだ。
    しかし映画でのあさちゃんは、そのようなセリフも少なくあまり私生活的なところは見えてこない。単純に二人の似た男に揺れ動いているサイコパス女のように見えるので、酷評す

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    2021年03月14日
  • 週末カミング

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    ネタバレ

    6年程の間に発表された週末がテーマの短編が8編収められており、各編の繋がりはたぶんない。一瞬「あれ?この人はさっきの話に出てきた人?」と感じることもあったが、たぶん別人と思う。
    「つばめの日」は、女友達3人で姫路城に行く道中に寄ったPAで車が故障してしまう話。3人のうちの1人が突然「おもさげながんす」という言葉を用い、「ケーブルテレビで時代劇映画を見てから彼女の中で一時的に流行している謝辞」と説明がある。不意をつかれて笑った。本の中でこういう自分のツボをつかれる瞬間的なユーモアに出くわすと幸せな気分になる。

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    2021年03月07日
  • パノララ

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    ぶっ飛んだ人たちなようで、でもこういう人いるよなとか、こういうところ自分にもあるよなとか思った。日常SF?みたいな柴崎さんのお話すきです!

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    2021年02月28日
  • 待ち遠しい

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    いつも比較的冷静に、でも何かが違う、自分とは違う価値観を押し付けられた、というときに感情が動く。
    『机の上の書類を上司に投げつける映像が、春子の脳裏に鮮やかすぎるほどに浮かんだ。それから、いや、違う、と思った。書類も椅子も机もひっくり返して、わあああーっと思いっきり叫びたい。うん、それや。』ここはドラマなようにシーンが浮かんだ。
    大きなことは特に何もないけど人生の中にある出来事がでも確実にひとりひとりの人生に波風を立てている。何もなし得てないかもしれないけど、きっとそんなことなくて、もっと自信を持ってもいいと考えるようになれた主人公が良かった。

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    2021年02月21日
  • わたしがいなかった街で

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    ネタバレ

    すごく良い本でした。
    日常のありふれた経験をこんなにも感受性豊かに捉えることができるなんて、本当に素敵な感性。
    ある経験をするのがなぜ私でなくて、この人なのか。なぜ私はこの時代に生まれて、この環境で、この人間関係の中で、この生活をしてるのか。きっとその不可解さやあるはずのない可能性に想いを馳せる「うわの空」さが、私の根幹にあるのだなと思った。他者の人生の奥ゆきを想像する根源はそこなのだなと。それこそが他者への思いやりや想像力につながってゆく。

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    2021年01月21日
  • 待ち遠しい

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    全くバラバラの年代の女性3人のご近所さんのお話。
    誰もが自分の価値観を正しいと思って生きているから、それにそぐわない人を見ると攻撃したり、あるいは善かれと思ってお節介を焼いたりしてしまうことがある。
    でも、わたしが何をして何を選ぶかは「わたし以外のほかの誰かが決めることじゃない」
    「人といっしょにいるにはエネルギーがいるから、一人の時間にそれを貯めてる」人もいれば「一人で過ごさなければいけない時間のために、賑やかにしてたくさん力をもらう」人もいる。
    人は一人一人違うってことを分からずに自分がいいと思うことを押しつけてしまったり、相手に分かってもらえてるはずと思い込んでいたり‥‥そんなことに気付

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    2021年01月04日
  • ドリーマーズ

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    山なし谷なし。真昼間に、鬼火がふわふわ漂う小川を緩やかに下るような感じ。私はこの本、大好きです。ただ、方言の壁があるなと思いました。大阪弁の自然なイントネーションと掛け合いのタイミングが、関西人である私の中では自然に流れて楽しめるわけですが、それがないと面白さが半減するような気もして、なかなか読み手を選んでしまうかも。

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    2020年12月19日
  • 千の扉

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    淡々と過ぎ行く群像劇ではあるが、275~288ページにかけての12章が出色。就職氷河期世代(著者もその一人だし私もその一人)のバブル世代に対する反発と少しの妬みが見事に現されていると思う。

    昭和の団地ライフにノスタルジーを感じる人にオススメ。

    ジュンク堂書店上本町店にて購入。

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    2020年11月12日
  • 待ち遠しい

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    ネタバレ

    主人公と普段やりとりしている近所の人たちのやりとりの描写がとても細かく、「本当にそうだよね~」と思わずうなずいてしまった。私も含めて、一人で過ごすことが好きな人はこの小説に共感できると思う。

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    2020年03月20日
  • わたしがいなかった街で

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    人と人とが出会えない瞬間のやるせなさが大変よかった。人生のとても悲しい部分をよく切り取れていると思う。淡々とそれを受容する主人公がまたいい。
    コミュニケーションの苦手な主人公は同じようにして正社員という地位ともすれ違い、バーでは同僚の女の子とすれちがい、別の登場人物に物語の語り手を任せて消えてゆく。イヤミスに似たしんどさだけど、エキセントリックでないほどよい苦味。どろどろの水たまりで転んで尻餅をついてしまい、そのまま曇った空を見上げてぼーっとしているようなここちよさ。
    もう一つ収録された短編もよかった。端の上にたって橋が流されていく感覚にとらわれてしまうのってすごくこわいよね。

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    2020年02月26日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • 待ち遠しい

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    誰かと関わると、その先の人とも関わることがあって、それで生活は少し変わっていく。居心地の良い距離で、それぞれの生活を大切にしていきたい

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    2019年11月29日