柴崎友香のレビュー一覧

  • ビリジアン

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    走馬灯。この小説をひと言で言い表すならこの単語が相応しい。視点は一人称、時系列はバラバラ、他者への感情移入はほぼ無し、10代の日記を思いつくままに並べたような小説だ。ティーンエイジャーならではの喜びや悲しみ、仲間と敵の区別、大人への畏れと蔑み、身近に存在しない者への親近感、摑みどころのない自分に対する不安、痛みを感じている自分への距離感…。子ども時代を走馬灯のように描くことで、主人公の少女そのものを描いている。自分という存在を振り返るとき、誰もが同じような記憶を呼び起こすのではないか。絵の具の12色の緑は、なんで緑でなくてビリジアンなんやろ、みたいな素直な記憶を。

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    2017年01月06日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    表題作は会話文が過剰で、柴崎友香の持ち味である視線で捉えているものの丁寧な描写が少なくて個人的に残念だった。
    2本目では持ち味が所々で出ていて、これだよこれと思いながら読んだ。ライブと睡眠って対極にあって普通は結びつかなそうなものだけど、ライブハウスの振動の中で眠るのは確かに気持ち良さそうだなあと思った。人間の両面性が面白い視点で温かく描かれていたと思う。そこが良かった。

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    2016年07月29日
  • ショートカット

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    遠距離恋愛がテーマの連作短編だけど、全然甘くない。
    甘くないどころか、終わりを予感させるような作品が多いけど、だからといって切なくもなく、体温が低めの人達の話という感じ。
    日常を切り取っての描写が、私のツボに入らないので、波長が合わないんだろうなあ……。
    文章は読みやすいので、波長が合う人には面白い作品なのだと思われます。

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    2015年10月11日
  • また会う日まで

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    普通に日常生活を淡々と描いているようで、視点や感性がほんの少し特別な、これぞ柴崎さんの作品という感じでした。
    過去の作品もきちんと内容を覚えていないくせに、なんとなく好きでたまに読みたくなる作家です?

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    2015年08月25日
  • 星のしるし

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    柴崎友香の小説はいつものことながら会話がとてもよい。
    日常的過ぎて意識をするっと透過してしまいそうなんだけど、ふとした瞬間にこの本のエピソードを思い出しそう。

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    2015年08月04日
  • フルタイムライフ

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    何かもっと、
    ぐっとくるものがあるかと思ったけど、
    特に無く。
    あれ、終わった。
    って感じで読破。

    お仕事する人間のリアルな気持ちって
    こんな感じだよね。

    仕事で悩んでる人間は、読むべきじゃない。
    対して参考ならんから。
    けど嫌いじゃなかった。

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    2015年07月08日
  • 虹色と幸運

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    つかめないけど妙にリアルで面白かったな~
    働く女たちは、自分たちの年齢に自覚のないまま
    いつになったら大人にカウントされるのかな~って
    ふわっと思いながらだるっと毎日を生きている気がする。

    わたしは奈良でぼちぼち生きたいわ。って、そんな都合のいい仕事ないねんけどな。そこそこで生きていくことがなんでこんなに難しいんかなあ。普通ってほんまにすごい大変なことみたいな気がしてきた、最近。

    ほんま、そう思うわ。普通って難しい。

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    2015年05月12日
  • ドリーマーズ

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    夢や不思議な体験と現実の間を浮遊するような作品でした。夢をテーマにした連作短編集。
    わたしにはちょっとわかりにくかった。

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    2015年04月11日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    とりあえず右やな。解説が綿矢りさでちょっとがっかりしてたけど、まあまあよかった。
    毎日がこんなにおもしろいしこんなにきれいやのに、それを何もないってどうして感じるのかな。

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    2015年04月08日
  • 青空感傷ツアー

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    ストーリーはともかくね、会話が、しかも女の子たちの会話が続いてくことほどいいことは他にないってくらいたのしかった。最初は嫌やったけど最後はたのしかった。

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    2015年04月07日
  • フルタイムライフ

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    毎日、誰と、何をするか。それが自分をどういうふうにでも作っていくんだと思った。僕はもっと刺激的な世界が好きだと思った。春子ちゃんのように、いつまでも素直に世界を見ていたい。

