柴崎友香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレわがままで、ゴーマンな美人な音生と、綺麗なモノ好きで、音生の顔を見ているとどうしても言いなりになってしまう芽衣の物語。
男にフラれて、遠くに行きたいと言い出した音生。大阪→トルコ→四国→石垣島と旅をしていきます。
はじめは、「芽衣が音生に振り回されて大変だな」くらいに思っていたのに、途中から芽衣も大概わがまま何だということに気がついた。
わがままな女子二人が、わがまま気ままに旅をしているのを読んでいると、自分の二人旅を思い出します。
どうしても、喧嘩になってしまうし、「あぁ、今怒ってんだろうな」って思うこともあり、気まずい思いもするのに、また、二人で出掛けてしまう。
気持ちよくわかります(笑)
私は芽衣タイプ。
外見なんて、中の下なのにイケメンが好き。
後で、ウジウジ悩んで後悔して、それを誰かに聞いてもらって共感してほしい。
意見言われたら、むくれてしまう。
・・・・自分が情けなくなる。 -
Posted by ブクログ
東京ディズニーランドに向かうカップルと、その友人男二名の数日間。
劇的な変化を起こす事件は起こらないけれど、些細な一言で車内の空気が明るくなったり険悪になったり。
同乗者の身勝手な一言に振り回されたり、それが何気なく楽しかったり。
そういう「ああ、こんなことしたなーあったなー」という所に上手くスポットが当てられていて、なんとなく微笑ましい気持ちになる(と思う私も、そろそろ年なんだろうか)
でも確実に時間は過ぎ、人と人の間にある「何か」も変化していく。
何かがあったわけではなく、何もなかったわけでもない。
蛇足であるが、こういう時に一番弱い役回りである者の一言が、意外な破壊力を持っていることがある。
(綿矢りさの解説からも、その功績が伺える) -
Posted by ブクログ
『文学界』掲載作品で、『文藝』を中心的な発表の舞台としてきた柴崎作品としては、今までとはまた少し違う雰囲気の作品となっている。
占いやヒーリング、果ては宇宙人まで、オカルトにはまる人たちがテーマになっていて、柴崎がこういう作品を書いているのは意外な気もするし、最初の印象としては、若干作風からズレているのではないかとも感じるところだ。
淡々と日常を語っていく語りの中に、占い、ヒーリング、血液型、UFO、信仰、ネイティブアメリカンまで豊富なオカルトネタが日常に溶け込んだ形で登場し、ごく普通の人がそれらに触れるありようが書き込まれていく書きぶりは、かなり怖い。
日常に潜む怪異というか、普通に生きる人々が生み出す怪異(=幻想・妄想)を描いている。P136では占いにはまることについて、語り手が自分には何もないが、何か確かなもの、基準みたいなもの、理由みたいなものが欲しいと語る箇所があるのだけど、結びではこの語り手はかなり「怖い」場所まで行ってしまう。
三島由起夫の『美しい星』にも似ている作品だと思う。柴崎の淡々としたシャープ文体がホラー小説/怪談に向いていることがわかる作品だが、この作品自体はあまりうまくいっているわけではないと思う。柴崎の自分の資質を開いていく試みとして評価したい。