柴崎友香のレビュー一覧

  • パノララ

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    アパートの契約更新に伴い、知り合いの木村家の空いた一部屋に移ることにした田中真紀子。増改築を繰り返された木村家の、不思議な二階に引っ越してみると、木村家は木村イチロー以外、常時薄着で建築業の父、イラストレーターの姉、映画監督を目指す妹、そして現役女優のみすずと、予想外に個性的な人たちの集まりであった。どことなくお互いよそよそしい家族と、自由奔放で頻繁に家を空けるみすず。真紀子を介してか介せずか、家族が少しずつ動いていく。

    うーん、不思議な感覚の小説。のっけから妙に読みにくい部分があると思ったら、芥川賞作家なのね。わざとなのかわざとでないのかわからぬが、「なになにが何々をして、なになには何々で

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    2025年02月05日
  • 続きと始まり

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    三人の日常の話しが入れ替わり立ち替わりに語られていてなかなか読みづらかった。それにしても何となく違和感があったのは2020年はコロナが全国的に流行った時でこんな物語りの様な日常はなかったのではないかな!三人の日常会話にコロナの深刻さがうかがえないのは何故なんだろうと思ってしまった!

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    2025年01月21日
  • 大阪

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    『大阪』を書くことで、いま街の中で生きる自分の人生を書く…。『大阪へ来た人』と『大阪を出た人』による初共著エッセイ。
    私も大阪に来て40年。当初は賑やかだけど汚くて怖い街という印象だったが、この数年ですっかり洗練された都市に変わった。それでも他の都市にはない独特の空気が、ずっと住み続けたい理由である。

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    2025年01月04日
  • 百年と一日

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    32編からなる短編集。長いのもあるが殆ど数枚なので、短編小説を書いてみたい人には参考になるかも。そんな訳で、中身は関西の日常っぽいものから、外国やら戦争やらの不思議ワールド。ご興味あればどうぞ。

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    2025年01月02日
  • 春の庭

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    「春の庭」第151回芥川賞受賞作


    特別何かがあるわけでもない

    どちらかと言うと淡々とした毎日の方が多い日常

    その中で
    木々や
    花たちから感じる季節の移ろい


    そんな幸福感を感じることができる小説でした。

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    2024年11月05日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    待ち遠しいってどういう感じかな。
    主人公は1人で無理もせず、多きな欲もなく平凡に過ごしていた。そんな中に、新しい大家さん、今まで隣にいたのに関わりのなかった若い夫婦が入り込んでくる。
    私なら少し鬱陶しいかもと思うけど、昨今の隣の人も知らない中、少しだけならいいのかもと、読み進めるうちに感じた
    「人と一緒にいるのはエネルギーがいるから、1人の時間にそれを貯めてる」主人公
    「1人でいるのは寂しいから、賑やかな時間に力を貰う」ゆかりさん
    私はどちらかといえば主人公寄りかな
    と、咲希さんは今どうなんだろう、1人でいるのは辛いのか?と言うことが謎のまま思った。それが、ちょいと心残り。

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    2024年10月11日
  • 百年と一日

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    懐かしくもなんてことのない日常を切り取った誰かの一日の積み重ね。
    時代も性別も違う1人の人生を短くたんたんと語っていって、重なって重なって百年に移り変わっていく。
    短編のタイトルがザッと内容説明されててオチわかっちゃうじゃんって思うんだけど、物語の余白は読者のために空けてあるんだって。なんて素敵な。
    なかなか淡々としすぎていて、好みが分かれそう。
    新しいショートショートストーリーでした。

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    2024年10月06日
  • 続きと始まり

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    別々の3人がコロナ禍で考える日々を追う。

    2つの震災やいろいろな出来事の中で、3人とは年齢も立場も違うけれど、いくつも私もそう思った、わからなかったけれど、同じ感情だと感じたことがいくつもあった。

    とにかく、文字量が凄い。ただ、感情はこれほど多く日々語ってるんだよなと思うとともに、だから疲れるんだなぁとも。

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    2024年09月20日
  • きょうのできごと、十年後

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    続編と知らず先に読んでしまうという、、
    10年前の関係を勝手に想像しながら読んだから、次はその答え合わせをしてみようかなと。
    場面描写が細かくて、ゆっくり進んでいく感じがとても好みだった。
    10年後の自分はどうなっているんだろう。10年前の自分は10年後のことなんて想像できていなかったな。何が起こるかわからない未来がとても楽しみになった。

