柴崎友香のレビュー一覧

  • 週末カミング

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    8つの週末を体験したような気分になりました。人生一度きりだからこそ、自分以外の人生を垣間見た気がして、楽しく読ませていただきました。

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    2019年01月31日
  • 春の庭

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    柴崎友香さんが芥川賞を撮った作品ですが、これ自体は、さほどいいとは主ませんでしたね。好きな人にはいつもの彼女ですが、褒めるのに苦労する感じ。

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    2019年01月29日
  • ショートカット

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    ネタバレ

     
     映画館で「寝ても覚めても」という作品の予告編を観ながら思いだした。

      柴崎友香。

    「きょうのできごと」(河出文庫)で登場して、行定勲が映画にした。小説は読んでいたが、映画をテレビで見て、映画もいいなと思った。

     そのときからずっと読んでいるが、面白いことに出来が悪いと思った「春の庭」(文春文庫)という作品で芥川賞をとった。ぼくの先生の一人の哲学者が「ヒャクキン小説」とおっしゃるのを聞いて、二の句が継げなかった記憶がある。ともあれ、この作家に「芥川賞」は似合わないと思った。「そんなたいそうなことじゃないんです。」って、本人がいいそうな気がする。

    「今このとき」が書かれている小説、

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    2019年01月29日
  • 虹色と幸運

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    ネタバレ

    高校や大学で同級生だった3人の女性が、そのうちひとりの雑貨屋の開店祝いに訪れることから始まり、それから1年間が切り取られる。
    柴崎さんの小説を読むときは毎回、長く続く前後の中で「そこだけ切り取られて渡された」という感覚があるが、本書は構成からしてすでにそうだ。
    だらだら続く人生は、切り取られる前にもあったし、切り取られた後にも続く。
    ライフ・ゴーズ・オン、の正しい作品化と言えるのかもしれない。

    他の作品と違うのは、語り手の頻繁なスイッチング。
    2行明けをきっかけに視点人物は3人に割り振られていく。
    ただし3人だけとは限らず、彼女らに交わる人物の内面にもゆるーくスイッチングされ、この「ゆる逸脱

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    2019年01月23日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    あとがきにもあったが、懐かしさを感じられる一冊。夜のドライブも眠たくてしかたない大学時代、ともに懐かしい

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    2019年01月11日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    映画化してて、雰囲気に惹かれて読書
    優しくて辛い恋愛
    あんまり現実味がないな
    主人公には共感できない
    しおりは身近な人を大切にしたいな
    それか、この主人公を理解できるくらい全てを捨ててついて行きたい人を見つけられたらそれはそれで幸せなのかな

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    2019年01月06日
  • 主題歌

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    ネタバレ

    ■主題歌
    三人称。視点も固定せず。という柴崎友香にしては珍しい文体。
    かわいい女の子談義が好きな主人公が、この人をあの人に紹介したいと思う機会が増える。
    いっそのこと友人を呼んでその場で交流できるような女の子限定カフェを一夜限り開くことにする。
    旅行や移動はないが、メディア的な存在になるといういつものテーマが、こういうかたちで実現されている。
    なかなか悪くない。
    ただしわからない人感じられない人には、ただの女子会に過ぎないだろうとも想像できる。
    この人の魅力の理由をまだ把握しきれずにいる。

    ■六十の半分
    三人称だが、視点人物が1で香奈→2で敬一→3で亜矢→4で再度敬一、と変則的。
    それなりの

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    2018年12月31日
  • つかのまのこと

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    文学と俳優さんの写真を合体しており、東出さんの雰囲気と文体がわりとマッチしていました。しかし、写真は写真、小説は小説で分けた方が集中できるかなぁ、と。この世に未練があったのでしょう。家に住みついている幽霊が家の移り変わりを見届け、やがて一番会いたかった人にようやく出会うまでのストーリーはちょっぴり切なかったです。

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    2018年12月12日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    ネタバレ

    大学生とアルバイターのテキトーで楽天的な旅。
    胸に一物隠して、とか、暗い過去が、とかではなく、ただこういう来歴の人物が4人、深夜の高速の車中にいればこういう会話があるよね、という程度の話。
    中高は非モテ、大学で多少なりともゼミのリア充友人と交流をして、かすみ程度にその匂いを感じたこともある身として、
    ああこの人は池○くんだな、とか、ああこれは兼○くんっぽいな、とか、コロ助の妙な理屈っぽさはまぎれもなく自分か平○くんか斎○くんかというところだなー、とか、連想も楽しかった。
    この日々は、きらきら輝いているわけではないが、深夜に遠くのほうでぎらっと光る遠雷がある。
    それは忘れがたいのだ。
    まったく、

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    2018年12月08日
  • その街の今は

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    ネタバレ

    喫茶店でアルバイトをしている「私」の残暑の日常。と要約。
    友達や客や知り合いや、情報やものが行き来するという点で、まずは喫茶店を舞台にしたことが巧みだ。

    次に筋は二本。
    1、男性関係。合コン。似た趣味を持つ良太郎。出張にかこつけて会いに来た既婚の男。の間をふらふら。
    2、いまいるこの街の過去を想起させる、古写真、お客さんの話、古いフィルムやテレビの映像。

    昔の映像が映っている、とメールで教えてもらい、離れた場所で見ながらメールで短くやりとりする場面があるが、
    ここは時間も空間も離れているのにつながっているという、何でもないのに何だかすごい箇所。
    突然「こういう映像を見てると、どこぞで同じ時

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    2018年11月30日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    ネタバレ

