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  • 緑の底の底
    3.0
    ぼくは日系三世で、カラカス大学の学生。ベネズエラとコロンビアの国境地帯にある町プエルトアヤクチョで、叔父を待っていた。叔父は文化人類学者で、オリノコ河源流の奥地に住むという白いインディオの調査にN.Y.からやってきたのだ。彼らの聖域を侵した者は、皆殺しにあうという。白いインディオとは、大航海時代のドイツ人奴隷の末裔なのか? オリノコ河を遡るカヌーの旅は、惨劇の始まりだった。

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  • 夜光虫
    3.0
    両国の夜空に咲く花火に脱走囚の姿が浮かび上がった。それは目を奪う美貌と、目を背ける人面瘡を持つ少年。いにしえに遡る、少年の血塗られた秘密とは? 『蝶々殺人事件』等に登場する名探偵・由利麟太郎と花形記者の三津木俊助コンビが奇怪な事件に挑む! 仮面舞踏会、サーカス団、幽霊塔……絢爛たる名場面と共に甦る巨匠、戦前の代表作! 【解説】細谷正充

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  • 門司・下関 逃亡海峡
    3.0
    韓国人留学生との浮気を知られた大学講師・篠塚。妻は無理心中を図ろうと部屋に火を放ち焼死。睡眠薬が検出されたことから警視庁捜査一課の十津川警部は篠塚に疑いの目を向ける。葬儀の途中で姿を消し愛人と逃亡を図った篠塚を追う十津川。だが篠塚は警察の追跡を巧みにかわす。韓国への逃亡を阻止しようと必死に追う十津川だが……。
  • 北の黄金
    3.0
    時は寛文。松前藩福山城下は小さいながら賑わいをみせていた。だがその陰では、魔の山に眠る金山を巡り、幕府の隠密が暗躍していた。一方、藩政に不満を抱くアイヌの長・シャクシャインも不穏な動きを見せる。重なる危機に松前藩の秘策は──

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  • 非合法員〈新装版〉
    3.0
    1巻605円 (税込)
    神代恒彦はCIAの非合法員(イリーガル)だ。メキシコ保安局(MIM)の依頼で、ユカタン半島に潜む反体制派の抹殺を受け負った。任務終了後、相棒のベトナム人グエンが謎の言葉を残して報酬を持ち逃げした。グエンを追ってメキシコからカリフォルニアへ。背後には神代を狙う正体不明の男たち。国際政治の裏で暗躍する組織と非業の死。冒険小説の幕開けとなった傑作。

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  • 白亜館事件
    3.0
    石神探偵事務所を訪れた初老の男性。柊遼、大企業・柊興業の代表だ。依頼内容は二十年前に自殺した兄・凱の死の真相調査。野上と俊介は、化石研究家だった凱が発見した肉食竜が展示されている白亜館を訪れた。そこで一族を襲った惨劇とは!?

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  • 動脈列島
    3.0
    1巻660円 (税込)
    走行中の新幹線を転覆させる―大阪発東京行の〈ひかり424号〉のトイレから、時限爆弾と脅迫状が発見された。震撼する国鉄と政府。計画を冷徹に進めてゆく犯人。息詰まるサスペンスで日本推理作家協会賞にかがやいた不朽の傑作長篇。

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  • 致死連盟
    3.0
    1巻550円 (税込)
    不況のさなか、ようやく警備会社に再就職できた中年男四人が命じられた、老人と可憐な少女のガード。一見楽な仕事のはずが、なんと刺客が次々襲ってきた! しだいに明らかになる少女の両親殺しと、暴力団を私兵に悪徳市長が牛耳る街の関係。人生の下りエスカレーターに乗っていた中年世代が、ふたたび闘いに立つときが来た! 痛快再生長篇。

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  • 男鹿・角館 殺しのスパン
    3.0
    焼き鳥店の二階で、鬼の面をつけ、なまはげの扮装をした死体が発見された! 店主の野田かと思われたが、別人と判明。十津川と亀井は野田の出身地・男鹿へ飛ぶが、第二の殺人が起き、死体にはまたしても鬼の面が……。犯人の意図は!?

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  • 蒼き海の伝説〈新装版〉
    3.0
    1巻825円 (税込)
    足摺岬で若い女性の腐乱死体が発見された。東京ではタクシー運転手の妻が四歳の息子を道連れに無理心中を遂げた。子宮手術の医療ミスを訴えている最中の出来事だ。交通事故を起こした夫も、同じ執刀医によって右腕を切断される。そして今度はその医師が謎の墜落死。一見脈絡のない事件が、恐るべき陰謀のもとに繋がっていたのだ。長篇ミステリー。

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  • 狙われた男 秋葉京介探偵事務所
    3.0
    秋葉京介の探偵事務所には看板がない。素行調査などの退屈な依頼は引き受けない主義だからだ。その代わり、どんなに危険な仕事でもきちんと解決する。そんな評判を聞いた依頼者が事務所を訪れるのだ――。悪どい商売で財をなした川島大三郎が、一か月以内に全財産を慈善事業に寄付しなければ殺す、という脅迫をうけている。川島に恨みを抱く三人の男に会うが……。表題作他、秋葉の探偵稼業、全五話。

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  • 蛇 ジャー 上
    3.0
    「いなくなってくれればいいのに」。兄の結婚、赤ん坊の誕生に戸惑う加々見舞子は思った。ところが、赤ん坊が病院からさらわれ、事態は一変。琵琶湖で発見された正体不明の生物の死骸の謎が絡み合い、赤ん坊を取り戻すための大冒険が始まる。

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  • 死刑台のロープウェイ
    3.0
    1巻440円 (税込)
    箱根ロープウェイの搬器内で、室伏ナオミの刺殺体が発見された。ナオミは、一年前何者かに殺害された東行金属の前社長・室伏陽造の未亡人だった。彼女と二人で箱根のホテルに泊まっていたことから、同社の資材部次長・不二木達生に嫌疑が向けられる。アリバイのない夫の無実を証明しようとする妻・律子の苦悩…。鮮やかなラストシーンに息を呑む表題作等名品五篇。

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  • 山名耕作の不思議な生活
    3.0
    なぜ彼はあんな妙な所に住まうのか。新聞記者の秘密とは?(表題作)。夫がいつの間にか双子の弟と入れ替わっている! 妄想に囚われた夫人の恐怖(双生児)……横溝正史は短篇の名手でもあった。当初、江戸川乱歩名で発表された作品を含む傑作集!

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  • 殺意の時刻表
    3.0
    1巻495円 (税込)
    県職員の三島は、知人の木下から宝石投資の詐欺にあい、莫大な損失を受けた。一方、浪人中の息子が自殺未遂と、不幸が連続して三島家を見舞う。そんな中、木下と繋がる金融業者とその愛人、そして木下へと殺害の手が伸びる。会心の本格推理。

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  • 佐渡・密室島の殺人
    3.0
    流行作家・春木を訪ね、佐渡へ渡った文芸編集者・笹谷美緒。春木は女優・矢野礼子の昔の恋人。礼子と現在の恋人・塩沢、その妻との話し合いに立ち会うことになっていた。だがその晩、礼子は現れず、翌朝死体で発見された!

