国内小説 - 講談社文庫作品一覧

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  • 夜来香海峡
    3.0
    山形の寒村に中国旧満州地方から嫁いだ女・青鈴(せいれい)が二億円を持って消えた。青鈴を花嫁に斡旋した蔵田雄介はやくざに脅迫され、その足取りを追わされる。津軽海峡を渡り北へ北へと向かう青鈴と謎の男。日本の暴力団、中国の黒社会に加えロシア・マフィアが北の地で繰り広げる、船戸節全開の傑作バイオレンス。(講談社文庫)
  • 指名解雇
    3.0
    「副社長から、あなたの肩を叩くように命じられたんです」――吹き荒れるリストラの嵐は管理職へ冷たい刃となって突き刺さる。指名された課長が直面する非情な企業論理。終身雇用の神話が崩れ、生き残りを賭けて繰り拡げられる、企業の凄絶な戦いの内幕を綿密な取材でリアルに描く長篇モデル経済小説。
  • その人事に異議あり 女性広報主任のジレンマ
    3.0
    「後継者を誰にするか? こんなに難しいものとは……」の後悔をよそに、人事への思惑は社内に拡がる。創業社長とタタキあげ副社長との確執が再燃し、さらには社長御曹司みずから世襲に異議を唱えだす。どうなるのか。アパレル大手企業を舞台に、女性広報主任の眼から鮮烈に描く。「女性広報主任」を改題。
  • 鮮血のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険(1)
    3.0
    1~3巻628~691円 (税込)
    暴走集団〈マッドライダーズ〉を率いる九鬼鴻三郎(くきこうざぶろう)は、その圧倒的な力を買われ右翼結社・三兵会にスカウトされる。虚飾に満ちた社会を破壊し東京を廃墟にすることを渇望する九鬼は、暴力と陰謀の荒野に身を投じる。『ヴァンパイヤー戦争(ウォーズ)』の超人戦士はいかに生まれ、覚醒したのか!? <『ヴァンパイヤー血風録』改題>(講談社文庫)
  • 挑戦 巨大外資(上)
    3.0
    1~2巻900円 (税込)
    米大手製薬会社ワーナー・パーク社の日本法人に30代前半にして経理本部長としてスカウトされた香山岑之は、社全体を把握するコントローラーとして卓越した手腕を発揮して本社からも絶大な信頼を獲得する。しかし、その裏では彼の追い落としを図る陰謀が待ち受け、欲望渦巻く人事抗争に立ち向かうことに。(講談社文庫)
  • もと夫婦
    3.0
    何気ない日常生活にひそむ、おかしさ、愚かしさ、そして愛の喜びと悲しみを、関西弁の味を心憎いまでに駆使して描く田辺聖子独自のユーモア世界……別れた夫婦が喧嘩をくり返しながら、いつのまにか元のさやにもどった「もと夫婦」、他に「求婚」「あじさい娘」「あめりか・じゃがたら文」「金蒔絵の雲」等9編を収録。
  • 私本・イソップ物語
    3.0
    奸智にたけながら結局不如意な狐、愚かで粗暴で純情な狼、立派すぎる正義漢の犬、甘くてかわいい娘兎、臆病な権力者の獅子、何でも商売の狸……動物好きの著者が生き生きと語る、抱腹絶倒の現代版イソップ話。動物たちのいじらしさが滲む姿を描いて、人間という生き物を深く考える、知恵と笑いの傑作小説集。
  • 花はくれない 小説 佐藤紅緑
    3.0
    佐藤紅緑――俳人・劇作家・小説家・児童文学者。「ああ玉杯に花うけて」(少年倶楽部連載)などの大衆的な少年少女小説を執筆し、短篇童話中心だった日本の児童文学に長篇小説の礎石をすえる――ひたむきな激情に生きた、明治の男、紅緑の波瀾の青春からその死までを娘の眼から赤裸々に描く感動の長篇。
  • 一条さゆりの性
    3.0
    ほかの踊り子には真似のできない“演技”を彼女は見せた。舞台のはしにしゃがんだ彼女の花弁のあいだから、ひとすじの流れがするするとあふれ出す。照明の光をあびて、それは感動的な光景だった。……ストリッパー一条さゆりの性と生を、舞台と日常を、暖かいまなざしで共感こめて描く異色の傑作小説集。
  • 燻り
    3.0
    騙し騙され、一攫千金を狙っては燻り続ける男たち。関西アンダーグラウンド世界に蠢く悪党どもが、シノギを削って繰り広げる暗躍死闘を活き活きと描く。悪事の手際、会話の一言、仕種の細部にまで行き渡った、痺れるほどの緊張感とリアリティ。極上のピカレスク・ハードボイルド、9編を収録した傑作集。
  • 旅券のない旅
    3.0
    風雲急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。青年の手元に残ったのは黒龍江岸の崖に建つ古い碑から取った謎の碑文の拓本のみ。その秘密と失われた愛しい女性の跡を求めて、四十年後、異国へ旅立った男は意外な人物と再会したのだった。
  • ざぶん 文士温泉放蕩録
    3.0
    日本の近代文学は湯ぶねの中から生まれた。東に締め切りから逃げてくる先生あれば、西に世を忍び不倫に走る作家あり。温泉は時に彼らを癒し、時に虜にする。夏目漱石、森鴎外から川端康成まで。知られざるエピソードを混じえながら、古き良き時代の温泉とそこに遊ぶ文士たちの交流を描く、異色温泉小説。
  • 濁流(上) 組織悪に抗した男たち
    3.0
    1~2巻712円 (税込)
    企業社会の濁流に渦巻く男たちの欲望と反抗の行方は? カネのためには手段を選ばぬ経済誌主幹、虚像に脅える財界人、組織悪に挑戦する若手幹部――それぞれが思惑を胸に秘め、精いっぱいの闘いを展開する。日本の濁流の実態を把らえ、そこに蠢く人々の素顔や限界状況を生き生きと描く長篇経済小説。
  • 迷い道
    3.0
    子供の教育、ローンの重さ。妻とのいさかいの根が絶えない中年の夫が、ふと心に思うのは、何かいいことが起こらないものか。それは人生の迷い道の途上につきものの心理……。そして、あるとき、夢のような好状況が訪れるが。短編の名手が、なにげない日常からとり出してみせる人生の恐怖譚10話収録。
  • 真夜中の料理人
    値引きあり
    3.0
    北国から友人が送ってくれた鮭をめぐり、折り合いのわるい夫婦の対立が深まる。肉好きの妻、魚好きの夫、日常の不平をつのらせる妻、日常あたまの上がらない夫。仕方なく夫は包丁を買い込み、深夜のベランダで鮭を切るが……。人生の断面を巧みに描いて定評ある著者の、しみじみと怖い秀作11編。
