グーテンベルク21作品一覧

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  • メグレと老外交官の死
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    七十八歳の元外交官サン=ティレール伯爵が自宅書斎で数発の銃弾を浴びて即死した。至近距離からの一発が脳頭蓋を吹っ飛ばす致命傷であった。外交上の政治的事件か、恋愛問題か、遺産相続問題か? ミステリーのタブーに挑戦したシムノンの力作は意外な結末をとげる。

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  • メグレと若い女の死
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    午前3時すぎのヴァンティミル広場は静かな小島のようだった。死体は湿った歩道に頬をつけて横たわっていた。片方の足には靴がなかった。身につけたイヴニング・ドレスは傷んでおり、肌寒い3月というのにコートは着ていなかった。メグレはなぜか、これが複雑な事件になるような気がした。

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  • メグレの打明け話
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    製薬会社の経営者アドリアン・ジョセの妻が深夜、自宅で刺殺された。遊び好きの妻には多くの男友達が、夫には愛人アネットがいた。容疑者ジョセは本当に殺(や)ったのだろうか?
  • メグレの退職旅行
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    メグレにも退官のときはある。2日後の退官をひかえて、ひとり身辺整理にあたる。電話が鳴る、自動的に受話器に手がのびる、ホテルで男が殺されたという、出かけずばなるまい(ホテル「北極星」)。メグレの定年前後を扱った他の2編「マドモワゼル・ベルトとその恋人」「メグレの退職旅行」のほか、「月曜日の男」「ピガール通り」「バイユーの老婦人」をふくむ6編からなる短編集。

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  • メグレの途中下車
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    メグレはボルドーで開かれた国際警察会議に出席した。帰りがてら、彼はむかしナントの大学で医学の勉強をしていたときに同じ下宿にいて仲良くなったシャボを訪ねてみようという気になった。シャボはヴァンデ県の小さな町フォントネイで判事をしていた。町はつい最近起きた二件の殺人事件で不安に包まれていた。旧家のあるじの義兄が殺され、ついで一人暮らしのばあさんが殺されたのだ。それは単にそれだけのことでメグレには何の関係もなかった。だが彼が町に着くとすぐに第三の殺人が発生した…メグレは否応なく小さな地方の町の特異な事件に巻き込まれていく。

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  • メグレ夫人の恋人
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    メグレ物のなかでも、ずばぬけておもしろい中長編集『メグレ、最新の事件簿』から秀作9編を選んでおくる。「メグレ夫人の恋人」では、メグレ夫人が事件の発覚を予測し、いざ事件が起こると家庭から飛び出してメグレ顔負けの名探偵ぶりを発揮する。「殺し屋スタン」は数あるメグレ物中編のなかでも、おもしろさが光る作品。

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  • メジャー・リーグのうぬぼれルーキー
    -
    原題はYou Know ME ALで、「アルよ、君はおれのこと、よく知ってるよな」という意味。アルは友達の名だ。この作品は投手としては抜群だが田舎者でウヌボレ屋でケチなジャック・キーフという青年が、アルに書き送る手紙でできている。1910年代の小説だが、実在のチーム、選手、監督を織り交ぜて描いて大好評を博し、ユーモア小説、野球小説の古典的名作となった。作者ラードナーは野球物のあとで中流層の市民たちを描いたユーモアと諷刺のきいた諸作品によっても高く評価された。アメリカン・ユーモア小説はマーク・トウェイン→ラードナー→デイモン・ラニアンと受け継がれていく。
  • 牝猫
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    1巻440円 (税込)
    甘い新婚生活のはずだった若い二人の暮らし…だが、自己中心的な男と、がさつな女の組み合わせ。男は自分が前から飼っている猫が大好きで、女には同等の愛情をそそぐことができない。そして遂には破局が…動物、なかでも猫が特別に好きだったコレットならではの技巧の円熟を感じさせる名作。

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  • メソポタミアの殺人
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    クリスティの中東を舞台にした作品中の最高傑作! 考古学者レイドナー博士と再婚したルイーズのもとに、殺された先夫からとしか思えない奇怪な脅迫状が舞いこみはじめる。さらに、古代アッシリアの遺跡調査のため、夫とともにイラクへと渡ったルイーズを追いかけて、死を予告する不吉な手紙が届く。ポワロが「幻想的な犯罪」と呼んだ不可思議な殺人の幕が切っておとされ、殺人鬼の知恵とポワロの灰色の脳細胞とはすさまじい緊張のうちに対決した……
  • メデイア
    5.0
    メデイアは敵将イアソンと恋に落ち、父にそむき、弟を殺し、故国コルキスを離れてイアソンの故国テッサリアに逃れる。だがイアソンに王位を譲らない弟ペリアスがあるのを知ると、陰謀によってペリアスの娘たちに父を殺させる。テッサリアにいられなくなった二人はコリントスへと亡命し、二人の子供をもうける。しかしイアソンはコリントス王の娘を妻に迎える。メデイアは激しい憎悪のとりこになって……
  • メリー・スチュアート(上)
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    あるときは残忍な殺人者、または聖なる殉教者、あるときは愚かな陰謀家として、16世紀ヨーロッパの政治権力とからむ宗教的分裂の時代を背景に生きたスコットランドの女王メリー・スチュアート。生後6日にして女王に。58年にはフランス皇太子と結婚、翌年フランス王妃となり、61年には夫の早世により帰国。以後新旧両教派の争いと家臣間の内紛を極めた政治情勢の中に生き、さまざまな争いの渦中に、エリザベス女王廃位の陰謀荷担の疑いで監禁され、19年間各地に幽閉後、処刑された。ツヴァイクは豊富な資料をもとに、悲劇の女性を、対照的なリアリスト、エリザベスとの心理的対立の中に捉えて描く。「ジョゼフ・フーシェ」「マリー・アントワネット」とならびツヴァイクの三大伝記小説とされる。
  • メリー・ディア号の遭難
    -
    荒波にもまれ、無気味に静まり返るメリー・ディア号。サルベージ業者サンズはこの瀕死の貨物船に遭遇し、救助のため船内に乗り込んだ。残留していたのは船長代理の男パッチ唯一人。彼の口からサンズは航海中の事件の数々を知る……船長の死、船主の失踪、火災、そしてその際の全乗組員による船の放棄。が、パッチ自身も謎に充ちていた。英仏海峡の魔の岩礁にあえて船を座礁させ、サンズと共に帰還した彼は、海難審判の場で船が沈没したと偽証、しかも直後に逃走してしまったのだ! 果たしてその真意は?