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  • 古惑仔
    3.0
    1巻440円 (税込)
    歌舞伎町。流氓。抗争。この街には欲望と理不尽が渦巻いている。這い上がりたい。焦燥。欲望が絶望に変わるとき、噴出する忿怒。炸裂する暴力。猥雑な街に生きる多国籍の若者。その孤独と、愛と憎しみ、死にゆくもの達の光芒。鮮烈なノワールを6編収録。

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  • 血と夢 増補新版
    3.0
    ソ連侵攻後のアフガニスタンに元自衛隊陸幕一尉の壱岐一平が、ジャーナリストとして潜入した。彼はアメリカ国防情報局(DIA)の非合法員(イリーガル)として、ソ連が開発、実戦で試射中という薬莢不要の高性能自動小銃を奪い、その発明者ワシリー・ボルコフを拉致するという密命を帯びていた。ムジャヒディンとともにスレイマン山脈の尾根を越え、向かった政府軍基地には…。

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  • 勧奨退職
    3.0
    1巻440円 (税込)
    このまま置いておくと、周りの人にも迷惑で害になる――音響機器のトップメーカー、フロンティアの営業本部長付の相沢は、冷酷な勧奨退職を言い渡された。バブル崩壊で業績悪化にあわてた社長と副社長がとった合理化策だった。相沢は、切り捨てられる三十五人の名前をつかみ、団結して闘うことを決意、マスコミも利用して行動を開始した。が、退職期限の日、相沢は人事部長に呼び出され……。傑作経済小説集。

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  • 闇斬り稼業 蕩悦
    3.0
    1巻440円 (税込)
    女ざかりの大奥老女・浅丘は、参詣の帰り、いつものように陰間(男娼)買いにいそしんでいた。その日の相手は、父親の薬代欲しさに買われた十六歳の美貌の若者。あまりの羞恥に堪えられず抵抗する少年の脇腹を、浅丘は……。

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  • まろほし銀次捕物帳
    3.0
    岡っ引きにして、一角流十手術に伝わる特殊な小武器“まろほし”の遣い手・銀次は今、咲きほこる紅梅と見紛う痣が花叢のように肌に浮く娘の死骸を目の前にしていた―。先頃から追っている別の事件と同じ筋と直感した銀次は、急ぎ下手人を挙げようと奔走するが、ほとんど手掛かりが得られぬまま、料理屋へ通いで勤めている器量良しの十七、八の町娘たちが次々と失踪してしまう…。シリーズ第一弾。

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  • 半魔
    3.0
    1巻770円 (税込)
    あたしはどうして普通じゃないの? 秘密を抱えた同い年の女子高生・陽子と理砂と寛美。孤独な心が出会ったのは偶然だったろうか。陽子の十七歳の誕生日、〈あなたには魔の血が入っている〉不気味な言葉を遺して母が焼死。次いで高校生の連続自殺が始まった。あたしたちの誕生日は呪われている~ まもなく理砂と寛美のその日が迫っていた!

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  • ハインド・ゲーム 北朝鮮潜入
    3.0
    十二・七ミリ銃弾が曳光弾の帯となって操縦席付近に吸い込まれていく。一瞬、赤い霧が噴出したように見えた――。キャッシュで十万ドル。破格な報酬を条件に引き受けた仕事は、ロシアの攻撃ヘリ・ハインドを駆って北朝鮮に潜入し、ある人物を連れて戻ることだった。元陸上自衛隊のエリート・ヘリパイロットが遭遇する、ハインドvs.ミグ-21、ハインドvs.ハインドの壮絶バトル!

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  • 捜査班 完黙
    3.0
    1巻495円 (税込)
    九辻署強行犯係に配属された新人の小田桐は、〈八の辻児童公園殺人事件〉の捜査に当たることとなった。民間から転職してきた暮林警部と聞き込みを終えた翌日、新たな相方に指名された叩き上げの女警部補歌川の監視を、キャリアの高城警部補に頼まれた小田桐。一向に進展せぬ事件の捜査に加え、仲間同士の駆け引き、少しも感情を露わにしない辻浦巡査部長とのやり取りに気が鬱ぎ…。

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  • 捜査班 因果
    3.0
    1巻495円 (税込)
    甥が誘拐された。要求額は八千万――県知事財部の脳裏に悪夢が甦った。時効を迎えてしまった、愛息子が殺害された事件……不正な手段をも使い、ようやく身代金を掻き集めたものの、受渡しの連絡があった直後に、財部の不審な挙動を掴んだ県警本部の磯貝理事官が現れた。すぐさま招集された九辻署の面々。妙な手順を要求してきた誘拐犯に、犯人と同化する独自の捜査法を用いる辻浦は─

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  • 警視庁死番係 虚ろなる冤罪
    3.0
    1巻550円 (税込)
    風俗嬢を襲い、現行犯逮捕された小山内が、四ヶ月前に妊娠中の緋富を刺殺、現場から逃走したと自供した。この殺人事件は、旭警部率いる「死番係」が別居中だった内縁の夫である藤野を拘束、辰野と辻平が取り調べており、すでに起訴済みだった。しかも、藤野は先日行われた初公判で無罪を主張。脅迫的な言動や、暴力的な扱いを受けて、自白を強要されたとし、告発の準備もしているという。

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  • キッカー 航空投下員
    3.0
    1巻440円 (税込)
    終戦直後の混乱した中国。日本人少年・龍太は、民間輸送会社エンジェル・エアにキッカー(航空投下員)として採用された。物騒な地域に飛んで行き、貨物室から豚を積んだ檻やら得体の知れない麻袋などを蹴落とすのが仕事だ。ある日、エンジントラブルで不時着し共産党ゲリラに捕まった龍太らは、日本軍の隠し財宝が絡んだ激闘に巻き込まれる。片肺DC3で懸命の脱出を試みる、彼らの決死行の行方は?

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  • 贈る証言 弁護士・朝吹里矢子
    3.0
    1巻550円 (税込)
    一人暮らしの六十二歳の画家が殺され、第一発見者で家政婦をしていた生野美帆が容疑者に。美帆は画家から再三プロポーズされながら、断り続けていたという。そしてその時刻、自宅で子供の面倒をみていたと主張するが、アリバイを証明する人物はいなかったのだ……。深い感銘を呼ぶ表題作他、弁護士・朝吹里矢子の活躍を描く、代表的シリーズ!

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  • Dロック
    3.0
    D-loc! すべての計器が一瞬にして消えた! VIPばかり三百人を乗せた最新鋭機B747-550に緊急トラブル発生。FADEC(全自動デジタル電子制御)IIエンジンはコントロールを失い、一縷の望みはすべての計器をシャットダウンし、エンジンをリスタートさせる以外にない。しかし高度四万フィート、五百ノットのスピードで、果たしてそれが可能なのか? 航空機サスペンスの第一人者が放つ、超緊迫アクション!

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  • 霧に溶ける(電子復刻版)
    3.0
    ミス・コンテストの最終予選に残った5人の美女が、旬日に迫った発表日を前にして、脅迫・交通事故・怪死と次々と謎の事件に巻き込まれてゆく。時を移さず警視庁特捜班の執拗な追求が開始されるが、彼らの行く手には、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室などが複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかるのだった……。果して、その解答はあるのだろうか? 著者の代表的本格推理小説!

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  • 風雲真田軍記(上)(電子復刻版)
    3.0
    方広寺鐘銘事件で豊臣方が窮地に陥った頃、紀州九度山に蟄居中の真田幸村のもとに、大坂入城を要請する密使が遣わされた。幸村麾下忍者・羽尾又四郎は徳川方忍者を捕え、すでに大坂城内にまで間者潜入の事実を掴んだ。盟友・猿飛佐助と大阪へ急行秀頼毒殺をからくも防いだが、すでに大坂城中に慧眼の士なく、幸村らの献策はことごとく淀君の斥けるところとなった……。悲劇の鬼将を描く長篇歴史ロマン。

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  • 忍者猿飛佐助(上)(電子復刻版)
    3.0
    甲賀の忍者・猿飛佐助は、主人・真田幸村を敬愛していた。その幸村は、豊臣秀頼の要請に応じ関東方との合戦に備える大阪城に入った。しかし盟主秀頼はいまだ若年、大阪方の人心も腐敗しきっていた。城内は関東方の放った間者が跳梁し、幸村が狙撃され、秀頼も毒殺されんとした。佐助の働きで辛うじてこれを防ぎ、野戦を主張する幸村が城外に出丸を急造し終えるころ、冬の陣が始まった。長編歴史ロマン。

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  • 南国武道(電子復刻版)
    3.0
    関ケ原の合戦に勝利した徳川家康は、土佐・長曾我部盛親を大阪に監禁、井伊・山内両軍を送り長曾我部家の断絶を謀った。徹底抗戦せよ――盛親の密命を受けた竹内掃部は、美貌の誉れ高い美佐姫と供に大阪を脱出、土佐・浦戸城を目ざした。美佐姫の懐中には莫大な軍用金の在り処を認めた密書が隠されていた――。戦乱の世に生きる青年の剛毅な侍魂と、姫への思慕の哀切を描く長篇歴史ロマン。

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  • 静かなる刑事(電子復刻版)
    3.0
    杉並に五百坪の土地と家を持ち、中野でマンションを経営する未亡人が自宅で首を吊った。主治医によると鉄欠乏症貧血を苦に「死んだほうがいい」とまで言っていたという。自殺か他殺か?そこで登場するのが酒歴二十年、毎晩ボトルを空ける十和田定雄巡査部長。肝硬変寸前の真っ赤な自分の両掌をヒントに難問を描く(「肝臓の不安」)。ユニークな刑事たちがその特技を生かして事件に挑む傑作警察ノベル短篇集。

