国内文学作品一覧

  • 落窪物語注釈
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    1巻33,000円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は管窺の伝本中最善本と目する宮内庁書陵部蔵「おちくほ」四冊を底本にした場合の整定本文を提示し、口訳・語釈を施し、解説等を添えたものである。
  • 落窪物語(一) 斑山文庫旧蔵
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高野辰之博士旧蔵の古写本全四冊を精密に影印。書写年代は近世最初期の慶長元和頃かと推される。古雅な書体にして能筆。部分、古態を保持する本文は研究上重要。また、本作品は独立した継子いじめ物語の現存最古のものとして中古物語の演習教材として好適。
  • 夫の始末
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    女にとって、夫という男は、何ものなのか。「物事の始末が悪い」と言われ続けた著者が、この世の名残りに、散らかし放題に「始末」をつける。劇作家同士、雑巾を縫う夫と山を歩く妻……。見事に違う、個性鮮やかな夫婦の60余年を戯画化した、何ともおかしい自伝的連作集。女流文学賞・紫式部文学賞、W受賞作。
  • オットーと呼ばれる日本人
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    過剰なる情熱、マルクス主義の洗礼、したたかに感じた中国革命の現実――内閣のブレーンでありながら、国際諜報団員として時代の濁流にどっぷり浸かり、その熾烈な人生を精一杯生き、愛し、思考した一日本人――。その「ゾルゲ・尾崎事件」を題材に、転換期に生きる知識人の、深く屈折した内面を照射する、現代戯曲中屈指の名作。
  • お伝地獄(上)
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    1~2巻1,045~1,100円 (税込)
    女だてらに丁半勝負に興じるお伝の美貌の陰には、夫・浪之助への新妻の如き愛が息づいていた。時は明治初年、薬も加持祈祷も効のない夫の業病治療のため、彼女は利根川の村から東京の名医へと人力車を走らせる。前途に凄惨な運命が待ちうけているとも知らずに……。希代の毒婦として処刑されることになる高橋お伝の生涯と女心の振幅を、戯作的雰囲気と濃密なエロティシズムの中に描いた情緒派の代表作。
  • お伽草子
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    1巻110円 (税込)
    太宰治の短編小説。5歳の女の子のために絵本を読んで聞かせるという言葉で始まる物語。 「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」といったお馴染みのおとぎ話が太宰流にアレンジされている。 太宰治の解釈によるお話は、平成の時代を生きる我々が読んでも面白い。読みやすくするため、現代の言葉に近づけました。
  • お伽草紙
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    1巻330円 (税込)
    民話「瘤(こぶ)取り」「浦島」「カチカチ山」「舌切雀」が見事な風刺文学に変身! 面白さ折り紙つきの「日本文学の傑作」!

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  • おとぎ草子・山椒太夫 ほか
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    おとぎ話でおなじみの『おとぎ草子』。「山椒太夫」に代表される『説経集』。どちらも中世に成立した、庶民のための“語りの文学”だ。空想や教訓、信仰心を盛りこみ、同じ下層の語り手によって生き生きとした言葉で表現されてきた物語は、混沌の時代に庶民を楽しませ、勇気づけた。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • 男の絆の比較文化史 桜と少年
    3.5
    中世の稚児物語,近世の浮世草子,近代の幸田露伴や福永武彦など,男たちの絆の結びつきは,日本文学において連綿と描き続かれてきたモチーフである.古典文学から近現代の小説,映画,漫画,海外文学に至るまで,男同士の絆の表象の系譜を幅広くたどり,その背後にある社会的メカニズム,ジェンダーの機能を鮮やかに読み解く.

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  • 男の詩集
    3.0
    1巻1,300円 (税込)
    七五調に代表される、日本の美しい言葉のリズム。その韻律に彩られた珠玉の名詩を味わいつくせるのが本書である。上田敏、北原白秋、石川啄木、島崎藤村、百人一首から、中島みゆきまで心を洗う名詩文がならぶ。ちなみに著者は、詩への要件として、次をあげる。●暗記できること●文章が美しいこと●わかりやすい文章であること●口ずさめること●リズムがあること●いつまでも忘れないこと●酔ったときに、口ずさむと急に幸福な気分を味わえること●他人に対してやさしい気持ちが持てること●「オレだって、生きていてもいいんだ」という自信も持たせてくれること●他人にも「こういう詩がありますよ」と教えてあげたくなること……。まさに、本書にはその要件を満たした詩が満載されている。本書を一読すれば、日本人がこれまでいかに美しい言葉を紡いできたか、あらためて感動させられるに違いない。生きていくために、これだけは知っておきたい名詩集である。

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  • 男読み 源氏物語
    3.5
    もつれた愛は、恨まれずに終止符を打つ。人脈と情報を駆使して出世競争を勝ち抜く。逆境で友情と忠誠心をしみじみ感じる。交わされなかった和歌が語る、愛の濃さ……。人生の達人・光源氏を通して恋と出世と人間関係の綾を描き、宮仕えの男女を魅了した『源氏物語』。現代を生きるサラリーマンにも通じる、波乱と哀切のドラマがある。気鋭の古典文学研究者が案内する、『源氏物語』の世界へ、ようこそ!

