グーテンベルク21作品一覧

  • 連合艦隊の最後
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    1巻1,210円 (税込)
    連合艦隊はお葬式を出していない。一個人の死が新聞の記事になり、本願寺や青山斎場の行列を見ることを思えば、410隻が沈み、2万6000機が墜ち、40万90000人が┏斃┳たお┓れた「連合艦隊の死」を、お葬式なしに忘れ去るということは、余りにも健忘症であり、かつ不公平でもあろう。私は、その国防史の一つのブランクを埋める役目を買って出たようなものだ。…敗戦後10年に著者はこう書き、本書は巷間に好意をもって迎えられ、当時のベストセラーとなった。いま改めて、この古典を世に問う。

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  • レンズの子ら
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    キニスンとクラリッサのあいだには1人の息子と4人の娘が生まれ、20年が過ぎた。このとき、惑星大統領の誘拐、「宇宙の地獄穴」など、不穏・不気味な現象が頻発するようになった。キニスンと第二段階レンズマンでさえ手を焼く、ボスコニアの最高種族エッドール人の反撃であった。特別な教育を受けた「レンズの子ら」は死闘を開始する!

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  • 老人と海
    5.0
    舞台はキューバの港町とメキシコ湾流の広大な海、84日間も魚を釣り上げることができなかったサンチャゴ老人は、いままた使い慣れた舟の帆を張り、ひとり外海へと出かけてゆく。目指すは《まかじき》だ。…ついに大物がかかる、二日にわたる死闘のあと、老人はとうとう「わしの大きな魚」を引き寄せ、その姿を目にする。ヘミングウェイの代表作。

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  • 蝋人形館の殺人
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    オーギュスト陳列館には数々の蝋人形たちが並び、薄暗い照明の中で異様な雰囲気をかもし出していた。ギロチンの下でのけぞるルイ16世、臨終のナポレオン……中でも傑作中の傑作『人殺しのルシャール夫人』の出来栄えは見事だった。その蝋人形がある娘の後を追って暗い階段を降りてゆき、そのあと、その娘が、屍体となってセーヌ河に浮かぶという事件がおきる!
  • 六号室
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    この巻にはチェーホフの代表的な中編「六号室」と「中二階のある家」を収めた。「六号室」は「鉄格子の中も暖かい書斎も本質的にはなにも変わらない」と精神病患者に説教する医師が、周囲の人たちから狂人とみなされて鉄格子の中に閉じ込められ、はじめて現実を知るという話、「中二階のある家」は小さな積みかさねで地道に生活向上をめざす娘と、一挙に現実を改革すべきだといいながら何もしない画家との議論を通して進歩とは何かを問う話。どちらも中期の代表作である。

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  • ロビンソン・クルーソー
    -
    父と対立し家出をくわだてたロビンソンは、海が好きだったので船乗りになることを選んだ。だが難破にあい、けっきょく28年間も無人島に暮らすことになる。衣食住すべてを、ほとんど何もない場所でまかなわなければならない。だが、ロビンソンの不撓不屈の自立精神は衰えることはなかった。サバイバルの古典!

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  • ロボット宇宙船
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    ミストラが事務的な調子でいった。「さあ、こんどは窓の外をごらんになるといいわ」スティーヴンズは、眉をひそめるようにして彼女を見た。「窓だって!」と彼はいった。何かあると予想はしていたものの、彼は気の遠くなるような驚きにおそわれて、息をあえいだ。「これは、どうしたんだ!」空は暗かった。下には、茫々たる靄(もや)のひろがりがあった。やがて、最初のショックが去った。下界はものの形も生命もない混沌の中にあった。奇妙に円い感じがあって、それが非現実の世界に仕上げの一筆を添えていた。これに似た茫々たるながめをどこかで目にした記憶があったが、ようやく彼はそれを思い出した。百マイル、もしくはそれ以上の高空から撮られたV2号の写真が、これとそっくりの異様な効果を見せていたものだった。…ヴァン・ヴォクトの描く異様な世界!
  • ロミオとジュリエット
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    運命の悲しい星の下、敵同士の家に生まれたロミオとジュリエット。夜のやみにまぎれてしのび込んだロミオはバルコニーのジュリエットと愛の言葉をかわし、ロレンス神父の助けを借りてひそかに結婚の約束をとりかわす。おりもおり、ロミオはジュリエットの従兄ティパルトを殺し、追放されてしまう。ロレンス神父は苦肉の策を弄するが……あまりにも有名なシェイクスピアの恋愛悲劇。