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  • 真珠湾攻撃隊総隊長 渕田美津雄の戦争と平和(電子復刻版)
    3.0
    昭和十六年九月、渕田美津雄は第一航空艦隊全飛行機隊の総指揮をとるよう命じられた。彼に与えられた密命は、来るべき真珠湾攻撃の際の空中部隊総指揮官という大役であった――。かつて教育勅語の「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」の一節に感銘した少年が、戦後は聖書の「父よ彼らを赦したまえ、そのなすところを知らざればなり」の言葉に覚醒し、伝道師として再出発する。(『渕田美津雄中佐の生涯』改題)

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  • 鋼鉄海峡(電子復刻版)
    3.0
    鎌倉市大船駅前にダイビング用具店を営む諏訪元春は四十路を迎えたが、二十年前に失踪した元潜水艦長の父蔵人のことが、今にも胸底にわだかまっていた。ある日、当時父が米国人に宛てた、“船が準備されたので、要員を揃えて渡米する”旨の手紙がLAからもたらされた。諏訪は探索を始めたが、宛先の人物は失踪中で、その娘は残された古い戦艦の写真が手掛かりになるはずだと言う。長篇海洋アドベンチャー。

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  • 紅屋お乱捕物秘帖 心中くずし(電子復刻版)
    3.0
    理由ありの男と女の難事件にめっぽう強いのが、お乱姐さん。露草寺に住みつく住職、虚無僧と、若い二人の妹分とともに、岡っ引の鎌吉親分を助けての大活躍。不審な夫婦心中や、マムシを使った“責め”の末の妾殺し(?)などが、彼女たちの周りに次々と起こり――。お乱は、艶然とした美貌と持ち前の推理力で、事件にかかわる人々の嘘を見抜き、色と金でもつれにもつれた男女の謎を痛快に解き明かしていく。

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  • 紅屋お乱捕物秘帖(電子復刻版)
    3.0
    浅草黒船町の小間物屋「紅屋」の女あるじお乱は、美人でお侠で艶っぽく、皆が振り返るほどの女っぷり。そんな美女が大の捕物好きときた。今日も馴染みの破れ寺に通っては、そこに住みつく、いわくありげな生臭坊主や虚無僧と、事件の推理に花を咲かす。寺に来てはなにかと憎まれ口をきく岡っ引の鎌吉親分も、彼女たちのおかげで大手柄の連続。お乱たちのからだをはった探索で、次々と事件のからくりが明らかに。

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  • 極楽迄ハ何哩(電子復刻版)
    3.0
    「僕、プレゼントに花束贈ります。花束が一番いいと思っているんです。必要品じゃないし、豪華だし、なくなっちゃくから」――畜生道から出発して、いざ六道輪廻の旅へ。桃尻娘に鞍馬天狗、沢田研二にヴォネガットと、各界ごった煮の老若男女の釜ゆで大会。偉才・橋本治が、どんな類い希な美しい論理(ことば)の花束を贈るのやら……オバサン化した男、死にぞこないのメジャーは読むべからず!?

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  • 逆襲! リストラ軍団(電子復刻版)
    3.0
    平成十一年八月、厚生省の発表では、日本人の男性平均寿命が前年を下回り、77.16歳になった。中高年の自殺激増が平均寿命を押し下げている一因という。高給与、高学歴で一種の花形だった百貨店業界も世のリストラの波をもろに蒙りかねない体質がある。七十歳を過ぎた松崎秀樹にとって、それは他人事ではなかった。自分が骨を埋めた百貨店業界、それは人事の修羅場だったのだ……。書下し企業小説。

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  • タクシードライバーの推理日誌 生存する幽霊(電子復刻版)
    3.0
    元警視庁捜査一課の刑事で孫悟空タクシーの運転手・夜明日出夫は、世田谷で冬坂圭一郎・安紀子という老大婦を乗せ、群馬の温泉へ向かった。長道中、孫娘の車BMWが「バカ、ブタマン」と傷を付けられたことで不安に陥っていることなどを聞く。翌日、その孫娘志くらが奥多摩で絞殺されたことを知った夜明は、捜査一課のかつての後輩・東馬秀作と真相究明に乗り出すが――。会心の傑作長篇推理。

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  • ゼロの誘拐(電子復刻版)
    3.0
    教育ブームにのって急成長した進学塾の女子生徒が帰宅途中に惨殺された。その直後、塾経営者・木暮彰の自宅にはそのあくどい経営と管理体制を難詰する電話がかかった。数日後、木暮の娘・由香が誘拐され犯人は身代金三千万円を要求してきた。万全な警備態勢の中、身代金受け渡しに臨む警察。一方、身代金の他にもう一つの要求をつきつけられた木暮は、独自に犯人を追った……。長篇本格推理。

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  • セブン殺人事件(電子復刻版)
    3.0
    新宿淀橋署の宮本部長刑事と本庁の佐々木警部補は、剣豪武蔵と小次郎になぞらえられるほどのライバル同士。一方が老練さが売り物なら、片方は論理の冴えが身上。この異色のコンビが、新興成金・二本柳重蔵の秘書が殺された事件を皮切りに、七つの難事件に挑む。二人の読みは真っ向うから対立し、激しく推理の火花を散らす。「日本刀殺人事件」「日曜日殺人事件」「美容師殺人事件」「結婚式殺人事件」「山百合殺人事件」「用心棒殺人事件」「放火魔殺人事件」の7編を収録。

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  • 50億ドルの遺産(電子復刻版)
    3.0
    インドネシアから独立した人口百万余の島国スマリ。この小島に五十億ドル相当のベトナム戦争の兵器が秘匿されているというのだ! スマリ国元首ジョワンは、この隠匿兵器をタネに島開発のための資金を得たという。一方、海外放浪の途次、スマリに立ち寄った中尾英輔は、偶然に殺人事件を目撃、否応なく国家的陰謀の渦に巻きこまれていった……。気鋭が贈る青春冒険傑作。

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  • スクランブル 決戦! 日本海上空(上)
    2.8
    「これから〈作戦〉の説明をする」。米軍機F22との模擬格闘訓練を終えたばかりの自衛隊のパイロットに向けて語られるアメリカ空軍からの指令。それは「亜細亜のあけぼの」と自称するテロリスト〈牙〉にまつわるものだった。日本をテロの恐怖に陥れ、ベトナム編隊を全滅させ、護衛のアメリカ空軍を手玉にとった因縁の相手〈牙〉との対決の刻、迫る。大好評スクランブルシリーズ最新刊!
  • 自分を愛しすぎた女
    2.8
    わたしは特別。みんなとは違う。何者かになるべき存在。幼い頃から、今井花梨(かりん)はそう思い込んできた。三十二歳になった今は、もう、いくら何でもそんなふうには考えない。考えられない。それでも、「人に注目されたい」「みんなから羨ましがられたい」という強迫的な願望から、どうしても逃れられずにいる……。そんな花梨が陥った罠は、あまりにもエロティックな匂いに満ち満ちていた。
  • 襲撃
    2.8
    空手選手としての生命を断たれ、杖をつき、整体院を経営する私は、深夜突然何者かに襲われた。患者のひとり劉昌輝に紹介された空手選手・星野を施術した帰りだった。翌日、警視庁捜査一課の部長刑事・赤城がやって来た。劉の手下が殺害されたという。劉は横浜に本拠地を持つ中華レストランのオーナーだが、裏社会の大物でもある。前夜の襲撃と関係があるのか?見えない敵に向かう男の孤独な闘い。
  • 平社員Sの昇天営業
    2.7
    「そこに入りましょう」メガネ美女の部長が指差した先は、喫茶店ではなくラブホテルだった! ──バイトで食いつなぐ就職浪人・菅田がようやく入社できたのは武道具メーカー。運動神経ゼロの軟弱男に、なぜか取引先の女子大武道部主将たちまでウッフ~ン。実は、彼にはとんでもないものが憑(つ)いていたのだ。仕事も女も乗りこなせ。平社員菅田、今日も励みます! サラリーマン官能小説。
  • けものたちの祝宴
    2.7
    大道寺明子は、芸能界を引退した後、美貌を利用して銀座のクラブのママになった。明子のパトロンである製薬会社社長・村上は、秘書の矢崎に彼女の秘密を探るよう命令する。動き始めた矢崎の周囲で次々と起こる殺人事件。そして矢崎にも罠が!