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  • 蒙古来たる(上)
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    朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。

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  • 妄執の影
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    アイリッシュの短編には「味のある作品」という言葉がぴったり当てはまる。この味にはアメリカの小説とは異なるヨーロッパ的なものが多分に感取される。その作品がフランスで受けている理由であろう。アイリッシュの代表作といえば長編『幻の女』と『黒衣の花嫁』が念頭に浮かぶ。しかしアイリッシュの本領は、長編よりもむしろ短編のほうにあるのではないかと思われる。本書におさめた数編でもわかるように、その短編は粒よりの珠玉編である。(訳者のことば)
  • もう探偵はごめん
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    トムとディックとは無二の親友だった。同じ大学を出、同じアパートで暮らし、いっしょに美人の尻を追いかけ、いっしょに女から逃げ、ひとつの背広を着あう仲だった。ところが、ある夜、トムに幸福と不幸がいちどに訪れる。トムとマーシャの結婚祝賀パーティが、ホテルでひらかれた夜である。宴たけなわに、その夜社交界にデビューしたばかりの、うら若いマーシャの妹が変死をとげた。死因は誤って親指に突き刺さったバラの棘に毒が塗られていたためで、そのバラというのが、トムが婚約者に贈った花束の一輪だった! 警察の嫌疑はトムに向けられ、ディックは親友にかけられた見当違いな濡衣を晴らすため、素人探偵を買ってでた。この表題作の他、サスペンス派の巨匠アイリッシュの好短編6編を収録。
  • 盲目の理髪師
    -
    大西洋をイギリスに向かう豪華客船のなかで盗難事件が起こり、奇怪な殺人事件が発生する。死体が消えたあと「盲目の理髪師」が柄に描かれた、血まみれの剃刀が残っていたのだが、これはいったい何を意味するのか。そんなこととはおかまいなく、船上ではあれやこれやのドタバタ劇が続発、笑いのうち肝心の事件は消え失せるかに見えたのだが…真打のフェル博士が安楽椅子探偵となって登場する、円熟味を加えたカーの名編。
  • 盲目物語
    -
    1巻550円 (税込)
    三味線の腕も達者な弥市という盲目のあんま師が、かつて仕えたお市の方の悲劇的な後半生を物語る。信長の妹で美人と名高いお市の方は、嫁いだ浅井長政を信長に攻め滅ぼされ、再婚した柴田勝家を秀吉に攻められ、ここで夫と運命を共にする。そんなお市に弥市は深い憐憫の情を寄せるが、それはまた恋慕そのものでもあった。お市にどこまでもついていきたい、地獄までお供したいという気持ちが平仮名を多用した文体で連綿とつづられる。
  • 木曜日の男
    -
    無政府主義者のグループは「日曜日」と呼ばれるボスによって統括され、幹部はそれぞれ曜日の名前を冠された7人で構成されていた。たまたまメンバーの「木曜日」が急死したため、まぎれこんだ詩人のサイムは「木曜日」に任命された……スパイもの? ファンタジー? 思想小説? チェスタートンならではのエンターテインメント。

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  • 木綿以前の事
    -
    ごわごわした麻と異なり、木綿のふくよかな肌ざわり、多彩な色彩は人々の生活感覚を大きく変化させた。それは身ごなしにまで影響を与えた……この「木綿以前の事」からはじまって、著者は「団子と昔話」あるいは「家の光」「女と煙草」「酒の飲みようの変遷」「遊行女婦のこと」など食住から恋の話題まで、おもに女性が深くたずさわってきた事柄を中心に、民衆生活の歴史をさぐる。その手がかりとなったのは、従来等閑に付されてきた俳諧歌仙であった。ユニークな生活史読本。
  • 桃太郎の誕生
    -
    昔むかし、あるところに爺(じじ)と婆(ばば)とがあった。爺は山へ木をきりに、婆は川へ洗濯に……だれでも知っているこの「桃太郎」をはじめ、「一寸法師」「瓜子姫」などの「小さ子」物語には、太古からの固有の信仰が秘められ、知られざる謎がかくされている。昔話発生の拠りどころを探り、その構造・分布・系統などをはじめて学問的にとりあげた歴史的名著。知的興奮をそそる日本文化探検の書でもある。[目次]「桃太郎の誕生」「海神(わたつみ)少童」「瓜子織姫(うりこおりひめ)」「田螺(たにし)の長老」「隣の寝太郎」「絵姿女房」「狼と鍛冶屋の姥」「和泉式部の足袋」「米倉(こめくら)法師」

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  • 森の生活(ウォールデン)
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    ソローはマサチューセッツ州生まれ。ハーヴァード大卒業後、小学校の教師。ついでエマソンに私淑し、徹底した個人主義の実践としてウォールデンの池のほとりで2年間にわたって独居生活を試みた。本書はその報告であり、自然とともに生きることの意味を新たに問いかける。正式なタイトルは「ウォールデン…森の生活」という。

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  • モロー博士の島
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    若い博物学者プレンディックはひょんな行きがかりから、各種の動物を載せて太平洋上の孤島にむかう変わった男と一緒に、その島に上陸するはめに。その島こそ、生体解剖でかつてスキャンダルを引き起こしたことのあるモロー博士が隠れ住む島だった。取り巻きの、異様な、奇形ともいってよい男たち…プレンディックは島での最初の日、ピューマがあげる苦悶のうめき声を耳にして愕然とする。ウェルズの怪奇SFの代表作。

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  • 門

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    1巻440円 (税込)
    「三四郎」「それから」につづく3部作の最終編。「それから」で親友を裏切りその妻と結ばれた二人は、この作では宗助とお米という名に変わっている。罪を意識する宗助は宗教に救いを求めるが…

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  • モンテーニュ随想録抄
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    政治的・宗教的動乱の渦中に実務家として生きた経験と、若いときから親しんだ古典の豊富な知見をもとに執筆された「随想録」は、時代を超えた深い人間洞察で知られる。「自己の研究」にはじまり「知恵」「快楽」「徳・不徳」「宗教」「教育」「学問」「読書」「交遊」「風習」「政治」「歴史」「旅行」「恋愛・結婚・友愛」「老年・隠退」「病気」「死」など、どこを読んでも何かを教えられる好著。

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  • モンパルナスの灯
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    どこからともなく集まってきた貧乏芸術家やボヘミアンたちがたむろする町モンパルナス。極貧と絶望の中で創作に没頭する画家モジリアニはジャンヌを得て、生きる力を与えられる。だが、ついには病とのたたかいに敗れる。画家本人とも実際に交際のあった作者はその壮絶ともいえる生涯を、彼の生きた時代と場所とともに丹念に描きあげる。かつてジェラール・フィリップ、アヌク・エーメ主演で公開された同名の映画の原作であるが、原題は「1919年のモンパルナス」であった。
  • モンマルトルのメグレ
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    モンマルトルの怪しげなキャバレー《ピクラッツ》の踊り子アルレットは酔っぱらった勢いで警察に出頭し、殺しが行われるかもしれないとほのめかした。酔いが醒めるとそれを否定したが……ほどなく彼女は自室で絞殺死体となって発見され、予言のように口にした「伯爵夫人殺し」も現実となった。彼女が同時に口にした「オスカル」という人物は何者なのか? パリの場末のモンマルトルを舞台にタフなメグレは奔走する。メグレもの屈指の名編。