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  • ロルカ詩集
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    ガルシーア・ロルカはスペイン、アンダルシーア生まれの詩人、戯曲家。アンダルシーアはロルカにとって、尽きない霊感の泉だった。1936年に勃発した「内乱」の渦中に倒れたが、「現代の吟遊詩人」と言われ、その音楽的な詩文はまず本人によって朗読され、のちに活字となった。この詩集では代表的な2大詩集「歌集」と「ジプシー歌集」はもちろん、初期から死の直前までに詠われた詩を集成している。選者小海氏による詳細な「解説」は必読である。
  • イタリアの薄明
    続巻入荷
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    「本書はロレンスの最も美しい散文であり、またロレンスの思想を知るためにも最も重要な中身を含んでいる。《山越えの十字架像》はロレンスがいかにキリスト教的な神秘主義者であったかをよく啓示しているし、《紡ぐ女と修道僧》にはロマン主義的な絶対の世界の認識がよく出ている。また《レモン園》では特にその思想が強調されている」(西脇順三郎)。本書の中身はすべて、ロレンスが1921年の9月から翌年の4月まで恋人のフリーダ夫人とガルダ湖畔に滞在した時代に書かれた。ロレンスは『イタリアの薄明』『海とサルデーニャ』『メキシコの朝』『エトルリア遺跡』の4つの紀行を残した。これらをすべて最初に全訳したのが鈴木新一郎氏で、今回の電子書籍版はその復刊となる。
  • 倫敦から来た男
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    ディエップの港湾駅で働くマロワンはある夜、船でロンドンから来た男が、相棒の男をドックの中に突き落としたのを、転轍操作室の塔の中から目撃した。相棒は小型スーツケースを持ったまま、ドックの底に沈んでいった。マロワンが小型スーツケースを回収してみると、中には大金が。殺人現場を見られたと悟った男は、いったんは逃げたが、マロワンを疑い、彼の家の近くを徘徊する。妻や娘がいる普通の家庭生活と、殺人犯の大金を横取りした男の不安と恐怖は極限に…強烈なサスペンスが漂う名作。
  • 倫敦塔
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    1巻440円 (税込)
    処女作「我輩は猫である」を執筆中、他の雑誌に発表された漱石初期のロマンティシズムあふれる短編。「倫敦(ロンドン)塔」「カーライル博物館」「幻影(まぼろし)の盾」「一夜(いちや)」「琴のそら音」の5編を収録してある。