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  • 聖夜に死を <新装版>
    2.5
    一年前の聖夜(クリスマス・イブ)、サンタクロース姿の男が殺害された。元弁護士が出頭、公判が始まる。その法廷にガス弾が撃ちこまれ、被告が拉致された! 捜査中、今度は「クリスマス・イブにサンタクロースが――」と110番にメッセージを残し、男が殺された。

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  • 十津川警部の事件簿
    2.5
    「関根パン」の製品を小売店に配達する営業員の岡田は、得意先の女主人・幸江との情事を楽しんでいた。が、ある日、幸江の店先にライバル社のパンが積まれているのを発見。他の男に乗りかえたことを覚った岡田は、嫌がらせのためにそのパンに下剤を仕込んだのだが、なぜか、それを食べた幸江が毒死してしまったのだ!? 「甘い殺意」等、若き日の十津川警部の活躍を描いた六篇を収録する傑作集。

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  • 十津川警部 北陸を走る
    2.5
    公団住宅で女性の絞殺死体が発見された。被害者は真田よう子、主婦。続いて夫の台東区役所広報課長・真田信一郎も福井・東尋坊で溺死。福井県警は夫が妻を殺して自殺したとの見解を発表したが、警視庁の十津川警部は疑惑を抱く。さらに真田の部下である小柳がひき逃げに遭い死亡。そんな折、捜査本部宛に一通の手紙が届いた。〈真田広報課長も、小柳課長補佐も、殺されたのです〉! 長篇推理。

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  • 十津川警部 愛憎の街 東京
    2.5
    帰宅途中、女性が猫をひき逃げするのを目撃した十津川。翌日テレビに出ていたデザイナー・林田ひろ子が昨夜の女性だと知る。そこへ多摩川で死体発見の報が。被害者は銀座のクラブママ。スポンサーの不動産会社社長が疑われるがアリバイは成立。だが彼の女性関係を調べていくうち、ひろ子の名前が浮上し…(「夜が殺意を運ぶ」)。傑作推理集。【解説】山前譲

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  • 十津川刑事の肖像
    2.5
    この人を見つけて下さい。見つけた方に百万円を差し上げます――顔写真と体の特徴だけでその男を探し出せ、という企画が「週刊ジャパン」に載った。たまたまその記事を読んだ小田雄太郎と松木順子は、二人が同棲するアパート近くのマンションにその男がいたことを思い出し、その男の部屋を訪ねるが、そこで発見したのは、男の刺殺体だった……!? 刑事時代の若き十津川がとりくんだ五つの事件。傑作推理。

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  • 空白の時刻表
    2.5
    千歳空港近くのモーテルで若い女の絞殺死体が発見された。容疑者には、犯行時刻、釧路ゆきの特急〈おおぞら3号〉に乗車していたという鉄壁のアリバイが!? 時刻表トリック、列車乗っ取り……鉄道推理の名作中の名作六篇を収録。

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  • 華やかな殺意
    2.5
    隅田川に浮かんだ少女の扼殺死体。彼女はなぜ殺されなければならなかったのか……。オール讀物推理新人賞受賞作「歪んだ朝」を始め、「南神威島」等、初期の傑作を収録。

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  • 十津川警部 裏切りの街 東京
    2.5
    十津川の妻・直子が尿管結石で緊急入院した。幸い大事には至らず、退屈しのぎに院内を歩き回っていると、立入禁止の札がかかったガラス戸の向こうに「500」と書かれた病室を見つけた。病院の案内図には載っていない。ある夜、部屋の中から唸り声が聞こえ……。「特別室の秘密」他、東京を舞台に活躍する十津川班の刑事たちの活躍を描く傑作推理集。【解説】山前譲

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  • 私は、フジコ
    2.4
    元アイドルの小川ルミに、初めて主役の話が舞い込んだ。高視聴率の再現ドラマ番組で「殺人鬼フジコ」を演じることになったのだ。フジコは十五人も殺害した平成の鬼女として、世間で大きく騒がれた犯罪者だった。大きなチャンスに、ルミは全霊を賭けてフジコを演じようと試みるが……。ベストセラーとなった戦慄のミステリー「殺人鬼フジコの衝動」と、その続編『インタビュー・イン・セル』の間をつなぐ短篇が電子書籍で登場です!

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  • 沈黙の目撃者
    2.0
    世話になった先輩の死体を前にして、塙反は頭をひねる。なぜここに、ビールとビールグラスが置いてあるんだ……。ビールグラス、マグカップ、タンブラー。見慣れぬコップを見つければ、不思議な事件のはじまりはじまり。新感覚の特殊設定ミステリー!
  • 鋼馬章伝[1]ボナベナの騎士
    2.0
    鋼馬―それは体内のダイナモを高速回転させて動く、鉄の獣だ。十七歳の馬丁スークは、年に一度の市で、気高く、美しい鋼馬と出会った。それが、数奇な運命のはじまりだった。念願の愛馬ヴァロを従え、旅に出るスーク。夢、神秘、悪徳、愛、そして友情―。彼の踏み出した世界には、さまざまな冒険が用意されていた。試練を乗り越え、スークは騎士への道を歩んでいく。退廃に満ちたボナベナ神聖帝国を生きる、若き英雄の物語。安彦良和が紡ぐヒロイック・ファンタジー、シリーズ第一弾。

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  • 毒蟲VS.溝鼠
    2.0
    1巻550円 (税込)
    どんなことがあっても関わり合いになりたくない男。大黒にとってそれは褒め言葉だ。記録的な猛暑のなか、黒シャツに黒々とした顎鬚、毒蟲と異名を持つ別れさせ屋だ。恋人の志保が通称・溝鼠の鷹場にたぶらかされたことから、根深い復讐心を抱く。一方、鷹場は、何よりも金に執着し、軽蔑されることなど屁でもない逞しい生命力を持っていた!

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  • 課長補佐殺人事件(電子復刻版)
    2.0
    秋の箱根、県衛生部課長補佐・津田弘文がモーテルで縊死体で発見され、同行の女性が直前に姿を消した。津田の妻は、その日の夕方、夫の宿泊先である日光の旅館に電話したばかりだという。その夫がなぜ箱根で発見されたのか? その頃、県警の泉刑事は厚生省課長補佐・辻村英雄が津田と接触を深めていたことをつきとめていた。新薬許可にからむ汚職事件の中でノンキャリアの悲哀を描く秀作。

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  • 十津川警部 アキバ戦争
    1.5
    「おかえりなさいませ、ご主人様」秋葉原のメイド喫茶を訪れた日本画家・衣川円明は、亡くなった娘・あすかによく似たメイドと出会う。彼女の名前は県明日香。名前まで一緒だ。「故郷の山形に帰る前に、自分をモデルにしてほしい」という明日香の頼みに、日本画の最高峰と称されながら個展を開くことも絵を売ることもほとんどなかった孤高の画家は、娘のかわりに彼女の夢をかなえようと、一流ブランドで服を買い与え、高級ホテルで父娘の生活を楽しんだ。だが翌日「娘の明日香を誘拐した」という電話が。身代金は一億円!十津川警部シリーズ最新刊、書下ろしで登場。

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  • 罠 虜われの美猫たち
    1.0
    1巻495円 (税込)
    「私を、犯して」あかりの声は欲情に掠れていた。大きなストロークで動き始めると、喘ぎ声が部屋中に響き渡る。だが秋光の狙いは別の女だった。地元の名士の娘・鈴奈。俺は、あの女と結婚する。そして彼女の持っているすべてを自分のものにする―。「い、いくうっ!」絶頂を迎えるあかりを見下ろしながら、鈴奈を堕とす計画を考える秋光だが…。

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  • 秘書室(電子復刻版)
    1.0
    「秘書は企業の最高機密を知るゆえに人格も廉恥の心も売らねば務まらない」――愛する広瀬の打明け話に、社長秘書加賀爪佐保子は、暗い気持になった。陰惨な過去を背負う社長、秘書を逆用して暗躍する総会屋、そして卑劣な手段で佐保子に迫る副社長。そんなある日、佐保子の弟通夫が殺され、復讐に駆られた佐保子は、犯人を殺害してしまった。中東支店に逃れた佐保子に意外な真実が……。長篇サスペンス。