  • 新諸国奇談
    3.0
    シチリアの一つ目巨人、不老不死を得たチムール人、美女を隠す中国の箱。世界各地に残る伝承や民話をもとに、短編小説の名手が紡ぎ出した味わいふかい12の傑作ストーリー。時間と空間を超え未知の世界へと読者を誘う、短編旅行のスリリングな知の楽しみをどうぞ。吟味された物語の扉がいま静かに開かれる。
  • マッチ箱の人生
    3.0
    列車の隣席に坐った女は、奈緒子がマダムをする店のマッチを手にしていた。作り立ての、しかも3人の客にしか渡していないマッチが、なぜ見知らぬ女の手に? その上、マッチ箱には、口紅のついたタバコの吸いがらが1本。その意味するところは? ブラック・ユーモアの秀作集。
  • ガラスの肖像
    3.0
    偶然盗み見た夫の日記。見知らぬ女への愛の讃辞が書きつらねてある。そして次に記された一行は妻の心を凍らせた。「それにひきかえ妻はなんと醜いのだろう……。」妻は黄昏どき、鏡の前で唇に紅をぬる。そして夫が帰宅する時――。口紅、香水、靴等女性用品を鍵(キイ)に、愛の陰の恐怖を描出した、円熟の連作集。
  • さんかく窓の外側は夜  映画版ノベライズ
    2.9
    「私といれば怖くなくなりますよ――。」 書店で働く三角康介は、幼い頃から霊が見える体質に悩まされていた。 恐ろしい姿をした彼らが恐ろしく、人間と幽霊を区別するためメガネが手放せない。 ある日、書店に冷川理人と名乗る男が訪れる。 「私といれば怖くなくなりますよ」という言葉に心を動かされ、三角は冷川の“仕事”を手伝うことに。 だが、あるバラバラ殺害事件に関係する霊が、祓われる際に恐ろしい言葉を残す。 「ヒウラエリカに騙された」 ヒウラエリカとは何者なのか? なぜ、霊を“騙し”ているのか。 3人の“運命”が交わる時、東京中を巻き込む大事件が起きる。
  • 猿猴
    値引きあり
    2.8
    This is 伝奇! 田中啓文が世に問う伝奇小説。「猿猴、つひに蘇り、しかる後、人類を喰らふべし」……世界が崩れる!? ――聖徳太子による「人類滅亡」を意味する預言は真実か? 冬山で遭難した奈美江(なみえ)が洞窟で見たものは? 望まぬ妊娠、殺人事件、不気味な宗教団体、秀吉の埋蔵金……その背後に見え隠れする奇怪な「猿」の影。運命の嵐に翻弄(ほんろう)される奈美江は、やがて世界の根源の謎に迫っていく。著者渾身の文庫書下ろし伝奇小説。
  • 小説 消費者金融 クレジット社会の罠
    2.7
    危機に瀕するクレジット社会の内幕を描く! カード犯罪が増大し、ローンの不払い、自己破産が横行するのはなぜか。クレジットカードの総発行枚数は約1億8千万枚――業界・使用者をめぐる不透明な実態を綿密な取材で明かし、“消費者金融”再生に賭ける男たちの、熟きドラマを活写する。『座礁』を改題。
  • あの子が欲しい
    2.5
    新人採用プロジェクトを完遂せよ。アラフォーの川俣志帆子はそのチームリーダーに突如指名された。ネットの裏工作や学生との心理戦を制し、成果を上げるが、なぜか心は満たされない。同居する男には惑わされ、猫カフェの猫ザビーだけが癒やし。このままでいいの? 独身女性の働く辛さをリアルに描く!
  • それぞれの終楽章
    2.5
    自殺した同級生の葬儀に故郷秋田を訪れた作家がふりかえる自らの生の軌跡。友と聴いたクラシック、仲間と励んだ雪の中の野球……万引事件や生家の破産を越えて胸に迫るのは懐しい思い出の数々。人生の終楽章を迎えて、自分を支えてくれた友人、父の愛、妻の献身に気づく。胸を打つ感動的な直木賞受賞作。
  • 黒と茶の幻想 上下合本版
    2.0
    1巻1,210円 (税込)
    太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。 美しい謎が去来する永遠の島を目指して 太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。
  • ホテルウーマン
    2.0
    コロンビア大学でMBAを取得した柊子は、熾烈な競争をくり広げる日本のホテル業界に挑む。華やかな巨大ホテルの内側は厳しい男性社会であり、秘密を抱えて入社した彼女には、プライベイトな苦悩も絶えない。画期的なプロジェクトの実現を目前に、恐ろしい破滅の予感が……。長編企業サスペンスの傑作。
  • 禁断の宴
    1.0
    「この部屋に住んでみる気持ちはない?」素敵な老紳士からの招待をうけた私は、脇の下とアソコを剃毛され、彼のペットに。体の奥の深いところから甘美な疼きが湧き上がり、それが腰を締めつけたかと思うと、体全体にさざ波のようにひろがっていきます……。心と体が触れ合うエロティシズムの極致、痺れる10篇。
  • ヒットラーの遺産
    NEW
    -
    ヒットラーが最後の夢を託した幻の秘密兵器とは? マスコミ世界の暗部を遊弋(ゆうよく)する二人の男が嗅ぎつけた奇怪な噂、謎の追及と共に浮び上がる現代史の深い亀裂を描く表題作。異国の夜、ファドの調べを背に、長い尾を曳いて消えた二つの星の物語「暗いはしけ」。他に「暑い長い夏」「怨念コマソン館」「双面のヤヌス」。
  • いちまい酒場
    NEW
    -
    累計25万部『珈琲屋の人々』シリーズ著者が描く、 酒場“人情”小説。 串揚げか味噌おでん、漬物、酒。 千円「いちまいセット」と、人々の物語に。 あなたの心が温まる。 ひとときの安らぎを求めて、酒場『いっぱい』に、 今宵も客がふらりとやってくる。 西武新宿駅に近い裏通り。酒場『いっぱい』には、店主室井諒三自慢の「いちまいセット」――千円でビールか焼酎、串揚げ四本か味噌おでん、漬物の小鉢がつく――と、ひとときの安らぎを求めて今夜もふらりと客がやってくる。 しみじみ心温まる人間ドラマに定評のある著者が描く酒場人情小説。 〈文庫オリジナル〉
  • ダブル・トライ
    -
