柴崎友香のレビュー一覧

  • ビリジアン

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    なんとも言えない。淡々と語られる10代の記憶。何が見えていて、何が見えていないのか。思えば友達や先生、何故かロックスターは登場するものの、両親は一度も登場してない気がする。

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    2016年07月11日
  • その街の今は

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    読んでいると物事を何でもあるがままに捉えられるようなリラックスした気持ちになる。

    人物たちがものすごく自然。存在もセリフも心情も周囲を見る目も全てが自然で、物語的でない。そこが安心感を与えてくれるのかもしれない。特に人物が見ているものの描写、視点の描写が特徴的だと思った。小説的じゃないというか、物語を構成するための意図的な取捨選択が少なくて、その人物の見ている景色が本当にそのまま描写されているような感じがする。そのおかげか、小説の中の人物たちが私たちと同じ世界に実在しているように感じられ、親近感が湧く。小説の世界に没頭しているのに別世界感が全くなくて不思議な感覚だ。

    この小説から感じる温か

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    2016年04月21日
  • わたしがいなかった街で

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    現実の自分と、自分が存在していなかった過去の出来事との間に、何とも言えない違和感を感じているような女性の日常を淡々と描いた作品。なのかなぁ。
    愛嬌ある脇役たちの魅力と、1人になった時の主人公の屈折度合いにギャップを感じながらも、柴崎さんらしい繊細な描写に惹かれます。
    解説に書いてあるような複雑な分析は自分には無縁でした。

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    2016年03月25日
  • フルタイムライフ

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    5月から2月まで、新入社員の10ヶ月の物語。
    慣れない仕事でミスはするし、将来は漠然と不安だし、学生生活に未練はあるし、会社という組織は理不尽だし、でも、会社で働く日々を案外好きだと思えたりもする。自分がいま新入社員の2月なので、うなずく所ばかりだった。
    青春小説でも会社員小説でも主人公にはなれない曖昧な時期を、こうして丹念に描いてくれる小説をいま読めてよかった。1年後また読むと味わいが違うだろうなと思う。

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    2016年02月28日
  • フルタイムライフ

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     毎日毎日会社へ通って仕事をするのが大好きというわけでは決してないけど、否定ばかりしていても今すぐに辞められるわけでもないし明日も働かなければいけないので、ほんの些細なことでもいいから好きなポイントを見つけて働いた方がいいなぁ、と主人公を見ていて思った。

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    2015年12月22日
  • 虹色と幸運

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    三人の女友達。
    それぞれの暮らしがパラレルに描かれていく。

    それぞれの今を重ね続ける中、三人が顔を合わせる機会はほとんどない。三人の時間は重なることもなければ見えないところで関わったりすることもほぼないに等しい。

    抱えるものも異なるし、互いのことを思いやり心配するほどの濃密な繋がりもあるわけではない。

    誰の日常にもあり得るくらいのトラブルや小さな変化を経験しながら、それぞれが過ごす一年。

    現実世界を切り取って、そのリアリティを保ちながら描かれていく叙事詩のような作品だと感じた。そう、時系列で静かに重ねられていく三人の女性の日常は平坦で抑揚はなく、気づけば逆にそれが詩的だなあ、と思った。

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    2015年07月06日
  • わたしがいなかった街で

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    自分が今存在していて、過去には存在していなかったこと。自分以外の人になれないこと。時間は遡れないこと。当たり前に聞こえるが、それらを意識することで、日常は少し違って見えると思う。

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    2015年07月14日
  • 虹色と幸運

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    すべてはタイミングなのかな。恋愛のあれこれも仕事のあれこれも。2年後に私はどんな気持ちで読むのだろう

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    2015年05月12日
  • 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

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    何でもない日常は退屈そうだけど、この物語に出てくる第三者の日常は決して退屈なものじゃなくて自分を客観的に見てるような気がしてくる。起承転結があるのかないのかもよくわからないまま、物語は進むけど現実はそんなもんだ。面白いものにするのも、詰まらないものにするのも実は自分で決めているような気がする。「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」は観ておきたいな、デイヴィット・ボウイが出てるならなお更。

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    2015年05月06日
  • 星のしるし

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    神様は信じてるけどサンタさんは最初から信じてなかったし、神様は場合によっちゃとても胡散臭くて、だから、神様を信じてます、神様のようにあなたをお慕いしております、といった時にもっとかっちりくる言葉があると思ってた。
    「もしかして神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれないと、思った。どこかで、自分を見ていてくれたらいいのにって思うような、そういうの。」
    こういうのを集めてたら見つかるかな。