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  • モーツァルトの手紙
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    モーツァルトの音楽は、パリやウィーンやイタリアの孤独な宿舎で書かれた。彼はその合間合間に膨大な量にのぼる几帳面な手紙を書きつづった。その大部分は父親に、また愛する姉や妻に送られたものであるが、どれ一つとして、彼の愛情の深さ、信仰の深さを示していないものはない。時として、そこには彼の音楽に感じられるのと同じく、躍動するような陽気さと、明るい諧謔が爆発し、読む者は思わずほほえみに誘われる。
  • モーパッサン怪奇傑作集
    5.0
    目に見えるものをリアルに描き、その奥にある「目には見えないもの」を想像させる薄気味のわるい物語11編。超自然現象、異常な幻覚、狂気錯乱など、作者自身の実体験をへて生み出された「怖い話」の集成。
  • 柳生但馬守
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    柴錬立川文庫第3弾! 家康の命令で淀君の誘拐をたくらむ柳生但馬守、それを知った真田幸村は猿飛佐助に意外な策をさずける…この表題作のほか、「名古屋山三郎」「曽呂利新左衛門」「竹中半兵衛」「佐々木小次郎」「抜刀義太郎」「清酒日本之助」「伊藤一刀斎」の8編を収録。

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  • 野性の叫び
    -
    「バック」は安定した飼い犬の境遇から一転して、橇(そり)引き犬としての過酷な生涯を背負わされる。つぎつぎに代わる主人たち、仲間の犬たちとの対決と交流と友情が、北米の凍てつく大地を舞台に展開する。そうしたなかでいつしか、「バック」は深い森の奥から聞こえてくる野性の呼び声を耳にする。放浪と苦難のうちに作家生活をすごしたアメリカの作家ジャック・ロンドンの「ユーコン物語」の代表作であり、動物文学の傑作。

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  • 野草雑記・野鳥雑記
    -
    タンポポ、ツクシ、ヒバリ、カラス、スズメ…昭和初年、東京郊外の砧(きぬた)村に移り住んだ柳田国男は、武蔵野に生きる小さな野の草や野鳥に慈愛深いまなざしをそそぎつづけた。身近な友である野の草花・鳥たちを見つめ、呼び名・数々の昔話に人との長いかかわりを明らかにする。

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  • 八ケ嶽の魔神
    -
    1巻770円 (税込)
    「……私は故郷は信州諏訪です。そこから八ケ嶽がよく見えます。……八ケ嶽と反対の方角に、一連の山脈がございます。……可愛らしい山脈ですが、これを越すと伊那へ行かれます。この二連山に囲まれてみるのが所謂諏訪の平であり、そこにあるのが諏訪湖です。で此三ツを材料にして、作為を構へたのが『八ケ嶽の魔神』で、勿論全然空想の作で、史実など毫もありません」作者はこう語る。1924~26年(大正13~15)に「文芸倶楽部」に発表されたこの作品は発表時、「平安朝時代より明治大正に及ぶ怪奇伝」とうたわれた通り、八ケ嶽の窩人族と諏訪湖の水狐族との、長大な「確執・怨念・復讐」の物語である。

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  • 柳沢騒動
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    俗説のなかに埋没している柳沢騒動をほりおこし、客観的な歴史の光をあてて再生したユニークな作品。作者は史実のなかにふかくふみこんで、丹念に素材を洗い出し、そこから当時の時代色をみごとに再現してくれる。将軍綱吉も、柳沢吉保も、牧野成貞も、また水戸光圀も、納得のゆく人物像として造型されている。海音寺の戦前の代表作の一つであり、戦後の「武将列伝」や「西郷隆盛」等に代表される歴史大作につながる作品。
  • 屋根裏の散歩者
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    世の中の全てのものに興味をもてない郷田三郎は、たまたま明智小五郎と知りあったことから、「犯罪」に興味を抱くようになった。彼が見つけた密かな楽しみは、下宿の屋根裏を歩きまわり、他人の生態をのぞきみることだった。そしてある日、郷田は屋根裏でふと完全犯罪を思いつく…明智小五郎が初登場して見事な腕を披露するこの「屋根裏の散歩者」ほか、「火星の運河」「白昼夢」「踊る一寸法師」「夢遊病者の死」「赤い部屋」の6編を収めた。
  • 矢の家
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    ハーロウ夫人の莫大な遺産を相続した養女は義弟に脅迫される。それが失敗に終わると義弟は夫人殺害のかどで養女を告発した……養女は弁護士事務所に救いをもとめ、アノー探偵の登場となる。はるかにモンブランをのぞむ風光明媚なブルゴーニュのディジョンを舞台に、犯人と探偵とがくりひろげる壮絶な心理戦。第一級の古典的名作。

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  • 病は気から
    3.0
    医者や薬剤師によって「自分は病気だと思いこまされている男」アルガンが主人公。若い後妻は財産目当てで、夫のすみやかな死を待っている。医者への痛烈な風刺をたっぷりと盛り込み、陽気な歌と踊りでふんだんに味付けした喜劇。国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は記録的で、見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居との評価が定まった傑作。
  • 大和路・信濃路
    -
    1巻440円 (税込)
    古典的な美へのあこがれと、近代的な感覚を研ぎすまして、「大和路」を歩いた際の小品集・随想集と、同じく旅の記録「信濃路」をまとめて1巻とした。堀辰雄の資質を知るための鍵となる作品。

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  • 闇からの声
    -
    引退した名刑事リングローズは、彼に恩義を感じている知り合いのホテルの主人に招かれて、イギリスの田舎のホテルに滞在することになった。その第一夜のことである。闇をつんざく幼児の恐怖にかられた悲鳴が聞えたのは。だが、同宿の老婦人によれば、その子は以前に亡くなって、いまはいないはずだという……その背後には、恐るべき罠が忍びよっていた。悪の天才との息詰まる闘争を中心のすえたフィルポッツの代表作。
  • 闇の奥
    5.0
    作者は船員時代にコンゴ川流域に出かけたが、そのときの経験が元になって書かれた作品。「闇の奥」とはアフリカ奥地の闇をさすが、同時に人の心の闇、文明の闇をも象徴していると思われる。コンラッドの代表作。

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  • 闇のオディッセー
    -
    ジャン・シャボは、金持ちを上得意とする産科クリニック医師で、パリ大学の教授でもあった。揺るぎない社会的地位と潤沢な経済基盤を持ち、自信に満ちた人生を送ってきたが、家中をめぐる人間関係に失敗し、医療過誤におびえてもいた。それを癒やしてくれた唯一の若い女「熊のぬいぐるみ」が自殺したとき、そして匿名の男からの脅迫にさらされたとき、彼は拳銃をポケットに一切の決着をつけるべく夜の町へと出かけていった。シムノンのサスペンスが冴える。
  • 闇よ落ちるなかれ
    5.0
    若き考古学者マーチィン・パッドウェイは、稲妻に打たれた瞬間、20世紀のローマから西暦535年の古代ローマの終末期にタイム・スリップしてしまう! 生きるのが難しい時代だった。各宗派間の陰惨な対立抗争、熾烈化の一途をたどる領土紛争……暗澹たる暗黒時代の到来を食いとめようと、パッドウェイは出版技術を開発し、合理的な加算法を人々に教え、ローマ侵攻を企てるゴート人、ヴァンダル人と闘った。彼は歴史のコースを変えるべく必死に生きたのだ、闇よ落ちるなかれと願いつつ……異色SFの巨匠L・スプレイグ・ディ・キャンプの古典名作。
  • 闇よ、つどえ
    -
    戦争によって一度文明が崩壊してしまった後の時代。政権を握っているグループは過去の科学技術を独占していて、巨神をあがめる宗教政治を行っている。科学技術は魔法と同様の扱いで、光線銃は「怒りの棒」などと呼ばれ、不可侵フィールドは「後光」などと呼ばれている。このカースト制度にしばられたなかで、一人の男が欺瞞をあばこうと立ち上がる。だが、そのとき、巨大な影となって魔人グループが姿をあらわす。壮絶な戦いが始まったのだ! SFと幻想文学を一体化したライバーの処女長編。
  • 誘拐されて
    -
    若者デーヴィッド・バルファは遺産相続の権利をもちながら、欲深な伯父の陰謀によって「誘拐され」、アメリカ植民地へ奴隷として売られそうになる。だが船は難破、たまたま知り合ったジャコバイト党員のアランとスコットランドの荒野をさまよう。そこは内乱の影を宿す危険極まりない場所だった。スコットランド出身の作家が描く「宝島」とならぶ冒険物の代表作。

