柴崎友香のレビュー一覧
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走馬灯。この小説をひと言で言い表すならこの単語が相応しい。視点は一人称、時系列はバラバラ、他者への感情移入はほぼ無し、10代の日記を思いつくままに並べたような小説だ。ティーンエイジャーならではの喜びや悲しみ、仲間と敵の区別、大人への畏れと蔑み、身近に存在しない者への親近感、摑みどころのない自分に対する不安、痛みを感じている自分への距離感…。子ども時代を走馬灯のように描くことで、主人公の少女そのものを描いている。自分という存在を振り返るとき、誰もが同じような記憶を呼び起こすのではないか。絵の具の12色の緑は、なんで緑でなくてビリジアンなんやろ、みたいな素直な記憶を。
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Posted by ブクログ
ネタバレ頻繁に交流があったわけではない祖父が、亡くなった。
それまで日常で思い浮かべるような存在でもなかった人が、亡くなった途端にやけに思い出が蘇ってくる。
穏やかな恋人の朝陽に、占いにはまる友人の皆子、UFOや霊感についてやたら感心を示す放浪人のカツオ。
移転する小さな職場に、悩みなんてないサバサバした年下の先輩。怪しげででも効果テキメンのマッサージ屋を紹介してくれた女性同僚。
一回だけ、結婚を破断にしてしまったことがある果絵さんだけど、今の生活に特に悩みも何もなく、しかしそれで大丈夫だろうかと、不安になってみたりもする、不安になることで悩んでいる自分を演じているような、そんな日常。
これとい -
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【本の内容】
超美人でゴーマンな女ともだち音生と、彼女に言いなりな私。
音生にひきずられるように、大阪→トルコ→四国→石垣島と続く、女二人の凸凹感傷旅行はどこへ行く?
抱腹絶倒、やがてせつない旅の空。
映画「きょうのできごと」原作者による、各紙誌で絶賛された、ウルトラ・キュートな話題作。
[ 目次 ]
[ POP ]
外見で人を判断する芽衣(めい)と、超キレイであけすけな性格の音生(ねお)。
大阪からトルコ、徳島、石垣島と無計画な旅を続ける二人は、互いに欠点だらけなのに、なぜか対等な関係になっている。
わがままな友だちに振り回されないコツは、自分をしっかり持つこと!
美人だが