国内小説作品一覧

  • 新装版 ハーレムワールド
    値引きあり
    3.2
    男たちは皆、サユリの寵愛を受けようと躍起になる。留学生のティエン、軍人のスタン、外交官クラウス、そして日本男性シンイチ。ひとりの女によって性愛の「訓練」を施される4人の男たちが、狂おしく涙ぐましい切磋琢磨の末にたどり着いた真実とは。著者による全面改稿を経た、男と女の永遠の教則本。
  • われらが時の輝き
    値引きあり
    -
    ラグビーのFWをやっていた私にとって、かつてはグラウンドが男の戦場だった。今、私にとっての戦場は会社であり、街路であり、酒場だ。血で血を洗う社内の抗争。血を流しながらなおも牙を剥く若社長とベテラン常務。その中で男の絆と愛を失わずにいさせるものは何か。そして生きていく誇りとは。
  • どまんなか(1)(文庫版)
    値引きあり
    4.0
    1~3巻298円 (税込)
    走りこみも投げこみも禁止。猛特訓よりミーティング重視。そんな超脱力系の大代台高校野球部に入った、快速球投手のレブンこと青居礼文。初めは戸惑うことだらけだったけど、最高の仲間に恵まれて、甲子園も夢じゃなくなってきた! 野球を愛するすべての人たちに捧げたい傑作青春小説。推薦のことば・松井秀喜
  • やむにやまれず
    値引きあり
    3.6
    時は、過ぎてゆく。何かを成し遂げても何ひとつなさなくても。青春を遠く離れ、その間に何かを得、多くを失った。そんな記憶の断片からなる18の物語は、いまだ胸に残る希望の欠片(かけら)と諦観の間で揺れている。豊かなユーモアとペーソス、やせ我慢と自嘲、感情と論考、それらに昭和の匂いが織り込まれた上質の短編集。(講談社文庫)
  • 水の中の八月
    値引きあり
    4.0
    水には目ってやつがある。石と同じで目を縫って泳ぐと嘘みたいに軽い。おまえらはサカナになれ、と言った監督は無理心中で死に、友だちの新井は朴と名前をかえた。水泳部をやめた僕の高3の夏休みはこうしてあっけなくすぎた。「在日」を生きる青春をとぎすまされた文体で描く表題作を含む7つの短編集。(講談社文庫)
  • ヨコハマ幽霊ホテル
    値引きあり
    4.0
    両親をなくしたみづきは、祖母から横浜の古いホテルを引き継いだ。幽霊が出ると噂される建物、いわくありげな客たち、みづきへの殺人予告・・・。戦慄の傑作長編。(講談社文庫)
  • ラブファイト 聖母少女(上)
    値引きあり
    -
    「稔ちゃんをいじめたら、オレが許さへんからな」。幼なじみの亜紀に、幼稚園入園以前からいつも守られてきた、情け無い失意の日々。弱虫で惨めな自分と訣別するため、稔はボクシング・ジムに入門した。同じ高校に進む亜紀には内緒のはずだったが「稔君の行ってるジム、見つけたからね」と言われてしまう。(講談社文庫)
  • ともだち刑
    値引きあり
    4.1
    中学のバレー部に、顧問教師の勧誘で入部してきた「あなた」に私は憧れ、一緒に帰宅できるともだちになれたことが嬉しかった。が、注目を浴びるほどにミスばかりを繰り返す私は、「笑ってんじゃねえよ! 」というあなたの言葉に凍りつく。痛みという実体を伴った怒りの向かう先を凝視する、渾身の長編小説。(講談社文庫)
  • 憂鬱なハスビーン
    値引きあり
    3.5
    東大卒、有名企業に就職し、弁護士の夫を持つ29歳の私。結婚して仕事は辞めたけれど、優しい夫と安定した生活がある。なのになぜこんなに腹が立つんだろう? ある日再会した、かつて神童と呼ばれた同級生。その話に動揺した私は、まだ自分に何かを期待しているのだろうか。(講談社文庫)
  • フィルム
    値引きあり
    3.5
    30年間も音信のなかったあの人の訃報は縁もゆかりもないはずの山梨・勝沼の老人ホームから届いた。顔も知らない父親の残したわずかな遺品のなかから見つけた1本のフィルムには、何が写っているのか? 我々の暮らす街の片隅で仕事をし恋をする人々の切なさや喜びをこまやかに描いた、初めての短編小説集。(講談社文庫)
  • 人間小唄
    値引きあり
    3.7
    小角が書き送った短歌を自分の文章に無断で引用した作家・糺田両奴。国民の無意識に影響を及ぼして駄目にする奴の文学を根底から破壊する! こちらの世界に拉致してきた糺田に課した難題は、「一、短歌を作る。二、ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする。三、暗殺」。それは魂のテロルの始まりだった。(講談社文庫)
  • 闇に咲く花
    値引きあり
    -
    昭和庶民伝第二部。笑いと涙の、傑作戯曲。敗戦後、復員してきたプロ野球選手を巡って神田の愛敬稲荷神社で起こる珍騒動。戦争と神道という重いテ-マを野球で明るく解き明かす名作。(講談社文庫)
  • LIFE
    値引きあり
    3.0
    1巻298円 (税込)
    【第150回芥川賞候補作】猫木豊、31歳。脳内で「365日毎日“だらだら且ぶらぶら”できる国の王」として暮らす、ダメ男。ある日、パートナーの宝田から妊娠を告げられ、“だらだら且ぶらぶら”に未練を残しつつ、現実の生活と向き合い始める。しかし出産後、こどもの先天的障害が判明し、宝田は動揺を隠せない。いっぽう猫木は、ダメ男のくせにそんな宝田への不満を隠せない――。二人は互いに見当違いの三くだり半をつきつけ合うのだった。
  • 長い失恋
    値引きあり
    3.0
    突然、ホテルのスイートルームに泊まることになった25歳の由加里。一人で過ごすには広すぎるけれど……(「広すぎた夜」)。75歳の笑子(しょうこ)が再会を願う相手とは(「横濱ブギ」)。妻子ある藤堂が密かに抱き続ける、むくわれない想い(「長い失恋」)。名だたるホテルを舞台に、欲望と哀切が交錯する10のラブストーリー。(講談社文庫)