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  • 郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす
    -
    町から町へと放浪の暮らしを送るフランクは、ほとんど金もない状態でカリフォルニアの街道筋の安レストランにたどり着く。気のいいギリシア人店主はフランクを雇いたいともちかけ、フランクはそれに同意する。だが、フランクの目は店主のセクシーな女房を見逃しはしなかった。二人はほどなく共謀して店主殺害を企てる……アメリカン・ハードボイルドの代表傑作。

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  • 幽霊の死
    -
    死後の忘却を憂慮した画家ラフカディオは12点の作品を未発表のまま残し、死後10年を経過した時から毎年1点ずつを公開するという遺志を残した。社交界の人々が集まるレセプション当日、殺人事件が起き、遺族の友人でもある探偵アルバート・キャンピオンが犯人究明に乗り出す。画家、批評家、画廊などをめぐる美術界の実状が詳しく描かれ、それだけでもおもしろく読める。アリンガムはセイヤーズ、クリスティとともに、イギリスの三大女流推理作家の一人に数えられる本格派の代表格である。
  • 誘惑
    -
    「読ませる小説」の技術と良心をもち、人間の魂を描きつづけたイギリス文学の巨匠の短編集。「昼食」「蟻とコオロギ」「約束」「ルイーズ」「物知りさん」「察しの悪い女」の6短編と、モームの短編のなかでは最も長いものの一つ「誘惑」を収めた。
  • 雪国の春
    -
    「二十五、六年も前からほとんど毎年のように、北か東のどこかの村をあるいていたが、紀行を残しておきたいと思ったのは、大正九年の夏秋の長い旅だけであった。それを『豆手帖から』と題して東京朝日に連載したのであった」…この時の紀行文を中核に、北の風土に行なわれる行事、祭事、伝承をつぶさに記し、それらを日本文化論にまで広げてみせた著者初期の代表作。南国を記した『海南小記』と対をなす。

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  • 雪の中の三人男
    -
    懸賞に当たった大金持ちのトーブラー氏と貧乏人のフリッツ。トーブラー氏は貧乏人に変装してホテルに宿泊、トーブラー氏と間違えられたフリッツ青年は事態にとまどいながら特別待遇を受け、トーブラー氏の下男は航路持ちの富豪を演じさせられる。これにホテルの従業員やくせのあるお客が絡んで巻き起こす大騒動。三人の男たちは嬉々として雪ダルマ「カシミア」を作るが…ユーモアと皮肉が渾然となって躍動する傑作。「消え失せた密画」「一杯の珈琲から」とならぶケストナーのユーモア三部作。
  • 夢十夜
    -
    1巻440円 (税込)
    「大阪朝日新聞」の依頼を受けて書かれた小品集。「こんな夢を見た…」で始まる十のファンタジックな夢を語る「夢十夜」、小鳥の死を淡々と描いて名作といわれる「文鳥」、日常雑記といってよいエッセイ「永日小品」の3編からなる。

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  • 夢みる宝石
    4.0
    里親のひどい折艦をのがれた捨て子のホーティ少年は、愛する人形とともにサーカス団の一座に保護される。団長は、へんてこな人間を集めるかたわら、不思議な能力をもつ水晶を探していた。一見なんの変哲もないその水晶は実は生きていて、痛みや憎しみなどさまざまな感情を表出できる。そして水晶が夢みるとき、土の塊から花や昆虫や、小鳥や犬が生まれるのだった…。幻想SFの巨匠の手になる処女長編。
  • 夜明け前(巻一)
    -
    1~4巻660円 (税込)
    「夜明け前」は何度読んでもぼくを感動させる。陶酔はますます深まり、ぼくの月並みな思念は千々にみだれ、目前の言葉と言葉の合間に、意味しえぬ意味がひろやかに、しかも幾重にも層をなして透けてくるように思える。陶酔から醒めたときに、ぼくははるかなる彼方をかえりみるように、あるいは遠い昔のことを思いだすようにして、この小説がぼくに経験させてくれたものの意味を考えようとする。ぼくが想いみたものは、あるときは、ありとあらゆるものを食い尽してゆく時間についての作者の毅然たる形而上学であり、あるときは主人公青山半蔵の悲槍な劇的生涯であり、またあるときは、ぼくたちの祖国が、黒船の到来とともにヨーロッパから押し寄せてきた近代の巨大な波濤に、身をさらしながら切り拓いてきたぼくたち自身の近代の困難さであった。……篠田一士。

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  • 妖怪談義
    -
    「我々の畏怖というものの、最も原始的な形はどんなものだったろうか。何がいかなる経路を通って、複雑なる人間の誤りや戯れと、結合することになったでしょうか」…柳田国男はこのような問題意識から、さまざまな「妖怪」の正体を明らかにしていく。おばけの声、幽霊、川童、天狗、ザシキワラシ、小豆洗い、山姥、一つ目小僧、片足神などが次々と俎上にのせられ、それらの根源が明らかにされていく。巻末には妖怪名一覧を収録。

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  • 洋上都市
    -
    「洋上都市」はヴェルヌならではのエンターテイメント中編だ。19世紀後半、大西洋を横断してアメリカへ向かう屈指の巨船「グレート・イースタン号」を舞台に(ヴェルヌ自身もその航海を経験した)、若い男女や、さまざまな人間を配して、そこに巻き起こるドラマを活写する。最後はナイアガラ瀑布を眼前にクライマックスを迎える。他に「老時計士ザカリウス」ほか好評を得たヴェルヌの初期の短編3作を収録した。
  • 良き兵士シュベイク(上)
    -
    1~2巻990円 (税込)
    プラハで怪しげな犬の売買をして暮らしていたシュベイクは、オーストリア軍に召集されて前線に送られる。以前に兵役に服したときは「愚鈍」とレッテルをはられて除隊になったのだが、シュベイクははたして「愚鈍」なのか、それとも「知恵者」なのか。だが、シュベイクは上官の命令を忠実に実行することで、軍に多大な損害をあたえる。軍律の盲点をつく天才だったのだ。この長編は、第一次世界大戦時に被支配状態にあったチェコ人の一下級兵士がおこなった珍無類の抵抗と冒険をコミカルにえがき、諷刺・ユーモア文学の世界的傑作として名高い。シュベイクが常連だったことになっているプラハのレストラン兼酒場「ウ・カリハ(さかずき屋)」は、今も観光名所として知られる。