    7人制ラグビー×円盤投! 二刀流で東京オリンピック出場を目指す天才アスリートの 苦悩と奮闘を迫真の筆致で描く、新機軸スポーツ・エンタテインメント! 2018年、陸上日本選手権。 ある選手の活躍が、観客を魅了する。 7人制ラグビーの日本代表・神崎が円盤投の決勝に出場、日本記録に迫る成績を残したのだ。 もし円盤投で東京オリンピックへの出場を手にすれば、1964年の東京五輪以来の奇跡――。 前代未聞の「二刀流」アスリートの登場に世間は熱狂、神崎は瞬く間にスターダムを駆け上がっていく。 一方、新興スポーツ用品メーカー「ゴールドゾーン」の岩谷は神崎の才能に着目、彼のスポンサードに向けて動き出す。 長年取材し続けた著者だからこそ到達した、スポーツの「本質」がここにある。
  • ハゲタカ 5 シンドローム 上下合本版
    -
    1巻1,980円 (税込)
    『ハゲタカ 5 シンドローム(上)』『ハゲタカ 5 シンドローム(下)』上下合本版! 2009年、ハゲタカと呼ばれた世界的な企業買収者・鷲津政彦は、原子力発電所を建設する民営会社の株を買収に失敗。財・政・官がもつれあう、権力構造の複雑怪奇さを思い知る。その2年後。リベンジを賭け、総本山「首都電力」に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月。東北を未曾有の地震、津波、最悪の原発事故が襲う。原発事故の危機のカウントダウンと、ハゲタカ鷲津の巨大買収劇が、同時並行で進む、リアル金融サスペンス。驚愕と感動の結末へ向かう! ☆収録作品 『ハゲタカ 5 シンドローム(上)』 『ハゲタカ 5 シンドローム(下)』
  • またね家族
    -
    父の余命は3ヵ月。 何者にもなれなかった僕は―― あなたの息子には、なれたのでしょうか。 小劇団を主宰する僕〈竹田武志〉のもとに、父から連絡があった。余命3ヵ月だという――。 自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。 周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、 自分と「家族」を見つめなおしていく。 映画、演劇、ラジオなど多岐にわたって活躍する松居大悟が、 不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチをまっすぐ描く。
  • 鳥がぼくらは祈り、
    -
    第64回群像新人文学賞受賞! 高2の夏、過去にとらわれた少年たちは、傷つき躊躇いながら未来へと手を伸ばす。清新な感覚で描く22歳のデビュー作。 日本一暑い街、熊谷で生まれ育ったぼくら4人は、中1のとき出会い、互いの過去を引き受け合った。4年後の夏、ひとつの死と暴力団の抗争をきっかけに、ぼくらの日々が動き始める――。孤独な紐帯で結ばれた少年たちの揺れ動く〈今〉をとらえた、新しい青春小説。 (群像新人文学賞選評より) ・〈文法の破綻した叫び〉こそが高二のぼくらのリアルな何事かを言語的に表現する、との説得力。――古川日出男氏 ・私がいちばん感心したのは〈一人称内多元視点〉と呼ぶべき視点のつくり方だった。これは文学的に有意義な試みだと思う。――松浦理英子氏
  • スピンク日記 全4冊合本版
    -
    1巻3,410円 (税込)
    私はスピンクといいます。プードルです。小説家の主人・ポチや美徴さん、キューティー・セバスチャンやたくさんの猫たちと一緒に暮らしています。「犯人だー」と叫んで一緒に駆け回り、安物買いの暖房器具で寒い思いをし、ときに「文学の鬼になる」と言い出す主人と私たちの楽しい毎日について申し上げます。 『スピンク日記』『スピンク合財帖』『スピンクの壺』『スピンクの笑顔』全4冊合本版
  • エール 夕暮れサウスポー
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    阪神園芸が舞台のお仕事小説『あめつちのうた』の著者が贈る、再出発への応援歌! 突然の戦力外通告――。でも、諦めない。 トライアウト後、唯一来たのは弱小社会人チームからの誘い。 野球がしたい。でも、お金は? 家族は――? 【内容紹介】 球団をクビになった元プロ野球投手・窪塚夏樹は、崖っぷちに立たされていた。 現役続行を目指すも、他球団から連絡は来ない。 ようやくかかってきた電話は、弱小社会人チームからの誘い。 野球を続けたい。でも、お金は? 家族は? 夢に向かってもがく全ての人に贈る応援歌! ※『エール 名もなき人たちのうた』改題
  • アメリカの夜 インディヴィジュアル・プロジェクション 阿部和重初期代表作1
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    1~2巻924円 (税込)
    自意識は、暴走を始めた 現代日本文学の「特別な存在」の、原点 すべては、阿部和重から始まった 群像新人文学賞受賞のデビュー作、90年代「J文学ブーム」の象徴的作品を収めた新編!(解説=佐々木敦)
  • 文庫ギャラリー ちひろ・平和への願い
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 絵の中の子どもたちが、ちひろの願いを語りかけてきます。「世界じゅうの子どもみんなに、平和としあわせを!」。戦時下に青春をすごし、戦後は、画家として母として、愛と平和のメッセージを送り続けたいわさきちひろ。55歳でガンに倒れるまでの人生と創作活動の軌跡を、作品と残された言葉でたどります。
  • 文庫ギャラリー ちひろ・子どもの情景
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 絵本、教科書、カレンダーなど、いつかどこかで“ちひろ”に出会ったことはありませんか? 童心を通して愛と平和を描き続けた画家・いわさきちひろが残した7000点余の作品から、選りすぐった子どもたちの情景。その楽しくなつかしい世界が、まだ私たちの心のどこかに潜んでいることを感じさせてくれる画集です。
  • すらすら読める歎異抄
    -
