【感想・ネタバレ】主題歌のレビュー

あらすじ

職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

特別なことが起こらない毎日でも、見慣れた景色の中にいようとも、その瞬間、その場所にはいつだってふさわしい主題歌が鳴っていて、それが聞こえるかどうかはそこにいる自分次第、だと思えるような描写の連続であり、とてもいとおしく思う。いとおしいものはいつもさりげなく、なにげなく、ある、と思った。

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2011年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中編程度の長さがある表題作と2作の短編「六十の半分」「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」を収録。

「主題歌」
「寝ても覚めても」や「フルタイムライフ」などと設定が似ている。いつもの柴崎友香らしさ全開。
実加中心の三人称かと思って読むと、ときどき視点が揺らぎ、別の人物の心の中が語られたりする。意図的なのかどうなのか分からないが不思議な感覚である。
女子を見て可愛がる女子たちが何人も出てくる。確かにそういう感覚ってありそう。逆に男子が同じように思うことはあまりなさそう。なぜだろうか。
主題歌というタイトルは何だろうか。
友人の結婚式で歌われた歌が、内容は会に合っていないが、歌っている本人は切実で、聞いている皆も良いと思っている。新婦も感動している。この歌がここで歌われたことは消えず、まるで主題歌のように皆の記憶に残っていく、ということだろうか。

「六十の半分」
30歳の登場人物たちが、親の年齢の半分だと思い、中学卒業時の倍だと思う。
自分も、街行く高校生を見てはちょうど倍になってしまったなと感慨にふけったことがあった。40代までは何かの半分だなとギリギリ思っていられるけど50になったとたんに急にそうでなくなる感覚がある。

「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」
色を見つけきれなかった。

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2025年10月04日

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我々は誰かと会い、誰かと話している間、どうでもいい所を気にしたり、会話に関係ないことを考えたりしながら、生きている。
そんな当たり前の生活が、とても丁寧に描かれている。

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2022年08月04日

Posted by ブクログ

昨日の今日なのでずいぶん読みやすかった。
本当は☆3.5くらい。やっぱり4。
柴崎友香の小説が好きなのは、かけがえのない今の瞬間をかいてるから。登場人物はみんな、この瞬間は二度とないことを知って生きてて、それをいちいち大事にしてるから、柴崎友香の主人公の女の子はみんなかわいい。

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2015年01月17日

Posted by ブクログ

関西のどこにでもいそうな普通の女の子なのに、柴崎氏が描くとどうしてこんなに素直で可愛くなるんだろうかと思う。
みんな優しく見守って、応援してあげたくなります。

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2014年12月27日

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【本の内容】
職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。

美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集

[ 目次 ]


[ POP ]
大阪を舞台に、28歳の実加と友人たちのさりげない日常を描く表題作が心に染みる。

職場や居酒屋や自宅カフェでの何気ないやりとり。

とるにたりない些細なことこそが奇跡的な瞬間となって人生を紡いでいく。

また、性愛の視点ではなく普通に「かわいい女の子やきれいな女優」を見るのが好きという女性たちが生き生きと描かれるのが嬉しい。

リアルで、画期的だ。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月25日

Posted by ブクログ

初めて柴崎さんの作品を読む。友人と集まって飲んだり話したりする時間、日々の仕事、考えごとなどが淡々と描かれる。日常が大きく変化することはないが、今ある環境は永遠には続かず、いずれは友人とも集まれなくなる。時間の有限性が感じられる。他の作品も読んでみたいと思う。

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2014年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぼんやりとただ文字を追うだけで読んでしまうタイプの人は、この作品が味気ないように感じるかもしれない。
事件は何も起こらないし、何よりオチがよくわからない。
日常のワンシーンを切り取ってきたような話だから、例えば登場人物たちの全く別の日を描いてもきっと成立してしまう。
だからこそ、面白いんだと思う。
私たちの生活は、期待するほどの事件は起こらない。朝起きて会社やら学校やら行って、ちょっと嫌なことがあればイライラして、面白いことがあれば笑って、美味しいものを食べて満たされて夜は眠り、週末は出かける。
作品は、まさにそんな感じ。
場面や人物は違うけど、まるで自分もそこにいるような錯覚。
で、この作者柴崎友香さんは、とにかく色づかいが綺麗。白い紙に綴られた黒い文字から、鮮やかな世界がもくもく舞ってくる。
主人公目線で話はすすむのだけど、時折別の人物視点に切り替わるのも巧い。あ、こんなふうに見えてるんだ、と。
本作は3編の話で出来ている。あたたかい関西弁ですすむ物語、やはり私は表題作の女の子限定カフェの場面が好き。
他愛ない会話の連続。
なんとなくぼわぼわ生きてる日常が、実は面白いしみどころあるんじゃん、と改めて気づかされる、きらきらした物語。