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  • おもみいたします 凍空と日だまりと
    NEW
    -
    1巻1,870円 (税込)
    「生きねばなりません。   そのお手伝い、 させていただきます」 切腹を命じられた武士を お梅は療治できるのか? 読むと身も心もやわらぐ時代小説 【あらすじ】 五歳の時に光を失い、 揉み療治を生業としているお梅。 市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが 埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう 療治してほしいという武士が現れた。 お梅でなければ駄目なのだと。 武士から「張りつめた者」の気配を 感じ取ったお梅は、 三日後、主のものとへ向かう! 「人は、どこか緩めないと生きていけない」 【著者からのコメント】 江戸の揉み師、お梅の物語、その二作目です。 お梅は、早とちりもするし、とても弱い部分 もある少女です。でも、人の芯に凛とした気迫 を宿してもいます。盲目だからこそ見え、 感じる世界と共に、お梅の凛々しい生き方を 読んでいただけたら嬉しいです。 ■主な登場人物■ お梅 五歳の時に光を失い、人に揉みを    施すことを生業としている十七歳。 十丸 お梅の用心棒。    人には白い大きな犬に見える。 お筆 豆大福が評判の紅葉屋を出している。    揉み仕事の依頼を受けお梅に取り次ぐ。 お昌 両親を亡くし、祖母のお筆と暮らして    いる。お梅の仕事の段取りを担う。 先生 お梅に揉み師の才を見抜いた者。人には    白茶の天竺鼠に見えている。    お酒に目がない。
  • 朽ちないサクラ 公式シナリオブック
    NEW
    -
    ================= 映画「朽ちないサクラ」 出演:杉咲花 萩原利久 豊原功補 安田顕 原作:柚月裕子『朽ちないサクラ』(徳間文庫) 監督:原廣利 脚本:我人祥太 山田能龍 公式シナリオブック! ================= 【収録内容】※予定 ・オリジナルシナリオを完全収録 ・シーン写真多数収録 ・特別インタビュー:杉咲花、萩原利久、原廣利 Y13・カラー撮りおろし写真
  • あらごと、わごと 魔軍襲来
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    【呪師、またの名を呪禁師とは、常人にはない異能で、古来、魔と戦ってきた者らである】 平安中期の常陸の国。凶悪な大豪族・源護に虐げられていた十一歳の下女あらごとに、物を動かし浮かす不思議な力が目覚めた。あらごとは悪夢の館からついに脱走、平将門に庇護される。一方、都では、あらごとと瓜二つの娘わごとが女流歌人に仕えていたが、やはり、先を見通せるという謎の力に目覚めた。後の高僧・良源により、それを呪師の力と知った直後から、わごとは闇の組織に狙われるようになる。 難を逃れるため、呪師の地・紀州に向かわんとするわごと。大内海を渡って大呪師の姥にまみえんとするあらごと。だが、それらは共に地獄への旅路であった。 魔の手により東西に引き裂かれた双子少女に、魔王が迫りくる! 時代小説ファンも怪奇小説ファンも唸らす、平安ダーク・ファンタジー。 ●呪師vs.魔軍 浄蔵 四十代。最強の法力で知られた比叡山延暦寺の美僧。 良源 わごとを助け、行動を共にする若き僧。後年、天台座主に上り詰める。 乱菊 物体を瞬間移動させる物寄せと幻術、二つの力を持つ。あらごとの呪師修行の師。 飯母呂石念 群盗の首領から平将門配下となる。風を操る呪師。 藤原千方 十五の力を持つ魔人。天下大乱の謀略をめぐらす。さる予言により、「宿命の子」を探し続けてきた。 火鬼 藤原千方の配下にして愛人。火を操る。 水鬼 火鬼の双子の妹。水を自在に操る。 風鬼 突風を起こし、瞬時に移動する“縮地”なる力を持つ千方配下の老妖術師。 金鬼 千方の手下の大男。身体を鋼鉄化して敵の武器をはねかえす。 隠形鬼 千方の手下で、姿を透明化できる少年。 伊佐々王 異名を土鬼。千方の一味。背にびっしりと笹を生やした小山のような大怪物。 ――など、続々登場。
  • 大江戸釣客伝 上
    続巻入荷
    -
    どうせ叶わぬ夢なら、いっそ、 江戸時代の川や海で、 魚を釣ってみたい――「あとがき」より 文学賞3冠に輝く、圧倒的な物語。 時は元禄年間、五代将軍徳川綱吉の治世。江戸湾の沖合二町ほどのところに船を停め、釣りをする二人―― 俳人の宝井其角と絵師の多賀朝湖――は、土左衛門を釣り上げてしまう。屍体は竿をしっかりと摑んで眼を見開き、唇からは歯を覗かせ、笑っていたのであった。 一方、旗本の津軽采女は閑職が故に釣り三昧の日々。義父・吉良上野介の世話で、将軍の側小姓にとりたてられることとなった。  目次 序の巻 幻談 巻の一 沙魚 巻の二 技師 巻の三 安宅丸 巻の四 鯛 巻の五 水怪 巻の六 釣心 巻の七 密漁者 巻の八 側小姓 巻の九 無竿 巻の十 釣り船禁止令
  • JR周遊殺人事件 〈新装版〉
    NEW
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    JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州の各地を舞台に十津川警部の活躍を描いた傑作6篇! 根室発釧路行きの快速ノサップ号が、厚岸を過ぎたところで脱線転覆した。 前方に強烈な閃光が走り、眼のくらんだ運転士が急ブレーキをかけたことが原因だった。 事故か、犯罪か? そして一カ月後、全く同じ脱線事故が再び起こる。今回は東京のルポライター杉浦重夫が死亡。 JR北海道に脅迫状が届き、十津川警部が捜査に乗り出した。 が、容疑者として浮上した男には完璧なアリバイが…!? JR北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州を舞台とした傑作6篇! 第1話 北の果ての殺意 第2話 北への列車は殺意を乗せて 第3話 イベント列車を狙え 第4話 日曜日には走らない 第5話 恋と復讐の徳島線 第6話 神話の国の殺人
  • 雨夜の星たち
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    「主人公が少しだけ他人と心を通わす様が、 わざとらしくなく無理がなくて、好きです。」 ――沖田修一(映画監督) できないことは、できません。 やりたくないことも、やりません。 他人に感情移入できない26歳の三葉雨音は、 それを長所と見込まれ、お年寄りの病院送迎や お見舞い代行の「しごと」をはじめる。 聞き上手な80代セツ子、 手術の付き添いを希望する40代の好美など 依頼人は様々。空気を読まない三葉だが、 行動に変化がみられていく――。 めんどうだけど気になる三葉から 目が離せない。 解説:沖田修一 【著者からのコメント】 「雨夜の星」は目に見えません。 でもたしかにそこにあります。 空気を読むという言葉があります。 空気は目に見えません。 見えないけれどそこにあるものは、 良いものとはかぎりません。 その場の空気を読むことばかりに心を砕き、 いつのまにか決定的に間違った方向へ 進んでいくことだってあるのです。 空気は読むって、そんなに良いことなんでしょうか? そんなことを思いながら書きました。 【主な登場人物】 ◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。 他人に興味がない。 ◆霧島開 三葉の雇い主。 喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。 ◆リルカ スナックで働く、 感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。 ◆星崎聡司 三葉の元同僚。 湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。 【依頼人たち】 ◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。 ◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。 因縁の相手。 ◆清川好美 手術の付き添い。 配偶者なしの42歳。 日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、 SPURほか各メディアで紹介されました! (2021年単行本刊行時)