  • みちたりた痛み
    値引きあり
    3.3
    「いろいろな物事を手にすればするほど、強烈な飢えが湧いてきた」。のし上がる男、堕ちていく女、金に飽いた女、老いていく男……東京の街で出会い、別れ、再会する男女が繰り広げるせつない物語。テーブルの上を行き来する、恋と野心と死の予感と――。実在するレストランの名を冠した連作短篇8編を収録。(講談社文庫)
  • 星と輝き花と咲き
    値引きあり
    3.7
    「竹本綾之介は天からの授かりもんだ」大阪で生まれた美少女は、竹本綾之助を名乗り、浄瑠璃で明治の日本中を魅了した。錦絵は即日完売、ファンの書生は人力車を“追っかけ”回し、芸能記者はスキャンダルを書きたてる。孤独と引き換えの栄華を手にした綾之助の傍には、いつも母お勝がいた。そんなある日訪れた突然の初恋。彼女の下した衝撃的な決断とは? 直木賞作家が実話をもとに描く、可憐な元祖アイドル半生記!(講談社文庫)
  • ファミリー
    値引きあり
    3.0
    婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。姉弟が父娘がそして夫と姑が……近親相姦も平然なおぞましい化け物連中だと気づいたとき、弓子はすでに恐怖の館の囚われ人となっていた!(講談社文庫)
  • 手首の問題
    値引きあり
    3.5
    仕事もイヤになり、恋人もいないOLが下着ドロに手錠をかけた。頭に来てベランダにつなぎ、顔も見ないで外出してしまう。残された泥棒はなんとか逃げようとするのだが──。意外な犯人の正体とラストシーンが印象的な表題作をはじめ、人生に追い詰められた人々が見せる、切ない真実を描く極上の短編集。(講談社文庫)
  • 六月の桜 伊集院大介のレクイエム
    値引きあり
    4.3
    同級生から陰湿ないじめを受けている11歳の少女・桜子は世間から孤立して生きる大金持ちの老人・津坂と満開の桜の木の下で出会う。孤独を分かち合う2人は、やがて禁断の恋に落ちていく。しかし年齢差66歳の許されざる恋は、次々と不吉な事件を呼び起こし……。伊集院は少女を救い出すことが出来るのか!? (講談社文庫)
  • 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス
    値引きあり
    3.7
    藤島樹(いつき)が20年ぶりに再会した「巨大なドラッグクイーン」ジョーママは、客を狙った恐喝事件に悩んでいた。樹がつとめていたころは一世を風靡したゲイクラブだったが、いまは経営難に陥っている。ゆすりの裏に重大な秘密があると直感した伊集院大介は、クリスマスの六本木へ向かう。名探偵シリーズ第12弾!! (講談社文庫)
  • 頭取無惨
    値引きあり
    3.4
    会社で戦え、社会で生きろ。6人の銀行員、それぞれのレジスタンス。大手銀行広報部長、南雲龍一、45歳。「この人について行こう」そう、彼が心に誓った頭取をあまりにも急すぎる死が襲った。しかもそれは銀行の経営破綻が決定した夜のことだった――。銀行のため、頭取のため、何が最良の選択か。組織で抗い、金融業界に生きる、6人の銀行員たちが選んだ、それぞれの道とは。(講談社文庫)
  • ハ-ド・ラック・ウ-マン
    値引きあり
    4.0
    シンこと石森信たちのロックバンド「ナイトメア」のグルーピーが殺された。誰も彼女の本名を知らない。メンバーにも疑いがかかるが……。待望の長編ロック小説。(講談社文庫)
  • ビンゴ
    値引きあり
    3.0
    新宿ゴールデン街。酒場のマスターでありながら事件屋稼業を営む小田健に寄せられた依頼。勝手知ったる路地裏、何でもない調査のはずが……。傭兵、殺し屋、政治家に土建屋、美女をも巻き込み夜の街・新宿から丹沢山系へ。吼える銃、ほとばしる暴力、疾走するストーリー。文句無し、大興奮ページターナー!(講談社文庫)
  • 我が父たち
    値引きあり
    4.0
    血のつながりのやり切れなさを、鋭敏な感性でつづり、独自の文学世界をひらく。不思議な物語の魅力あふれる力作中篇集。(講談社文庫)
  • 蝕みの果実
    値引きあり
    -
    米国スポーツ社会に生きる日本人の壮絶な闘い方と苦悩を描く7篇。セミ・ファイナルに名を借りた“私刑(リンチ)”の開始ゴングは鳴った。だが、負け犬にも魂がある……。アメリカ・スポーツ社会の片隅で孤高の闘いを続ける日本人たち。彼らの壮絶な生き方と苦悩をダイナミックに描くハードボイルド小説集。冒険小説の第一人者が10年間の日米関係の変遷をも浮き彫りにする渾身の7篇。(講談社文庫)
  • 中指の魔法
    値引きあり
    3.8
    黒皮の長手袋をはめ、威風堂々としている「おおばあ」こと、ぼくのおばあちゃん。父さんのいないぼくは、おおばあと母さんに育てられてきた。おおばあの古い一軒家。おおばあが飼っている黒い日本犬、ぼくの親友のヤジロベエ。おおばあに教わった「呼吸(いき)合わせ」。眠り続ける少女。中学生になってからの少女と「再会」。ぼくは本当に「呼吸を合わせる」こと「生と死」の意味を知る。色鮮やかな「ぼく」の成長物語。(講談社文庫)
  • 「ワタクシハ」
    値引きあり
    3.3
    高校生でメジャーデビューを果たしたものの、バンド解散後は売れないギタリストとして燻っていた太郎。大学三年の秋、慌しく動き出す周囲の言動に違和感を覚えながらとりあえず始めたシューカツだったが……。「元有名人」枠などどこにもないというキビしい現実の中、太郎は内定獲得に向けて走り出していく。(講談社文庫)
  • 遍路みち
    値引きあり
    4.0
    夫・吉村昭氏の死後、氏に関連する来客や電話の応対に明け暮れた日々。三年が過ぎ、再び筆を執った著者が身辺のことを綴った小説集。長年過ごした自宅を建て替え、独り誰も知る人のいない温泉地に滞在する。けれど何をしても感じているのは、夫の気配と思い出だった。(講談社文庫)
