柴崎友香のレビュー一覧
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三人の女友達。
それぞれの暮らしがパラレルに描かれていく。
それぞれの今を重ね続ける中、三人が顔を合わせる機会はほとんどない。三人の時間は重なることもなければ見えないところで関わったりすることもほぼないに等しい。
抱えるものも異なるし、互いのことを思いやり心配するほどの濃密な繋がりもあるわけではない。
誰の日常にもあり得るくらいのトラブルや小さな変化を経験しながら、それぞれが過ごす一年。
現実世界を切り取って、そのリアリティを保ちながら描かれていく叙事詩のような作品だと感じた。そう、時系列で静かに重ねられていく三人の女性の日常は平坦で抑揚はなく、気づけば逆にそれが詩的だなあ、と思った。 -
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【本の内容】
職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。
美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。
[ 目次 ]
[ POP ]
大阪を舞台に、28歳の実加と友人たちのさりげない日常を描く表題作が心に染みる。
職場や居酒屋や自宅カフェでの何気ないやりとり。
とるにたりない些細なことこそが奇跡的な瞬間となって人生を紡いでいく。
また、性愛の視点ではなく普通に「かわいい女の子やきれいな -
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【本の内容】
人を思う気持ちはいつだって距離を越える。
離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。
「だって、わたしはどこにでも行けるから」―遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。
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[ POP ]
遠距離恋愛をしていたとき、100万円くらい払ってもいいから(払えないけど)「どこでもドア」が欲しいと毎日思っていた。
それが駄目なら「取り寄せバッグ」でもいいと思っていた。
ドラえもんが頼りにならないならこの際エスパー魔美にでもなるから、とにかくこの状況をどうにかしてくれ、枕を濡らしていたのを思い出した。 -
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ネタバレこの作者の方は、OL経験があるのかな?
な~んにも、大事件とか起こらない話ですが、すごくOLの日常がリアルに描かれていて、自分のOL時代が懐かしくなりました。
そうそう、フェリシモとか千趣会とか、そういうの取り仕切る人が必ずいるんだよね~とか、仕事の合間合間に、ティータイムとかお菓子タイムとかとるよね~とか。
無理な頼みごとしてくるオヤジにプンスカ怒ってみたり。
私はシュレッダーではなかったけど、使った紙を廃棄にするときは、必ずホチキスを外さなくてはいけなくて、やっぱりその時に初めて、ステイプラー用リムーバーというものの存在を知りました。
解説のナオコーラさんも書いてらしたけど、主人公 -
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大阪に住む有麻が東京を訪れた一週間。元同僚、大学のサークル友だち、接待で出会った外国人、そして高校のときの同級生でなんとなく特別な思いを抱いていた鳴海くん、またその彼の家を時々訪れるらしい凪子。さまざまな人との出会いが柴崎友香らしいふわっとしたタッチで描かれる。
日常の描き方がやっぱり上手。本を役に立つ立たないで語るのであれば、そもそも小説なんて直接何かの役に立つとは言えないし、この本はその小説の中でも特にそんな感じ。それではなぜ読むのかというと、もちろん娯楽の一つとしてではあるのだけど、こういう世界が存在する、日常がこんな角度からも見え得る、ということを提示してくれる、そしてそれがなんとなく