小説・文芸 - グーテンベルク21の検索結果
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オデュッセイア
トロイアの陥落後、帰路についたオデュッセウスは単眼巨人ポリュペモスの島に着く。仲間を食われたオデュッセウスはポリュペモスの目をえぐって脱出するが、ポリュペモスの父親、海神ポセイドンの怒りをかい、以後故郷へたどりつくまで10年間の長い放浪苦難をよぎなくされる。女神カリュプソによる7年の幽閉、人を豚に変える魔女キルケ、美しい歌声で誘惑するセイレネス、恐ろしい怪物スキュレとカリュプデスらとの遭遇と闘い、そしてようやくたどり着いた故郷イタケでは、妻ペネロペイアに言い寄り、その家を我が物顔に占拠利用するやくざな求婚者どもと闘わなければならなかった。 だが、オデュッセウスは単純な勇士、不撓の航海者にとどまらない。策士であり、高貴であると同時に残酷・貪欲な人物でもある。「オデュッセイア」はそうした意味でも「最初の小説」「最初のすぐれた冒険小説」の名にはじない。 -
チムニーズ館の秘密
本書は本格探偵もので知られるクリスティにしては珍しい、毛色の変った異色作品だ。バルカン地方の架空の一小国ヘルツォスロヴァキアを背景に、霧深きロンドン、靜かな湖のほとりにあるチムニーズ館を舞台に物語は展開する。ヘルツォスロヴァキアの王位継承問題にからんで、同国で発掘された石油の利権を得んものと互いに国王候補を押し立てる英米両国代表、チムニーズ館に隱された名宝ダイア「コイヌール」を狙う怪盗ヴィクター王、ヘルツォスロヴァキア国の王政復古を阻止せんとする革命派赤手組、王位継承問題に大きな支障ともなる元ヘルツォスロヴァキア国総理スティルプティッチ伯爵の手記を手に、南アフリカより単身渡英したアンソニー・ケイド…これらの人物が入りみだれる中に、突如チムニーズ館に突発した殺人! -
即興詩人
童話作家として有名なアンデルセンの手になる、抒情あふれる長編小説。ローマの片隅の貧しい家に生まれたアントニオは、即興で詩をつくってみせる即興詩人になることを夢見る。そんな彼の才能をかってくれる名家出の嬉しい友人もできたが。……ローマの謝肉祭、復活祭のなかで起こる歌姫アヌンツィアータをめぐる思いもかけない事件がアントニオを巻き込む。ローマを逃れてナポリへ、ポンペイへ、ヴェズヴィオ火山へ、ペストゥムの神殿では不思議な盲目の少女と出会う。再びローマを通ってはるか彼方のヴェネツィアへ。そして運命の糸は再び「歌姫」との出会いをもたらす。詳しいイタリア旅行案内としても楽しめる一冊。 -
往年のSF短編傑作
SFのアンソロジーは各種あるが、本アンソロジーで「往年の」とうたっているのは一般にSFの黄金時代といわれる一九三〇年代後半から五〇年代末くらいを指している。ハミルトン、ヴォークト、アシモフ、ハインライン、ラインスターに始まり、ブラッドベリ、スタージョン、シマック、アーサー・C・クラーク、ベスター、マシスン、アンダースン、ディックという流れである。六〇年代初めにはいわゆるニューウェーブ時代が始まる。本巻収録作は、「フェッセンデンの宇宙(ハミルトン)」「犬の散歩も引受けます(ハインライン)」「死都(ラインスター)」「遥かなるケンタウルス(ヴォークト)」「AL七六号失踪す(アシモフ)」「時を超えて(ハインライン)」「太陽系最後の日(アーサー・C・クラーク)」「闘技場(フレドリック・ブラウン)」ほか12編である。 -
レ・ミゼラブル
1815年10月、ディーニュのミリエル司教の司教館を、46歳の男ジャン・ヴァルジャンが訪れる。1斤のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。司教は温かく迎え入れる。だが、その夜、司教が大切にしていた銀食器を男は盗んでしまう。翌朝、男を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えた」と言い、残りの銀の燭台も差し出す。男の魂は司教の信念に打ち砕かれる。4年後、男はモントルイユ=シュル=メールで別名を名乗り、工場を営んで成功し、市長になっていた。その工場では、ファンティーヌという女性が働いていた。彼女は、3歳になる娘コゼットをモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預けていた。