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  • オトナの短篇シリーズ01 「女」
    -
    1~5巻165円 (税込)
    与謝野晶子や太宰治、芥川龍之介に加え、岡本太郎の母・岡本かの子や夢野久作など一度は名前を聞いた事のある作品を中心に厳選。魅力的な「女」の作品と共に、編集部員の選考理由も掲載。電子書籍をまだ読んだ事がない!という方にもオススメの一冊です。
  • 乙女の本棚 女生徒
    4.2
    1~10巻1,980円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 太宰治の『女生徒』が人気イラストレーターとコラボレーション! 太宰治の『女生徒』が、ファッションブランドAngelic Prettyなど、乙女心をくすぐる作品で知られるイラストレーター・今井キラによって、鮮やかに現代リミックス。全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション・シリーズです。巻末には、『グッドモーニング』『死んでしまう系のぼくらに』などで知られ、今をときめく詩人・小説家である最果タヒのシリーズ共通エッセイを収録。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊です。
  • おどるでく 猫又伝奇集
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    室井光広とは誰だったのか? 誰でもない。宇宙を吹き渡るコトバの元気(げんき)、天籟(てんらい)だった。 ――辻原登 こんな凄い小説が書かれていたことに驚きました。 生きる悲しみが言葉の奥底に繋がっていることを知りました。 貪るように読みました。 ――町田康 カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生する――。 辻原登氏 町田康氏 多和田葉子氏 推薦! 表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によって「はたしてこれは小説なのか?」と賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。そのほか、著者の故郷・南会津を舞台にした関連作を「猫又」サーガとして初集成/初文庫化。 古今東西の博識を呼び込み、「言語」と「小説」そのものの謎を探究する室井光広の目眩くテクストによって、日本語文学は何を目指し、何を実現したのか。 遺作『エセ物語』へのイントロダクションともなる、まさに「室井入門」として最適な一冊。 今こそ、時代は室井光広に追いつくことができるか――? 【目次】 [本編] 猫又拾遺(1991) あんにゃ(1992) かなしがりや(1993) おどるでく(1994) 大字哀野(1994) 和らげ(1996)(初書籍化作品) [巻末資料] 単行本版あとがき(1994) 万葉仮名を論じて『フィネガンズ・ウェイク』に及ぶ(1994) インタビュー 室井光広氏と語る(1995) 巻末エッセイ=多和田葉子「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」 解題=川口好美 《あらゆる翻訳は最終的に原作の行間にただようおどるでくを読者の心底にうつすことを目的とするといっていいだろう。そのうつし方は、病気をうつすようにしてなされる。私は再度キリシタン版の中にうつし方の現場をさがしにゆく。おどるでくをうつされるのを好む人は何よりも「写す」行為をいやがらないと露文氏はいっている。》――表題作より
  • 鬼

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    1巻110円 (税込)
    治水、開墾工事に命を賭けた男。それは他人には鬼に見えた。農民たちから反感を買い、恨まれながらも鬼となっても困難を乗り越えていく。プロジェクトリーダーの孤独や信念、いかに生きるかを考えさせられる。
  • 尾上柴舟・石川啄木
    -
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 柴舟・薫園・夕暮・牧水に「近代短歌史上の正統派としての位相」を発見し、啄木の魅力を引き出す新しい短歌鑑賞の本。
  • 小野十三郎の二日間‐傘寿を迎える初春の日に 橋本照嵩写真集
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    1巻1,309円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 抒情を否して“詩”に対峙し続けた詩人・小野十三郎が最晩年に辿りついた優しき表情。