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2012年04月15日

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柴崎友香さんの小説世界は、ほんとその時・その瞬間を切り取って余す所無く描かれてるのがとても好きです。
スッと同じ空間に居る気持ちになれるの凄いな。登場人物たちも自分の友だちかのよう。
かわいい女の子を愛でる気持ちはわかります、わたしもそう。解説で書かれてた、その子をすぐ近くに感じる、というより単純に可愛い人を眺めていたいです、わたしは。眺めるなら美男子やイケメンより、美しかったり可愛かったりする女性の方がいい。お友だちになりたい、はまた別の感情なので。。スカーレット・ヨハンソン、好きです。
りえちゃんの言う「ださい音楽」に全力で頷きました。同感。「女の子カフェ」楽しそうです。小田ちゃんの母、絶妙で良い。
「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」、博多の男がごめんなさい…って思ってしまいました。わたしが謝る事じゃないけど。

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2022年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

■主題歌
三人称。視点も固定せず。という柴崎友香にしては珍しい文体。
かわいい女の子談義が好きな主人公が、この人をあの人に紹介したいと思う機会が増える。
いっそのこと友人を呼んでその場で交流できるような女の子限定カフェを一夜限り開くことにする。
旅行や移動はないが、メディア的な存在になるといういつものテーマが、こういうかたちで実現されている。
なかなか悪くない。
ただしわからない人感じられない人には、ただの女子会に過ぎないだろうとも想像できる。
この人の魅力の理由をまだ把握しきれずにいる。

■六十の半分
三人称だが、視点人物が1で香奈→2で敬一→3で亜矢→4で再度敬一、と変則的。
それなりの図式がありそうだが、そこまで深追いできず。

■ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド
夜通しの飲み会のあと雑魚寝したメンバーが、翌日どうするか。

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2018年12月31日

Posted by ブクログ

柴崎友香を読むのは初めて。「ガールズトーク」の世界です。表題作が140頁ほどの中編、ほかに30頁ほどの短編2つを収載。レズビアンではないのだけれど、綺麗な、あるいは可愛い女の子を見るたびにテンションの上がる女性たち。そんな表題作をはじめ、なんということはない物語で、さらっと読めはするのですが、心に残るところまでは行きません。大阪出身の著者の本作は、どれも自然な大阪弁と、大阪人には馴染みの深い地名が頻発するため、その点は興味を惹かれます。西加奈子に似ているようにも思うけれど、西加奈子ほどインパクトは強くない。ともすれば寝てしまいそうで、個人的にはもうちょっと引き寄せられる個性がほしい。

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2017年05月10日

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ネタバレ

随分前に読んだのですが、何となく再読しました。当時は、こんな生活をしている人もいるんだーと思っていましたが、今は、夜遅くに飲みに行ったりして若いなぁと思うようになってしまいました。

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2013年08月13日

Posted by ブクログ

淡々とした日常。

人が出会ったり集まったり、その様子のリアルさだけが浮き彫りで物語から何か得るとか劇的な感情を覚えるとかはない。

どうしてもそこに少し物足りなさを感じてしまった。

作者の初期作品であることを強く感じさせられる。

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2012年04月07日

Posted by ブクログ

普通の何もない日常を切り抜いていて、そこには事件も転機もない。淡々と過ごしている人の日常を覗きみている気持ちになります。
最後は異様なほどのあっけなさで幕を閉じます。柴崎友香らしい終わり方でした。

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2011年05月03日

Posted by ブクログ

ストーリーだけを追うとするっと読めてしまって何だかたよりなく思えるかもしれない。だけど、柴崎友香の小説はストーリーだけを追うのではなくて、一文一文引っかかりながら読むとその趣きをガラっと変える。
友人との会話中や移動中の思考、視点の置き場、特筆すべきことはないと思われる日常の本当の姿が見えてくるような、そんな感覚。特に大きな事件が起こらない本作ではそれがよくわかる。

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2011年03月26日

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