柴崎友香のレビュー一覧

  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?
    何でもない日常は退屈そうだけど、この物語に出てくる第三者の日常は決して退屈なものじゃなくて自分を客観的に見てるような気がしてくる。起承転結があるのかないのかもよくわからないまま、物語は進むけど現実はそんなもんだ。面白いものにするのも、詰まらないものにするのも実は自分で決めているような気がする。「エブ...続きを読む
  • 星のしるし
    神様は信じてるけどサンタさんは最初から信じてなかったし、神様は場合によっちゃとても胡散臭くて、だから、神様を信じてます、神様のようにあなたをお慕いしております、といった時にもっとかっちりくる言葉があると思ってた。
    「もしかして神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれないと、思った。どこ...続きを読む
  • 主題歌
    昨日の今日なのでずいぶん読みやすかった。
    本当は☆3.5くらい。やっぱり4。
    柴崎友香の小説が好きなのは、かけがえのない今の瞬間をかいてるから。登場人物はみんな、この瞬間は二度とないことを知って生きてて、それをいちいち大事にしてるから、柴崎友香の主人公の女の子はみんなかわいい。
  • わたしがいなかった街で
    これ、あらすじはとっつきにくかったけど、言ってることはすごくよくわかってよかった。
    なかちゃんにまた会えてうれしかった。

    最初のほうで、神様についての女の人の話で、神様には何かを決めるときはいつも相談するっていうの。神様は答えないのに相談するっていう話に、それ日本では「道徳」っていう感じかな? て...続きを読む
  • 主題歌
    関西のどこにでもいそうな普通の女の子なのに、柴崎氏が描くとどうしてこんなに素直で可愛くなるんだろうかと思う。
    みんな優しく見守って、応援してあげたくなります。
  • 主題歌
    【本の内容】
    職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。

    美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集...続きを読む
  • ショートカット
    【本の内容】
    人を思う気持ちはいつだって距離を越える。

    離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。

    「だって、わたしはどこにでも行けるから」―遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    遠距離恋愛...続きを読む
  • その街の今は
    実は芥川賞受賞までは知らなかった作家さん。
    馴染みのある大阪の街について書いてあるようだったので、読んでみた。
    自分も生活していたあたりがよく出てきて、想像しながら読めたのでおもしろかった。あのあたりを主人公は歩いている、自転車に乗っている、など。大阪の街を知らない人でも、その豊かな表現力で楽しめる...続きを読む
  • ショートカット
    大阪弁が自然で、登場人物が真っ直ぐで、柴崎氏の目線に気負いがなくて、とにかく大阪を離れて単身赴任の寂しさを癒してくれる作品でした。
    大阪で読む以上に効果的だと思う。
  • その街の今は
    なにか事件があるわけでもなく、心踊るようなこともないのだけれど大好きな大阪の町の丁寧な描写や関西弁に癒される。淡々と進む毎日が心地よい。
  • 青空感傷ツアー
    とっても自然な関西弁で描かれた女の子2人の物語。
    特に何かが起こるわけでもないのに、彼女たちの目線を通して癒されるような気持ちになるのが不思議。
    登場人物に決して無理をさせない優しさが、柴崎氏の持ち味なんだろうと思う。
  • また会う日まで
    何気ない日常の中での人々の心情描写がとても上手いと思った
    多分この著者の作風なんだろうけど、特別これといった事件がある訳ではないから、推理モノや刑事モノが好きな人は物足りなさを感じる
  • フルタイムライフ
    この作者の方は、OL経験があるのかな?

    な~んにも、大事件とか起こらない話ですが、すごくOLの日常がリアルに描かれていて、自分のOL時代が懐かしくなりました。

    そうそう、フェリシモとか千趣会とか、そういうの取り仕切る人が必ずいるんだよね~とか、仕事の合間合間に、ティータイムとかお菓子タイムとかと...続きを読む
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?
    関西人以外には区別がつかないだろうけど、自然な大阪弁が心地よい。
    柴崎氏の作品に共有することですが、登場人物たちがみんな素直でのびのびしているところが微笑ましく、読んでいて穏やかな気持ちになりました。
  • また会う日まで
    大阪に住む有麻が東京を訪れた一週間。元同僚、大学のサークル友だち、接待で出会った外国人、そして高校のときの同級生でなんとなく特別な思いを抱いていた鳴海くん、またその彼の家を時々訪れるらしい凪子。さまざまな人との出会いが柴崎友香らしいふわっとしたタッチで描かれる。
    日常の描き方がやっぱり上手。本を役に...続きを読む
  • その街の今は
    大阪に住む三十歳女性の日常。
    「主題歌」を読んだときにも感じたが、色んな偶然が重なって日常の一瞬一瞬ができていて、友達と飲んでいたり仕事をしていたりする、その日常を切り取るだけでも十分小説になるんだなと。すっかり柴崎作品にはまってしまった。
  • 主題歌
    初めて柴崎さんの作品を読む。友人と集まって飲んだり話したりする時間、日々の仕事、考えごとなどが淡々と描かれる。日常が大きく変化することはないが、今ある環境は永遠には続かず、いずれは友人とも集まれなくなる。時間の有限性が感じられる。他の作品も読んでみたいと思う。
  • フルタイムライフ
    入社1年目の女の子話。
    淡々と日々が続くなか、どの月の話もよくわかる。
    自分も同じ様に感じたことがなつかしい。
    大阪の会社が舞台で関西弁もウレシい限り。
  • フルタイムライフ
    ―――実際にその中にいる人にしかほんとうのところはわからないのかもしれない。―――

    OL1年目の5月から2月までを描いた会社小説。
    まるでフランス映画を観終わった気分。
    淡々とした日常の最後に、ちょっとだけ前進するような。

    ―――必要なのは、なにかするべきことがあるときに、それをすることができる...続きを読む
  • ガールズ ファイル 27人のはたらく女の子たちの報告書
    「働くとは何か」とまとめるのではなく、働いている女の人複数に話を聞いて、そのまま載せているので、それほど著者の価値観が感じられず読みやすかった。共感する人もいればそうでない人もいて、色々な人の風景を垣間見れるのが面白い。