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    2024年09月07日
  • 続きと始まり

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    コロナ禍に陥った1年間に、それぞれの阪神大震災と東日本大震災の記憶が混ざり合う。
    いまでは過去の言葉となった「不要不急」「まん防」などへの違和感を添えて、自分の記憶も丁寧に引き出されるノンフィクションのような作品。

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    2024年08月14日
  • 大阪

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    柴崎さんはともかく、岸さんのパートは大阪ワナビーのおっさんの自慢とも蘊蓄とも取れない昔語りだった
    若い頃はやんちゃしてたな〜おっさんになってからもこんな悪い友達がいたんだぜ〜みたいな、飲み屋で隣に座ったおっさんが聞いてもないのに延々と語ってくる様に似た読後感

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    2024年08月06日
  • きょうのできごと 増補新版

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    何か事件が起こるわけではないけどいろいろなことが詰まった日々。若いというのはそのいろいろを感じられることなのだろう。
    精緻で淡々とした描写がいいと思った。

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    2024年08月01日
  • 大阪

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    たしか座間味に行ったんだと思う。夕方、誰もいない浜辺で撮った写真が、たしかかあったはずだ。どこに行ったんだろう。彼女はたしか黄色いワンピースを着ていたと思う。たしか、たしか。思う、思う。

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    2025年10月21日
  • 続きと始まり

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    ネタバレ

     男女三人の登場人物が、2020年3月からの2年間、要はコロナ禍の間、それぞれの場所で、それぞれの暮らし、人生を、いかに送ったかが、微細ながら、淡々と紡がれる。
     未曽有の国家的危機の最中、その9年まえの2011年の東日本での大震災や、さらにその前の阪神淡路の震災にも思いを馳せつつ、今を生きる市井の人びとの暮らしが、そこにある。
     つまり、いろんな出来事があった「続き」の今であり、そんな中で、新たな暮らしぶりの「始まり」を描く物語。

     ただ、いつまでたっても、その三人が絡んでこない。年代も、職種も、生活環境も、住む場所も異なる三人ゆえに、一向に人生が交差していかない。同じコロナ禍を過ごすこと

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    2024年06月13日
  • その街の今は

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    感想、なんて書こうかなあ?と思ったのが第一の感想。
    川上弘美さんの解説を読んで、なるほどなーと思った。
    たしかに、決めつけがない。この人はこういう人だ、というキャラ設定がないというか。
    「こういう人がいるよね」という小説とは違う意味で、解像度が高い、のかもしれない。やな人がいないし、かと言っていい人でもない。
    他人からするとなんでもない普通の日常、を描くってこういうことなのかもしれない。それはとても絶妙なバランスで構成されている。

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    2024年06月02日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    感情表現が豊かで、色鮮やか。

    実写化の人選が上手すぎて苦しくなる。麦そのまま。
    東出昌大しか頭に浮かばず読むのがつらい。

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    2024年05月30日
  • 百年と一日

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    過去現在未来をつなぐ短編集。
    現在残っている建物、写真、書物などは、過去を生きた人の物語でもある。最近、現在もある場所に、過去生きたの人々の残像を描いた絵画を見たことがあって、それを小説化したような作品だと思った。
    オチがしっかりめではない短編集なので、途中で諦めかけたけど読んで良かった。

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    2024年05月04日
  • 待ち遠しい

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    私の仕事は社会的には評価されている仕事です。世の中には生産性のない仕事を評価しない人がいるんだな〜、夫や姑が私の仕事を評価しない理由がわかった

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    2024年03月25日
  • 春の庭

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    ストーリーは好きだけど、がんばらないと読めない感じがずっとあった。がんばって読んで、やっと入ってくる。短編なのに疲れたなー

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    2024年03月12日
  • 続きと始まり

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    何か特筆するような出来事が起こるわけではない。2020年3月から2022年2月にかけての期間、コロナ禍で全ての人の生活が影響と制約を受けていた期間における、ごくありふれた一般市民である男女3人の身の回りで起きたことを、それぞれが主人公となる章を交互に重ねることで描いていく。
    確かに、コロナ禍の生活ってこんな感じだったよなあと、ほんのちょっと前のことなのに、時を隔てた異世界のように感じられるのが不思議だ。
    あの時期の暮らしや感覚を、後に記録として残す意味でも貴重な価値を持つ小説と言えるかもしれない。

    登場人物たちに、ふとしたきっかけで蘇る過去の記憶、それがこの小説のテーマである。阪神大震災や東

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    2024年03月07日