柴崎友香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大阪でOLをしている有麻は、
高校の同級生で、当時から恋とはまた違う感情を持ち続けている鳴海くんに会うために東京へやって来る。
有麻が東京で過ごす一週間を丁寧に辿り、
鳴海くんと、鳴海くんのストーカーをしている凪子と過ごす日々の中で人と人の関係性の不思議さを浮かび上がらせる。
有麻を中心とする人々の関係はあまりピンと来なかった。
ただ、東京という街の情景が細かすぎるほど丹念に描かれていて、
有麻が鳴海くんとの関係を捉え直すのがこの物語のテーマだとしたら、
読者が東京を捉え直すという活動も物語の裏側にあって、見えない役割を果たしているのではないかと感じた。
だからなんとなく、東京に住んでいる -
Posted by ブクログ
たまにはジャケ読みしてみるか!と、偶然装丁が目に止まった『星のしるし』を手にとりました。
この本の装丁は「冬の曇った窓ガラスを思わせる、ぼんやりとした低温度な世界」といった印象で、小川洋子さんと似た系統だったら嬉しいな~なんて期待から読み始めました。(残念ながら違いましたが^^;)
世界観、舞台設定:★★★(3)
⇒冬の関西の街を舞台に、30歳目前のOL・果絵の日常が淡々と描かれます。
⇒全くドラマティックなことはなく、主人公の人生のある期間をただ切り取っただけ…といった印象です。
登場人物の魅力:★★★(3)
⇒どの人物も強い感情を出さず、「なんとなく」放つ台詞のみで構成されており、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレわがままで、ゴーマンな美人な音生と、綺麗なモノ好きで、音生の顔を見ているとどうしても言いなりになってしまう芽衣の物語。
男にフラれて、遠くに行きたいと言い出した音生。大阪→トルコ→四国→石垣島と旅をしていきます。
はじめは、「芽衣が音生に振り回されて大変だな」くらいに思っていたのに、途中から芽衣も大概わがまま何だということに気がついた。
わがままな女子二人が、わがまま気ままに旅をしているのを読んでいると、自分の二人旅を思い出します。
どうしても、喧嘩になってしまうし、「あぁ、今怒ってんだろうな」って思うこともあり、気まずい思いもするのに、また、二人で出掛けてしまう。
気持ちよくわかります