彼女は父無し子がいることを知られ、解雇された。その後、貧困のため前歯までも売ったファンティーヌは、あるきっかけでジャンに救われる。彼は、コゼットを連れて帰ることを母親に約束する。テナルディエ夫妻は「養育費」と称して母親から金をせびり、大きな借金となっていた。だが、コゼットを迎えに行こうとした矢先、ジャンは、自分と間違えられて逮捕された男のことを警官ジャヴェールから聞かされる。彼はその男を救うことを優先、裁判所で自分の正体を明かす。ジャンはファンティーヌの病室でジャヴェールに逮捕され、ファンティーヌはショックで死んでしまう。 -
オデュッセウス物語
古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』は、トロイア戦争後の英雄冒険譚だ。ギリシアの勇将オデュッセウスは一路故郷をめざすが、海神ポセイドンの怒りをこうむったため、簡単にはいかない。オデュッセウスは、10年にもわたって海上を放浪し、行く先々で嵐、難破に遭い、キュクロプス、魔女キルケ、鳥女セイレン、怪物スキュラとカリプディスなどに遭遇し、数々の危難にみまわれる。オデュッセウスはようやく妻ペネロペの待つ故郷イタケに生還するが、なお最後の困難が待ち受けていた。作者エヴスリンは古代ギリシアの一大ページェントともいえる物語を楽しく語ってきかせる。 -
ABC殺人事件
ABCというイニシャルを記したいたずらのような手紙が探偵ポワロのところに届く。だが彼の不吉な予感どおり、アンドーバー(A)でタバコ屋の老婆アリス(A)が殺害される。勝ち誇るかのように第二の手紙はベクスヒル(B)での事件を予告し、カフェの給仕女ベッティ(B)の死体が海岸で見つかる。図に乗った犯人はチャーストン(C)での殺人を予告、ポワロや警察を嘲笑うかのようにカーマイケル卿(C)を殺害する。そして次はドンカスター(D)だ…すべての死体のかたわらにはABC社の時刻表が。無差別殺人を趣味とし、ポワロに特別な恨みをもつ者のしわざなのか? 灰色の頭脳は悩みに悩む。脂の乗りきった時期のクリスティの傑作。 -
トロイア戦争物語
ひとつの金のリンゴをめぐって、ヘラ、アテナ、アプロディテの三女神が自分が欲しいと言い張る。ゼウスは一番美しい者に与えるといい、その審判をトロイアの王子パリスに任せた。パリスはアプロディテを選び、その手助けを得て、スパルタの王妃ヘレネの誘拐に成功する……これが10年にわたるギリシア・トロイア間の戦争の発端だった。アキレウス、アガメムノン、オデュッセウス、パトロクロス、ヘクトルなど数多くの英雄が戦い、倒れるなか、知将オデュッセウスの「木馬の計」でトロイアは陥落する。作者エヴスリンはホメロスの叙事詩『イリアス』の中味を好個の読み物として提供する。 -
エマ
『エマ』というのは、だれもが気軽に手にとってみたくなる題名です。そして事実、ジェーン・オースティンというのは、実に気軽に楽しんでもらえる作家なのです。そのうえ彼女ほど、読者の好き勝手な解釈を許してくれる作品を書いた作家もいません。通俗的な恋愛小説ととってくださってかまいません。または、18世紀後半、あるいは19世紀前半の風俗習慣が生き生きと、手に取るように伝わってくる作品と解釈することもできます……要は、多種多様の要素を含みながら、けっして押しつけがましいところがなく、ひたすら読者を楽しませてくれる。それが彼女の作品の素晴らしさなのです。(訳者の言葉より) -
ザ・ビッグ4
南米アルゼンチンの自分の農場から久しぶりにロンドンへ戻ってきたヘイスティングスは、なにはともあれ、まず旧友ポワロを訪問した。ところがなんと、ポワロはアメリカの石鹸王の依頼を受けて、ブラジルのリオへと旅立つところだった! そのときである。一人の憔悴した男が窓から寝室へとはいったのであろうか、ポワロの前にあらわれた。男は失語症にでもなったように「ファラウェイ街十四番地、エルキュール・ポワロ氏」としか言わない。だが医師のすすめで紙と鉛筆を渡すと、男は「4」という数字を12回も書きなぐった……国際犯罪組織を相手のアクションとサスペンス、ポワロの魅力全開の痛快編。 -
七つの時計