  • 仙左とお勢 裏裁き 辻斬り始末
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    あだな芸者といなせな職人 「仕置人姉弟」が悪を成敗! 江戸を騒がす辻斬りの裏に改革の悪弊あり! 私欲にまみれた無道な切り捨てが何の咎めも受けない!? 悪逆旗本の裏成敗を果たした仙左とお勢が、今度は江戸にはびこる辻斬り事件を追う。ふたりは実は、いまをときめく老中首座・水野忠邦に仕え諫死した江戸筆頭家老・二本松義廉の遺児たちであった。連累を逃れるため市井で密かに別々に育てられたふたりは再会を果たし、忠邦配下に命を狙われながらも自分たちの信じる正義を貫く! 書下し時代小説。 目次 一 辻斬りの裏 二 殺しの決断 三 失敗の故に 四 不意討ち
  • 蛍の光 長州藩士維新血風録
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    1巻2,200円 (税込)
    直木賞作家・今村翔吾氏ほか推薦! 維新の歴史は一閃の刃から始まった―― 暗殺から始まる大逆転劇! 魂を揺さぶる書下し時代長篇 【著者コメント】 テロリストの悲哀を詠んだ石川啄木の「ココアのひと匙」と資料を読み込み、 初めて歴史小説に手を染めました。 工学の父となる山尾・初代総理大臣となる伊藤、二人の主人公を描いております。 暗殺から始まる逆転劇が多くの読者の手に届きますと幸いです。 【推薦の声続々!】 材を選ぶに眼がある。構を成すのに才がある。物語を編むに志がある。 読み終えた後、よく聴く「あれ」を耳にすれば、きっとこの男の一生が蘇るはずだ。 ――作家 今村翔吾氏 挫折、失敗、後悔を繰り返しながら成長した幕末の長州藩士の物語は、 同じく混迷の時代を生きる現代の若者に勇気と希望を与えてくれる。 幕末歴史小説の新たな傑作が誕生した。 ――文芸評論家 末國善己氏 幕末から明治への激動の年月を共に駆け抜けた山尾庸三と伊藤俊輔の苦悩と葛藤、 そして果てしない情熱を、阿野冠がまざまざと鮮やかに浮かび上がらせた。 今の私たちに必要なものとはなんなのか、深く考えさせられる。 ――八重洲ブックセンター京急上大岡店 平井真実さん 「長州五傑」のメンバーとして明治政府草創期の中枢を担った 「工学の父」山尾庸三と「初代総理大臣」伊藤博文。 ふたりには墓場まで持っていくと誓った秘密があった――。 高杉晋作の指揮のもと、英国公使館を焼き討ちし、尊攘の機運高まる長州藩。 一味に加わった山尾庸三は、書生部屋で同室の伊藤俊輔とともに、 孝明天皇の退位を説く幕府の御用学者・塙次郎を暗殺する。 だが断末魔の形相が夜ごとよみがえり、気鬱に陥る山尾。 最高幹部の桂小五郎の後押しで、のちに「長州五傑」と呼ばれる 五人のひとりとしてイギリスへ藩費留学することに。その中には相棒の伊藤もいた。 山尾の任務は『工業立国』の基盤を学ぶこと。だが彼の裡には、 己が殺めた塙次郎の遺志である障害者政策があった――。 【目次】 第一章  冬の蛍 第二章  密偵の篠笛 第三章  祇園の夜 第四章  幻の奇兵隊 第五章  将軍の首 第六章  夕陽の波止場  第七章  万里の波濤 第八章  グラスゴーの歌 第九章  惜春の情 終 章  暗殺の森
  • 読楽2024年1月号
    続巻入荷
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    (2024年1月/内容紹介大) 【新連載】 新連載 真梨幸子 「フジコの十ヶ条」 これを見て。口紅の試供品。あの人からもらったの。殺人鬼フジコから 【大藪春彦新人賞】 第7回大藪春彦新人賞発表  安孫子正彦「等圧線」受賞のことば  選評 今野 敏 馳 星周 野間裕樹(徳間書店文芸編集部編集長 第7回大藪春彦新人賞受賞作 安孫子正浩 「等圧線」 この男の名前は吉崎のはずだが…。私の疑念はどんどん増していく 【大藪春彦賞】 第26回大藪春彦賞候補作発表  【連載小説 ミステリー】 中山七里 「届かない警告」 花村萬月 「探偵ノヴァリス・夜の華」 矢月秀作 「警視庁特務部逮捕特科 アレストマン」赤川次郎 「盗まれた時を求めて」 【連載小説 風味絶佳】 吉田篤弘 「月とコーヒー」 村山早紀 「風の港2」 【連載小説 歴史&時代】 坂井希久子 「同業の女」 木下昌輝 「秘色の契り」 門田泰明 「汝 戟とせば 拵屋銀次郎」 【マンガ】 サメマチオ 「追読人間臨終図巻」
  • 山口組のキッシンジャーと呼ばれた男 黒澤明 その激動の生涯
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    フィリピン・ホロ島の反政府イスラム・ゲリラ組織に拉致され、日本政府からも見捨てられた一人の日本人青年を救うため、命を賭け、1年2カ月もの時間を費やした。もとより一銭の得にもならず、売名でもあらず己の本能ともいえる義侠心の命ずるままの行動であったのだが、彼はそんな野暮なことは口にしなかった。では、何のため? 彼はこう答えた。 すべては胸に空いた隙間を埋めるため―― 山口組分裂を機に断腸の思いで渡世から足を洗った男はいまだ胸にたぎる情熱、その燃焼先を求めてフィリピンへと渡った。そこで反政府ゲリラによる「日本人カメラマン人質事件」に直画する。かつて対立してきた組織との間に緊張緩和をもたらした手腕から、現役時代は米国の「外交の達人」にたとえられた男は、その交渉能力を捕らわれた青年救出のために発揮していく。だが、警察当局は放っておかなかった。男は世間を震撼させた「グリコ・森永事件」の首謀者とされて厳しい追及を受けることに。さらに、縁があった大山倍達の遺言の立会証人となったことから、皮肉にも極真空手の分裂に巻き込まれていく――。引退後も波瀾万丈な運命をたどったアウトロー、黒澤明の生涯を丹念に追ったノンフィクションノベル!
  • ラッキーボトル号の冒険
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 絵本作家クリス・ウォーメルによる、 波乱万丈の大冒険物語! 10歳の少年ジャックは、 家出して乗組員として働いていた船が嵐にあい 沈没し、小さな島に流れ着いた。 その島には、巨大なカメと ひとりの大男が住んでいた。 その男は、密航していた船が海賊に襲われ、 荷物と一緒に海に流されて、 19年半もこの島にひとりで住んでいるという。 男は島で、豪華な家具と大量の本、ラム酒のある 満足のいく暮らしを送っていた。 自分の名前は忘れてしまっていたという男は、 『ロビンソン・クルーソー』を読了したところで、 自分のことを「ロビンソン」と呼んでくれという。 ジャックはロビンソンから読み書きを教わり、 助けを求める手紙を書いて、 ビンに入れて流すことに。 本を読んで、読み終えたページを破り、余白の部分に手紙を書くのだ。 ふたりは毎日手紙を流した。 ある日骸骨を見つけたふたりは、 その手に残された紙きれから、 この島に海賊が宝を隠したのでは、 と考えるが…? 先がどうなるのか気になって、 ページをめくる手がとまらない冒険物語。 乱万丈な物語が、〈ボトルシップ〉 ービンに入った帆船模型が、 どうして作られるようになったのかという話に つながります。 著者によるイラストも魅力。
  • 酔いどれ犬
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    一度だけドラマの主役を射止めたが、最近は声もかからず、妻にも逃げられた鳴沢。今では過去の栄光を捨て、自堕落な日々を過ごしている。そんなある日、飲み友達が殺された。どうやら、巨額の保険金がかけられていたらしい。事件後、身に覚えのないはずが、なぜか鳴沢の周辺を嗅ぎ回る者たちが現れはじめる。不穏な空気を感じつつも、独自に死の裏を洗うと、意外な事実が見つかり…。
  • 梟の拳
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    元ボクシング世界王者の桐山拓郎は一年前に失明し、現役を退いた。今は無力感に蝕まれる日々。そこに不審死が相次ぐ。ひとりは原発推進団体幹部、もうひとりは苦楽を共にした友人だった。二つの死の背後には、原発利権を巡る政府やエネルギー団体のきな臭い蠢きが。そして桐山は戦慄の事実を知る―。人生の意味を奪還するための死闘。暗闇に光は差すのか。息もつかせぬ傑作冒険小説。
  • 風よ遙かに叫べ