  • 東京家族
    値引きあり
    4.2
    瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉と妻のとみこは、久しぶりに3人の子供たちに会うために東京へやってきた。最初は年老いた両親を気遣う子供たちだったが、日々の仕事や生活に追われ、少しずつ溝ができていく。そんななか、とみこが突然倒れ……。山田洋次監督がいまの家族を描いた感動作を完全小説化! (講談社文庫)
  • 阿修羅
    値引きあり
    4.3
    知彦の妻、実佐子に明らかな異変が現れたのはハワイの旅先であった。夫にもまったく知らない顔を見せる実佐子。急遽旅先に診療にむかった主治医杉本は、ついに解離の症状が本格的に現れたと診断する。自由奔放な知美、落ち着いた情緒の絵里・・・・異なる性格が現れる解離性同一性障害(DID)という、現代を象徴する難しい病理に切り込み、トラウマや記憶の奥から浮かびあがる心の闇に光を当てる意欲作。(講談社文庫)
  • 紫の領分
    値引きあり
    -
    横浜と仙台の予備校講師を掛け持ちする手代木雄二(てしろぎゆうじ)は、二つの土地でそれぞれに家庭を持つ。演じているわけでもなく、満足しているわけでもなく、ただ日常が過ぎていた。「俺には五人子どもがいる」との言葉を遺して、同僚が自殺するまでは……。彼から死の直前に送られたメールが、次第に手代木の生活と精神を軋(きし)ませていく。   (講談社文庫)
  • sex
    値引きあり
    3.5
    好きな人とたくさん――。夜の街灯の下で。学校の図書館で。入院中の病室で。異国の地で。最後のデートで。まぶたの裏で、なにものかに祈りながら。性がゆたかに満ちるとき、生は燦然とかがやく。だからセックスは素晴らしい。頭と心と身体が感じる最高の到達点を瑞々しく描いた、すべての男女に贈る感動の十二編。(講談社文庫)
  • てのひらの迷路
    値引きあり
    3.5
    20代の頃の恋愛、作家デビュー、そして母との別れ……。川端康成の『掌の小説』に触発された著者が「ささやくように」書きつづった、美しく、ちいさな24の物語。私小説のような味わいを持つ掌篇のストーリーと切れを楽しみながら、人気作家の素顔を垣間見ることができる、あなたのための特別な1冊。(講談社文庫)
  • 40 翼ふたたび
    値引きあり
    4.0
    人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の元を訪れる、40代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、引きこもり……。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編。(講談社文庫)
  • 逃亡戦犯
    値引きあり
    4.0
    昭和二十年八月十五日、大江山捕虜収容所から、日系二世の通訳・木島が逃走した。米軍による戦犯逮捕を恐れたからだ。GHQの先兵として彼を追跡するのは、やはり日系二世のマイク・ミヤタケ軍曹。逮捕容疑は「国家反逆罪」である--。乱歩賞作家が史実をもとに描く傑作サスペンス。『祖国なき忠誠』を改題、文庫化。(講談社文庫)
  • 枝付き干し葡萄とワイングラス
    値引きあり
    3.5
    夫に突然離婚を切り出された妻の悲嘆が消えた瞬間。第2子を身ごもった女が目にした、産婦人科での光景。浮気相手の妊娠を妻に告げた夜。人生の豊饒の時、「結婚後」の男女の点景を通して、あたりまえの生活をいとなむ、そのすぐそばに潜んでいる奇異なものたちを見逃さずに描き出した、傑作短編小説集。(講談社文庫)
  • わが母の記
    値引きあり
    3.7
    枯葉ほどの軽さの肉体、毀れた頭。歩んできた長い人生を端から少しずつ消しゴムで消して行く母――老耄の母の姿を愛惜をこめて静謐な語り口で綴り、昭和の文豪の家庭人としての一面をも映し出す珠玉の三部作(「花の下」「月の光」「雪の面」)。モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞ほか、世界を感動に包んだ傑作映画の原作。
  • 新装版 バンダルの塔
    値引きあり
    3.3
    日本の技術力を結集してイランの砂漠に巨大石油化学プラントを建設する――。IJPCの現場に立つ山中を待ち受けていたのは、想像を絶する炎暑、民族性の違い、オイルショックによる経済の混乱、そしてイスラム革命……。次々と襲いかかる困難に立ち向かった男達の栄光と挫折。経済ドキュメント小説の金字塔。
  • 運転士
    値引きあり
    3.3
    時刻ヨーシ、方向切替ヨーシ、発車。電車はスピードを急速に上げ、間もなく軌道が緩やかに下り始め、徐々に傾斜がきつくなっていく。傾斜角1000分の35。都市と都市生活者の様々な貌(かお)をトンネルの闇と駅の輝きが妖しく繋ぐ。カミソリのように光る二本のレールの上に現代を官能的に描く。第107回芥川賞受賞。
  • 聖職の碑
    値引きあり
    4.2
    伊那駒ケ岳稜線上に聳え立つ遭難記念碑は何を語るか……大正2年8月26日、伊那駒ケ岳登山中の中箕輪尋常高等小学校生徒ら37名は、突如襲った台風に遭難、11名の死者を出した。信濃教育界に台頭する理想主義教育と実践主義教育との狭間に、深い哀しみと問題を残した惨劇の実相を著者自ら登攀取材した長篇小説。
  • にぎやかな悪霊たち
    値引きあり
    -
    新婚夫婦のベッドで、夫の背越しに妻の表情をのぞく幽霊、入浴中の女子大生を凝視してる幽霊、水洗トイレで女性の髪を引っぱる幽霊等々。出雲オカルト研究所に持ち込まれたこれら幽霊騒動を、出雲と助手の鶴来とが次々に工夫、解決してみせる。奇抜な設定と素材で軽快に描くスラップスティック風のお化け物語。