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    2015年03月10日
  • わたしがいなかった街で

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    ネタバレ

    柴崎さんらしい雰囲気の文章だった。(どことなく『フルタイムライフ』を彷彿とさせる)

    物語の行き先は私にはちょっと難解だったなぁ。
    主題を見つけ損なってしまった><

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    2015年02月01日
  • ドリーマーズ

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    いい。
    わたしも夢見がちで、起きてても夢を見るし、現実と夢の区別もつかないし、夜と朝のすきまも曖昧だし、だから感覚はこの本のとおり。
    ただ、いくら好きでも柴崎友香ばかりは飽きる。

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    2015年01月18日
  • わたしがいなかった街で

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    苦戦しました。
    ストーリーの起伏というより、一つ一つの場面の中での主人公の心の動きや、それを記す文体を楽しむ本。いわゆる純文学です。
    しかし、しかし、どうも戦争ドキュメントにはまり込む主人公の性状に付いて行けず。
    文章は素晴らしい。
    ただ好きかと言われれば、それほどでもなく。ついつい目が文字の上を滑るような感じがしました。とは言うものの、何か所も思わず引き込まれる表現があり、それだけでも読んだ価値はあると感じました。

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    2016年05月29日
  • 星のしるし

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    ネタバレ

    頻繁に交流があったわけではない祖父が、亡くなった。
    それまで日常で思い浮かべるような存在でもなかった人が、亡くなった途端にやけに思い出が蘇ってくる。

    穏やかな恋人の朝陽に、占いにはまる友人の皆子、UFOや霊感についてやたら感心を示す放浪人のカツオ。
    移転する小さな職場に、悩みなんてないサバサバした年下の先輩。怪しげででも効果テキメンのマッサージ屋を紹介してくれた女性同僚。

    一回だけ、結婚を破断にしてしまったことがある果絵さんだけど、今の生活に特に悩みも何もなく、しかしそれで大丈夫だろうかと、不安になってみたりもする、不安になることで悩んでいる自分を演じているような、そんな日常。

    これとい

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    2014年12月16日
  • ガールズ ファイル 27人のはたらく女の子たちの報告書

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    同年代との接点が少ないからか、時々こういうジャンルの本を読みたくて仕方ない時がある。
    いろんな生き方があるとなんか心が楽になる。

    アルファベットよりもやっぱり名前がついていた方が実物に近づける気がするんだよね。

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    2014年10月26日
  • 青空感傷ツアー

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    【本の内容】
    超美人でゴーマンな女ともだち音生と、彼女に言いなりな私。

    音生にひきずられるように、大阪→トルコ→四国→石垣島と続く、女二人の凸凹感傷旅行はどこへ行く?

    抱腹絶倒、やがてせつない旅の空。

    映画「きょうのできごと」原作者による、各紙誌で絶賛された、ウルトラ・キュートな話題作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    外見で人を判断する芽衣(めい)と、超キレイであけすけな性格の音生(ねお)。

    大阪からトルコ、徳島、石垣島と無計画な旅を続ける二人は、互いに欠点だらけなのに、なぜか対等な関係になっている。

    わがままな友だちに振り回されないコツは、自分をしっかり持つこと!

    美人だが

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    2014年08月24日
  • 青空感傷ツアー

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    行き当たりばったりすぎるけれど、そして淡々とした話だけれど、とても懐かしい感じがして、私は好きです。

    わがままな主人公に対するお説教が、強烈で苦笑い。

    …1人で寂しいばあさんになって金魚に話し掛けるのよ…

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    2014年04月10日
  • 星のしるし

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    びっくりするくらい何も起こらないし、何も解決しない。だけど、なんだか文体が好きなんだよね。血液型に縛られてるのは日本人だけとか。だから日本人に限っては血液型で性格が決まるとか。それ真意な気がする。ただ私自身スピリチュアルとか信じないし、占いも行かないのでその辺はよくわからんかった…。最後はなんか駆け足だった気がする。2011/451

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    2013年10月08日
  • 主題歌

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    ネタバレ

    随分前に読んだのですが、何となく再読しました。当時は、こんな生活をしている人もいるんだーと思っていましたが、今は、夜遅くに飲みに行ったりして若いなぁと思うようになってしまいました。

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    2013年08月13日