柴崎友香のレビュー一覧
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待ち遠しいってどういう感じかな。
主人公は1人で無理もせず、多きな欲もなく平凡に過ごしていた。そんな中に、新しい大家さん、今まで隣にいたのに関わりのなかった若い夫婦が入り込んでくる。
私なら少し鬱陶しいかもと思うけど、昨今の隣の人も知らない中、少しだけならいいのかもと、読み進めるうちに感じた
「人と一緒にいるのはエネルギーがいるから、1人の時間にそれを貯めてる」主人公
「1人でいるのは寂しいから、賑やかな時間に力を貰う」ゆかりさん
私はどちらかといえば主人公寄りかな
と、咲希さんは今どうなんだろう、1人でいるのは辛いのか?と言うことが謎のまま思った。それが、ちょいと心残り。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ男女三人の登場人物が、2020年3月からの2年間、要はコロナ禍の間、それぞれの場所で、それぞれの暮らし、人生を、いかに送ったかが、微細ながら、淡々と紡がれる。
未曽有の国家的危機の最中、その9年まえの2011年の東日本での大震災や、さらにその前の阪神淡路の震災にも思いを馳せつつ、今を生きる市井の人びとの暮らしが、そこにある。
つまり、いろんな出来事があった「続き」の今であり、そんな中で、新たな暮らしぶりの「始まり」を描く物語。
ただ、いつまでたっても、その三人が絡んでこない。年代も、職種も、生活環境も、住む場所も異なる三人ゆえに、一向に人生が交差していかない。同じコロナ禍を過ごすことが、唯一の共通点で、なんとももどかしい。
が、終盤、やっと、一つの書物を通じて結びつく。あぁ、そういうことかと、やっと得心。
その本は、ポーランドの詩人、ノーベル文学賞受賞者である、ヴィスワヴァ・シンボルスカヤの『終わりと始まり』だ。
私自身も、この詩集をコロナ禍中(2022年10月)に書店で見つけ読んでみて、いたく心を打たれたもの。その時はもう、ウクライナ戦争も始まっていたので、これまでの何かが「終わり」、新たな何かの「始まり」を予感させるようなタイトルにドキっとしたもの。
本書の中の三者は、それ(ウクライナ戦争勃発)前に本書に触れていたという設定ではあるが、著者は、もしかしたら、私と同じころに本書に出会い、この物語を紡いだのかしれない。物語は、2022年2月まで綴られることから、そこはかとなく予想されるのだが、どうだろうか。
ただ、本書のタイトルを「続きと始まり」と、シンボルスカヤの詩集と少しニュアンスを変えている点が、お見事だと思った。
未曽有のパンデミックや、世界を巻き込むかのような、遠く忘れさられそうになっていた戦争というものが起こる今の世相を、これまでの時代の地続きと表現したのだろう。これまでの様々な要因の不用意な積み重ね、看過してきたことや、軽視してきた所業の続きとして、これからの未来が始まるとした。
今は、過去の子であり、未来は今の子。登場人物のなにげない日常も、連綿と未来へとつながっていくのだ。そう、我々の暮らしも、人生も、なにもかもが。 -
Posted by ブクログ
離れの一軒家で一人暮らしをする独身北川春子39歳。そして母屋に越してきた、夫を亡くした青木ゆかり63歳。その裏手の黄色い家で暮らすゆかりの甥っ子の嫁沙希25歳。
適度な距離感で暮していけたら良いのに、持って生まれた性格というのか、寂しさからなのかおせっかいをやき始めるゆかり。ここまでなら許せるけど、ここから先は踏み込んで欲しくない…て所はありますよね。沙希のズケズケ言う言い方も私は苦手。春子みたいに聞き流せたら良いなと思った。
ご近所付き合いは難しいけど、この小説のように何かあった時は遠くの親戚より近くの他人が頼りになることも。特に1人暮らしをしているとゆかりのような存在がいると安心かも。