クリスティが売り出した頃の傑作のひとつで、チムニーズ館が、背景として使われている。鋼鉄王サー・オズワルド・クート氏によってチムニーズ館にまねかれた4人の青年達のうち、外務省官吏ジェラルド・ウェイドが、睡眠剤を飲んで死んでいた。その部屋のマントルピース上には、七つの目覚まし時計が並び、時を刻んでいた。八つの時計をベッドの下に置いた、いたずらだったはずなのに…。チムニーズ館の持ち主ケイタラム卿の娘バンドルは謎の解明に乗り出すが、またも次の犠牲者が…セヴン・ダイアルズ・クラブとは、この事件にいったいどういう関わりをもつのか。スコットランド・ヤードのバトル警視、親友の死に心を傷めるビル・エヴァズレー、ビルの友人テシジャなどの活躍のなかで、謎は謎をよび、混迷を深めてゆく。 -
カタロニア讃歌
1936年、スペインに成立した左翼系共和政府に対して、右翼勢力はフランコを指導者に反乱を企てた。独・伊のファシズム勢力はこの反乱をバックアップしたが、英・仏は不干渉政策をとった。これがスペイン内乱である。共和政府を支持したのはソ連と、各国から自発的に参加した義勇軍であった。当初記事を書くためスペインを訪れたオーウェルはこの義勇軍に一員として加わり、実際の戦場へ。彼がそこで見たものは……20世紀を代表するルポルタージュの記念碑的作品! -
われら
今から約1000年後、勝利した都市国家の「単一国」は、野蛮で無秩序な人間社会に訣別し、「緑の壁」にかこまれた理想社会を築いていた。そこには「私」はなく、あるのは「われら」だけであった。「住人」は、ガラス・シルクの制服を着、数字と文字を組み合せた国民番号で区別されている。生活の隅々までが「時間律法」に規制され、むろん性にも自由はなく、性生活は性規制局が決める相手と予定表にしたがって行なわれる。単一国は、目下建造中の宇宙船「積分号」によって、他の惑星へ「幸福」をもたらすために出かけようとしている。本書はその宇宙船の製作担当官D五〇三号の詳細な「手記」として記録されている。DはI三三〇号という女性との禁断の「恋」に悩まされ、最後には…。1920年代初頭にロシアで書かれたディストピア小説の先駆的名著。 -
アイヴァンホー
中世イギリスのサクソン人とノルマン人の対立を背景に描かれた恋と冒険の騎士道絵巻。サクソンの郷士セドリックの子アイヴァンホーは、サクソン王アルフレッドの後裔であるロウィーナ姫に恋して父の意向に反し、勘当される。彼はノルマン人リチャード獅子心王の臣として十字軍に加わるが、リチャード王の弟ジョンは、兄王の外征中に王位をねらう。アイヴァンホーとリチャード王はひそかに帰国して、王位を守る。義賊ロビンフッドも力を貸した。ジョンと金融上のつながりを持つユダヤ人アイザック、およびその娘レベカも登場、レベカは負傷したアイヴァンホーを看護し、恋におちる。だが、最後にはセドリックの勘当も解け、アイヴァンホーはロウィーナ姫と結婚する。 -
アエネイス
古代ローマの建国神話叙事詩。「アエネイス」は「アエネアスの歌」の意で、ラテン文学の最高傑作。トロイアの王子で女神ウェヌスの息子であるアエネアスは、トロイア陥落後、海上へと逃れカルタゴに着く。アエネアスは女王ディドに歓迎され、二人は相愛の仲となるが、天命には逆らえず、アエネアスはイタリアめざして出発する。ディドは別離に耐え切れず火炎に身を投じて自死する。ラティウムに上陸したアエネアスは、現地の王とルトゥリ族長トゥルヌスとの連合軍による執拗な抵抗に直面するが、長い戦いののち、ついにトゥルヌスを倒してローマの礎を築く。この作品の執筆に作者は11年を費やしたが、未完に終わった。彼は死の前に草稿の焼却を望んだが、アウグストゥスが刊行を命じたため世に出ることになった。この作品は単に神話的英雄を謳うにとどまらず、当時内乱を終結させたローマの実力者アウグストゥスの治世をアエネアスに仮託し、賛美する構造をもっている。原文は韻文であるが、この翻訳は親しみやすい散文訳である。 -
青い鳥
貧しいきこりの子の兄妹チルチルとミチルはクリスマス・イブの夜、仙女の訪問を受け、その言い付けで「青い鳥」を探しに出かける。「思い出の国」「夜の宮殿」「未来の王国」などを探しまわるが、どこにも「青い鳥」は見つからない。ようやく自分たちの家に帰ってきたとき、すべては夢だったことがわかる。そして「青い鳥」(幸福)は家で飼っていたキジバトだったことを知る…メーテルリンクの代表的な夢幻劇。 -
赤後家の殺人