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  • 小野小町追跡 「小町集」による小町説話の研究 新装版
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 小町の虚像と実像にはじめてカケハシを架けた名著決定版。
  • おはよう
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    「おはよう食堂」は安くておいしい朝食をたべさせる大衆食堂。切り盛りするのは美人で勝気な加代(若尾文子)。夫の大助(大橋巨泉)は一年前に女を作って外に出てしまった。舅の幸作(中村翫右衛門)は息子の不始末を詫び、加代を自分が経営する食堂に女将として迎え入れたのだ。気のいい客ばかりなのだが、近くのタクシー会社に勤める秀吉(堺正章)は詮索好きで、あれこれ加代の過去を調べては吹聴する。そんな秀吉が幸作を丸め込んで食堂に住みついてしまう。昭和47年にTBS系で放送。全17回。本巻では向田邦子執筆(2回)の第2、3話を掲載。
  • おばけずき 鏡花怪異小品集
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「泉のやつ、またはじまった」と仲間にいわれるほど無類のおばけずき。長短篇小説や戯曲で名高い鏡花だが、一方で怪異にまつわる小品群もまた格別に味わい深い。小説をはじめ、随筆・紀行、創作とも実話ともつかない逸品まで、喜々として異界に遊ぶ鏡花文学の知られざる真髄を編む。
  • 思い出の記
    -
    1巻554円 (税込)
    小泉節子による作品。
  • 思い出袋
    4.3
    戦後思想史に独自の軌跡をしるす著者が、戦中・戦後をとおして出会った多くの人や本、自らの決断などを縦横に語る。抜きん出た知性と独特の感性が光るこの多彩な回想のなかでも、アメリカと戦争の体験は哲学を生きぬく著者の原点を鮮やかに示している。著者80歳から7年にわたり綴った『図書』連載「一月一話」を集成。

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  • 面白くて眠れなくなる『古事記』
    4.3
    1巻1,300円 (税込)
    思わず夢中になる。人間味あふれる神様と天皇のドラマティックな物語。『古事記』というと、何だか難しそうで読むのが億劫だと思われがちです。そこで本書では、原本の格調の高さや魅力を維持したまま、誰でも親しめるように面白く、かつ読みやすいようにアレンジしました。決闘、陰謀、恩返し、騙し討ち、禁断の恋……、壮大なスケールで繰り広げられる神様と天皇の物語を鮮やかに描き出します。 ■本書の目次より/一筋縄ではいかない子づくり/黄泉国の教訓/弱そうで一番偉い神様/勇者の化け物退治/いじめられっ子を助ける/結婚は命がけ/神様も接待に弱い?/異性を見た目で選んではダメ/東への旅立ち/騙し討ちも勇者のしるし/矢に変身して現れたイケメン/敵地潜入のため美少女の変装/勝つためには手段を選ばず/仁義なき皇位継承争い……
  • オモニ太平記 【小田実全集】
    -
    日本と朝鮮半島の長くて重い歴史、非情な政治を、家族の温かい涙と笑い、希望、感動にのせて洞察した超傑作エッセイ。
  • 『おもろさうし』と琉球文学
    -
    1巻18,700円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 琉球文学の、その総体としての姿は、どのように明らかにできるか。季節によっては台湾の山陰を臨むことができるという与那国島から奄美大島以南までの、琉球孤の島々で話される言語(琉球語・琉球方言)によって表現された琉球文学を、『おもろさうし』を中心に論じていく。もうひとつの日本語による琉球文学を、これから日本文学の中にどのように定位していくのか。琉球文学の一方的な模索ではなく、本土日本文学からもその道を探らねばならない。これからの琉球文学研究の方向性を指し示す、希望に満ちあふれた書。ここからはじまる、琉球文学論。
  • 親と子の心をつなぐ日本名作昔ばなし
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幼児教育に永年携わってきた著者が、保育現場や家庭で子どもに読み聞かせができるように脚注形式で話し方のポイントを付した、日本の心を伝える昔話集。

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  • 折々のうた
    4.5
    1巻814円 (税込)
    過ぎてゆく四季の折々に自然の輝きをとらえ、愛する人を想いながら、人びとはその心を凝縮された表現にこめてうたい続けてきた。「日本詩歌の常識づくり」を目ざす著者は、俳句・短歌から漢詩・現代詩に至るまで、日本人の心のふるさとともいうべき言葉の宝庫から秀作を選び、その豊かな光沢と香りを鑑賞する。朝日新聞連載一年分に加筆。