  • もと夫婦
    値引きあり
    3.0
    何気ない日常生活にひそむ、おかしさ、愚かしさ、そして愛の喜びと悲しみを、関西弁の味を心憎いまでに駆使して描く田辺聖子独自のユーモア世界……別れた夫婦が喧嘩をくり返しながら、いつのまにか元のさやにもどった「もと夫婦」、他に「求婚」「あじさい娘」「あめりか・じゃがたら文」「金蒔絵の雲」等9編を収録。
  • 宮本武蔵をくどく法
    値引きあり
    -
    遠大な計画は胸に隠して、《かわゆい》魅力を大きく育て、上手に誘って楽しみましょう。きっと結婚につながる恋の秘術が、確かに身につくとっておきの話。家つき男をくどく法、女闘士をくどく法、年下男をくどく法、二十五の女をくどく法……かしこい人も、ふつうの人も、皆幸せになる、甘く多彩な、傑作短編集。
  • コマのおかあさん
    値引きあり
    3.3
    みすぼらしい雑種の捨て犬を自宅に引き取った日、私は「おかあさん」になった。だが、コマと名づけた愛犬が大人しかったのはその日だけ。盗み食いはする、抜け毛による大気汚染は深刻、いろんな言いつけが守れない。恩知らずな我が子とのバトルな日々は、けれどこんなにも素晴らしい喜怒哀楽に満ちている。
  • 一条さゆりの性
    値引きあり
    3.0
    ほかの踊り子には真似のできない“演技”を彼女は見せた。舞台のはしにしゃがんだ彼女の花弁のあいだから、ひとすじの流れがするするとあふれ出す。照明の光をあびて、それは感動的な光景だった。……ストリッパー一条さゆりの性と生を、舞台と日常を、暖かいまなざしで共感こめて描く異色の傑作小説集。
  • 旅券のない旅
    値引きあり
    3.0
    風雲急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。青年の手元に残ったのは黒龍江岸の崖に建つ古い碑から取った謎の碑文の拓本のみ。その秘密と失われた愛しい女性の跡を求めて、四十年後、異国へ旅立った男は意外な人物と再会したのだった。
  • 白い屋形船・ブロンズの首
    値引きあり
    -
    脳溢血で、右半身、下半身不随、言語障害に遭いながら、不撓不屈の文学への執念で歩んだ私小説の大道。読売文学賞「白い屋形船」、川端賞「ブロンズの首」ほか、懐かしく優しい、肉親・知友、そして“ふるさと”の風景。故郷の四万十川のように、人知らずとも、汚れず流れる文学への愛が、それのみが創造した美事な“清流”。
  • 恋情
    値引きあり
    -
    70歳を目前にして、突然離婚を迫られた主人公が人生を振り返ると、いつも脳裏に浮かぶのは、炭坑で出会った彼女の姿だった。海岸や木々に隠れて逢瀬を繰り返していたのに突然去った君枝。あれから50年、思わぬドラマが、主人公を待ち受けていた。自伝的要素を含むエロチックで叙情的な勝目文学の真骨頂。
  • 李朝残影
    値引きあり
    -
    昭和十五年の京城。日本人画家野口は、李朝時代の宮廷舞踊を舞う美しい妓生を知り、大作のモデルにしたいと懇望するが、彼女の応対は冷たい。彼女の過去に日本軍を憎悪せざるをえない或る出来事が強く刻みこまれていたのだ。元軍人を父にもつ野口の衝撃は大きかった。京城に愛惜の念深い著者の代表作。(103版より、表題作と、同じく朝鮮に材をとった「族譜」の二作品を収録。)
  • 先天性極楽伝
    値引きあり
    -
    究極の悪の道をめざす、痛快ユーモア長編。競馬のノミ屋を生業とし、同級生のカン子と結婚した小学生ハルこと春巻信一の新婚旅行先はネリカンだった。五年後、悪の教室・ガーピー塾を巣立ったハルは、プクプク爺さん、スットン親分、チン夫人らと、三億円をめぐっての死闘を展開する。青春ピカレスクの傑作。
  • ミューズ
    値引きあり
    3.3
    親に内緒でモデルの仕事をする高校生美緒は高級住宅地・成城の歯科医に恋を仕掛け、密会を重ねる。だが彼女には宗教にはまる母の施す“儀式”に失敗した過去があった――横溢するエロス、粘着する匂いと触感。裂かれた記憶と心の傷を独特の文体で描き野間新人賞を受賞した傑作。(文庫化にあたり大幅に加筆訂正)
  • コーリング
    値引きあり
    -
    「死にたくなんかない。生きたいから切る」。生を確かめるためリストカットせずにいられない彩乃が“メディカル売体クラブ”で自傷癖のある介護士の青年と出会い、お互いを強く求め合う表題作、現実の列車爆破事件に触発された「起爆者」他、デビュー作を含む6篇を収録。過激で危険で美しい、傑作短篇集。
  • 赤い殺意/罪な女
    値引きあり
    4.0
    夫と子供の不在の一夜、強盗に踏みこまれた、一人の平凡な主婦と強盗との接点を、誰にでも日常的に起こり得る恐怖と描く心理サスペンス「赤い殺意」。貧しく不幸に生まれ、ただ一筋に男に尽くすしかない可愛い女を浮き彫りにする直木賞受賞「罪な女」。精細な心理描写の丹念な積み重ねと、定評のある女の情感描写の双方が響き合って、人間の哀しさと人間愛へと収斂されていく長短編の代表作を収録。
  • 空のレンズ
    値引きあり
    3.5
    ネット上で偶然知り合ったスピード、クッキー、ピラニア、ソックスというハンドルネームを持つ少年少女たちは突如、現実の世界から不可思議な世界に迷い込む。次々と起こる奇妙な事件。脱出のキーワードとなる「空のレンズ」、その意味とは? 現実とヴァーチャルの隙間を舞台にして描かれる愛と友情の物語。
  • 星に願いを
    値引きあり
    3.3
    地方出身のさえない女子学生キリコは就職試験にことごとく失敗し、不採用通知がたまるばかり。しかたなくアルバイト生活に明け暮れながら、コピーライターなるものをめざす。そんなある日、幸運の女神がキリコのもとにやってくる。あれよあれよという間に、キリコは一躍「シンデレラ」に。著者の自伝的小説。
