柴崎友香のレビュー一覧
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時代、場所、年齢、性別の異なる様々な人の暮らしの話が詰まった柴崎友香先生の短編集。
その暮らしの主人公は自分かも知れないし、友達や親戚かも知れないし、全く知らない人かも知れない、、、。
特別な事件や、大恋愛、不思議なことも起こらないけれど、おもしろい。物語になると、日常を舞台にしていても、変な登場人物が出てきたり、普段の生活からかけ離れた展開になったり、普段使わないような言葉運びになるなど、ちょっと誇張が生まれる。それが本のおもしろさでもあると思う。
『百年と一日』は、誰かの日常をそのまま切り取って集めたという感じで、誇張や派手な装飾をしていない、それなのに、おもしろい。そこに柴崎先生の観察力 -
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まるで外国の絵の中に入ってしまったような、とても不思議な体験ができました。
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なぜ〈帰れない〉のか?でモヤモヤします。このモヤモヤはたとえば、「新しいビルが建ったけど、以前そこに何があったのか思い出せないあの感じ」によく似ています。
だとすると、これはもう、〈帰らなくていい〉のでは…?と思えてきます。
《どこに行っても音楽がある。音楽があればそこに居場所がある気がする。》p116
ラストで主人公は青春時代のある歌を歌いながら走ります。
《帰る場所がなくても、音楽のある場所にはしばらくいていいのだ。音楽が続く限りは。》同
主人公は歌い続けることで〈帰れない〉探偵から〈帰らない〉探偵にな -
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読売文学賞受賞、というのと、本の帯の"最高!"という言葉に惹かれて読みました。
全く読んだことのない作家の最初の一冊として、とても興味深いタイトルでもあり、読んでみてとても面白かったです。
タイトルの通り、家を見失って帰ることができなくなった探偵、とはいえ普通の女の子ぽい主人公で、時制がいちいち10年後、と書かれているので今いる立ち位置がいつ、どこなのか、謎が少しずつ織り交ぜられていて、探偵の仕事で街を移動する毎に章が変わって話の雰囲気をガラリと変えてくるので、次の展開が楽しみなお話でした。
10年後に忘れていたら、また読みたくなるかも知れません。 -
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「自分は世界のことちゃんと考えてるって、思いたいだけかも。身近な人に何も出来ないことの穴埋めにしたいのかな。」
→戦争やテロに興味の深い、人と関わるのが苦手な主人公。自分がなぜそういったことに興味あるのか考えた時のセリフに共感してしまった。
死体に興味がある、みたいな変わったことがしたいだけ、刺激を求めてるだけみたいな人と本質は変わらないんだろうな。
関わったことのある大勢の人たちの誰とも、これまで死ぬまで二度と会うこともないからさようなら、と言い合って別れたことはない。
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会えるかもしれない、と、わたしは思い続けることができる。会わなかった年月の分、年を取った彼らと。たぶんそれが、生きて -
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主人公は柴崎友香さん自身を投影しているような小説家
コロナ禍でオンラインでの繋がりが活発になり、そこから自分の足元を見つめる物語
オンライン講座の一人一人の発表はそれぞれの人生や生活、価値観が垣間見える
実際に会ったことは無いのに身近に感じる不思議な感覚はこの過渡期に過ごしているからなのかも
すごく身近に感じるのに講座が終わるとまた部屋に一人になり、完全な孤独では無いけど寂しさだったり取り残されたような感覚がすごく伝わった
リアル講座だったらきっとまた違った雰囲気になっていたし、あの時だったから生まれた空気観や価値観は確実にあったと思うけど、個人的には慌ただしい時期にコロナ禍がぶつかって -
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この本に書かれていることはぜーんぶ20代から30代前半の若い人たちのキラキラのはなしなんやけど、何回も読み返すくらい好きだったから久々に読み直したらやっぱり過去の出来事やなぁと思ってしまった。
今は柴崎友香作品だと『かわうそ堀怪談見習い』を何回も読み返すなーとか考えてた。
でもこの小説『毎日、寄り道。』の一番最初の『ケーキの上のいちご』ってはなしが好きで細かいランチのはなしとかいかりスーパーで買うケーキのはなしとか寒くて着てしまった黒のショートコートのはなしとかが心に残っている感じを確認する読み方をしてる。ここが好きだと思ってる読み方。読書って難しいな。でももう年齢的に恋愛ものはお腹いっぱいで -
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女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動し -
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ネタバレ中編程度の長さがある表題作と2作の短編「六十の半分」「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」を収録。
「主題歌」
「寝ても覚めても」や「フルタイムライフ」などと設定が似ている。いつもの柴崎友香らしさ全開。
実加中心の三人称かと思って読むと、ときどき視点が揺らぎ、別の人物の心の中が語られたりする。意図的なのかどうなのか分からないが不思議な感覚である。
女子を見て可愛がる女子たちが何人も出てくる。確かにそういう感覚ってありそう。逆に男子が同じように思うことはあまりなさそう。なぜだろうか。
主題歌というタイトルは何だろうか。
友人の結婚式で歌われた歌が、内容は会に合っていないが、歌っている