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  • 横から見た赤穂義士
    -
    1巻880円 (税込)
    「忠臣蔵」で知られる赤穂義士ほど有名な伝説はない。だが、「その真相は?」となると、「伝説」の言葉どおり、これほど五里霧中の闇の中に沈んでいるものはない。つまり、謎が多く、いろいろな解釈ができ、自由自在に料理できる素材ともいえる。そうしたなかにあって、三田村氏のこの本は、あくまで実証・考証に立場を置きながら、自在に観察した一件の顛末を記した貴重なもの。章立ては「義士に仕立てたのは誰か」と問う「四十六人の偶像化」にはじまり、「浅野の殿様かたぎ」「粋を通す内蔵助」「百二十五人から四十六人」「二月四日 の切腹」「講談の根本資料」「女の子のゆくえ」「後室瑤泉院」「義士ぎらい」まで。義士の切腹時のようすなど、興味深い話もいっぱい。

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  • 吉野葛・蘆刈
    -
    1巻550円 (税込)
    吉野の紀行文と思わせる出だしから、同級生の男の早くに失った母親の生家探しが語られ、母の面影を思うあまり、生家の姪を許婚(いいなずけ)にするという展開が一気に語られる「吉野葛」。『蘆刈』も、紀行文から夢ともうつつともつかない物語に変容し、出会った男から語られる父のせつない恋愛話がテーマである。未亡人に恋し、その妹をめとり、姉思いの妹との関係が語られてゆく。その息子であるこの男はいったいだれの子供なのか、未亡人はもうすでに高齢になっているのではないかという疑問をのこしながら、男は消えてゆく。大阪移住以来、谷崎潤一郎の作風がだんだん純日本的なものに移行していった時期の代表作。
  • 四畳半襖の下張り
    5.0
    永井荷風作といわれる和製ポルノの代表作。作家丸谷才一氏らが弁護側に立って「猥褻かどうか」が法廷で争われたことも有名。

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  • 四つの凶器
    NEW
    -
    ラルフは良家の令嬢マグダと婚約したばかりだが、気がかりなことがあった。恋仲になり別荘まで買ってやった娼婦ローズの存在だ。ローズが結婚の障害になることを心配した彼は、関係を穏便に清算するため、弁護士カーチスに頼んでブーローニュの別荘に出かけた。だが、ローズはベッドの上で、動脈に達するほどの傷を負って死んでいた。しかも部屋には4種類の凶器になりうるものが存在していた! いったいどういうことが起こったのか。奇怪な事件の謎にいどむ探偵バンコランが、持ち前のウィットとユーモアを見せて活躍する最後の長編。
  • 四つの署名
    -
    ある日ホームズのもとに美しい婦人が訪れる。インドに勤務していた彼女の父が消息を絶って十年になるのだが、ここ数年、高価な真珠が送られてくるという。ホームズたちが真珠の送り主を捜しあてたとき、巨万の富をもつその男は顔と手足を異様に歪ませた他殺体となって発見された。かたわらには「四つの署名」と走り書きされた紙切れが……インド王家の秘宝をめぐって繰り広げられる大活劇! ホームズもの2作目にあたる代表長編。

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  • 四人の巨匠
    -
    二十歳前後ですでに詩人、翻訳家、劇作家として認められ、短篇小説でも成功したツヴァイクは、バルザック、ディケンズ、ドストエフスキーという三大小説家を対象としたユニークな評伝を発表した。それが本書収録の三編であるが、これに追加して第四編として、最晩年に書かれた「モンテーニュ」を含めてタイトルを「四人の巨匠」とした。モンテーニュの生きた時代と、彼の境遇、性格、考え方に多くの共通点を見出したツヴァイクは、彼を「自由なる人間」の友であると考え、この評伝を書き上げてまもなく自ら生命を絶った。
  • 夜歩く
    5.0
    カーの処女作。「私にとって単調で退屈ということは許されざる罪悪」というカーは、本書に対する自信のほどをのぞかせて、こう言う。「神経質な読者に悪夢をもたらし、パズルの玄人(くろうと)に頭痛をおこさせれば、私は満足だ」本書『夜歩く』は成功を収め、カーは職業作家として立つ。彼は別の機会に書いた。「私の野心は今もなお真に傑出した推理小説を書くことであるが、いまだに達成したとは正直、思わない。作家がこう述べるとき、その本音はほかのすべての推理小説がつまらないものに見えるような傑作をものしたいということである。無論、それは不可能だ。しかし、いつまでも試みつづけることはできる」
  • 夜来たる
    3.0
    もし2000年に一度しか夜が訪れないとしたら、そんなことが本当になるとしたら、人々はどう反応するだろうか…6つの太陽に囲まれた惑星ラガッシュでは、それが現実となった。「夜の到来」は長年にわたって育んできた宇宙像を崩壊させ、人々は恐慌におちいった。このSF史上に名高い表題作のほか、本書にはアシモフ初期の多様性を示唆する「ガニメデ星のクリスマス」「赤い女王のレース」の2編をおさめた。

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  • 夜の樹
    -
    「夜の樹」は、1949年に出版されたカポーティの唯一の短編集で、「夢を売る女」「誕生日の子供たち」「最後の扉を閉めよう」「銀の酒壜」「ミリアム」「無頭の鷹」「私の言い分」「夜の樹」の8編からなる。多くは人間の深奥にひそむ欲望や夢をシュールに描いた作品であるが、「誕生日の子供たち」のような幼年期への郷愁から生れた自伝的色彩濃厚な心優しい作品も含まれている。

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  • 夜はやさし
    -
    スイスの診療所に入院していたアメリカの富豪の娘ニコルは、若いアメリカ人の医師ディックを恋し、やがて二人は結婚する。だが、ニコルには暗い過去があり、精神を病んでいた。ディックも夫と付添医師という二重の役目を負わされる。二人の子にも恵まれた平穏の暮らしのなかへ、ハリウッドの新進スター、18歳のローズマリーがあらわれ、ディックはその誘惑に抗しきれなくなる。深酒にふける彼のモラルの崩壊はこのときから始まる。だが、夫の愛情が冷めてゆくにつれて、ニコルは精神の健康をとり戻し、以前から秘かに彼女への思慕をつづけてきたトミー・バーバンへ走る。…「ジャズ時代」の申し子であった作者の野心作であり、すぐれたドキュメンタリーな作品ともいえる。
  • ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
    -
    1巻440円 (税込)
    本書は16世紀半ばにスペインで書かれ、当時大人気を博すとともに、その後のピカレスク小説の模範とされた。貧しい主人公ラーサロ少年は7人の俗人・聖人につぎつぎに仕えるが、だれひとり偽善の仮面の下に疑わしい品性を隠していない者はなかった。ピカレスク小説の主人公は、社会の下層にうごめき、あちこちと放浪に近い暮らしを送りながら自らの知恵と才覚で(ときに大いに反社会的な手まで使って)生きのびようと努力する人物である。

