柴崎友香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
別々の場所でそれぞれの人生を送る3人(30代後半の女性・石原優子、30代前半の男性・小坂圭太郎、40代半ばの女性・柳本れい)について、2つの大震災など過去の記憶も呼び覚ましながら、日本がコロナ禍の只中にあった2020年3月から2022年2月の2年間を描く叙事的長編小説。
自分自身の人生も含め、それぞれの人生、時の流れなんかに思いを馳せさせてくれる実に良い小説だった。
本書のキーアイテムであるヴィスワヴァ・シンボルスカの「終わりと始まり」という詩集から抜粋される詩(特に、「戦争が終わるたびに誰かが後片付けをしなければならない」から始まる詩)も心に残った。 -
購入済み
読むのに気力のいる本だった
息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。
男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない -
Posted by ブクログ
2020年3月から始まり2022年2月までの物語。ちょうどコロナ禍の話。
タイトルはポーランドの詩人の「終わりと始まり」という詩集からきているらしい。
1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災の頃を回想しつつ、コロナ禍の現在を生きている主人公は3人。
3人共ある意味普通の人達なので、自分自身と比較しやすい。震災の時に募金はしたけれど、ボランティアには行かなかった事の罪悪感とか、どんな時でも「自分よりも大変な人がいる」と思ってしまう感覚。
災害が起こると感じる、「安全な場所で『情報』を見ている」という言葉が一番刺さったかも。
『戦争が終わるたびに
誰かが後片付けをしなけれなばな -
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⚫︎感想
一件家、アパート、空き家、庭など、さまざまな種類の住まいを通して、1人の人間が生きるとは?に思いを馳せることができた。生活をする中で、一つ一つの出来事は些細なんだけれども、その些細なことの積み重ねで生活ができあがる。その些細なことのなかには、偶然がもたらす人間関係だったり、自分ではコントロールできないものがあったりする。
諸行無常を思わせる作品だった。語りは優しいが、ドキっとすることも起きたりで、一気に読めた。好きなタイプのお話だった。
⚫︎あらすじ(本概要)
東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示してい -
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ネタバレ・単行本では33。文庫で1増補。文庫解説=深緑野分
・公式HPが充実。後藤正文による書評「百年後の誰かも読む本」。作者と柴田元幸の対談「響きあう時間と場所と誰かの記憶」。
・読みながら思った……ある場所で、時間が流れる、何事の不思議なけれど。で検索してみたら、北原白秋「薔薇二曲」だった。〈一//薔薇ノ木ニ/薔薇ノ花サク。//ナニゴトノ不思議ナケレド。//二//薔薇ノ花。/ナニゴトノ不思議ナケレド。/照リ極マレバ木ヨリコボルル。/光コボルル。〉
・あるいは各話の章題から、飯田茂実「一文物語集」を少し連想した。といって「一文物語集」はそれ自体で完結しているので、拡大すればこうなるというものでもない -
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装丁が心にストライクで、古本屋で出会った1冊。
なんで古本屋さんで出会うと、こんなにもご縁感じちゃうんだろう。不思議。
ほんと価値観って人それぞれだし、本来誰かと比較するもんでもないよなぁ。
なんで自分が思う当たり前を、振りかざしてしまうんだろう。他人にも、自分にも。
人生1回しかない。
と思いつつ、この本の評価が低めなのを見てちょっとガッカリしている自分がいる。
自分がいいと思った本に高評価がついていたらちょっと安心しちゃうし、逆だったらちょっとがっかりしてしまう。
「普通」でいたいという、マイノリティから外れたくないという思いは、無意識的にあるんだろうな。
意見が別れて当たり前のもので