  • ミスキャスト
    値引きあり
    3.6
    「今日も奥さん、仕事っていって出かけたでしょう。でも違いますよ。男の方がどうしても会いたいって言ってきたからですよ」突然かかってきた電話から、妻・典子に不倫の疑いを抱く原岡。が、そんな彼は会社の同僚、元妻の姪という二人の女性と逢瀬を重ねていた。深みにはまってゆく男と女たちの行方は――。
  • まどろむ夜のUFO
    値引きあり
    3.5
    私の知らない「彼女」にジャムを作り、いそいそ出かけていく高校生の弟・タカシ。魂の前世を信じる、弟の怪しげな友人・恭一。5日おきにデートする几帳面な同級生・サダカくん。3人の奇妙な男に囲まれ、過ぎていく夏――。心の底のリアルな感覚を描き共感を呼ぶ、角田光代の作品集。野間文芸新人賞受賞作。
  • 葡萄酒と影絵
    -
    1巻297円 (税込)
    彼はいつもそこにいた。あたしは葡萄酒を垂らして、見つめている。影絵のような日々をつづる、非現実の物語。
  • こうしたら願い事が叶った――あなたにも起こる〈夢の谷間の物語〉
    -
    1巻297円 (税込)
    幸せとは何? 願い事はどうしたら叶う? 不安、迷い、孤独で落ち込んでいた私が、夢の中で会ったふしぎな人物に導かれ、だんだんと心の色を塗り替えてゆくストーリー。こうしたら願い事が叶って幸せがやって来た? その秘訣は言葉とイメージ。心の中のイメージが自分にどんなふうに影響している? イメージを変えたらどうなった? 「幸せ」になった? なら、どうやってイメージを変えることができる? その方法の一つが「言葉」だった。そして言葉をうまく使うのに効果的なのが日記だった。願いを叶える日記を書いた私が幸せを感じられるようになるまでの心のストーリー。夢の中の出来事はあなたの現実にも起こる物語。
  • 男の森の小裸
    -
    1巻297円 (税込)
    新たな戦後補償として大陸に送られた少女たちの凄絶な生活。強制労働、虐待、汚辱……。 そこに赴任した書記官は採用されたばかりの青二才だった。 シンプルな変態ノワール小説。暴動もあるよ。
  • ごくつぶし
    -
    1巻297円 (税込)
    作中では「君」と呼ばれる主人公は大家族の長男で、父の死後、生活を支えるため犯罪に手を染めてゆく。挿絵多数。連続超短篇盗作ノワール。抑圧と貧しさに刃向かい続ける人生の博物誌。
  • 藍の炸裂
    -
    1巻297円 (税込)
    サスペンスもない、ミステリーもない、純文学ノワール小説。 幼児性愛者で、教師で、人殺しの告白。悔いるふりをしながら自己弁護し、卑下しながらも際限なく他者を罵倒する。人生はゴミ箱の底にある。
  • 余命500時間の心臓
    -
    1巻297円 (税込)
    全101章。死ぬ前の最後の息を吐き出すために、カウントダウン形式で疾走する超短編集。文字だけで描かれた絵巻物。一篇一篇は神経叢のようにつながり、時に激しく時に儚げに瞬く。
  • ナイン
    値引きあり
    3.5
    愛しき町の息吹を描き出す「私」の東京物語少年の日の熱い感動とレギュラ-9人のその後の人生を語る「ナイン」、よりを戻す男女の話を盗みぎきする話「太郎と花子」など街に生きる歓びをうたう短篇連作集。(講談社文庫)
  • フリーク・ショウ
    値引きあり
    4.3
    1巻297円 (税込)
    狂乱の夜を重ねるクラブ、ムゲン、エンバシィ。とびきりの肉体と、傷ついた美しい心をもつ女と男たちの想いは、熱く交わる。ルーシィ、マーク、ナルオ……。ダンスフロアで我を忘れるパーティフリークスの熱狂的な恋と、誠実で少し孤独な日々の暮らし。失恋は初めてじゃない。次の巡り合いを素直に見つめ、果敢に恋する肉体と心を描く恋愛小説。
  • 性遍歴
    値引きあり
    4.3
    1巻297円 (税込)
    中学三年の冬、麻美子は初めての口づけをかわした。性の目覚めと好奇心、体の変化、初恋、セックス、別れ、結婚、妊娠……一人の女の性にまつわる心身の成長、ヰタ・セクスアリスの「性遍歴」。誰もが経験する、恥ずかしくて、この上なく愛しい季節……。みずからの欲望に忠実であろうともがく人々の切ない恋を描いた、極上の性愛小説集。
  • 120%COOOL
    値引きあり
    4.1
    1巻297円 (税込)
    青虫の唇を持つ妻との奇妙で、とびきり官能的な結婚生活を綴る「唇から蝶」。原書や英字新聞で雑然とする学生の部屋で、人妻が感じるせつない愛を描く「NEWSPAPER」。100%じゃだめだ。120%のクールを求めて、N.Yの冬を過す3人の愛と生き方を捉えた表題作。誰でもできる恋なんてつまらない。山田詠美が新しく描いた9つの鮮烈な愛。
  • レンタル・チルドレン
    値引きあり
    3.4
    1巻297円 (税込)
    愛する息子・優を病気で亡くした泰史と冬美は、子供のレンタルと売買をしている会社P.I.を紹介された。二人は、リストの中から優と瓜二つの子供を見つけると、迷わず購入を決める。しかし一カ月後、その子供は急速に老化し、顔が溶けていく……。泰史は真相を求め、P.I.の研究所に忍び込む。そこでは、日夜恐ろしい実験が繰り返されていた。
  • ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
    値引きあり
    3.6
    1巻297円 (税込)
    「体はね、お菓子のようなものよ。心はね、パンのようなものなのよ。ベイビー」(「ME AND MRS. JONES」より)。「女の愛し方を知ってるの?」「体は知ってるけど、心の方は自信がねえな」(「FEEL THE FIRE」より)。ソウル・ミュージックの名曲タイトルを冠した8つの短篇からなる、極上の恋愛小説集。センセーションを巻き起こした第97回直木賞受賞作にして、著者の代表作!