マントリング邸にある《後家部屋》は、ひとりで過ごすと毒で死ぬとの伝説があり、開かずの間になっていた。そこをマントリング卿が60年ぶりに開けて実験することに。入るのはトランプによる抽籤でスペードのAを引いたベンダーだった。彼は夜の10時から2時間の約束で1人で入り、15分ごとに返事をする。ところが、ちゃんと返事をしていたのに、12時になっても出てこない。皆が部屋に入ってみると、どうも1時間前には毒で亡くなっていたらしい! 謎は解けぬまま、新たな犠牲者が――。作者が好きな「密室殺人劇」だが、毒の罠や処刑人サンソンの話など歴史的蘊蓄の披露もあり、時間的にも空間的にもスケールが広がってゆく展開と怪奇趣味を楽しめる。乱歩の好みの作品だった。 -
あら皮
神秘な護符「あら皮」を所有する者はほとんど無制限な力を持ち、あらゆる欲望をとげることができる。その代り、欲望がとげられるたび、少しずつ生命はけずられて行くのである。これを手に入れたラファエルは十九世紀初頭の若者であり、権力を、快楽を、金を渇望した。そのための手段は護符を手に入れるということ以外になかった。自殺するほかないほどまでせっぱつまっていたラファエルは、悪魔に魂を売ったのだ。「これは最新式の秀作であり、その特長は、驚くべきことを手段として、最も奇妙な人間情意や事件などを徹底的に使用しつくしているところにある。そしてそれらの個々については、じつに高き評価が下されるであろう」とゲーテは書いた。 -
アラビアンナイトの殺人
ある夏の夜、ロンドンのウェイド博物館を巡回中の警官が、怪人物を見かけたが、その人物は忽然と消えてしまった。しかも博物館の中には殺人事件が発生していた。それはとんでもない大事件の発端であったが、未解決のままだった。奇書アラビアンナイトの構成にならって、この事件を体験したロンドン警視庁のお歴々三人は、三者三様の観察力と捜査法を駆使して事件を物語る。そして、その話の聞き手はギデオン・フェル博士である。ユーモアと怪奇を一体にしたカーの独特な持ち味が、アラベスク模様のようにけんらんと展開する代表的巨編。フェル博士がみごとな安楽椅子探偵ぶりを発揮する異色作。 -
ある詩人への挽歌
舞台は寒風吹きすさぶスコットランドの人里はなれたエルカニー城。そこの当主で異常な吝嗇家ラナルド・ガスリーが、クリスマスの朝に胸壁から墜死しているのが発見される。ガスリーはかなり前から死に瀕した詩人ウィリアム・ダンバーの「詩人への挽歌」を憑かれたように口ずさんでいるところを目撃され、近くの村ではもっぱら気がふれたという噂が流れていた……全体を圧倒するゴシック・ロマンの雰囲気のなかに展開する謎につぐ謎、そしてどんでん返し。いち早く江戸川乱歩が第一級の名作として紹介しながら、翻訳されなかった古典ミステリ期の代表作。最初の一章は少し堅苦しいが、その後、テンポは軽快になり、クライマックスまで一挙に読ませる。 -
アンクル・アブナーの叡智
アンクル・アブナーはエドガー・アラン・ポーの生んだオーギュスト・デュパンに続いてアメリカが送り出した名探偵だ。彼が登場する作品は1911年から「サタデー・イブニング・ポスト」などに発表された。本書には、代表作「ドゥームドーフ殺人事件」「ナボテの葡萄園」のほか、18編を収めた。前者は古典的かつ独創的な密室トリックで知られ、後者は見事な最後の裁判のシーンがすべての作品の集大成となっている。当時の巡回裁判法廷の情景と民主主義確立途上のアメリカ人気質を生々と描き、正義を信じるアンクル・アブナーの面目躍如! 牧歌的な牧草地帯も好ましい背景になっている。 -
アンクル・トムのキャビン
トムはケンタキーの温厚な農場主に雇われていた忠実な黒人奴隷だったが、事業に失敗した主人によって、小間使いイライザの息子ハリーとともに奴隷商人に売り渡される。トムの苦難はここから始まる。トムは ニュー・オーリアンズの富豪セント・クレアの一人娘エヴァが河に落ちたのを救った縁で、同家に買い取られる。だが、比較的落ち着いた暮らしも、エヴァの死、つづく主人の急死によって一転する。トムは飲んだくれで残忍なミシシッピの農場主 レグリーに買い取られていく。その果てに待っていたものは……19世紀アメリカが生んだ代表的な社会小説であり、黒人奴隷のさまざまな姿を鮮烈に描いた秀作として呼び声たかい長編小説。
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