柴崎友香のレビュー一覧
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思ってたんと違った‥
というのがまず第一印象。
タイトルから「生」の話だと思っていた。
それぞれ病気や障害、特性などを抱えながら「私の身体を生きる」というような内容だと思っていたし、そういう内容が読みたかった。
‥それはそれとして、読み進めると
こんなに明け透けに自分の体験や性被害や性癖や生き方を世間に曝け出して大丈夫なのか?と心配になるような内容が多くて驚いた。
そして、みんな色々な事を抱え、考え生きているんだな‥と改めて考えさせられた。
普通に見えるあの人も、幸せそうだと感じるあの人も本当は色々な事情を抱えているのかもしれないと。
「性」に対する考え方・感じ方・捉え方も本当に様々で -
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あなたは、”遠距離恋愛”をしたことがあるでしょうか?
結婚相手紹介サービスの株式会社オーネットが全国の25~34歳の独身男女693人に対して2024年9月に実施した”独身男女の遠距離恋愛に関する意識調査”。
それによると、全体で22.4%の男女が、現在”遠距離”恋愛中にあることがわかったようです。さらに興味深いのは、全体の22.4%の男女が、以前、”遠距離恋愛をしていた”と回答していることです。これら両者を合わせると全体で44.8%もの人が”遠距離”による恋愛を経験していることになります。恋愛に距離は関係ないということが改めてわかります。
『おれの会いたい人は東京におって、東京やからっ -
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柴崎友香さん初読でしたが、目次で驚き! 34編もの掌篇、さらに、あらすじのような長いタイトル…実に風変わりな印象です。読みながら、時間の流れを意識せざるを得ませんでした。
とてもレビューを書くことが難しいです。大雑把な言い方だと、大きな時間軸の流れの中で、様々な土地でいろいろな人の営みの一コマを切り取った映像を観ている感覚に似ています。「土の人」「風の人」がいるから、廃れるもの、新たにできるもの、受け継がれるものがありますね。
些細な日常、そこに生きる普通の市井の人の一コマを、過去や今の自分とも重ね、知らず知らずに想像を膨らませます。それだけの余白こそが、著者のねらいだったのかもしれ -
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エッセイみたいに特別何かが起きる訳ではない。戦争ドキュメンタリーを観て何故私が生き残っているんだろうと思い続けながら、そこが話の本流になる訳でもない。
東京の「わたし」と、京橋の葛井夏の視点の話が繰り返される。
わたしのぐるぐる一人思考は共感出来て静かに読めるけど、、で続く風景描写と話の抑揚のなさに何度か眠る…
裏表紙の「世界の希望に到達する傑作」はいくらなんでも言い過ぎだと思うが、最後の夕日の棚田の景色を夏が見てこれが幸せだ、と思うことを指しているのだろうか? もっと平和に関することだと思った。
「これで、これで」の今ここで飛び降りれてしまう、と考えちゃうの分かる。 -
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Posted by ブクログ
最初は遠い存在の3人が、どんどん近しい存在になっていく。
背が低くてかわいいねと言われることに対して、
「自分より背の高い女は嫌い」と思っている男に「かわいい」と言われることが悔しいという石原優子。
自分が傷ついたと思っていた過去を辿ると、相手を傷つけ怖がらせていたという反転した現実に向き合うことになる小坂圭太郎。
4年間付き合った人は、過去を話したがらない人だったけど、それは自分が悪いとわからないから説明できないだけなのかもと、友人との思い出話で気づく柳本れい。
10年前のある時間に同じ場所にいた3人。少しだけ「かすった」3人が、それぞれの場所でそれぞれの人生を生きてきた。
ただそれだ