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  • ラシーヌ名作集
    -
    ラシーヌは17世紀後半のフランス古典悲劇を代表する作家だ。彼は幼くして孤児となり、修道院で教育を受けた。はじめモリエールの庇護を受け、劇作家としての道を歩み出した。「アンドロマック」は愛の情念をうたうラシーヌ悲劇の出現である。「ベレニス」はローマ皇帝とパレスチナ女王の別離という最小単位の素材から、悲劇を成立させる実験であり、表現の優雅さがうかがえる。「イフィジェニー」と「フェードル」はギリシア古代劇と対比されるラシーヌ劇の最高峰である。
  • ラジオナメンティ
    -
    ナンナは十六になった娘の身の振り方を決めてやるのに迷い、友達のアントニアに相談する。「修道女にするのがいいか」「さっさと結婚させるのがいいか」「娼婦にするのがいいか」というのだ。それというのも、ナンナ自身、この三つの暮らしをすべて経験してきたからで…ルネサンス期ローマの町のけた外れの淫乱ぶりを暴露するポルノの元祖。

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  • 螺旋階段
    -
    亡き兄の二人の遺児をひきとって育て上げ、肩の荷をおろしたレイチェルは、郊外の別荘でひと夏を過ごすことにする。だが、静かな田舎に安らぎを求めた彼女を待っていたのは恐ろしい事件の連鎖であった。到着早々、不気味な物音や奇怪な人影に心を騒がされ、子供達の到着にほっとしたのも束の間、別荘の持ち主の息子が螺旋階段の下に射殺体で発見される!
  • ラバー・バンド
    -
    沿海物産会社の社長が、社で起こった三万ドル盗難事件の調査を依頼にきた――同社の事務員クララがこの件で疑われているから、彼女の無実を明らかにしてもらいたいという……。ついで今度は当のクララが奇妙な依頼をもってきた。それは、戦死した父がまだ若かった頃、ネヴァダ州の鉱山町で首吊りにされそうになったイギリス貴族を助け出したことがあり、その男が他日、財産を相続したらその半分を謝礼すると約束してあったので、それを取り立ててもらいたいという。ウルフは彼女の話に興味を感じ、たった一ドルでその依頼を引き受けた…
  • 蘭学事始
    -
    日本の蘭学(オランダ学)、ひいては洋学の先駆をなした「解体新書」の翻訳刊行。それから約40年後、玄白が83歳のときに著わしたこの回想録は、当時の若者の新しい学問へのあふれるような好奇心を、あますところなく活写する。緒方氏の三度目になるわかりやすい翻訳に、多数の珍しい図版資料をそえておくる。

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  • ランベスのライザ
    -
    ロンドンの貧民窟ランベス街。母親を養い工場で汗を流すライザは、明るく魅力的な町一番の人気娘だ。真面目でおとなしい青年トムは彼女に熱を上げるが、どうした運命のいたずらか、ライザがひと目ぼれした相手は、妻子ある中年男のジムだった。美しい悲恋を描いて好評を博したモームの処女作。モームが自身の全作品の出発点と位置づけ、みずからの作品選集の冒頭に選んだ作品でもある。出版は一八九七年、彼は23歳の医学生だった。本訳書では選集に付加された「はしがき」を冒頭に掲載、作家としての覚悟をうかがうこともできる。
  • ランボー詩集
    -
    描きようのないものを描き、刹那に永遠の輝きをあたえた早熟な天才少年の詩の全貌を示す訳詩集。「第一詩集」「イリュミナシオン 」「拾遺」「解説」「年譜」からなり、ランボーの韻文詩のほとんどを収めている。長年、これらに親しんだ詩人金子光晴の苦心の訳でおくる。

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  • ランボーの手紙
    -
    「地獄の季節」破棄説の真相、アラビアヘの逃亡、ブリュッセル事件の前夜など、その時々に書かれた手紙は、ランボーの文学思想と人となりを垣間見るまたとない資料を提供している。

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  • ラーオ博士のサーカス
    -
    アメリカはアリゾナ州の片田舎にやってきたラーオ博士の大サーカス。そこでは、蛇の髪のメデューサ、火を吹くキマイラ、両性具有のスフィンクスなどなど、神話上でしか知られていない怪物たちをひとつひとつの特設テントで目にすることができるというので大賑わい。すべては博士の頭の中で作り出された出し物。魔女たちの饗宴あり、奇妙で少しわいせつな要素を盛り込んだものあり、しかも入場料はたった10セント。作者フィニーは寡作な作家だが、1935年本書は「今年もっとも独創的な小説」と評され、全米書籍業協会賞を受賞した。
  • ラーマーヤナ(上)
    -
    1~2巻1,100円 (税込)
    古代インドのサンスクリット語による大叙事詩。詩聖ヴァールミーキの作と伝えられる。ガンジス川の中流に位置するコーサラ国の首都アヨーディヤーを統治するダシャラタ王は3人の妃によって4人の王子を得た。長男のラーマは魔類を滅ぼすためにヴィシュヌ神が人間に化身したものであった。王は長男ラーマに王位を譲ろうとしたが、継母のカイケーイーは、自分の産んだバラタを王位につけ、ラーマを14年間追放するよう王に迫る。ラーマはそれを知ると、自ら森に入った。妻のシーターと弟のラクシュマナも彼に従った。王が亡くなると、バラタはラーマを連れ戻しに行くが、拒絶されたので、ラーマのサンダルを玉座に置いて、王国を守りつつラーマの帰国を待った。ラーマはダンダカの森において有害な羅刹(らせつ)を退治したので、羅刹の王ラーヴァナは彼を憎み、かつシーターの美貌に魅了され、彼女を略奪して、自分の王宮に幽閉した。ラーマはラクシュマナと共にシーターを救出しに出かける。この救出劇の詳細がラーマーヤナの主筋である。途中、ラーマは猿王スグリーヴァの窮地を救ったので、神猿ハヌーマンをはじめとする猿軍の支援を得て、ラーヴァナの王宮がランカー島にあることをつきとめる。ラーマは猿軍とともにランカーに渡り、激戦につぐ激戦のすえ、ついにラーヴァナとその配下の悪魔たちを殺し、シーターを救出する。1年間ラーヴァナの王宮に幽閉されていたシーターは、身の貞潔を証明するために火神を念じながら火の中に入り、火神はシーターを抱きあげてその身の潔白を証言し、ラーマに手わたす。ラーマは彼女を伴ってアヨーディヤー市に凱旋し、王位についた。「ラーマーヤナ」はヒンドゥー教の聖典とされて後代の文学と思想に多大な影響を与え、インド国外でも、ジャワ、マレー、ミャンマー、タイなどの文化に強い影響を及ぼし、中央アジアから中国や日本にも説話として伝えられた。表紙絵はタイ、バンコクの「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」にある大壁画の一部である。
  • リア王
    -
    老いを迎えたリアは三人の娘の「孝行の約束」の言葉によって、領地と権力の移譲をおこなおうとする。上の二人の娘は言葉をつくして父親への愛情を語る。だが、一番下の最愛の娘コーディリアは「親子の定めにしたがって愛します。それ以下でも以上でもありません」と謙虚に述べたことが高慢と受け取られ、領地もわけてもらえず、さびしくフランスへ去る。リアは上の二人の娘に面倒をみてもらうが、しだいに冷たくあしらわれ、ついには荒野をさまようようになる。シェイクスピア四大悲劇中でも最も激越・悲壮な悲劇中の悲劇。