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  • ローエングリン
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    ドイツ西部のブラバント公爵領では、先代の公爵が、娘エルザと息子ゴットフリートを残して死んでまもなく騒動が。エルザと散歩に出たゴットフリートが森の中で行方不明になる。これは魔法使いオルトルートが彼を白鳥に変えてしまったためである。が、オルトルートの夫で、公爵領を手に入れる野望を抱いていたフリードリヒ伯爵は、これを好機とばかり、エルザを訴える。エルザが弟を殺して領主の地位を手に入れ、秘密の恋人を宮廷に引き入れようとたくらんだのだ、というのである。たまたま来訪したドイツ国王ハインリヒが決闘でその決着をつけることになった。フリードリヒの相手はエルザの祈りに白鳥に曳かれた小舟に乗って現われた騎士「ローエングリン」だった……。
  • ロータス・イーター
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    「三人の肥った女」「良心的な男」「掘りだしもの」「ロータス・イーター」「ジゴロとジゴレット」の5編は、「世の中には、いつになっても、これはと驚くようなことが決してなくならない」という作者の信条の結晶である。
  • ロード・ジム(上)
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    コンラッドはこの作品によって、海洋冒険物語を、名誉と勇気、忠節と裏切りの深い意味をもつ物語に変えた。理想主義肌の商船の一等航海士ジムは、沈没の運命にあった「パトナ号」と船客たち八百人を見捨てることで、若き日の栄光への夢を見捨てた。法廷で「臆病」の烙印を押されたとき、ジムは極東での放浪の暮らしに活を見出そうとする。スマトラのパトサンで原住民から伝説的な名声を得たジムは理想的な統治者としてふるまうが、悪漢ブラウンの出現で…。コンラッドの『闇の奥』と同じ語り手マーロウは、社会に拒否されながら、なお償いへの欲求につかれた男の、不可思議な心のうちに探りをいれていく。ポーランド生まれの英国の作家コンラッドの「密偵」「闇の奥」と並ぶ代表作。
  • ローマ劇場毒殺事件
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    本格ものミステリーの雄、エラリー・クイーンのデビュー作であり、以後10巻に及んだ有名な「国名シリーズ」の最初の作品。ブロードウェイの新顔「ローマ劇場」には暗黒街ものの新作「拳銃稼業」に多くの観客がつめかけた。ナイトクラブの殴りこみ、ギャング出入りの派手さで受けている芝居だった。第二幕の山場で観客席の後部座席のほうから大きな悲鳴が聞こえた。客たちはこれも芝居の新手だと思い、その方角に首をのばした……だが、それは芝居ではなく真実の殺人だった。被害者は悪徳弁護士! クイーン父子の捜査がはじまる。どうしたわけか被害者の持っていたはずのシルクハットが消えていた…

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  • ローマは光のなかに
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    かつては映画俳優として華々しく活躍していたジャックは、第二次大戦を経て今はパリで目立たない公務員の仕事を粛々とこなす生活を送っている。ある日、長らく疎遠になっていた映画監督のデラニーに請われて二週間ローマに滞在することになるが、そこでの出会いや目まぐるしいほどの出来事によって、ジャックは若かりし頃の栄光や挫折を振り返り、今後の人生について思いを馳せる。美しいイタリア人女性のヴェロニカ、暴力的だが若く才能のあるブレサック、戦争ジャーナリストのデスピエール、石油王のホルト、それぞれが日常に直面しながらローマの光のなかで織りなしていくカレイドスコープのような物語。表紙挿画─和田誠。
  • Yの悲劇
    3.0
    ヨーク・ハッターがニューヨーク近郊の海から変死体となって発見された事件からハッター家の悲劇は始まった! 一族に次々に毒が盛られ、ハッター夫人はマンドリンという奇怪な凶器で殴り殺される。続けざまに起こる惨劇の調査を開始した老優ドルリー・レーンは、信じられない真実に直面する……。海外ミステリーのベスト選出で常に第一位の座を誇る傑作中の傑作。奇抜な着想、用意周到な伏線、犯人の意外性、明晰な論理、最後の一行の衝撃――どこをとっても「推理小説技巧の最高峰」といった、数多くの賞賛を浴びるにふさわしい作品。

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  • ワインズバーグ・オハイオ
    -
    アメリカ中西部オハイオ州の一つの町(ワインズバーグ)に住む何でもない普通の人々の心にかくされた秘密の世界が、若いジャーナリストのジョージ・ウィラードを仲介役として、つぎつぎとあばきだされ、いつしかそれらはグロテスクな姿をさえとってくる。発表と同時に大きな注目をあび、以降もアメリカ文学を代表する作品として読み継がれている名作。

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  • 若きウェルテルの悩み
    -
    1巻550円 (税込)
    ドイツの生んだ最高の文豪のひとりであるゲーテが、25才のときにたった4週間で一気に書き上げた世界を代表する「青春の文学」。恋に悩み、傷つき、仕事に生きがいを見つけることもできず、多感な芸術家的資質をもった青年ウェルテルは、ついに破滅への道をたどる。

