柴崎友香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ◎あらすじ◎
引っ越し祝いの飲み会に集まった男女7人。
各々の人生を生き、一時混ざり合う「きょうのできごと」を様々な視点から綴った1冊。映画化に伴い作者が映画撮影に立ち会う「きょうのできごとのつづきのできごと」、番外編の「もうひとつの、きょうのできごと」も収録。
◎感想◎
章ごとに語り手も、語られる時間も変わっていく作品。
おおきな出来事は特に何も起こらない。
でも、関西弁でテンポよく繰り広げられる会話と、まざまざと目に浮かぶような情景描写が混じり合って、するすると読めた。
語り手が変わっていくので様々な「きょう」を知ることができる。
彼らが一緒に過ごす「きょう」は、人生のほんの一部であり、毎日はその前にも後にも当たり前のように続いていく。それを想像しながら読むと、7人が交わるこの時間がより輪郭を持つ気がしたし、「きょう」の前に生きていた彼らの人生も知りたくなった。
中沢と真紀が2人で過ごすシーンは心地よかった。
真紀のことがかわいくて仕方のない中沢と、そんな中沢を自然と頼る真紀の様子を想像すると、ほっこりした気持ちになって。
未来はわからないけど、ふたりの「きょう」はとても幸せそうだなぁ、と思った♪
私はいま30代なのでこの一夜の様子を、
こんな風に過ごせる時代が懐かしいな…と思って読んでいたけど、
もし同年代だったら、また違う共感があって楽しそうだなと感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ*住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作! *
普通、ってなんだろう。
子供がどうしてもほしいと思ったことがない春子に対して、「自分は親に育ててもらったのにそんなこと言うん、人として普通じゃないでしょ」「しかもそれを隠さんと人に言うってどうなん?」と責める若い沙希。
え、そうなん??そんなに責められること??
もし、自分がこれを言われたら相当ショックだと思うけど・・・春子のふわりとした返答に救われた。
普通とかあたりまえとか、押し付けずに、お互いゆるゆると受け止められたらいいのにな・・・ -
Posted by ブクログ
母屋の隣、離れの一軒家で一人暮らしをしている39歳の春子さん。大家さんが亡くなって母屋に越してきた、63歳のゆかりさん(亡大家さんの娘さん)。裏手の黄色い家に暮らす、メンバーがたくさんいるアイドルグループにいそうな新婚25歳の沙希ちゃん。
ゆかりさんが越してきたことでご近所付き合いが始まっていく。人との付き合い。社会で生きるということ。ご近所とのつながり。
女性としてこうあるべき、これが幸せなんだよ感。そうそう、私もその偏った風潮の片棒を担いでいる感も無いとは言い切れないけど、違和感は感じる。私は春子さんほど「一人でいたい」と、しっかり割り切ってはいないけど、分かるな〜と思う部分もありながら読み進めました。同僚と友人とご近所と家族とそして他人と。様々な距離感。私は春子さんの同僚のみづきに、一番尊敬と憧れを抱いてしまいました。そして、沙希ちゃんは普通に腹立つ(笑)けど、みんな違うから、人間は素敵なんじゃないかなぁ。
私は特別な存在では全くなくて、才能もなくて、人が普通にしていることが私には出来ないんだなぁと日々感じている。だけど、せめて自分の視界に入る人たちの幸せを願って、その人たちからもらっている幸せを、大切にしながら日々を暮らしていければなと思う。 -
Posted by ブクログ
『普通はこうだよね~』とか、
『○○じゃないなんて、変だよ』とか
私たちの周りには、さりげなく自分の価値観を押し付けようとする言葉が大量に飛び交っている。
価値観や常識なんて人それぞれだし
あれこれ言ってくる人は、言うだけで責任なんてとってくれないのに。
主人公の春子さん(39歳独身一人暮らし)は、
相手にそんな言葉を投げつけられても
ふんわりと受け止めてしまう。
私なら例えその場ではニコニコしてても
心の中では『お前の顔なんて二度と見たくね~!』とか
思ってしまうような場面でも。
春子さんは相手の考え方を否定しない。
『そういう風に思うには理由があるのだろう』と考える。
いいな、私もそんな風に相手のことを決めつけないで
考えられるようになりたいな。
まだまだ修行が必要だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。
ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。
好きな作品は
「パン買ってこい」中田永一
「ホープ・ソング」王城夕紀
「桜の並木の満開の下」遠藤徹
どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。