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    温子と喬。出会いは路上サーキット。温子のポルシェで、パトカーの包囲を逃れた。喬の仕事は窓拭き。温子、建築会社の重役の娘。そしてパキスタン人ハッサンと、タイ人娼婦パティ。パティは客のヤクザを刺殺。温子は父の会社の裏金強奪を企んでいた。交錯しない筈の人生が交差した時、事件は複雑に絡み、よじれる。発端は美術商殺害事件か?事件を追う老刑事と『死神』という殺し屋…。
  • 大脱出 浮田秀丸行状記
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    関ヶ原の戦いで敗れ、八丈島に流された西軍の将・宇喜多秀家。秀丸は、その庶子として生まれた。立派な若武者に成長した彼は、ある日、島の洞窟で異人の残した宝を見つける。秀丸は、父の仇を討つため、その宝を持って、島抜けを決意する!
  • 秘剣独眼竜 一心剣
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    卒爾ながら一手ご教授願いたい。姓名の儀は梅原才蔵幸行と申す――名を変え、左眼を抉りとって身をやつした霧丸は、道場破りを繰り返しながら路銀を得、江戸に向かった。目指すは柳生宗矩との勝負! 廻国の途上、木刀一本を携えた霧丸を待ち受けるものは…。
  • 薩摩隠密行 一心剣
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    真田幸村に従い、冬の陣を闘った宍戸一剣こと霧丸。徳川によって大坂城の堀が埋め立てられ、豊臣家滅亡を予感した幸村らは、秀頼の嗣子・国松を薩摩に移し再興を図ることを決意する。その密命をおびた霧丸、佐助、才蔵らを待ち受けるものは。
  • 幽霊空戦 1995ガダルカナル
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    ソロモン諸島でダイビング・ガイドをつとめる佐々木譲二は、当地でロケ中の戦争映画のメイク担当、チェリーをコカンボナ岬沖へ案内した。太平洋戦争で夥しい戦艦が沈んだ鉄底海峡と呼ばれるポイントで零戦を発見して以来、二人は不思議な現象に遭遇する。ロケ隊が山本五十六長官機撃墜の空戦シーン撮影中、黒雲の彼方から六機の零戦が出現し、米軍機に機銃掃射を始めたのだ。書下しホラー・サスペンス。
  • 海上保安庁情報調査室 FOX
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    現役記者 緊急暴露 海上保安庁情報調査室は、麻薬取り引きやテロの阻止を主な任務とするが、一般にはその存在を知られていない。室長は山下正明。情報で国家間のやり取りに介入し、海外からスパイと呼ばれる男だった。着任した谷りさ子は、北朝鮮が関連すると思われる違法取引調査を開始する。そこには日本と北朝鮮との攻防と公にできない真実があった。某大手テレビ局の記者による暴露型情報小説。 (解説より) 日本の現状に対する著者の憤りが作品から伝わってくる。 対外インテリジェンス機関の萌芽を見出したにちがいない。 手嶋龍一
  • すたこらさっさっさ
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    1巻1,100円 (税込)
    梅田という地には、祈りと願いが込められている。 祈りは座敷わらしとして、広場の片隅に棲む。 菅原道真からはじまる梅田の歴史は、阪急を創設した小林一三、紀伊國屋書店をつくった田辺茂一へ受け継がれた。 令和のいま、茂一の座敷わらしが、大阪らしい予想外の展開を繰り広げているのを見ている。 祖祖母、父、娘の三代と、運命の縁でつながった人たちが、大阪梅田、西成、京都祇園を舞台に、虚実入り交じって描かれる、ちょっとあったかくて、良い物語。
  • 異星の人
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    謎の大型爬虫類捜査のため中央アフリカの奥地へ向ったアメリカの生物学調査隊が突然、消息を絶った。当地で、内乱が起ったのだ。救出隊が組織され、私も現地へ飛ぶが、そこで自称フリー・ジャーナリストのジョン・エナリーに出会う。中肉中背で人種はあいまい。黒い髪と瞳、彫りの深い顔立ち。人間のすべての属性を見抜く鋭い観察眼を持つエナリーに、私は興味を持ち始めるが……。叙情あふれるSF連作。
  • ザ・サイキック 1
    -
    西鎌倉の高台に建つ篠田家。二階にある十二歳の少女・真由の部屋では、家鳴りや不気味な唸り声が続いていた。天井に近い空間からは、輝く水しぶきが滝のように降りかかる。巨大な心霊(サイキック)エネルギーが惹き起こすポルターガイスト現象が、少女を襲っているのだ。やがて少女の口から母親の忌まわしい情事の光景が語られた。除霊師(エクソシスト)・千夏響と竜造寺悟は平手打ちで少女を覚醒させたが……。長篇異次元アドベンチャー。
  • 魔の氷山
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    師・竜造寺悟とともにネパールで超常能力の啓発に励む千夏響は、凶兆を得て竜造寺ら五人の超越者(スーパー・エリート)と南へ向かった。そのころ、遥か南の海上では、石油王国ダハールの依頼で南氷洋の大氷山をペルシャ湾まで曳航し、砂漠での淡水供給源にする巨大プロジェクトが進められていたが、調査の結果、その氷山の氷核(コア)に異常があることが判明した。氷山から解き放たれた災厄の翼をひろげる邪悪の正体は? 傑作長篇。
  • 魔犬
    -
    肩高八十センチ、体重五十キロ、今や犢ほどの巨犬に成長したアローは、みほと呼ばれる人間の少女との絆を断ち切った。信州の別荘地へ連れて来られた夜、野犬の遠吠えに、体の中を流れる”狼の血”が呼び醒まされたのだ。彼は野生に戻った。野犬の首領となり、妻を得、仔を成した。しかし、それはまた生存をめぐる、人間との仮借なき闘いの始まりでもあった……。少女と犬の愛の交流を描く長篇冒険小説。
  • 風葬の街
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    若い頃、透視能力をもっていた千代木梢は、成人するとともにその能力が消失し安堵していた。が、微生物工学研究所に勤める兄弓彦が山奥のダムに車ごと転落する悪夢を一万キロ離れたニュージランドでみたとき、その能力が甦っているのを知った。急遽、帰国した梢は、弓彦が企業秘密を極秘裡に持ち出していたことを知らされた。弓彦は何を持ち出していたのか? 梢の質問に答える研究所長の話はあまりにも………。
  • 悪霊の街
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    あたしは千夏響、自分でいうのも何だが、ピュリツァー賞でも狙おうかという、新進気鋭のカメラマンだ。ある日、東洋TVがハイチから招いた魔教ブーズー教の女司祭の記者会見場で、竜造寺悟と名乗る黒衣の男から声をかけられた。数日後、竜造寺に指定された場所へ出かけると、何と蹌踉と現われたのは、航空機疑惑がらみで自殺した男の“生ける屍(ゾンビー)”だった。エクソシスト探偵いよいよ登場!
  • いのちに抱かれて 楓子と大地の物語
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    1巻605円 (税込)
    夏見楓子。北海道・帯広の馬産農家に生まれたが、都会でのOL生活に憧れて上京。以来十年余り。達成感のない仕事と不倫の恋に疲れて、自分を見失いそうになっていた。ダイチ。ばんえい馬。夏見牧場ゆかりの血統で、伝説的名馬リキムゲンの孫。身体が小さく競走馬になれるかどうか危ぶまれていた。だめなら食肉用として処分される運命が…。廃業寸前の家業を継いで一から畜産農業を学び始めた楓子は、忘れかけていた土の香りや生き物のぬくもりに触れ、次第に生気がよみがえってくる。父が心血を注いだ強いばんえい馬づくりの復活に向けて一歩ずつ前進を始めていた。一方、老舗の厩舎に預けられたダイチは素質の片鱗を見せるものの、馬主がつくかどうかは微妙な状況だった…。
  • 真珠湾、遙かなり 零戦隊血風録
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    昭和十六年十二月八日。若き飛行兵たちを通して描く、長く短い真珠湾攻撃の一日。海軍鹿児島基地での猛特訓。ハワイ空襲部隊旗艦『赤城』より出撃する九七式艦上攻撃機他。目を眩むような昂ぶりとたとえようのない恐怖……。渾身の長篇大作!
  • 棘