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  • 若き詩人への手紙
    -
    職業と文学への志の食いちがいに悩む青年にむけて書かれた「若き詩人への手紙」は、たんなる芸術論ではなく、孤独について、職業について、家庭についてなど、幅のひろい人生論として、さまざまな刺激と励ましに満ちた書。第二部「愛する人たちへ」はリルケのさまざまな面を明らかにする書簡集である。

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  • 若きドンジュアンの冒険
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    「アポリネールにあっては、エロティシズムは単純に、快活に、あたかも恥ずかしがることも無用な、抑えることも無益な、偉大な自然の力のように花開く」……ラブラッシュリーの言葉。好色小説特有の陰湿ないやらしさ、じめじめした読後感とはまったく無縁な、前衛詩人の手になる「エロスの冒険」。

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  • 若き日の芸術家の肖像
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    ジョイスの若き日を描いたとみられる自伝的要素の強い作品。主人公スティーヴン・ディーダラスが自分の周囲、肉親、恋人、友人、先生とたもとを分かち、アイルランドの郷土、民族、宗教、政治から決定的に訣別して、芸術に奉仕するコスモポリタンな人間として生きることを選び取るまでの息苦しい苦闘を描く青春文学の力作。この作品の中の多くの要素はすぐあとに続く「ユリシーズ」へと引き継がれた。
  • 若草物語
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    アメリカの南北戦争時代を背景に、東部の町に住む決して裕福ではないマーチ一家の思春期の4人姉妹の日常を描いて、今もなお読みつがれる家族物語の名作。メグ、ジョオ、ベス、エイミーは、それぞれの道を求めて懸命に生きる。「私が自分の未来の姿を垣間見たと言える本が一冊ある。それはルイーザ・メイ・オールコットの『若草物語』だ。……なかでも、私は知的なジョオに夢中になって、彼女に自分の姿を重ねた」(シモーヌ・ド・ボーヴォワール)

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  • 我が屍を乗り越えよ
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    ネロ・ウルフのもとを訪れたひとりの女性が、ネヤという同性の友人にダイヤモンド窃盗の嫌疑がかかっており助けて欲しいと嘆願する。二人はモンテネグロからの移民で、教習所でフェンシングの教師をしているという。モンテネグロと聞いただけでなぜかウルフは尻込みしたが、再度訪れた女性はネヤがウルフの養女であると明かし、その証拠を持参する。重い腰をあげてウルフはアーチーを教習所にやるが、生徒のひとりがフェンシングの剣で刺殺される新たな事件が起こる。やがて次第に判明してくる国際的陰謀……ウルフが自らの前半生を語る異色作。
  • わが生活・谷間
    -
    「虫は草を食い、錆(さび)は鉄を食い、虚偽は魂を食う!」ペンキ屋レージカがくり返すこの言葉をはさんで営まれる小都市の暮らしの交響曲。このチェーホフ壮年期の力作「わが生活」と、ある谷間の裕福な農民一家の何年かの暮らしのなかに「時の大きな流れ」を活写した晩年の中編「谷間」を収めた。

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  • 我が名はアラム
    -
    新天地を求めてアルメニアからアメリカに移住してきたガローラニヤン家のアラム少年。いたずら好きの彼が悪友たちと起こす騒動の数々。貧しいけれども純粋で無邪気だった幼き日々を、愛と笑いとペーソスで彩った14編からなる名作短編集。サローヤンをみずからの文学の出発点として共感した三浦朱門氏による翻訳でおくる。
  • 吾輩は猫である(上)
    -
    1~2巻440円 (税込)
    苦沙弥(くしゃみ)先生の家に迷いこみ飼われるようになった猫が、人間社会を観察し、その不可思議さをかいまみて記録するという筋立てからなる、諷刺文学の傑作。全編にみなぎる洒脱さが爽快感を呼び起こす漱石の処女作。

