柴崎友香のレビュー一覧
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IWPというアメリカの研修制度に興味があって
関係する書籍をちょこちょこ読むのですが
…あれ?小説扱いっていことは
多少の脚色もあるってことかしら。
アイオワの町に2ヶ月近く住んで
大学の用意したプログラムに参加したり
小旅行に行って、文化交流をしたり。
英語が得意ではない上
どちらかというと人見知りっぽい著者が
よく参加したなぁ、すごいなぁ、と思います。
でも、そんな性格なりに異国の作家たちと
触れ合ったり、語り合ったりすることで
考えさせられることも多かったみたいですね。
トランプ政権誕生の空気、メジャーリーグの余波
もう〝知らない国〟ではなくなってしまった
ともに参加した作家たちの故 -
Posted by ブクログ
急に出会い急に自らの元を去って行方不明になった男性を巡る1人の女性の恋愛物語、というのが一言でまとめた筋書きであるが、単純な筋書きには収まりきらない奇妙な小説。
主人公の一人称で語られる本作では、主人公のあけすけな性格もあり、主人公の思いが比較的ストレートに語られているかのような印象を受ける。しかし、実際にはそこで語られているのはごくごく一部でしかなく、主人公の本心は全く別のところにあるという事実が、ラスト30ページでのドラスティックな物語の転換によって明らかになる。
ラスト30ページに至るまでは極めてふわふわとしてつかみどころがない主人公の内面にやきもきしつつ、その曖昧さが心地よかったり -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物の思考の巡らせ方がとてもリアル。
人には言えない、説明できない、したところで理解されないであろうなと思う、自分の中でぽろぽろと湧き出てくる思考が、細かく丁寧に描写されていた。
その考えを他人に話してみたり、わかってもらいたいと思っている平尾さんが自分とは違っていて、不思議な気持ちになった。
バーで会った嫌味っぽい男ともっと話してみたいと感じているところが、自分だったら絶対そんなことは思はないだろうと印象に残った。
上手く喋れないとわかっているのに、この先に自分と繋がりがあまりないかもしれない人にも、自分の内側を言葉にして発してみる。ものすごく不器用な生き方に終始ハラハラしていた気がする -
Posted by ブクログ
ネタバレ◎あらすじ◎
引っ越し祝いの飲み会に集まった男女7人。
各々の人生を生き、一時混ざり合う「きょうのできごと」を様々な視点から綴った1冊。映画化に伴い作者が映画撮影に立ち会う「きょうのできごとのつづきのできごと」、番外編の「もうひとつの、きょうのできごと」も収録。
◎感想◎
章ごとに語り手も、語られる時間も変わっていく作品。
おおきな出来事は特に何も起こらない。
でも、関西弁でテンポよく繰り広げられる会話と、まざまざと目に浮かぶような情景描写が混じり合って、するすると読めた。
語り手が変わっていくので様々な「きょう」を知ることができる。
彼らが一緒に過ごす「きょう」は、人生のほんの一部であり -
Posted by ブクログ
ネタバレ*住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作! *
普通、ってなんだろう。
子供がどうしてもほしいと思ったことがない春子に対して、「自分は親に育ててもらったのにそんなこと言うん、人として普通じゃないでしょ」「しかもそれを隠さんと人に言うってどうなん?」と責める若い沙希。
え、そうなん??そんなに責められること??
もし、 -
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母屋の隣、離れの一軒家で一人暮らしをしている39歳の春子さん。大家さんが亡くなって母屋に越してきた、63歳のゆかりさん(亡大家さんの娘さん)。裏手の黄色い家に暮らす、メンバーがたくさんいるアイドルグループにいそうな新婚25歳の沙希ちゃん。
ゆかりさんが越してきたことでご近所付き合いが始まっていく。人との付き合い。社会で生きるということ。ご近所とのつながり。
女性としてこうあるべき、これが幸せなんだよ感。そうそう、私もその偏った風潮の片棒を担いでいる感も無いとは言い切れないけど、違和感は感じる。私は春子さんほど「一人でいたい」と、しっかり割り切ってはいないけど、分かるな〜と思う部分もありながら読