  • Aコース
    値引きあり
    3.5
    1巻297円 (税込)
    五人の高校生が挑んだ、新アトラクション「バーチャワールド」。「Aコース」を選んで炎の病院に閉じ込められた彼らは、敵を退け、そこから脱出できるのか? 書き下ろしシリーズ第一弾。
  • どうで死ぬ身の一踊り
    値引きあり
    3.6
    大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。
  • おみおくり
    値引きあり
    -
    「もうよかか。逝くぞ。」 「頑張ったね、兄ちゃん。ゴールインだね。ありがとうね。」 故郷長﨑の西海の町(雪浦)と、大分由布の里山(庄内)を幾度も往復しながら、 兄と一日一日を刻むように暮らした最後の日々。 次々に浮かぶ思い出を綴りながら、私は何度か笑い、 何度か泣いた。 生きていれば、どうしようもないことはいくつもある。 それが人生。 兄との静かな最後の時は、丁寧に生きること、 心豊かに生きること、 心を尽くして寄り添うことを教えてくれた。 (※本書は2021/8/7に株式会社 リーブルより発売された書籍を電子化したものです)
  • キルコルの泉―藍の星の水
    値引きあり
    -
    時代の流れか祖父が作った酒造を閉めることになった津雄。かろうじて残った井戸で、見知らぬ少年に導かれ井戸の中へ…。暗闇の先には驚くべき世界が広がっていた。名水の井戸を守る家族と地底の泉を持つ村の人々を結ぶ美水ファンタジー。 (※本書は2006/1/1に発売された書籍を電子化したものです)
  • 天人の橋
    値引きあり
    -
    立原えりかが理想とする男と女の関係を鮮やかに描いた表題作『天人の橋』他、珠玉の短編8作を含むファンタジー集。 (※本書は2000/8/1に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました)
  • 小説 昭和四十八年浅草松竹演芸場
    値引きあり
    -
    まだツービートがいない昭和四十八年の浅草。ある日、アングラ演劇界のはぐれ者たちが、浅草松竹演芸場で、軽演劇の一座を立ち上げた。演劇史とは全く無縁なドタバタでアチャラカでノーテンキな、青春ドキュメンタリー小説。 (※本書は2021/1/15に発売し、2021/11/11に電子化をいたしました)
  • 林檎の樹
    -
    1巻286円 (税込)
    主人公・片山さつきは、幼馴染みの平井優子と思い出の林檎の樹を見に行く。そこで、さつきは打ち明ける..。
  • 昼顔 人妻はリクルート中
    値引きあり
    4.0
    「ご主人、出張がちなら、夜は淋しいねえ」結婚5年目。また働きだしたい32歳の人妻・粧子は今日も面接官と会っていた。美貌と抜群の体を誇りセクハラにも耐えるが、採用には到らない。そんなとき相本から「社長が人材を探している」と言われ何度もホテルへ行く羽目に。だが、なかなか社長とは会わせてもらえない――。奔放な人妻の午後の就活(リクルート)。
  • 乱舞 あなたの腕の中で
    値引きあり
    -
    1巻286円 (税込)
    彼に抱かれていたい たった一夜の儚【はかな】い夢だとしても 楽園の地バリ、冬枯れの東京、ソウルと香港の美しい景観を 舞台に描く、本格恋愛小説。 彼は運命の男性? それとも… バリ島をひとり旅で訪れた37歳の「私」。 日常に疲れた心身を癒す、リゾート地を満喫していた矢先、 戦争を取材すると語り、名乗らぬミステリアスな男に逢い、惹かれる。 深夜、滞在先のホテルが大事件に見舞われ、生命の危機に晒された。 男に守られ緊迫した夜を過ごし、彼こそ運命の男性、と信じる私を残して、 男は忽然と姿を消した。心を奪い去られ、日本に戻った後、彼の訪れを待つ私の前に…。 運命の出逢いを信じるあなたへ贈る オトナの女性のための至高の恋愛ストーリー
  • 妻と夫と男たち
    値引きあり
    3.0
    夫が三カ月の長期出張をすることになった結婚四年目の水奈。彼が不在の間に、かつての恋人や不倫相手と再会したり、年下の部下の言葉にときめいたり、同僚の夫に襲われかけたり……と、心身がざわめく出来事が起こる。様々な局面で意外な事実や自分の本音を知った水奈は、ある衝動に突き動かされる。現代女性の結婚観をリアルに綴る連作長編。
  • 夫と妻と女たち
    値引きあり
    3.5
    付き合って三年になるモデル、大胆に誘惑する若い女子社員、かつての年上の恋人、一夜だけの激しいセックスをしたゆきずりの女、そして妻……。三十四歳の潤一は、外の女たちも家庭も上手に「両立」させているつもりだった。けれども、女たちは潤一の本心などお見通しで……。男と女の本音と建前が交錯する、エロティックでリアルな恋愛小説。
  • 恐怖の勘崋山伝説
    -
    1巻275円 (税込)
    三十年間、勘崋山で暮らす日向老人は、豪雪の日、遭難した佐山という知人を捜索するための救助隊に参加する。すると、高山に登る途中、雪の中にタンポポが咲いているのを見つける。次々、タンポポが現れるその登山道を見て、日向は、佐山がこのタンポポを追いかけて遭難したのではないかと思う――。雪山を題材にした不思議な作品。ぜひ、お読みください。

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  • 悪魔の棲む古井戸
    -
    1巻275円 (税込)
    固く蓋を閉じている祖父の家の古井戸が、気になって仕方がないたすくは、その古井戸の中に悪魔が棲んでいると祖父に聞かされ、よけいに興味を持った。そんなある日、みずきと言う女の子と出会ったたすくは、一緒に祖父の家に行く。古井戸をみつけたみずきは――。甚太の怖い話、どうぞお楽しみください。

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  • えびす亭異聞シリーズ どしゃぶりの雨の中で
    -
    1~3巻275円 (税込)
    土砂降りの雨の中で、男は雨宿りしようと思い、路地にある店に入ろうとした。すると、そんな男に声をかけた女性がいた。女性に「えびす亭」を知らないかと聞かれた男は、ちょうど自分が入ろうとした店であることに気付き、その店を教えようとしたが、その店は、とても女性が一人で入れるような店ではなかった。仕方なく男は、その女性と共に店に入り――。場末の立ち飲み屋が変える人生がある。これはそんな物語だ。

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  • ある日、突然、妻が消えた(前編)
    -
    1~2巻275円 (税込)
    龍雅興信所を訪れた男は、一週間前から行方不明になっている妻を探してほしいと話す。通常、妻が出奔する際は浮気である場合が多い。しかし依頼者は、妻の浮気を黙認しているという。その理由を問いただすと――。本格ミステリーの前編、お楽しみください。

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  • 怪獣が町にやって来た!