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  • 私が死んだ夜
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    早引けして内縁の妻エセルを訪ねたベンは、見知らぬ男がいて、なんと保険金目当てにベンを殺す相談をしているのを盗み聞きした。ベンは突進して男と渡り合い、男の拳銃で相手を射殺してしまう。とエセルは言った「この死人はあなたよ、あなたは自殺して死んだのよ」…偽装工作は果たして成功するのか? この表題作のほか、中編傑作「靴」など全5編をおさめる。
  • 私の個人主義―漱石講演集
    -
    1巻440円 (税込)
    漱石は、座談や講演の名手として定評があった。身近なことがらを糸口に、深い識見や主張を盛り込み、やがて独創的な思想を展開する。その語り口は機知と諧謔に富み、聴く者を決してあきさせない。本書に収めた五つの講演も、そのような魅力にあふれたものばかりである。漱石の根本思想である近代個人主義の考え方を論じた「私の個人主義」、先見に富む優れた文明批評「現代日本の開化」、他に「道楽と職業」「中味と形式」「文芸と道徳」を収録した。

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  • わたしの修業時代
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    華麗なベル・エポックのパリを舞台に、若き日の愛と別れ、作家としてのデビューを鮮やかに描いた回想録。田舎出の20歳のコレットはパリで14歳年上の流行作家と共同生活をはじめたが、奇癖を持ち放蕩者でもあった夫との愛は破局へ。そして文壇への単独デビューを果たす。社交界を彩る高級娼婦、作家、芸術家たちの面影を存分に描き、往時を眼前にほうふつさせる一代の回顧録。
  • 私ひとりの部屋
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    「論文というより、エッセーに近く、エッセー小説風の描写スタイルで、それまで暖めてきたテーマが一気に噴出した、といった強い情熱がひしひしと伝わってくる作品ではあるけれども、そこは熟達した小説家らしく、具象的で、実際的であり、ふんだんに散りばめられた辛辣なジョークに思わず笑いも誘われる。従来の男性優位思考に対する、手厳しい皮肉と嘲笑と諷刺をからめた論詰が、とぼけた表現の随所に潜んでいるので、聞き手の若い女性たちはさぞ胸のすく思いをし、会場に笑いの渦を巻き起こしたに違いない」(エッセイスト高沢英子氏のことば)…講演をもとにしたウルフの女性論。
  • 微笑がいっぱい
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    リング・ラードナーは、単なるユーモア作家でなく、アメリカ有数の風刺作家と称され、「アメリカのスウィフト」「マーク・トウェインにつぐアメリカ的作家」とさえ呼ばれる。この集には、ユーモラスなプロ野球小説(『弁解屋アイク』『当たり屋』『ハリー・ケーン』)を中心に、「微笑(わらい)がいっぱい」「メイズヴィルの吟遊詩人」「チャンピオン」「この話もう聞かせたかね」「保養旅行」「古風なクリスマス」の9編を収録した。この作家に長いあいだ親しんできた訳者の選による、またとない好編。

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  • われらの時代に ヘミングウェー短編集1
    5.0
    死と暴力と恐怖にとりまかれた生を、装飾を排したかぎりなく簡潔な文体とみごとな構成で浮き彫りにした、ヘミングウェー26歳のときの処女短編集。それぞれ登場人物を異にする短編連作を通じて、ひとりの人間の生涯が浮かびあがる。ヘミングウェーを愛する高村氏による全面改訳版。

