柴崎友香のレビュー一覧

  • 帰れない探偵

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    時間軸が揺らぎ、過去と現在、記憶と現実がゆるやかに混ざり合う。
    読んでいるこちらも主人公と同じように、 どこか「帰れない」感覚になる。
    物語を追うというより、 記憶や意識の流れを漂うような読書体験だった。
    詩を読んでいるような文章で、 はっきりした答えや結論を求める人には向かないかもしれないけど、
    「今いる場所は本当に現在なのか」 「自分はどこから来て、どこへ帰るのか」
    そんなことをぼんやり考えさせられる、そんな不思議な余韻の残る一冊。

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    2026年05月25日
  • 帰れない探偵

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    不思議な題名に興味を持って手に取った本で、その題名には複数の意味があり、近未来でありながらノスタルジーが感じられ、ちょっと惚けた主人公に味があってとてもおもしろい本でした。

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    2026年05月21日
  • 帰れない探偵

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     探偵事務所に通じる路地がどうしても見つからず、事務所に帰れない。そして物語は今から10年くらい後のお話だ。文章はハードボイルド、物語は不条理と不測、隠喩とアイロニーに満ちている。こんな小説が、日本人作家に書ける、というか、この小説が広く支持されていることがうれしい。

     描かれるのは市井の人たちの想いだ。異国情緒たっぷりの赴任地で、主人公の探偵は、各々の人生からにじみ出る想いや情感のかけらを見える形にして提示してくれる。わざわざ探偵を頼まなくてはその想いに到達できないのは様々な大きな力が作用しているからだろう。

     隠喩とアイロニーの効いた本作品が示す舞台は10年後だ。では、現在の物語はどう

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    2026年05月19日
  • ご本、出しときますね?

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    作家の人たちってこんなに話上手いんだなと驚く。
    飲み会の場で話しているようなフランクさもありつつ芯を食った内容になっている。
    紹介されている本も面白そうなものばかりで、ウォッチリストにたくさん入れた。話し手さんの本も未読のものは代表作くらいは読んでおこうという気になった。

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    2026年05月19日
  • 帰れない探偵

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    主人公がどこの国にいるのか明記されていなくて読んでいる側も彷徨っている気分になる。帰れないとは単に家、国にというだけでなく、アイデンティティや昔の純粋な気持ちにという意味も含まれていると感じた。

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    2026年05月14日
  • 帰れない探偵

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    ネタバレ

    これは、今から十年くらいあとの話ー。(帯より)

    探偵を仕事としている女性(探偵としては平均的?ときには失敗する)が世界のあちこちに派遣され地味だったりちょっと派手だったりする「仕事」を淡々とこなしている(たまに事件が起こる)、感。

    オカルトみたいに帰れないのか、とか帰れないけれど帰りたいのか?と思っていたらそうではなく。人間関係にしたって仲間も仲間であってそうでない、ここでの縁が切れたらもう終わり、淡々と次行きます、みたいな。

    探偵ものでも異色だろうし、そもそも探偵ものなのだろうか?柴崎さんにしか書けない作品。

    不安感、浮遊感を味わいました。また内容を忘れたころに再読したい。

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    2026年05月08日
  • 大阪

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    ネタバレ

    個人的な語りの中から、大阪の街の雰囲気がたちのぼってくる。大阪に長く住んでいた人にも、私のように何度か行っただけの人にも、その匂いのようなものが思い出されてくるはず。

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    2026年05月03日
  • 帰れない探偵

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    帰れない探偵というタイトルとこの本の表紙のイラスト。
    ただならぬ意味不明感があるのですが、一体、どんな本なんだろかという興味。
    探偵ってそもそも不思議な言葉である。
    ミステリーでは当たり前のように出てくる探偵という職業だが、現実では探偵

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    2026年04月25日
  • 遠くまで歩く

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    コロナ禍以降の非日常が日常になってしまった世界線の話で、リモートしたり、色々な制限がある中でクリエイティブな活動をしている人々の群像劇。

    語り手は森木ヤマネという女性作家。

    作中に内田百閒の作品だったり、お雇い外国人だったり、読んでみたいと興味をそそられるものがたくさんあったなー。

    柴崎さんの小説って本当に隣で繰り広げられていてもおかしくないというか、スっと入ってくる。

    ぶつ切りのラストじゃなくて、人生のように続いていくラストというか、とても良い話でした。

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    2026年04月18日
  • 続きと始まり

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    コロナ禍、戦争、地震が起こってるけど、コロナは自分もなったけど、戦争や地震についてはテレビの情報だけ見てるだけ。その時の心理描写は自分も感じる部分があったから、良かった。
    文学的な作品だわ。。

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    2026年04月16日
  • 千の扉

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    柴崎さんの書く物語はすごく不思議。大きい事件は起きないけど、日常の機微とか、どうかんがえても脇役みたいなひとのことも丁寧に描かれていて、なんかすごい。
    群像劇のドラマをみているみたい。
    結婚相手のおじいちゃんから初恋のひとにまつわる頼み事をされた千歳が奔走?する話なんだけど、まあそんなに真剣にならなくても…と思うような場面もあったりしたけど、ほとんどの人間にとっての日常ってこんなもんだよなぁと思ったり。