    「悪人のままに生きなさい」 一度は読んでみたい『歎異抄』。 総ルビつき原文と、ていねいな対訳、著者による解説もたっぷり。 読みやすさ、わかりやすさNo.1の「すらすら読める」シリーズを文庫化。 わたしたちは憤るべきです。 『歎異抄』は、親鸞聖人の没後に、その教えが歪められ、曲解され、親鸞聖人の教えとは異なったものになっている現状を歎いてつくられた書物です。では、「歎く」というのは、どのような行為でしょうか。辞書によりますと、”歎く”は「深く悲しむ」とありました。ところが、ある辞書には、「悲しくいきどおる」という意味が出ていました。それを見て、わたしは気づきました。われわれは悲しむだけでは駄目なんだ。『歎異抄』を読むことは、憤ることなんだ、と。ーーひろさちや
  • アサッテ君(1)偉大なる家族の巻
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 絶妙のユーモアでサラリーマン家庭を描く!――家族を愛し、もちろん仕事もそれなりに愛している我らが良き隣人アサッテ君。御同輩と同様に、気楽そうに見えてもけっこうタイヘンな毎日を過ごしております。平凡なサラリーマン一家をとりまく平凡な日常を、絶妙のユーモアで描きながら大庶民の本質を鋭く浮かびあがらせる東海林さだおの傑作4コマ第1弾。
  • この父にして 素顔の斎藤茂吉
    -
    「赤光」をはじめとする多くの歌集や評論集「柿本人麿」などの名著で、大正・昭和の歌壇に不滅の足跡を遺す斎藤茂吉。この不世出の大歌人を父に持つ、ふたりの兄弟、精神科医・斎藤茂太と作家・北杜夫が談論風発、肉親にして初めて知り得た興味ある事実を明らかにしながら、隠された茂吉の生涯を語る、異色の対談集。
  • 寂聴・猛の強く生きる心
    -
    家族の崩壊が進み、生命の循環に危険が訪れた今、人間の営みを支えてくれるものは何か? 人は如何にして生きてゆくべきか? 私心なく全力で取り組めば、必ずものごとは成就するのか?――精神の義姉弟(ぎきょうだい)、瀬戸内寂聴と梅原猛が、自分たちの苦悩の青春時代を踏まえて語り合い、人々を励ます、熱い心の対談集。
  • 完全版 日本婦道記 上下合本版
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    一九四二年、太平洋戦争の中に始められた連載「日本婦道記」。戦中・戦後の混乱期を通し、著者が描き続けた日本人の姿、生き方とは。直木賞辞退作としても知られる金字塔、名作31篇を網羅した完全版、初の文庫化。 武家の体面を保つために自らはつましい生活を送くる女。その死によって初めて明らかになるその生活を描いた名作『松の花』や『髪かざり』『風鈴』『不断草』などの連作短編集。山本周五郎の作品の根幹を成すテーマである、「慎ましく生き、苦しみ、働く」という姿勢を貫き、日本の美とはなにか、を問い続ける不朽の小説集。
  • 花と火の帝 上下合本版
    -
    後水尾天皇は16歳の若さで即位するが、徳川幕府の圧力で2代将軍秀忠の娘、和子(まさこ)を皇后とすることを余儀なくされる。「鬼の子孫」八瀬童子の流れをくむ岩介ら“天皇の隠密”とともに、帝は権力に屈せず、自由を求めて、幕府の強大な権力と闘う決意をする……著者の絶筆となった、構想宏大な伝奇ロマン大作。一気に読める合本版。
  • 日本探偵作家論
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    旧探偵作家の業績を抜きにして、今日の推理小説を語ることは出来ない。戦前の厳しい政治弾圧をかい潜り、辛酸をなめながらも一筋の流れを涸らすことなく、推理小説興隆への道を拓いてきた先人作家18人、小酒井不木から横溝正史までの足跡をたどり、作品を論じた初の本格的評論集。昭和51年度日本推理作家協会賞。
  • 警視庁犯罪被害者支援課 シーズン1 全9冊合本版
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    私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事――。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。(『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』) 事件は、犯人逮捕だけでは終わらない。 被害者支援――残された者、その後を生きる者たちの心を描く、圧倒的な人間ドラマ。 大人気文庫書下ろしシリーズ、シリーズ1 全9冊合本版 『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』『邪心 警視庁犯罪被害者支援課2』『二度泣いた少女 警視庁犯罪被害者支援課3』『身代わりの空(上)(下) 警視庁犯罪被害者支援課4』『影の守護者 警視庁犯罪被害者支援課5』『不信の鎖 警視庁犯罪被害者支援課6』『空白の家族 警視庁犯罪被害者支援課7』『チェンジ 警視庁犯罪被害者支援課8』 ※8タイトル、全9冊を1冊にまとめた合本版です。
  • オールドタイムズ
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    有名人の嘘(フエイク)を暴け! 一週間バズり続けろ! 動画スクープで一躍注目を浴びた 新進ウェブニュース「オールドタイムズ」。 新旧メディア業界の荒波を乗りこなせるのか? 痛快メディアエンターテインメント小説! 夕刊紙のエース記者だった不動優作はあえなくリストラ対象に。 新たにウェブニュースサイト「オールドタイムズ」の運営に加わるが、早々に行き詰まる。 自分より若い出資者兼IT社長から「一週間バズり続けるニュースを」と要求され、嘘(フエイク)を暴くネタを探るのだが。 痛快メディアエンターテインメント小説! 解説=温水ゆかり(ライター/書評家)
  • 野球戯評
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 小さなボールに集まる数万の視線、球場の熱気、テレビ席の興奮。いま野球ほどたくさんの人が熱中しているものはない。異彩を放つ文化人3人が、この野球にウンチクをかたむけ、野球を種に楽しくも痛快に風俗を斬る。野球豆知識、現代野球年表と、情報も満載。読むべし! 野球ファン、野球狂、野球通、野球評論家。見る野球、する野球は沢山あるが、読む野球ならこの本!