    -
    1巻275円 (税込)
    海辺の町に怪獣がやって来た。なぜ、この町に、何を目的に――。漁村に現れた怪獣を巡って起きる大騒動、やがて怪獣の目的が――。読む人の心をほのぼのとさせる怪獣悲喜劇。どうぞお読みください。

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  • えびす亭百人物語 第一番目の客 くみちょう
    -
    1~94巻275円 (税込)
    商社勤めの私が親父のあとを継いでえびす亭に立つようになった。「くみちょう」はそんな私にとって第一番目の客となった。人情味あふれ面倒見のいい「くみちょう」の存在に心癒されるが……。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
  • お福さんが笑ったよ
    -
    1巻275円 (税込)
    唯一の親戚を訪ねてその町へやって来たお福さんは、その親戚がすでにこの世にいないことを知り、呆然とする。だが、不孝続きのお福さんにはお腹の中の子どもに対する夢があった。しかし、その夢も断たれることになる。自立を目指して頑張るお福さんの物語です。

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  • 線香花火
    -
    1巻275円 (税込)
    愛媛県松山市で蜜柑農家を営む主人公は、高校時代の友人たちから突然、暑中見舞いをもらう。その暑中見舞いにはある意味があったのだが、そのことを主人公はすっかり忘れていた。郷土で働く者と、県外で働く者、その思いが交差する珠玉の短篇――。

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  • ある夜、ぼくはガモラに出会った
    -
    1巻275円 (税込)
    ある夜、何者かに誘われるようにして、その海へ海釣りに出かけた少年は、その夜、ガモラに出会う。幻想と現実の狭間を行き交う中で、少年はガモラに象徴される海の危機、人間社会の危機を悟るのだった――。

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  • エスクロ escroc
    -
    1巻275円 (税込)
    二十四歳になるまでに死ぬと占い師に宣告された高木直光は、その言葉をさほど信じていなかったが、母の節子はそうではなかった。占い師の言葉を信じて日参し、ある日、とんでもない行動に出る――。洗脳詐欺の犯罪を描く、短編小説。ぜひご一読あれ。

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  • 恋・愛・百物語 一人目の話 運命の人
    -
    1~20巻275円 (税込)
    愛とは何か?永遠の命題に挑戦する「恋・愛・百物語」。百人の話が始まった。第一話目、三上彩香は合コンで片瀬明彦という男性と知り合い、いきなりプロポーズされる。唐突な片瀬の告白に三上は――。
  • 雨のアムステルダム
    -
    1巻275円 (税込)
    「雨のアムステルダム」は異国で消滅した祖父の面影を求める孫娘の話 「哀愁の白樺林」は紆余曲折があったが向かいの家の同級生同士が結婚し、思い出の軽井沢に金婚の旧婚旅行し、しみじみと昔を想う話 「母の桜」は生涯を桜の名所で茶店経営し最後に認知症になり息子らを忘れても桜の花は忘れなかった話 「朝焼けの川面」は絶海の島に赴任し、母の訃報を知っても船便がなく、九州の実家に12日後に着いた話 「夢の大魚」は居酒屋で意気投合した男と女が同棲を始め、すぐに熱が冷めた話。
  • 血…薫
    -
    1巻275円 (税込)
    中山薫は美術大学に通いながら、日常にモヤモヤしていた。 母のさゆみと死別した父との馴れ初めは、聞いた話が本当のようには思えない。 卒業してからの将来に不安を覚え、友人の柚菜と冴えない日々を送っていた。 柚菜からアルバイトを紹介され、画廊のオーナー佐川守と知り合う。 佐川はたびたび薫を夕食に誘い、フランス遊学の楽しかった思い出を語った。 次第に薫は佐川に惹かれていった。 絵のモデルを務めた時、薫は画家の小竹に襲われる。薫は何とか逃げ出すが、そのことで佐川を疑って八つ当たりする。 感情的になった薫は好きという気持ちを佐川にぶつけ、二人は結ばれる。 佐川の子を身ごもった薫は大阪の真下直美の元に身を寄せる。 やがて子供を出産した後、養子に出した。 出版社で編集をしているさゆみのベストセラーのお祝いに二人が料亭で飲んでいると佐川と遭遇する。 酔ったさゆみは昔、佐川と自分が付き合っていたこと。結婚直前まで行ったこと、そして薫の本当の父親が守であることを打ち明ける。 薫は自分の出産を隠したまま、逃げるようにフランスに画家修行に行く。 フランスで貧乏に打ちのめされて帰ってきた薫は、真下の喫茶店を手伝いながら居候する。 そこに新人アルバイトとして幸子と名乗る少女が来る。 薫は名前と生年月日から我が子と疑い、その証拠を探す。 だが、ふらりと現れた佐川の息子雄太と幸子の仲が深まるのを恐れた薫は、幸子を喫茶店から追い出し、雄太を連れて誰も来ない場所に移り住む。 そこに、すっかり年老いた佐川が現れる。 ◆ さら・シリウス:あらすじ ◆ 春日 寛:文章