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    1巻605円 (税込)
    昼間は男子中学生の好奇の目に晒され、夜はデート嬢として大人の男のあらゆる欲望を満たす。国語教師麻生里久、三十歳。心の裡にぽっかり空いた隙間を埋めるように、男たちの慰みものに。心の闇、癒し、愛、そして容赦ない暴力を描いた衝撃作
  • 大久保家の人びと 天下動乱の父子獅子
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    天下の御意見番として知られた大久保彦左衛門。 その子孫である直参旗本の彦右衛門は、御書院番頭として、将軍家定に仕え、自身も〈天下の御意見番〉と呼ばれている。 ある日、家族総出で菩提寺に先祖供養に行ったおり、「寄進すれば、救われる」と叫ぶ、怪しげな修験僧たちに遭遇する。 それは、恐るべき陰謀の端緒だった。 黒船の来航で世情が騒がしくなるなか、千石の直参旗本の彦右衛門は、十二人の子供たちと孫たちとともに困難に立ち向かっていく。 各社で人気シリーズを持つ著者による書下し痛快時代小説の第二巻! 第一話 人を欺くなかれ 第二話 慈悲をもって 第三話 悪しき友とは 第四話 まずは民の利 井川香四郎 著作リスト
  • 安倍晴明くれない秘抄
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    清少納言の妹が、 霊力を失った 陰陽師に弟子入り!? 夢の中に響く笛の音――名器『葉二つ』の謎。 怪異に満ちた平安後宮ミステリー! 少女・小鹿は、清少納言の実の妹であるとして貧民街から引き取られ、御所の中宮定子付きの針女(下働き)として仕えることに。 定子は一条天皇の寵を受けつつも、父の関白・藤原道隆の死や左大臣・藤原道長の台頭により不安な日々を過ごしている。 そんな折、ひょんなことから、小鹿は稀代の陰陽師・安倍晴明に弟子入りすることとなった。 玄妙なる怪異に満ちた平安伝奇絵巻。 目 次 第一帖 葉二ふたつ 第二帖 後宮十二司 第三帖 八雲立つ 第四帖 服妖 第五帖 禁色の宣旨 第六帖 妖面 第七帖 糺ノ森 あとがき 参考文献 カバーイラスト/下村富美
  • しまなみ海道追跡ルート 〈新装版〉
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    十津川&亀井、瀬戸内に飛ぶ! 壮大な追跡劇と予想外の結末! 観光会社瀬戸内ビューの社長・長谷川要の末娘かえでが誘拐された。身代金は五億円。それを、ライバル社岡山観光社長の佐倉真一郎の口座に振り込めというのだ。岡山県牛窓のK銀行で五億円を受け取った犯人は、モーターボートで逃走を図るが、大型クルーザーと衝突し、沈没。今度は、六億円を岡山観光の東京支店寮に置けとの連絡が入った。警視庁の十津川と亀井らが監視するなか、突然、建物が爆発、炎上する。そして、広島県尾道警察に、「しまなみ海道が炎に包まれるぞ」という脅迫が…。会心の長篇推理。 序章 第1章 爆発 第2章 しまなみ海道へ 第3章 火矢走る 第4章 生口島 第5章 真実への道 終章
  • 番神の梅〈新装版〉
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    いつの世も、貧困に苦しみながら懸命に生きる女性はいた 貧しくとも、凜として生きよ―― 梅の木に帰郷の望みを託し、夫とわが子のために命を尽くした下級武士の妻の生涯を描く 何と美しく〈凛として〉切ない物語であることか。 生きることの哀歓漂い、抒情性に溢れた彫りの深い人物造形に定評がある作家による作品である……(中略) 藤原緋沙子が史料を渉猟し、独自の解釈と着想で、“時代小説”の衣裳を着せつつ、史実を超えた物語を立ち上げていくことを小説作法としている歴史小説作家であることがお分かりかと思う。 ――雨宮由希夫氏(解説より) 桑名藩の飛び地・越後柏崎。 海鳴りと吹きすさぶ風、冬は雪に囲まれる僻遠の地に赴任を命じられた者は、島流しとも噂され、二度と桑名に帰れることはないと言われていた。 渡部鉄之助と妻の紀久は、跡取りの長男を故郷の両親に預け、幼子を抱えて勘定人としてこの地に赴いた。 だが陣屋暮らしは、着物一枚買う余裕もないほど困窮した。 夫と子どものため日々の暮らしを守る紀久の心の拠りどころは、日蓮上人ゆかりの番神堂に植えた、桑名から持参した梅の苗木。 この花が咲いたら故郷に帰れる――そう信じ、ひたむきに生きる紀久だったが……。 下級武士の妻として懸命に生きた女の一生を描いた傑作時代小説。
  • この道を正解にしていく。 Jリーグ、海外移籍、闘病、帰郷――プロ20年の軌跡
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    鈴木啓太 本田圭佑 長友佑都 香川真司 岡崎慎司 槙野智章 赤星貴文 サッカーレジェンドによる HOSOGAIへのエール収録! 浦和レッズへの加入から プロサッカー選手としての20年。 日本代表 ブンデスリーガをはじめ 海外リーグ7シーズン そして柏レイソル 故郷のザスパ群馬へ。 栄光の過程には 様々な挫折 すい臓腫瘍との 命懸けの闘いと克服があった。 人生に起きる様々な出来事を 「正解」に変えていく。 その覚悟はあるか――。 不死鳥・細貝萌 初めて明かした 真実とマインド。 <目次> プロデビュー20 年の節目に まえがきにかえて 第1章 不死鳥 すい臓手術からの復活 ・インタビュー 中村明花さん(タレント・モデル、妻) 細貝恵子さん(母) 第2章 浦和レッズ プロ意識を覚醒させてくれた最強集団 ・インタビュー 鈴木啓太氏 (元浦和レッズMF AuB株式会社代表取締役) 赤星貴文氏 (元浦和レッズMF 岳南Fモスペリオ代表取締役) 第3章 ドイツ移籍 自分の選択を正解にする覚悟 ・インタビュー 香川真司氏(セレッソ大阪MF) 大野祐介氏(代理人=アスリートプラス) 第4章 時間と思考 「細貝萌」の血肉となった考え方 ・インタビュー 相澤陽介氏 (White Mountaineering デザイナー) 樋口昌平氏 (担当マネジャー=アスリートプラス) 第5章 少年時代 世界で一番サッカーが好きになる方法 ・インタビュー 岡崎慎司氏 (シント=トロイデンVV FW) 槙野智章氏(元日本代表、解説者) 第6章 ホームタウン 初めてサッカーが好きになった場所へ ・インタビュー 茂木洋晃氏(G-FREAK FACTORY) 長友佑都氏(FC東京DF) 本田圭佑氏 (NowDo株式会社CEOほか) 謝辞 前例のない出来事を伝えておきたい
  • サップ西成自伝 奪還 「大阪最強の半グレ」と呼ばれた男
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    大阪の「西成」で生まれ育った私は貧困による飢えに苦しむ。古い世代の大阪市民なら「当たり前」の話だが、西成は力が序列を決定する弱肉強食の世界だった。生き抜くために私は暴力を覚えていく。高校進学など考えられない状況の中で、恩師と柔道と出会う。柔道の才能が私に進学の道を開いてくれた。ところが私は、そこから2度も逃げ出してしまう。 こうして私は所在もなく、ケンカに明け暮れる放埒の日々を送る。そんな私が地下格闘技に流れ着いたのは、自然な流れだったのかもしれない。その時、私に与えられたリングネームが「サップ西成」である。 元アスリートとして街のケンカ屋相手に当たり前のように勝利を重ねる私だったが、ある時、大阪に新たな地下格団体ができる話を耳にする。その団体は「やんちゃ」な選手が集まる地下格でありながら、プロの登竜門を目指すという。 そのコンセプトに強い共感を覚えた私は、自ら志願して、その大会に飛び込んだ。ド派手なプロモーションと選手ファーストの融合によって、大会は瞬く間に成長した。網膜剥離で選手を離れた私は運営会社の社長に就任する。 1つの大会の出場選手が約50~60人、会場のキャパは約2000人──まさに「日本一」の地下格大会だ。ところが間尺に合わない巨大さがアダになっていく。繁華街で大会の関係者を名乗る犯罪が横行していったからだ。 当時、世の中では関東連合に象徴される「半グレ」が社会問題となっていたことで、大会は関西最大の「半グレ」と認識されてしまう。 もはや大会を開催することも難しくなり、消滅に追い込まれる。 その時、関西に進出してきたのが前田日明氏率いる地下格大会「THE OUTSIDER」だ。過去の遺恨も手伝って、窮した私は「THE OUTSIDER」会場に乱入し、前田氏を襲撃した。 逮捕、長期勾留を経て私が選んだのは「関西最強の半グレ」と呼ばれるようになった「サップ西成」との別離だ。飲食店経営者として格闘技とは無縁の長い沈黙の時間を過ごす。 そんな私に突然訪れたのが、SNSが生み出した「現代の地下格」、「Breaking Down」への出場である。人気コンテンツへの露出によって、SNSでは「サップ西成」の過去が都市伝説を伴って拡大し、独り歩きしていった。 このままでは私は過去に潰されてしまう。そこで沈黙を破ってすべてを明らかにすることにした―― (「はじめに」より)

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