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  • リチャード3世
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    醜く生まれついたリチャードは、自分を呪い、世の中を呪い、あらゆる権謀術数を弄して、野心と復讐心にもえてつぎつぎと悪事を重ねる。妻を殺し、友を殺し、部下を殺し、幼い皇太子兄弟を殺し、国王にまでのぼりつめる。だがリチャードはつねに孤独である。彼のそばに現われては呪いの言葉を投げかける故ヘンリー六世王妃マーガレット、彼に肉親を殺され嘆きと悲しみのなかに沈む人びとの呪詛。近代的悪人像を描くシェイクスピア史劇の傑作。

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  • 陸橋殺人事件
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    イングランドの田舎の鉄道陸橋下で、判別ができないほど顔のつぶれた男の死体が発見される。発見者は陸橋近くのゴルフ場でプレイ中の4人組だった。自殺か他殺か、それとも単なる事故なのか? 警察の調べのすすむなか、推理小説ファンの4人はそれぞれ独自の見解を披露していく。
  • リトル・ドリット(上)
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    リトル・ドリットは、大人になっても小柄でか細い。しかも債務者監獄生まれ。ドリット一家は20年以上も壁の中で暮らしているが、彼女は体面だけは捨てない父ウィリアムを世話する日々を送っている。一方、中国での事業を畳んで帰国したアーサー・クレナムは陰気な生家を訪ね、そこにお針子として通うリトル・ドリッドを見かけ、その身の上を知るようになる。だが彼女の父親には疑問がわき、知り合いに、その借金について調べる事を依頼する。ロンドンの社交界には一大勢力がはびこっていた。その中心は官界・政界に巣喰うバーナクル一族、財界の巨頭マードルだ。踊り子として舞台に立っていたドリット家の長女ファニーはマードル家の息子に見初められる。クレナムは、発明家ダニエル・ドイスの共同事業に活路を見い出す。そんななか、リトル・ドリットには、驚くべき知らせがやってきて、一家は監獄から解放される。
  • 猟人日記(上)
    -
    1~2巻770円 (税込)
    狩猟家(猟人)の日記というスタイルを借りて、ロシアの美しい自然と、その中に営まれる人びとの苦衷にみちたさまざまな生活を、25編の物語としてリリシズム豊かに描いたツルゲーネフのデビュー作であり、生涯の代表作。

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  • リラの森
    -
    フランスのセギュール夫人(1799~1874)がカラレ家の自分の孫たちのために書いた童話集「新仙女物語」から、5編を選んで訳した選集。夫人は宮廷文学の伝統をひく子どもの文学をつくった人として知られ、その童話は今日でも出版されつづけ、依然として根強い人気を保っている。夫人はロシアの将軍の娘で、一家はのちフランスに移り住み、彼女はフランスの名門貴族と結婚して、セギュール伯爵夫人となった。

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  • 李陵―中島敦名作集
    -
    1巻550円 (税込)
    漢学者を祖父にもち、漢学の教養と広い読書に支えられた知性と感性を身に付けた中島敦は、前人未到の高い芸術性をもった作品群を残して夭折した。ここには「李陵」「弟子」「名人伝」「山月記」「文字禍」「悟浄出世」「悟浄歎異」「牛人」「光と風と夢」の代表作9編をおさめた。

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  • リルケ詩集
    -
    「親愛なるリルケよ、私が彼のなかに見、そして愛したのは、この世の最も繊細で、最も精神にみちあふれた人、あらゆる精神の神秘に最も多く見舞われていた人であった」これはポール・ヴァレリーの哀悼の辞である。透徹する孤独のなかに安らぎをもとめたゲルマン的、スカンディナビア的な詩魂の精華。

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  • 林檎の木・小春日和
    -
    銀婚式の日、妻と連れ立って車でムア(荒野)にむかったアシャーストは、見晴らしのよい丘の上で昼食をとろうとする。スケッチをやめてもどる妻を待つあいだ、アシャーストは、そこの景色に見覚えのあることに気づく。そして痛みのともなうある過去の出来事がよみがえる〔林檎の木〕。田舎の屋敷で孫と静かな暮らしを送る老ジョリオンのまえに、美しい女があらわれる。それは今はない恋人の思い出を求めてやってきたアイリーンだった。ジョリオンは彼女にあうことに唯一の慰安と幸福を感じるようになる〔小春日和〕…イギリス的な田園詩二編。

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  • 輪廻の蛇
    -
    第二次世界大戦前後の時期のアメリカを、色濃く反映した短編集。主人公たちの生き生きとした行動や、彼らがうごきまわる世の中の的確な描写はハインラインならでは。本書に収めたのは、既刊の『失われた遺産』『魔法株式会社』に続く「未来史」シリーズ以外の短編集だ。1929年、アナポリスの海軍兵学校を卒業後航空母艦勤務をしたハインラインは、体をこわして退役、以後、「生命線」でSF作家としてデビューするまで、UCLAの理数系大学院に学び、さまざまな職種を転々とする。「象を売る男」の元セールスマン、「わが美しき町」の腐敗政治家とたたかう地方新聞の記者、「歪んだ家」の建築家などの描写に、その体験が生かされている。
  • ルコック探偵(上)
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    シュパン女将《おかみ》の居酒屋から、恐ろしい悲鳴とともに3発の銃声がひびき渡った。不思議な殺人事件の発端だった。パリ警視庁の若手刑事ルコックが捜査に乗り出す。そして浮かび上がったのは、ナポレオン時代にさかのぼる、貴族たちの血塗られた歴史だった……史上初めての長編ミステリーとされるガボリオの傑作。江戸川乱歩はこの作が大のお気に入りで、少年向きにした「ルコック探偵」を書いている。

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  • ルバイヤート
    -
    12世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの、とくに「酒呑みをたたえた」作品として有名な詩集。1859年、英国の詩人フィッツジェラルドによって英訳されて非常に有名になったが、この日本語訳は、第二次大戦以後の研究の進展にともなってまとめられた、より信頼のおける詩集にもとづいている。

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  • ルパンの告白
    -
    夫の罠に落ち込んだ美しい伯爵夫人を救う「結婚指輪」、謎解きを見せ場に約束の時間まぎわにさっそうとオートバイで姿をあらわす「影の合図」など、カッコよさ満点の9編からなるルパンもの短編集。ガニマール警部との追いつ追われつが、またなんとも楽しい。