  • Cocoon第一部全6冊合本版
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    時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。 強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。 そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。 ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。 しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。 四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。 だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。 動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。(『Cocoon 修羅の目覚め』) 激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚。 鬼斬り花魁・瑠璃、最注目のダークヒロイン誕生! 『Cocoon 修羅の目覚め』『Cocoon2 蠱惑の焔』『Cocoon3 幽世の祈り』『Cocoon4 宿縁の大樹』『Cocoon5 瑠璃の浄土』『連理の宝 Cocoon外伝』第一部全6冊合本
  • pray human
    -
    1巻682円 (税込)
    ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。 魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。 創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。 デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。
  • チャンネルの5番
    -
    初恋、おしゃれ、男友だち、旅、仕事………諸事万端103題をなつかしのテレビ番組に寄せて綴る、とっても楽しいマリコとショージのスペシャルトーク。「もっと可愛いらしく」のラブコールに応えて、山藤画伯が挑むマリコの七変化ならぬ百変化も見逃せない魅力。ところで、あなたはいくつ番組を思い出せそうですか?
  • にんげん百一科事典
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    ピンクレディー、高見山、池田満寿夫……。会って、たずねて、しゃべらせて、優しさと皮肉をとりまぜた絶品の「雨彦節」。名前折り込みの身上判断詩つきイラストが冴えわたる「昭和の絵師」。天下無敵の《雨彦+章二》コンビが、極めつきの美女、光っている男、気になるひと百一人と打打発止と切り結び、その素顔に迫った「にんげん大図鑑」。洒脱な文と痛快なイラストでつづる“あの人たちの身上書”。
  • 天草は血染めの刃
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    初代波平正国の古刀の真贋をめぐる争いが因で割腹自殺した父の無念を晴らそうと、若き作刀家・福沢達彦は博多の刀剣入札会場に忽然と現われた波平正国を落札する。しかし、戻ってきた因縁の古刀は、美貌の女流鑑定家・立原絵美子に情事の隙をつかれて奪い去られる。天草・島原の乱にまつわる呪われた妖刀の秘密とは何か!? 異色の伝奇ロマン。
  • 町工場からの発想
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    1巻660円 (税込)
    「暮らしのある工場」を求めて、日々の働きと感情の触れ合いを思索した、工場生活者のノートがここにある。ロボット化・オートメ化の進む近代工場のなかでは、働きがいが見失われ、人間疎外が深刻になっている。いまこそ町工場に蓄えられた「暮らしの発想」に学び、楽しく働き豊かに生きる知恵を汲もう!
  • 謀殺 下山事件 日本の熱い日々
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    昭和24年7月6日午前0時20分、国鉄レール上で起こった事件、下山国鉄総裁の死をめぐる謎は深い。占領軍が駐留する混乱した状況下での解明は、「自殺」か「他殺」かをめぐって難航をきわめた。しかし、30年に及ぶ執念の追跡が、昭和史の暗闇に眠る恐るべき真相を解き明かした。事件の全貌を決定的証言で綴る。
  • 伝説のイエロー・ブルース
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    「あんたは黒人じゃない。でも、あんたのソウルは黒人よりももっと黒い」。カバン一つと古びたギターをかかえて海を渡った男が、あらゆる屈辱と人種差別を乗り越え、ニューヨークの舞台で贈られた称賛の言葉(オマージュ)。アメリカ合衆国に一人闘いを挑んだミスター・イエロー・ブルース、大木トオルが語る熱気に満ちた青春の軌跡。
  • 家族の神話
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    野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。
  • この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯
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    真実の人生を生きるために出家し、思索し、ついに悟りを得たブッダ。孤独や弟子の反逆にも耐え、本来の生き方を説き続けたブッダ。仏教学の泰斗が、豊かな学殖のすべてと暖い心をこめて、この「偉大なる人」の生のドラマを描く。パーリ原典に依拠し、後世の虚構を排して把えた人間ブッダの真実を描く画期的な評伝!
  • インフォデミック コロナ情報氾濫
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    テレビのワイドショー制作会社に入社した駒野しおりは、ADとして忙しい日々を送っていた。だが、コロナ報道に対する番組の姿勢や、私利私欲に走るプロデューサーたちの姿に、違和感を覚え始める。そしてしおりが2時間の生放送で曝した恐るべき「真実」とは……。元芸人の作家が2年余のコロナ禍を事実に即して描く、前代未聞の書下ろしメディア小説!
  • 日本の野生動物
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    消えゆく日本の野生動物たちの素顔。日本のどこに、どんな野生動物がいて、彼らはいまどんな暮らしをし、どんな世界を持っているのか――失われゆく日本の自然のなかで生息しつづける野生動物のきびしい現実――その世界を訪ね、素顔をのぞく。生態画家・田中豊美の流麗なペン画が冴える動物学者によるフィールド・ガイド。
  • 実力とは何か
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    人はどうすれば実力をつけることができるのか。どうしたら自分の能力を100パーセント発揮できるのか。いかにしたら集中心・闘争心を体得できるのか。日本人で初めて「全米スポーツキャスター協会賞」を受賞したトップ・アナウンサーが、超一流プレイヤーたちの熱闘・死闘を通して勝者の条件・敗者の条件を明かす。
  • 江戸老人旗本夜話
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    勤務先・江戸城。職業・旗本。天野弥五右衛門(やごえもん)81歳、赤裸々な日々の記。時代小説ではわからない武士の真実――。武士道とは長生きして出世競争に勝ちぬくことなり。武芸とは健康法なり。性は「接して泄(も)らさず」が善し。ある老旗本が書き残した、組織・仕事・カネ、家庭の悩み、性生活、老いへの惑い。江戸の「性」と「老い」を語れば当代随一の著者が武士の実像を生々しく描く、目から鱗(うろこ)の傑作エッセイ。(『元禄養老夜話』改題)
