あらすじ
父の一周忌のために故郷の街に暮らす妹夫婦を訪ねた「わたし」は、すっと眠りに引き込まれて、自分が死んだことに気づいていない父を夢に見る――。日常でふいに感じる思いのはかなさは、夢を思い出そうとするときのもどかしさに似ている。夢も現もない交ぜになった目の前にある世界のかけがえのなさを描いた連作短篇集。 (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
柴崎友香さん始めて読みましたが、めちゃくちゃ良かったです。
夢か現実かよくわからない曖昧な世界での淡々とした会話や、何気ない日常が読んでいてとても心地良かった。
他の作品も是非読んでみたいです。
Posted by ブクログ
そろそろ三十メートル上方に浮かぶ会社に戻らないといけないと思いながら〔34:ハイポジション〕
「東京とパリとバンクーバーってなんか違うと思う?」「なんかって」「わからないけど。今までこんなすごいことなんで誰も教えてくれなかったの、って思うような決定的な違い」「なにそれ」
〔56:クラップ・ユア・ハンズ!〕
たぶん今のわたしよりも小さかった小学生のころの幸太郎の後ろ姿が、うちの近所の建て売りが並ぶあたりをうろうろしているのが思い浮かんだ。でも、それと、幸太郎が思い出しているのとは、全然違う景色だと思う。〔86:夢見がち〕
「焼肉屋ってどのへんにあるの?」
鶴橋の駅を出て右。〔95〕
だけど、総合的には、わたしはうれしそうだった。〔212:ドリーマーズ〕
聞き返しながらも隣の競馬新聞のおっさんに気を取られているえみ子に、周りのものがどんなふうに見えているのか、私は知りたかった。えみ子の頭のうしろに、私の行ったことのない場所が広がっていて、えみ子は常にその場所の広がりと記憶を持ち続けたまま、わたしやおっさんや高島屋や信号機を見ているのだと思った。〔216〕
Posted by ブクログ
山なし谷なし。真昼間に、鬼火がふわふわ漂う小川を緩やかに下るような感じ。私はこの本、大好きです。ただ、方言の壁があるなと思いました。大阪弁の自然なイントネーションと掛け合いのタイミングが、関西人である私の中では自然に流れて楽しめるわけですが、それがないと面白さが半減するような気もして、なかなか読み手を選んでしまうかも。
Posted by ブクログ
現在と過去が、現実と夢が、融け合うでもなく混同するでもなく、割合に平然と共存する。
夢に現れる人は、おおむね死人の気配。
またこれから生まれる人もいるが、未生の者も死人も生きている語り手も、みな暗いところにいる。
あるいは暗いところが見える。
何気ない凄まじさ。
■ハイポジション
■クラップ・ユア・ハンズ!
■夢見がち
■束の間 ☆印をきっかけに時間を交互に。
■ 寝ても覚めても
■ ドリーマーズ
Posted by ブクログ
柴崎友香さんの小説だなーと感じるゆるゆるな雰囲気。それに夢という言ってみればなんでもありな不確かな要素がプラスされた本。
友達とカフェで話したり、夜を歩いたり、でかけたり。
主人公が見る世界の描写が読んでいてとても楽しいです。
ネタバレとかそもそもないから何度読んでも大丈夫だと思う。
Posted by ブクログ
いい。
わたしも夢見がちで、起きてても夢を見るし、現実と夢の区別もつかないし、夜と朝のすきまも曖昧だし、だから感覚はこの本のとおり。
ただ、いくら好きでも柴崎友香ばかりは飽きる。
Posted by ブクログ
*
ハイポジション
クラップ・ユア・ハンズ!
夢見がち
束の間
寝ても覚めても
ドリーマーズ
きちんとした感想は、次読んだ時に。
一回読んだだけでは、理解しにくい本。
二回読んでも駄目かも。
夢夢夢。
夢から覚めても、まだ夢だったとか、
現実と夢がごっちゃになることってあるよなあ。
不思議な本。
+関西弁