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  • 歴史(上)
    -
    1~2巻1,320円 (税込)
    この書は、人間の功業が時のたつうちに忘れ去られるようなこと、また、ギリシア人と異邦人によって示された驚嘆すべき偉業が顧みられなくなるようなこと、特に、彼らが互いにしのぎを削るに至った原因が不明になるようなことがないようにするために発表するものである──「歴史の父」ヘロドトスは巻頭にこう記し、紀元前5世紀のアケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争(ペルシア戦争)を中心に、小アジア、エジプトをはじめ、オリエント世界各地の歴史・風俗・伝説を豊饒絢爛な見聞記としてまとめた。この上巻では、ペルシアの勃興と覇権の確立、「エジプトはナイルのたまもの」という有名な言葉で知られるエジプトの地誌、スキタイ人の生活習慣などが興味深く描かれる。エドワード・ボーデンの親しみを増すイラストを多数収録。
  • レスター・リースの冒険
    -
    弁護士ぺリー・メイスンで有名なガードナーの生み出した怪盗レスター・リースを主人公とする短編集。下男スカットルが用意した新聞の切り抜きを見て、リースは犯罪の真相を見破る。ただし、警官でもなく、「犯罪をなくすためには犯人を逮捕処罰するよりは、盗品を掠奪してやるのが一番よい」と考えているので、下男に注文しておいた何に使うかも分からないような品々を使って盗品を奪い取る。そして抜け目なく2割くらいの手数料をいただいて、残りは慈善事業に寄付する。上質のB級エンターテイメント6編を収録。
  • 列車の死
    -
    第二次大戦中、ドイツ軍の猛攻にさらされていた英国政府は、急遽、極秘の物資輸送を決定した。だが、その輸送列車のちょっとした故障のために、先行した旅客列車が轟音と共に転覆した! 破壊工作の跡が発見され、計画の漏洩に気づいた政府は、ロンドン警視庁に捜査を命じ、フレンチ警部はスパイ組織壊滅の密命を受けた。突破口を開くべくフレンチは一計を案じた…

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  • 列藩騒動録(上)
    -
    江戸時代、諸大名の家には多種多様なお家騒動があった。それぞれの騒動は、その藩独自の事情、武士の気質、関係諸人物の個性、そのときの時勢等の要素がからみあって出来した。海音寺潮五郎は鋭い人間観察、博い学識と精確な考証とを駆使して、どこまでもその真実の姿に肉薄する。上巻では、島津・伊達・黒田・加賀・秋田・越前の諸藩の騒動をとりあげる。
  • レベッカの青春
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    「少女レベッカ」の続編と言ってもよく、「少女レベッカ」の場合とおなじように、女性としての自覚にめざめてゆく一人の少女の心理過程が現実的なさまざまなエピソードとともに語られていく。ただ前作とちがい、それらの出来事は、レベッカ自身の手記や回想という形で描かれ、記述がいっそう内面的になっている。後半には、青春期を迎えた十八歳のレベッカが登場して、繊細な感受性をたたえた、静けさと内省を愛する一人の女性に生長していく。作者は、米国フィラデルフィアで生まれの作家で、英米の若い世代から熱狂的に迎えられ、やがてその名はひろく世界に知られるようになった。
  • レ・ミゼラブル(上)
    -
    日雇い労働者ジャン・ヴァルジャンは、貧しさのどん底で、ある日一片のパンを盗もうとして捕えられ、重刑を科せられる。彼は不当な刑に怒りをおぼえ2回も脱獄を企てたため19年も刑に服すことになった。ようやく釈放された彼は片田舎の町ディーニュに現われたが、宿屋は前科者と知ると泊めてもくれない。あてどなくさまよった彼は、アルプスのふもとにあるミリエル老司教の家にたどりつく。司教は、暖い部屋に招き入れ銀の食器でもてなしてくれた。だが、恩を仇で返すように、彼は司教館の銀の食器を盗んで逃げる。すぐにつかまり、彼は司教館に連れもどされたが、「それはわたしがこの人にあげたのです」と司教は言う。ジャン・ヴァルジャンは奇跡を目にしたような衝撃をうけ、寒風の吹きすさぶ野を泣きながら駆け去る……ジャン・ヴァルジャンの改心と苦闘の人生がはじまる。この主人公をめぐって、売春婦ファンテーヌ、その子コゼット、その恋人マリユスらの人生がからみあい、おりからの激動する時代とともに数多くの人々が嵐のように渦巻き過ぎる。ユゴーの世界観を集大成した代表作。

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  • 檸檬 梶井基次郎傑作集
    -
    1巻440円 (税込)
    病魔と闘いながら、鋭敏な感受性を駆使してすくい取られた小品の数々。梶井基次郎の作品は日本近代文学史上に異彩をはなっている。ここには、「檸檬」「城のある町にて」「泥濘(でいねい)」「路上」ほか、15編の代表作を収めた。

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  • 恋愛論
    -
    「情熱恋愛」「趣味恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」の分類のもとに古今東西の恋愛感情を縦横に論じた、博物学的、ディレッタント趣味横溢するスタンダールならではの異色の書。恋愛論の古典。

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  • 連合艦隊の最後
    -
    1巻1,210円 (税込)
    連合艦隊はお葬式を出していない。一個人の死が新聞の記事になり、本願寺や青山斎場の行列を見ることを思えば、410隻が沈み、2万6000機が墜ち、40万90000人が┏斃┳たお┓れた「連合艦隊の死」を、お葬式なしに忘れ去るということは、余りにも健忘症であり、かつ不公平でもあろう。私は、その国防史の一つのブランクを埋める役目を買って出たようなものだ。…敗戦後10年に著者はこう書き、本書は巷間に好意をもって迎えられ、当時のベストセラーとなった。いま改めて、この古典を世に問う。

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  • レンズの子ら
    -
    キニスンとクラリッサのあいだには1人の息子と4人の娘が生まれ、20年が過ぎた。このとき、惑星大統領の誘拐、「宇宙の地獄穴」など、不穏・不気味な現象が頻発するようになった。キニスンと第二段階レンズマンでさえ手を焼く、ボスコニアの最高種族エッドール人の反撃であった。特別な教育を受けた「レンズの子ら」は死闘を開始する!

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  • 老人と海
    5.0
    舞台はキューバの港町とメキシコ湾流の広大な海、84日間も魚を釣り上げることができなかったサンチャゴ老人は、いままた使い慣れた舟の帆を張り、ひとり外海へと出かけてゆく。目指すは《まかじき》だ。…ついに大物がかかる、二日にわたる死闘のあと、老人はとうとう「わしの大きな魚」を引き寄せ、その姿を目にする。ヘミングウェイの代表作。

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  • 蝋人形館の殺人
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    オーギュスト陳列館には数々の蝋人形たちが並び、薄暗い照明の中で異様な雰囲気をかもし出していた。ギロチンの下でのけぞるルイ16世、臨終のナポレオン……中でも傑作中の傑作『人殺しのルシャール夫人』の出来栄えは見事だった。その蝋人形がある娘の後を追って暗い階段を降りてゆき、そのあと、その娘が、屍体となってセーヌ河に浮かぶという事件がおきる!

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