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    2015年04月18日
  • 主題歌

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    昨日の今日なのでずいぶん読みやすかった。
    本当は☆3.5くらい。やっぱり4。
    柴崎友香の小説が好きなのは、かけがえのない今の瞬間をかいてるから。登場人物はみんな、この瞬間は二度とないことを知って生きてて、それをいちいち大事にしてるから、柴崎友香の主人公の女の子はみんなかわいい。

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    2015年01月17日
  • わたしがいなかった街で

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    これ、あらすじはとっつきにくかったけど、言ってることはすごくよくわかってよかった。
    なかちゃんにまた会えてうれしかった。

    最初のほうで、神様についての女の人の話で、神様には何かを決めるときはいつも相談するっていうの。神様は答えないのに相談するっていう話に、それ日本では「道徳」っていう感じかな? てきいたら、日本でいうと「よりどころ」だって教えてもらった、っていう話をしていて、この本の中でいちばん納得した。

    でもちょっと長い。「ここで、ここで」に気がまわらなかった。でもたしかに、「わたしがいなかった街で」といっしょに読みたい話だった。

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    2015年01月10日
  • 主題歌

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    関西のどこにでもいそうな普通の女の子なのに、柴崎氏が描くとどうしてこんなに素直で可愛くなるんだろうかと思う。
    みんな優しく見守って、応援してあげたくなります。

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    2014年12月27日
  • 主題歌

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    【本の内容】
    職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。

    美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    大阪を舞台に、28歳の実加と友人たちのさりげない日常を描く表題作が心に染みる。

    職場や居酒屋や自宅カフェでの何気ないやりとり。

    とるにたりない些細なことこそが奇跡的な瞬間となって人生を紡いでいく。

    また、性愛の視点ではなく普通に「かわいい女の子やきれいな

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    2014年10月25日
  • ショートカット

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    【本の内容】
    人を思う気持ちはいつだって距離を越える。

    離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。

    「だって、わたしはどこにでも行けるから」―遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    遠距離恋愛をしていたとき、100万円くらい払ってもいいから(払えないけど)「どこでもドア」が欲しいと毎日思っていた。

    それが駄目なら「取り寄せバッグ」でもいいと思っていた。

    ドラえもんが頼りにならないならこの際エスパー魔美にでもなるから、とにかくこの状況をどうにかしてくれ、枕を濡らしていたのを思い出した。

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    2014年08月29日
  • その街の今は

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    実は芥川賞受賞までは知らなかった作家さん。
    馴染みのある大阪の街について書いてあるようだったので、読んでみた。
    自分も生活していたあたりがよく出てきて、想像しながら読めたのでおもしろかった。あのあたりを主人公は歩いている、自転車に乗っている、など。大阪の街を知らない人でも、その豊かな表現力で楽しめるし、純粋に登場人物がおもしろい。おもしろいというか、そのへんにいそうな人たち。
    当たり前の日常を丁寧に、少しだけ深く切り取ったような小説。感度をあげたくなる小説。

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    2014年08月23日
  • ショートカット

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    大阪弁が自然で、登場人物が真っ直ぐで、柴崎氏の目線に気負いがなくて、とにかく大阪を離れて単身赴任の寂しさを癒してくれる作品でした。
    大阪で読む以上に効果的だと思う。

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    2014年02月25日
  • その街の今は

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    なにか事件があるわけでもなく、心踊るようなこともないのだけれど大好きな大阪の町の丁寧な描写や関西弁に癒される。淡々と進む毎日が心地よい。

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    2014年01月14日
  • 青空感傷ツアー

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    とっても自然な関西弁で描かれた女の子2人の物語。
    特に何かが起こるわけでもないのに、彼女たちの目線を通して癒されるような気持ちになるのが不思議。
    登場人物に決して無理をさせない優しさが、柴崎氏の持ち味なんだろうと思う。

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    2013年11月06日
  • また会う日まで

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    何気ない日常の中での人々の心情描写がとても上手いと思った
    多分この著者の作風なんだろうけど、特別これといった事件がある訳ではないから、推理モノや刑事モノが好きな人は物足りなさを感じる

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    2015年08月16日