    合わないのかな、、、。☆2と迷った。ほぼナナメ読み。
    だって軽い会話文が多すぎて、内容に重みを感じない。うーん。

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    2018年11月15日
  • つかのまのこと

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    東出昌大の写真集?とコラボしたファンタジーというかある旧家に住み着いた地縛霊の話、まあちょっといい話という感じだった。

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    2018年11月05日
  • フルタイムライフ

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    あらすじを真に受けてしまっては、だから何、といってしまっておしまい、な筋。
    いつもの柴崎友香的人物が、今回はたまたま、やや昭和気風を残す職場に位置していた。
    すると彼女は場所の雰囲気を浴びたり、過去を仄かに想像したり、する。
    だからといって何を発見するわけでもない。
    この仕事はまあまあ向いていないわけではない、という感触を持つが、それが明日覆されないとは思わない、という地点で廻ったりもする。
    示唆に富んだ感想がネット上にいろいろあり、非公開メモに残すので、数年数か月後の自分に、考えることを託そう。

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    2018年10月12日
  • その街の今は

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    勤めていた会社が倒産し喫茶店でアルバイトをする、昔どんな風だったのか知りたいから古い写真がすきという二十八歳の歌の、女友達や恋人未満の男友達との日常の大阪弁が良い。古風な感じのする喫茶店もほっこりする。お好み焼きが美味しそうだった。縁あって手元に来た誰とも知れない人たちの写真という有り様が印象的。

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    2018年10月10日
  • また会う日まで

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    ネタバレ

    高校生の頃に同級生と「セ」(ックス)の一文字すら喋れなかった私とは、そもそもクラスタが異なる。
    というやっかみはさておき。
    不思議な読後感。
    何が起きたわけでもない、ただカメラアイとして存在するだけの「私」が、なぜか引っ張りだこ。
    具体的にはみんな彼女に「自分の部屋へおいで」と声をかけてくるのだ。
    最終的にはいわゆる「ゆきずり」へと。
    (宿泊場所を変えられない自分とはまた、クラスタ違い。)
    この図式的な感じは『春の庭』でも気づいたが、それがいったい何を示すのかは、やはりわからない。

    「セックスフレンド」云々のエピソードはなぜか心に残っており、それを確かめるように動く。
    つまり《過去の記憶に触

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    2018年10月02日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    朝子の視点で切り取られる街のにおいや音。現在よりも遡ったところから始まるので、おそらくその時期だろうと思いながら読む。当時の空気を感じながら。物語の進捗をテンポよく感じるというより、じっくり一枚一枚絵や写真を眺めるような小説。『フランスの港町でパステルカラーのお揃いの服を着た美人姉妹の恋物語』のタイトルが何であるか、そしてこれがマイベストムービーのひとつであること、外国のサッカーリーグの『しましまのユニフォーム』はもしかして、白黒?とかそんな部分がふと楽しい。後半はどこか夢のような印象がずっとあった。

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    2018年10月01日
  • 青空感傷ツアー

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    超美人、なだけにゴーマンな音生と音生に振り回されるのにこりごりにもかかわらず、その可愛さにやられてしまうっている私、芽衣。音生の失恋と私の失職をきっかけになぜかトルコ、四国、石垣島と旅することになる。

    突拍子もないストーリー展開に思えるが、旅行先と旅行から旅行への繋ぎがそう思える部分。それぞれの旅先では違った意味での我がまま二人組珍道中という感じ。

    あえて共感ポイントを探すとすると、もしかしてこれが親友?というアプローチかな。

    最後には見た目じゃない、言うこと聞くやつでもないという、本質的な人との付き合い方を示唆したような感じもするけど、たぶん改まってそんな大上段に構えているわけじゃない

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    2018年09月30日
  • 寝ても覚めても 増補新版

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    映画を観た後読んだ。映画を観た人は朝子に感情移入できないと言い、嫌いだという。俺は感情移入出来ていなかったと思うけど、感情の流れは把握出来て、こういう考え方の人もいるんだくらいだった。でも原作ではめちゃめちゃ嫌いになった。特にばくからパンを奪って勝手にフェードアウトするところが最悪。服とかも私に似合うと思って着たとかエゴ・自分中心感が凄い。途中途中の景観文章とかも本文とのリズムに対してノイズだとしか感じなくて合わなかった。映画がどれだけ人に対して真摯に向き合って対話している作品なのかが分かった。本だと映画以上に主観だから、感情移入したしないの観点が大きくなる?
    本だから果たしてばくと亮平が似て

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    2018年09月22日
  • つかのまのこと

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    ネタバレ

    東出昌大さんの素敵な横顔のカバーを外すと、きれいな赤の表紙。写真も懐かしい昭和の雰囲気で良いです。
    自分がだれで、ここがどこで、何をしているのかもわからない主人公。
    作品紹介で「ラスト、あなたはその<結末>に、きっと涙する。」と書かれていましたが…
    偶然の再会? でも結局誰かわからず、再会も主人公の一方的なもの  どうにかなるわけでもなく
    これで心残りなく旅立てるということだろうか?
    消えていった人たちはどうだったのか、ただ一瞬にして消えていったのか    う~ん もう一つ
    何かが欲しい。

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    2018年09月18日
  • 春の庭

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    どう感想を書いたらよいか分からない本に出会う時があるんですが、まさにその一冊。起承転結の結を期待すると肩透かしだが、作品に流れる空気感を楽しむなら最適なのではないか。社会のレールからややはみ出してはいても何処か満足そうな登場人物たちへの親近感や、思わず頭で図画してしまいそうな風景描写など、妙に印象に残ってしまう。NHKあたりで映像化したら以外とハマるのかも。でも、表題作以外自分には難解だったかも…。

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    2018年06月18日