柴崎友香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
柴崎友香の小説は、いつも事件的なことは何も起こらない。
しかし登場人物の内面ではめぐるましく何かが起こっており、物語のはじめと終わりでは関係が微妙に変わっている。
表題作では、同著者の『青空感傷ツアー』の主人公と同じく少しイラついてしまうが、まわり人物のおかげで何か憎めない。また、タイトルが抜群に素晴らしい。
『エブリバディ・ラブズ・サンシャイン』は片想いで失恋して前に進めなくなった女の子がとことん眠ってしまう話。僕自身、失恋すると気力がなくなり眠り続けてしまうので共感。どちらの話にも登場するコロ助がステキだ。
ロキンノ系の人は柴崎さんの小説が好きそうだな。 -
Posted by ブクログ
関西弁の文章はあまり得意ではないのだけれどこの小説は問題なくというよりも
むしろ親しみを感じて読めた。関西弁を使う人物はやけにハイテンションなキャラに
されがちだけれど、この小説に出る人はみんな淡々としゃべるせいかもしれない。
たまにはしゃいでも「大人も許される範囲の」はしゃぎ方だから不自然さもない。
特にはっとする斬新な表現もなければ、テーマもありふれたものだけれど
この会話文のうまさで飽きることなく読み進められる。
4作に共通するのは「距離」で基本的にそれは壁になるけれど、扱われ方は微妙に違う。
大阪と東京。行けないこともないのだけれど、なんだか腰が重い中途半端な遠さと思い。
どの主人公も -
Posted by ブクログ
30歳になる女性・野村果絵の揺れる心。
日常の何気ないことを観察している冷静な視点。
恋人はいるが結婚の予定はない。
職場の先輩の薦めで、ライフカウンセリングの先生の所に行くと、ヒーリングでマイナスエネルギーを調和して貰ったらしく、熟睡して肩こりが軽くなるが、1万5千円するのでそれ以上通う気にはなれない。
とくに不幸でもないが、すごく幸福というのでもない、どうしてもと思う指針やこだわりもない…
友達と占いに行ってみたりしながら、何となく過ぎる日常。
淡々としている中で、それぞれの生きているちょっと奇妙で少しだけ必死な感じがじわっと来ます。
著者は1973年生まれ。2008年10月発行。 -
Posted by ブクログ
30目前のOLとその彼氏と友達たちの何げない毎日。コレと言って何かが起こるわけではなくて。だけど何も起こらないわけでもなくて。このままで自分はいいのだろうか と思ったりするけど、だからって何か変えようと思うほど今に不満があるわけでもない。そんな毎日をとても丁寧に書いている。うん こういうの好きだな。何かが変わる直前ってもしかするとこんな風にじわじわと予感のような温度の変化のようなモノがあるのかもしれないな。「もっと、自分が確かだと思えるような、基準みたいな、理由みたいなもの。なんでもあって、なんでもしていいから、さあ選びなさいって言われて、これでいいって思えるような、なにか」を探しているんだよ
-
Posted by ブクログ
芽衣と音生の、行き当たりばったり旅行物語。
思いつきでトルコ行くとかすげーと思う。
最後もいきなり沖縄いるし。
ケンカしても気まずくなっても、自分の事見ててくれて幸せを願ってくれる音生みたいな友達がいたらな、と思う。
あそこまでわがままなのは考えものだけど。
普段からわがままで言いたい放題だけど、だからこそふっと自分に優しくしてくれると心を掴まれてしまう。
音生って、そんな子だと思います。
最後の方のシーンは、芽衣に自分を重ねてしまって、自分が音生に引き込まれていくのが分かった。
透明感のある文体も相変わらず。
柴崎さん独特の、綺麗な情景描写が読めます。
読んでて楽しい本でした。 -
Posted by ブクログ
離れているけど気持ち次第で近くなる距離。
なにか、雲を掴むような話です。
といっても、いかんせん土台無理な話ってことではなくて
掴んでもそこには無い、指の間からこぼれ落ちていくような、そんな儚い話です。
短編4つなんですが微妙に繋がっています。
その薄い繋がりの描き方が上手くて何度もページを遡りました。
最後のタイトルが、その名も
『ポラロイド』
僕も使っている大好きなPolaroid690が出てきます。
おそらく柴崎さんも使っておられるのは?
描き方が細かくて、ホントに使っている人でしかわからないようなこともこまごまと書いていて
おもわずウンウンと頷きながら読ん