    団地っていう身近でよく知ってるものが舞台だったのもあり、もしかしたらあるかもなあて思えたりして妙にリアルでおもしろかった。

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    2026年04月11日
  • 千の扉

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    柴崎友香さんの作品はやはりとても好き。

    土地に暮らした人たちの残像がいたるところに溢れていて、無数の過去の出来事の積み重ねの上に自分が過ごしている街があって、さまざまな人生が重なり合った果てに今の自分が存在しているという感覚を長編小説として綺麗にまとめ上げているところがすごく良かった。

    初期作品から積み上げてきたものがとても良い形で昇華されているように思う。

    あと、子供の頃団地に住んでいたので団地が舞台の作品は懐かしい気持ちになる。

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    2026年04月07日
  • 待ち遠しい【毎日文庫】

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    立場も年齢も育った環境も違う、ただ性別が同じなだけの女性3人の話

    大きな事件や劇的な変化は起こらない淡々とした日々の、それでも確かにあるグラデーションや小さな起伏を描くのがとても上手い作家さんだなと思った。
    スッキリ解決!万事ハッピーエンド!みたいにはならない、なんとも言えないモヤモヤが全編通して漂っているんだけど、些細な情景や視点人物である春子の心情がとても細やかに描写されていて良かった。

    メインの一人である沙希は、私が彼女と同じかもっと若い年齢だったらめちゃくちゃイライラしただろうなと感じたので、これを読んだのが今の年齢で良かった。

    最初手に取った時、「なんだか平凡なタイトルだなぁ」

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    2026年04月03日
  • 大阪

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    大阪を離れたことがない私にとって、外から大阪を語る柴崎さんの、程よい距離を感じる文章が心地よかった。

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    2026年04月03日
  • 週末カミング

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    ネタバレ

    起承転結がぼんやりした話が多くて
    終わり?と思うことが多かった

    音楽やフェスなどの描写があったので
    作者も音楽好きならいいなと薄い共感性を感じた

    各章も短いのでサクッと読める
    だけどなんかリアル感のない週末の描写が多く
    こういう人も居るよな〜 けれど 自分はそうそう!と強くうなずけなくって悔しい。

    今のところ好きな話は 地上のパーティー
    人間性が出ているから

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    2026年03月20日
  • 百年と一日

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    時代、場所、年齢、性別の異なる様々な人の暮らしの話が詰まった柴崎友香先生の短編集。
    その暮らしの主人公は自分かも知れないし、友達や親戚かも知れないし、全く知らない人かも知れない、、、。
    特別な事件や、大恋愛、不思議なことも起こらないけれど、おもしろい。物語になると、日常を舞台にしていても、変な登場人物が出てきたり、普段の生活からかけ離れた展開になったり、普段使わないような言葉運びになるなど、ちょっと誇張が生まれる。それが本のおもしろさでもあると思う。
    『百年と一日』は、誰かの日常をそのまま切り取って集めたという感じで、誇張や派手な装飾をしていない、それなのに、おもしろい。そこに柴崎先生の観察力

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    2026年03月15日
  • わたしがいなかった街で

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    とても好き。何も起こらず、淡々と日々が流れていく。そんななかで、私が今ここにいること、について問うている。答えは出ないけれど、あちら側でもなく、今ここにいることに納得し、理解したい気持ちが自分と重なるところがあり、読んでいて心地良い時間だった。

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    2026年02月28日
  • わたしがいなかった街で

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    「自分は世界のことちゃんと考えてるって、思いたいだけかも。身近な人に何も出来ないことの穴埋めにしたいのかな。」
    →戦争やテロに興味の深い、人と関わるのが苦手な主人公。自分がなぜそういったことに興味あるのか考えた時のセリフに共感してしまった。
    死体に興味がある、みたいな変わったことがしたいだけ、刺激を求めてるだけみたいな人と本質は変わらないんだろうな。

    関わったことのある大勢の人たちの誰とも、これまで死ぬまで二度と会うこともないからさようなら、と言い合って別れたことはない。

    会えるかもしれない、と、わたしは思い続けることができる。会わなかった年月の分、年を取った彼らと。たぶんそれが、生きて

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    2026年02月22日
  • 遠くまで歩く

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    主人公は柴崎友香さん自身を投影しているような小説家
    コロナ禍でオンラインでの繋がりが活発になり、そこから自分の足元を見つめる物語

    オンライン講座の一人一人の発表はそれぞれの人生や生活、価値観が垣間見える
    実際に会ったことは無いのに身近に感じる不思議な感覚はこの過渡期に過ごしているからなのかも

    すごく身近に感じるのに講座が終わるとまた部屋に一人になり、完全な孤独では無いけど寂しさだったり取り残されたような感覚がすごく伝わった

    リアル講座だったらきっとまた違った雰囲気になっていたし、あの時だったから生まれた空気観や価値観は確実にあったと思うけど、個人的には慌ただしい時期にコロナ禍がぶつかって

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    2026年02月16日
  • 週末カミング

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    「誰かが目撃しなかったり気づかなかったりしたら、過去のそのできごとは存在しないのと同じなのか、それとも、誰も知らなくてもやっぱり存在したこと自体は消えないのか」(『週末カミング「ハルツームにわたしはいない」』より)
    どこかの街の誰かの週末の短編集。
    各話は繋がっていないようで、どこか繋がっているように感じた。日常の中で、常に思っていることではないけど、ふと時々考えることがあるような、ないような言語化の難しいことを登場人物達が伝えている。
    緩やかな流れの中で、癒されながら読めた。

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    2026年02月11日