  • クリスマスイブがターニングポイントだった件・他短編集
    -
    1巻275円 (税込)
    ◆クリスマスイブがターニングポイントだった件 医大生のかおるは、ボーイフレンドの雅彦の自宅へ招待される。 雅彦の母親は、かおるを雅彦の嫁候補として見ており、厳しいことを言ってくる。 そんな母親に嫌気がさしたかおるは雅彦を避けるようになる。 やがて大学内で殺人事件が起きた。 殺されたのはかおるの親友で、かおるは容疑者として逮捕されるが……。 ◆切れやすい男 図書館司書のゆかりは、館長の聡美の弟・光司を紹介される。 光司は年齢はゆかりの倍だが、美しい顔立ちで両親がのこした遺産もあり、性格も温和で結婚するには好条件の男だ。 ゆかりは光司と結婚するが、幸せだった夫婦生活に少しずつ違和感が生じていく。 ◆プリンの誤解 主婦の香世子は、月一で姑が来る日はいつも彼女の好物のプリンを用意しておく。 今日も香世子はプリンを買ってきて冷蔵庫に冷やしておいた。 やがて姑を迎えに行った夫たちが帰ってくるのだが……。 ◆天国に行けないゴースト 大学生の晴美は、学校一イケメンの春樹と恋人同士だ。 だが彼女はストーカーによる被害がきっかけで引きこもりになってしまい、春樹は彼女の友人の沙也と付き合うようになる。 ある日ストーカーに殺されてしまい幽霊となった晴美は、沙也がストーカーを唆していたと知り……。 ◆理不尽な…… 小説家の山本は、編集者と打ち合わせしながら酒を飲んでいた。 打ち合わせが終わり、編集者と別れた後も飲み足りない山本は一軒のスナックに立ち寄り、そこで知り合った女と一緒に飲むことになる。 翌朝、女の家で目覚めた山本は女の恋人に見つかってしまい……。
  • 奪還 前編
    -
    1~2巻275円 (税込)
    刑務所を出所した正岡は、所属する暴力団竜胆組を抜け、堅気に戻る決心をする。その決心の裏には、服役中に届いた母親からの三通の手紙があった。組を離れた正岡は、赤松興信所の藤岡に誘われ、興信所で働くようになる。そんな正岡が手掛けることになった最初の仕事は、誘拐された代議士の娘を取り戻すことだった――。
  • 十年恋
    -
    1巻275円 (税込)
    「十年待ってください」と言われた男が、十年目のその日、約束の場所に出向くが再会を果たすことが出来ない。だが、そんな男に奇跡が起こる――。愛の不思議と奇跡を描く珠玉の短編。ぜひ御一読ください。
  • そらど駅前の貸物件
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    そらど駅前のアパートメントを舞台にくり広げられる物語。主人公であるト音記号と、メトロノームとアーモールとの日常を描くライフユーモア。
  • 返り道
    -
    1巻275円 (税込)
    生まれ育った新潟県新発田市―― “散らかしたまま放置した子供部屋のような町”から まもなく旅立つ少年は、思い出の場所を巡るうちに 自らの記憶の狭間迷い込んでいく。 幼い頃に遊んだ城のお堀、市役所の庁舎、そして学校―― 歩き疲れた少年の前に、そのSLは現れた。 無遠慮で奇妙な車掌と言葉を交わし、街で過ごした時間を走馬灯のように振り返りながら走る汽車はどこへ向かうのか。鮮烈な幻想青春譚。
  • 一歩先は崖
    -
    1巻275円 (税込)
    困った時の借金は身内から次に同級生後は誰でもいい 一郎は何でも誰よりも先に手掛ける。手本になる物が無いので結果失敗する。時代が変わると一郎が苦心して挑んだ事を企業が手掛け成功した。それでもこりず一歩先を信条として生きている。 【目次】 ・従兄弟の訪問 ・連帯保証人 ・京漬物 ・京都へ ・漬物の準備 ・偽の新店舗 ・破産 ・事件 ・遺体遺棄 ・ダイナマイト ・手を吹き飛ばす ・誰か見ている ・火事 【著者】 眞弓保治 1948生まれ・郡山工業高校卒業後東京の建設会社に入社・5年で退社 東京デザイナー学院デザイン科に入学・卒業後婦人制作会社に入社・13年働く・その後1級建築士資格摂取し、1級建築士事務所を開設し現在に至る。
  • 黒いニットのタイ
    -
    1巻275円 (税込)
    【短編小説の航路】喋ることが中心なら、食べ物はフライドポテトだけで十分。 ライターの西野晴彦は、ビーンという空豆を模したようなカウンターのある、バーのような、しかしそうではない店のオーナーで出版社も持っている米沢光太郎から、小説を書かないかと誘われています。ビーンで彼に付いた吉川久美子もまた、米沢から誘われて、この店で働き、この後は米沢の出版社に勤めることになると言います。西野が久美子に渡す黒いニットのタイに合わせるシャツの色、フライドポテトに付けるソースの色、コーヒーの色、スパムと目玉焼きの色、西野が目にする色彩が、BLTサンドのイメージとなってひとつの物語が生まれます。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『コミックス作家 川村リリカ』(中央公論新社)、『彼らを書く』(光文社)などがある。

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