  • 間違いだらけの中古車選び
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    ビート、カプチーノ、ランエボ、プリウス、スカイラインGT-R、プリメーラ、コペン他――。真に価値あるクルマは、いつまでも色あせない。名シリーズ『間違いだらけのクルマ選び』過去10年分(95~04年)から各年度の「高評価車」を厳選。どれも「いつ買っても満足できるクルマ」である。自動車ジャーナリズム界の巨匠が、初めて文庫に取り組んだ本書を、すべてのクルマ好きにお届けする。 <文庫オリジナル>
  • 花の木登り協会
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    東洋某国に木登りブーム!! 彼らは協会を作り、家元制度をでっちあげ、大衆になつかしい木登りのダイゴ味を思い出させる。だが熱狂化するのがこの民族の特質、ブームに驚いた政府は危険防止をタテに禁止令を施行した。政府やマスコミをまき込んだ騒動の末は? アメリカ人著者による日本語ユーモア小説。
  • 下駄の向くまま 新東京百景
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    ツゥーっと横丁曲って、路地の奥へツゥと入って……下駄の向くまま気の向くまま、ひたすら地ベタの感触と人間臭い風景にひかれ、なにやらやって来ましたあの町この町。ああ郷愁の…ムグ…「あの頃」。スケッチブック片手のブラブラ歩き、落着く先はなぜか黄昏時の赤提灯、ふられ酒あり祭り酒あり。江戸っ子絵師・滝田ゆう流「東京百景」。一口ガイド・マップ付き。
  • にあんちゃん 十歳の少女の日記
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    どん底の貧しい生活の中で明るく生きぬく10歳の少女の日記。昭和28年から親もない家もない兄弟4人が、きびしい現実の中で、くじけることなく、いつもはげましあって生きる姿を正直につづったこの日記は、つくられたものではない生のままの描写で、時代をこえて読者に深い感銘を呼びおこします。
  • 瞽女物語
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    三味線を手に越後路を流浪する盲目の旅芸人―瞽女―その秘められた美学とは? 休むことを知らず曠野を流れる三味の音に似て、人間の原点とも言える孤独を背負いながら、地獄と浄土の世界を内にさまよい、苦悩、陶酔する女たち。その鮮烈なる赤と、暗く重たい青の絵具に重ねて、鬼才・斎藤真一が描く、瞽女―愛と死の物語。
  • 親はあっても子は育つ
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    近い将来やってくるだろう食糧難、神聖なるべき母乳まで汚染した公害……、破局を目前に、孫子の血肉をくらって安逸に暮す親たちは、子供の未来のために今なにをなすべきか? 育児書や教育産業主導の育児を拒否し、親子の温もりが通いあう人間的子育てを希求する、二人の娘をもつ著者の真情あふれる子育て論。
  • 新宿ルイード物語 ぼくの青春と音楽
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    1971年、ぼくは20歳。シャネルズの活動拠点、山下久美子の総立ち現象、200万人以上の熱気に包まれたルイード。ライブハウス15年を彩った「新宿の青春」が、いま熱くよみがえる。18歳で上京した著者が、駅前広場や風月堂、ゴールデン街の変化と共に歩んだ青春を想い、新宿の街の音楽体験を語る〈四小節(ししょうせつ)〉。ライブハウス15年の熱気が伝わる!
  • 樹海に生きて どろ亀さんと森の仲間たち
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    一度も教壇に立たなかった東大名誉教授が綴るメルヘンあふれるエッセイ集。自ら「どろ亀さん」と称し、36年間、北海道のどまんなかにある東京大学の演習林をはいずりまわって研究生活を送った名物先生が、その人生と森の生きものたちへの愛を語る。どろ亀さんの案内で樹海の息吹を存分に楽しみましょう。どろ亀さんとすばらしき森の仲間たち!
  • 原爆の図
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    1945年8月6日、原爆投下。3日後、広島に帰った画家は、現代の地獄図絵を目撃する。「原爆の図」は、画家が二十数年をかけ完成した畢生の大作であり、世界の多くの人々に深い衝撃をよびおこしたのだった。本書収録のこの作品の全貌を通じて、私たちは、平和と人間愛への祈念をさらに新たにしてゆきたいと思う。
  • 画文集 花の肖像
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    四季おりおりに日本列島を彩る花の貌。比較的私達の眼になじみ易い花58種を選び、ボタニカル アート(植物画)の第一人者・太田洋愛の絵と、登山家で詩人・エッセイスト・哲学者と多方面に活躍の串田孫一が、その花の想い出を透徹した眼差とふくよかな抒情で綴る画文集。
  • 家族の晩餐
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    弓岡愛子、高校2年生。母亜美子、38歳。母娘二人暮し。愛子は毎月第一日曜日に実父(パパ)とデイトする。だがこのデイトは、もはやメルヘンではなく、陰惨さを帯び始めてさえいるのだ――家族という大都会の中のもっとも小さな単位。そこにも葛藤があり事件がある。その日常の模様を、都会の中の母娘の微妙な関係を、愛情こめて描く長編メッセージ小説。テレビドラマ化も。
  • フォト・ルポ 七つの海で泳ぎたい
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    揺れ動く世界のなかで、何が変わり、何が根づこうとしているのか。モルディブ諸島からフィリピン、イベリア、アルゼンチン、延吉などの海峡のはざまから考える。海を行き丘の陰にくつろぐとき、そこで接する普通の人々の生活に、何か素直に肌で感じとれるものがある。民衆のホンネをくみあげるカラー文庫。
  • 「愛されたい」症候群
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    夫婦、親子、老人など「家族の絆」がいま危機にある。NHK「おはようジャーナル」でおなじみの人気キャスターが、夫婦、子供の教育、老人介護、悪徳商法などの取材を通してとらえた現代の家族の肖像。この現実をいかに乗り切ったらよいか。人間関係に悩みを持つ老若男女に提案する、打開のための具体例。潤いのある人間関係を築くための愛の処方箋。
  • 白い道 法然・親鸞とその時代(上)
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    混乱の時代にひたすら念仏に精進する法然! 律令制の崩壊は武士階級の抬頭という必然的な歴史の流れとなった。この大転換期を背景に、法然の出家から叡山下山,吉水での専修念仏実践に至る経過を壮大に描く――。そのとき幡多丸(法然)は9歳。父・漆間時国(うるまときくに)は明石定明の突然の襲撃を受けて一命を失った。律令制が崩壊し、地方武士の対立がめだち始めたころのことである。かろうじて凶刃を逃がれた幡多丸は4年後、叡山に入り出家、仏法修行の道へ……。法然と親鸞、二人の偉大な革新者の歩みを熱い思いでたどる長編小説全3巻。著者・三國連太郎の脚本・監督・出演で映画化も。
  • 男がいてもいなくても
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    「好きに生きます」。無一文で家を出て、大学中退、結婚・離婚、子連れでサーカスに入団etc.……世間の規範から相当はみ出して生きてきた。シアワセだったし、得たものもあった。恋人がいなくたっていい、コースを外れたっていい、枠にとらわれず生きる爽快さが伝わる、雨ニモ風ニモ負ケズ、ノンフィクション作家のシングルマザー奮闘記!!