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  • ワーズワース詩集
    -
    ワーズワースはよく自然詩人と呼ばれるが、単に客観的な自然を写す詩人ではなく、外界の自然が彼の心の働き――想像力――によって浄められ、たかめられた姿をうたった詩人であった。自然には五感を通じて人間の魂に働きかけ、それを浄化する力がある。しかし人間の魂も、この自然からの働きかけに感応するとともに、みずからも自然に働きかけて、これらを変容する力をもつ。このような背景をもつワーズワースの短詩は、素朴単純な言葉づかいのうちにつきせぬ味わいと無量の意味をこめた名品が多い。
  • ヴァセック
    -
    放縦にして絶大な権力と金力の所有者である若い教王(カリフ)ヴァセックは、あらゆる倫理的覊絆を無視して官能の快楽をひたすら追い求めて、ついに破滅するにいたる。この道を突き進んでゆけば破滅以外にない。だが解放されようともがけばもがくほど、ますます深みに陥るばかり、待っていうのは魔王の館の憂愁苦悶のみである。希代の遊蕩児ベックフォードの自伝ともいえる奇書。ヴァセックとヌーロニハールの運命はそのまま作者の運命でもあった。ゴシック・ロマンスの代表作。
  • ヴァレロンのスカイラーク
    4.0
    恒星間宇宙の無限の果てを驀進する宇宙船ヴァイオレット号――そこに搭乗する二人の地球人と一人のフェナクローン人。彼らはフェナクローンの超弩級艦を一隻拿捕し、天才青年科学者シートンを葬り去って、地球上に独裁国家を建設しようと、恐るべき計略を企んでいた。一方、シートンの乗るスカイラーク3号は広大な宇宙空間で、絶体絶命の危機に陥っていた。そこから脱出するため、シートンは四次元の世界へ転移したのだが……。宇宙の果てで繰り広げられるスリルとサスペンスに満ちたスペースオペラ最大の傑作。

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  • ヴィドック回想録(1)
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    ヴィドック(1775~1857)は腕利きの泥棒として活躍したが、のち、その腕と知識を買われて、フランス最初の秘密警察の一員となって、犯罪人を追及する仕事についた。そのため、史上最初の「探偵」とも言われたりする。ヴィドックは法の裏面に通じ、その生涯は法の執行人と犯罪人との境界線をいったりきたりした。この面白い回想録は当時各国語に訳されてベストセラーになった。 『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・ヴァルジャンと警視ジャベールは、ヴィドックが原型といわれる。全4巻。

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  • ヴィヨンの妻
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    1巻440円 (税込)
    表題作のほか、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「おさん」「家庭の幸福」、絶筆となった「桜桃」を収録。太宰をしのぶ「桜桃忌」は6月19日。

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  • ヴェニスに死す
    -
    体力の衰えを感じ仕事に疲れた高名な作家アッシェンバッハは、静養のため地中海への旅を思い立つ。ヴェニスに近いリドで足止めを食った彼は、そこに避暑に来ていたポーランド人家族のなかのひときわ優美な美少年の虜となる。エロスと死をテーマにした佳品。ヴィスコンティの手になる映画も有名である。

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  • ヴェニスの商人
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    アントーニオは友人バッサーニオのためにひと肌ぬいで、ユダヤ人金貸しのシャイロックから多額の借金をする。「期日までに返せなければ、あなたの肉一ポンドを胸のところからいただきます。いえ、これはほんの遊び心ですがね」シャイロックはそう言ったが、心にはアントーニオ対する深い恨みをいだいていた。明治以来、日本では最も上演回数の多いシェイクスピア劇。

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  • ヴェルレーヌ詩集
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    ヴェルレーヌは、マラルメ・ランボーらとともにフランス象徴主義の代表的詩人だ。終生飲酒・遊蕩の悪癖に悩まされ、貧窮のうちに施療病院で死んだ。妻を捨ててのランボーとの同性愛事件は有名で、ピストルでランボーを傷つけ2年間の獄中生活を送った。その詩は日本でも古くから紹介され、上田敏の「海潮音」をはじめ、永井荷風や鈴木信太郎らの訳詩によって親しまれた。
  • ヴォスパー号の喪失
    5.0
    ロンドン・ブエノスアイレス間を就航する貨物船ジェイン・ヴォスパー号が、謎の爆発によって沈没した。海事裁判が開かれ、原因と責任の所在が追及されるが、真相は謎であった。積荷の保険会社は私立探偵サットンに依頼し、保険金詐欺の確証を得ようとするが、サットンは無惨にも殺害される。捜査に乗り出したスコットランド・ヤードのフレンチ警部は、積荷のからくりとサットン殺害の秘密を追う。

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