P+D BOOKS ア・ルース・ボーイ

佐伯一麦

生きる意味を探す元エリート少年の青春小説。

性悪な英語教師をブン殴って県下有数の名門進学校・I高を中退した17歳の斎木鮮は、中学時代の恋人だった幹とアパートで一緒に暮らし始める。幹もまた父親の分からない子を産んだばかりで女子高を退学していた。
さまざまな世間の不条理に翻弄されながらも肉体労働での達成感や人間関係の充足を得て徐々に人として成長していく鮮――。
幼少期に性的悪戯を受けた暗い過去や、母親との不和による傷に苦しみながらも鮮は一歩ずつ前へと歩みを進めるのだった。第4回三島由紀夫賞受賞作品で、解説を文芸評論家の池上冬樹氏が特別寄稿。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: 小学館
• 掲載誌・レーベル: P+D BOOKS
• ページ数: 192ページ
• 電子版発売日: 2019年08月08日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

母親や幼い頃の自分に囚われていたあきらが、沢田さんを通して壁の中の世界や天井の中の世界を知り、自分を解放されるのを感じました。最初のルースと最後のルースの意味が変わっているのがあきらの心の変化を読み取れてよかったです。