  • シラサギ物語
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    ゆみちゃんに育てられたシラサギのケンは、苦労してサギの仲間に入れてもらう。野性の本能に導かれ、渡りの為の飛行訓練を繰り返し、9月のある満月の夜、カンボジアのメコン川めざして長くて辛い旅に出る――優雅に大空を舞うシラサギの自然との厳しい戦いの姿を描くファンタジックな長編童話。講談社児童文学新人賞受賞。
  • 徹夜対談・いつもロンリーだった
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    大スター小林旭。人生の荒波をいくつも乗り越え、今もその存在感は薄れない。〈旭フリーク〉を自認する内館牧子が、今、生の「旭」に体当たり! 約8時間にわたる「徹夜対談」を決行した。女、男、映画、仕事、結婚、失敗、虚無感、これからのこと――縦横無尽に語り合った〈旭とその時代〉必携永久保存版! ◎…ある夜、小林さんはポツンとつぶやいた。「裕次郎もひばりも雷蔵も、みんないなくなっちゃったよ」…この時から、私はいつか小林さんと本気で対談してみたいと思い続けてきた。「状況」だけではなく、「心況」も聞きたいと思い続けてきた。… 内館牧子「あとがき」より
  • 強い「個性」の経済学
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    戦争と革命の時代は終わった。新しく到来した平和と安定の時代は、一段と激しさを加える経済競争の時代そのものである。人並みの人間は淘汰され、広い視野・高い視点・鋭い判断力を備えた強い「個性」の持ち主だけが、経済活動はいうに及ばず、あらゆる社会活動・文化活動においても成功者になれるのだ。いま始まった新しい経済の時代を勝ち抜くための必読書。
  • ブルース心の旅
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    ミシシッピーの川面に流れるギターの調べは、人の心を重く揺さぶる。うらぶれたカフェの片隅から、深く哀しい歌がひろがる。ディープ・サウスの街には、すべてブルースの魂が満ちている。奴隷制の時代から現代へいたる黒人ブルースマンの歌を求めて、現地取材と資料で綴る感動のレポート。名曲ガイド付き。
  • 彼方の水音
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    真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。
  • 日章旗とマラソン ベルリン・オリンピックの孫基禎
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    日本唯一の五輪マラソンの優勝者・孫基禎(ソンギジョン)選手の栄光と苦難――。日本の植民地に生まれ、日の丸を胸に走らされる屈辱。胸に秘めた被抑圧民族朝鮮人としての強い誇りと祖国愛。ベルリン大会で起こった「日章旗抹消事件」の衝撃。日本唯一の五輪マラソン金メダリスト、孫基禎の栄光と苦難の半生を記録し、日本と朝鮮の歪んだ現代史を検証する。初の本格的長編ドキュメント。
  • 真説シャーロック・ホームズ
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    19世紀末に活躍した名探偵ホームズは、今日なお愛され、語られるヒーローだ。本書は彼の眼に映ったロンドンの生活と風俗を、当時の写真で再現し、その人柄を描き尽した評伝を収録する。ホームズは今、不安と倦怠に満ちた時代背景を伴って、私たちの前に初めて真実の姿を現わしたのだ。
  • 私の靴物語
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    靴ってこんなにオシャレで楽しさいっぱい! 気楽にはけるズック靴、裸足のようなサンダル、カジュアルなワークブーツ、マニッシュなタウンシューズ、エレガントなヒールパンプス――そのどれもがシンプルで楽しく、人と大地をしっかり結びつけるものであってほしい……。人気ブランド〈KISSA〉を作りあげた人気シューズデザイナーが、靴にかけた自らのおしゃれな生き方をさわやかに綴る自伝エッセイ。
  • 日本の唱歌(上) 明治篇
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    1~3巻770~836円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 多くの人々に歌い継がれ、愛唱されてきた唱歌は、なつかしい心のともしび……。上巻では、「庭の千草」「故郷の空」「港」「夏は来ぬ」「鉄道唱歌」「花」「箱根八里」「荒城の月」「春が来た」「われは海の子」などの、明治期の唱歌・163曲を年代順に編成し、詳細な解説を付けた決定版。全3巻。
  • 海竜神の使者
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    「海流の中の国々」の物語。謎に包まれた島々、まだ誰も帰らぬ旅へ。呪い師と女戦士の姉妹とともに、はたして美貌の戦士ルキは最高神にたどりつけるのか!? ーーこれは神の与えたもうた試練なのじゃ。それだけ、神はおまえに何かを期待しておいでになるのじゃ……。大神官は、いまだ誰も帰って来た者のいない黄金海竜神への使者に選ばれ、急に目がみえなくなってしまった美貌の戦士ルキに言った。旅立ったルキは、呪い師と女戦士という姉妹に出会い……。超傑作ファンタジー・ノベル。
  • トンカチと花将軍
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    花を求めて、森へ探検に出かけた少年。そこで見たものはふしぎな世界の連続だった。動物と少年の心あたたまる交流を描いたユーモア・ファンタジー! ーーある日突然、街から姿が消えた花をさがして、少年トンカチは花畑の中のあねもね館へ。そこは、シャムねこのヨジゲン、空飛ぶ馬のシューテンサック、そしてくしゃみの将軍などがくりひろげる、おかしなおかしな、けれど心優しい人間と動物たちの世界。児童文学という枠を超えて、大人も愉しめるユニークな、ナンセンス・ファンタジー童話の佳篇。
  • 歴史対談 徳川家康
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    家康の性格、その戦略と戦術、天下統一の経緯、宗教観、女性操縦術など……。戦国乱世の天下を統一して、300年の泰平を築いた徳川家康について、小説「徳川家康」の著者・山岡荘八、歴史学者・桑田忠親の二氏が、文学・歴史の両面から縦横に語って、英雄の虚像と実像、戦国日本の歴史の真実に迫る、興趣の対談。
  • 新井素子の未知との遭遇
