柴崎友香のレビュー一覧
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ネタバレスポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。
ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。
好きな作品は
「パン買ってこい」中田永一
「ホープ・ソング」王城夕紀
「桜の並木の満開の下」遠藤徹
どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。 -
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ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着
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ネタバレ都心から少し離れた大阪の古い家が舞台。母屋と離れがある場所で、主人公の春子は離れの部屋で独り暮らしをしている。独身を貫く決意があり、歳をとったら友人と一緒に住むことを考えている。母屋に住む大家のゆかりは夫に先立たれ、独り暮らしをしている。性格が正反対であるが、いつしか友達となる。近くに住む沙希を交え、少し歳が離れた友人同士となる。
本作品では、古い家に住む人を中心とした女性の日常を描く。女性の日常に潜む生きづらさなどが、男性目線的には赤裸々に語られる。楽しそうに見える女性の笑顔の裏には解決できそうで、できなさそうな事柄があるのだと気づかされる。彼女らは何を待つのだろうか。何かを待つことで幸せ -
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古いアパートに住む離婚歴のある男性と、写真集の舞台となった隣家に異様な関心を示す女性の日々を描いた芥川賞受賞の表題作ほか、3つの短編を収録。
写真集の家に執着する女性の行動こそ変わっているものの、主人公の男性の日常は淡々としていて、とらえどころがない。取り壊すことが決まっているアパートと隣の家での出来事が大半を占め、すべては現実的なのにどこか宙吊りにされているような不安定さも伴っている。
極めつけが、終盤語り手が突然男性の姉に変わること。全体をとおして、心地よい不可解さとでも言ったらいいのか、読後にもっと理解したくてパラパラと読み返してしまう一冊だった。 -
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大阪の(たぶん)ミナミあたりで日々を送っている20代後半の男女の普通の普通で普通な日常が描かれる。主人公の歌子は大阪の昔の写真を集めるのが趣味で、それを見て「この写真の人も私たちみたいに……」みたいな会話もあるから、それが「その街の今は」につながっているんだろうな。
歌子と友人の智佐、歌子の彼氏になりかけの良太郎という主要な3人とも、正社員としてバリバリ仕事をしているわけでなく、腰かけ仕事のような、人どうしのつながりで紹介されたような仕事で日銭を稼ぎながら生きている。でもそのある意味、不安定な浮遊したような立場でもそれなりに楽しく暮らしている印象。知らない街の話だからそう思うのかもしれないけど -
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ネタバレ
映画館で「寝ても覚めても」という作品の予告編を観ながら思いだした。
柴崎友香。
「きょうのできごと」(河出文庫)で登場して、行定勲が映画にした。小説は読んでいたが、映画をテレビで見て、映画もいいなと思った。
そのときからずっと読んでいるが、面白いことに出来が悪いと思った「春の庭」(文春文庫)という作品で芥川賞をとった。ぼくの先生の一人の哲学者が「ヒャクキン小説」とおっしゃるのを聞いて、二の句が継げなかった記憶がある。ともあれ、この作家に「芥川賞」は似合わないと思った。「そんなたいそうなことじゃないんです。」って、本人がいいそうな気がする。
「今このとき」が書かれている小説、