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    未知世界へ挑戦! 実体験エッセイ集。ワクワク、ドキドキ痛快アドベンチャー、ロボット作り、熱気球、深海探査船……手に汗にぎる面白体験記ーー知的冒険心の旺盛な著者が、最先端技術のロボット作りや深海探査船、野外アーチェリーや熱気球などのアウトドア・スポーツ、さらに、からくり屋敷、大遊園地にバイオパーク……とたずねまわる。そして行くところ、驚異と恐怖と痛快さがいっぱい! われらがモトコさんが綴る、未知世界の面白実体験記。
  • 女と男の子守唄
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    いい女そしていい男に捧げる「ララバイ」。デリケートな女と男のアレコレに、ちょっと笑っちゃう話、すこーし辛口の話もいっぱい! ーー童謡の「赤い靴」の異人さんは、イイジイさん? そしてお伽話の「瘤とり爺さん」が小肥りなお爺さんとは……。女と男のアレコレ、友人知人の品定め、はてはわが青春の……失敗談と、思わず知らずに笑っちゃう話、とっておき本音吐露の小気味のよい話がいっぱい! ちょっと洒落た、すこーし辛口のエッセイ集。
  • 夏草の女たち
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    男なんて死んじまえばいい。戦争おっぱじめたのは、男なんだからさぁ……。芸者あがりの初江、オンリーのミー、ダンサーの瞳……世間からはみ出し、それぞれの〈戦後〉を背負ってしまった、「東中野ハウス」の女たち。匂い立つ夏草のように勁く哀しい生を、父のない子の目を通しリリカルに描く表題作など、全4篇を収録。
  • ここに愛がいる
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    潔く、しなやか。オールディズのアメリカンポップスのように。しかし、人権・性差別にコミットし続ける著者の、いまを語る鮮度100%、小気味よいエッセイーー「花持つ男」「彼女ってハンサムね」「育自期の女たち」「メークする? しない?」「ハハハと笑う」「あるがまま」……むき出しは苦手、タフを粧うデリカシーが素敵だ、という著者の、タフで心やさしいエッセイ。建前でも本音でもなく、自分と人と社会と付合ってゆく距離のとり方、見本です。
  • 素敵なヤツなのに
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    好きなのに……。なのにどうして、この愛は!? ーーキース・ジャレットのゴルトベルク変奏曲が流れる時間の中で、男は揺れた。女は……。「子供をつくらないか」「それがあなたの冒険?」「こんな別荘が欲しいね」「躰が悪いの?」互いの家族も知らず、結婚の形にとらわれず、自由に暮してきた女と男。15年目の心の揺れを透明な文体で描く表題作に、「薔薇のやりかた」「音の川」など、全6編。
  • 逆光のなかの女
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    1通の手紙が運ぶ恐怖の芽。愛のサスペンスーー「あなたは癌です。クリニックの検査表は偽りです」という手紙が届いた。1通は大学学部長に、1通は自動車会社社長に、もう1通が出版社重役に。同じころ、「メリークリスマス! クルシミナサイ」というカードが、若い女性編集者に届く。誰が、何のために? 小指の爪ほどの恐怖の芽が、根を張り枝を広げ、平穏な日常を侵してゆく……。社会の不正と闘う、愛と復讐のサスペンス。
  • マヤの一生
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    マヤがわたくしの家に着いた時は、片手にのる程の小さな犬だった。マヤは、はじめに抱いてくれた次男に、一番なついていた。ニワトリのピピ、ネコのペルとも仲良く暮していたが、戦争が激しくなった時、国からマヤを殺すようにと通知が来た――戦時下、動物と人間との愛のドラマを淡々たる筆致で描いた、動物文学の名作。赤い鳥文学賞受賞。
  • ふりむいた天使たち
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    染めてしまおうか/あなたを/わたしの色に/いま/それはない/染まってしまおう/ふたりして/この/とりたてのみどりに/おくれ毛の/1本までも……。雨の降る日曜日、ただ過去に思いが走る時、メランコリーな昼下がり、悲しみのレースの幕がかかる時、あけて下さい、ノスタルジックな詩の花束の、扉を……。
  • バーバラが歌っている
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    祖母や母とは違う、新しい女の愛物語。私の愛は、私が選ぶ! 「愛」を巡る長編小説。愛したいから、愛する。ただ、それだけのこと……ーーバーバラは自分のやり方で、気持ちよさそうに歌っている、「語らぬ愛」を。あなたは、あなたの歌を歌っていますか? あなたは、あなたの愛を愛していますか? 女であることの傷をどう癒し自分を生きたか、女三代にわたる人生と葛藤に、離婚の危機にある家族を絡ませて、家族とは何か、その行方を問う、半自伝的問題作。
  • スニーカーズ
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    愛と人生を問う長編。燃えて生きた、そして……愛を、人生を問う。1970年、激動の時代を生きた10人の男女の「今」を描く長編小説ーーあの時から何年、経ったのだろうか? 仕事を極める者、田舎で豊かさにひたる者、この世に別れを告げようとしている者……。1970年に青春を燃やし尽くした5人の女性と5人の男性。翻訳者、カウンセラー、カメラマンと生の形を変え、いまを生きる。過去を噛みしめつつ愛と人生を問い直す、長編問題小説。
  • ギリシア人の愛と死
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    トロイア戦争とオデュッセウスの流浪の物語ーースパルタの女王とトロイアの王子の不倫の恋が、戦争の発端となった。憎悪、好色、策謀、友情、生の渇望と死への恐怖に満ちた10年戦争の果てに、トロイアは滅び、英雄たちは死に、オデュッセウスは故国まで20年もの流浪の旅を送る……。運命に操られ翻弄される人間の姿は、現代の人間ドラマそのものではないだろうか。
  • カリフォルニア
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    23歳の鮮烈な感性が描く麻薬の青春、熱風と麻薬の終わりなき<夏>を彷徨するストレンジャーの青春。群像新人長編賞受賞の意欲作ーーセントラル・バレーの中央にある、砂漠のオアシス・フレズノ。はてしない青空と灼けつく熱風の街に、重い過去をひきずって終りなき<夏>を彷徨するストレンジャーたち。雪国から来た留学生くずれの日本人青年と混血の白人娘の、愛と麻薬の日々が、カリフォルニア・エイジの終末を告げる……。23歳の鮮烈な感性がきらめく、群像新人長編小説賞受賞作。

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