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  • 折口信夫 東アジア文化と日本学の成立
    -
    1巻8,250円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は「折口学と万葉集研究」を主要研究テーマとしながら、折口学を東アジア文化論のなかから検証し、折口による日本学の形成へと至る道筋をたどることを目的とするものである。
  • 折の文学 平安和歌文学論
    -
    1巻7,920円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日常の歌、会話的な性格をもった歌を読み解くためには、季節・天候・人間関係・心理状態などまで含めた「折(=シチュエーション)」の理解が必要不可欠である。表現面だけではわかりにくい歌も、「折」を鍵として解き明かすことができる。平安和歌の真の理解に迫り、本質を捉えた画期的方法論。
  • 終わりなきタルコフスキー
    -
    1巻2,860円 (税込)
    「僕の村は戦場だった」「惑星ソラリス」「ノスタルジア」…。映画監督タルコフスキーの8つの作品を取り上げ、映画の根底にある彼の意図を探り、作品に顕著な家族との関係性を読み解くとともに、表現技法等にも迫る。
  • 王朝文学の生成 『源氏物語』の発想・「日記文学」の形態
    -
    1巻8,250円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『源氏物語』の中で文脈の表層に表される出来事と深層にもつ別の意味とが絡み合う様相を明らかにし、『蜻蛉日記』では「私」を語ることがどのように「公」の世界へつながっているのかに着目。一人の女性がいかに新しい散文を作り上げていったのか、平安時代に女性が「書く」ことがもっていた意味を問い直す。
  • 女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性
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    本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。その恰好の例として『栄花物語』を取り上げます。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにするのです。(講談社選書メチエ)
  • 女の家
    3.0
    東京銀座の裏通りにある妾宅で、折竹雪枝がガス中毒死した。事故か自殺か、それとも他殺か――。老練な刑事・小柴と老獪な女中・乃婦、二人の語りが交差し、炙り出される意想外の真相とは。陰影のある文体で人間心理を巧みに描き、澁澤龍彦、種村季弘らに愛された著者による代表作。
  • 女の一生
    -
    1巻677円 (税込)
    森本薫による作品。
  • 女の決闘
    -
    1巻110円 (税込)
    人妻コンスタンチエが亭主の浮気相手と決闘する。浮気相手のロシア医科大学生、芸術家の亭主、三者からこの物語が描写される。森鴎外訳のオイレンベルグ「女の決闘」を太宰治が解説し更に新たな物語を創造する。太宰治の小説論が垣間見える。
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか
    3.5
    近年、ミステリジャンルでの「怪異」の増殖が目立つ。探偵小説や推理小説など、人智による「謎」の「合理的解明」を主眼としたフィクション・ジャンルであるミステリは、人智が及ばない「非合理」な存在である怪異・怪談・怪奇幻想・ホラーとどのように切り結んできたのか。 岡本綺堂、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作、海野十三、久生十蘭、戸川昌子、小野不由美、綾辻行人、京極夏彦などのミステリの代表的な作家の作品はもちろん、四代目鶴屋南北や芥川龍之介、「故人サイト」やゲーム「逆転裁判」シリーズなどのテクストに潜む怪異を丁寧に分析する。 ミステリというジャンルで展開される「怪異」の 拡散と凝集、合理と非合理の衝突から、日本のミステリ小説の潮流を捉え返し、近現代日本の文化表象の変容をも明らかにする。
  • 開化の殺人 大正文豪ミステリ事始
    3.3
    阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生む惨劇――。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集号、「中央公論」秘密と開放号(大正七年七月臨時増刊)を現代に復刻。七編の創作と佐藤・乱歩の随筆を収録したアンソロジー。〈解説〉北村 薫 ◆目次  ・一般文壇と探偵小説/江戸川乱歩 ・指紋/佐藤春夫 ・開化の殺人/芥川龍之介  ・刑事の家/里見弴 ・肉屋/中村吉蔵  ・別筵/久米正雄  ・Nの水死/田山花袋 ・叔母さん/正宗白鳥   ・「指紋」の頃/佐藤春夫 ・解説 大正七年 滝田樗陰と作家たち/北村 薫
  • 解釈学と修辞学
    -
    1巻440円 (税込)
    三木 清による作品。
  • 解説 徒然草
    5.0
    伝説の国語教師による超ロングセラーの古文参考書。著者は、寄り道しつつ、遊びつつ『銀の匙』1冊を3年間かけて学ぶという独自の教育スタイルにより、灘校を東大合格者数ナンバーワンに導いたと言われる。本書には、その授業実践のすべてが凝縮されている。現世への無常観を抱きつつ、なお時代を、人をあたたかな目で見つめつづけた兼好の名随筆より、珠玉の断章をセレクト。やさしい現代語訳や語句注釈で学び、ユーモアと人間味あふれる解説でさらなる広がりに触れながら、古文の世界に楽しく親しむことができる、入門書の決定版。
  • 怪談・奇談
    4.2
    その魂の底に清らかな情熱をたたえた庶民詩人は、日本の珍書奇籍をあさって、久しく塵にまみれていた陰惨な幽霊物語に新しい生命を注入した。壇ノ浦の合戦というロマンティックな歴史的悲劇を背景に、盲目の一琵琶法師のいたましいエピソードを浮き彫りにした絶品「耳なし芳一のはなし」等芸術味豊かな42編。
  • 怪談 牡丹燈籠
    4.2
    美しい娘の死霊が、燈籠を提げ下駄を鳴らして恋人のもとに通う怪異談。改版。(解説=奥野信太郎/注=横山泰子)

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  • 解註 謠曲全集〈巻1〉 [新装]
    -
    1~6巻11,000円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 序説/翁/脇能物四十番(高砂、弓八幡、養老、逆矛、氷室、加茂、難波、白鬚、道明寺、老松、放生川、呉服、鱗形、内外詣ほか)
  • 改訂 雨月物語 現代語訳付き
    4.2
    巷に跋扈する異界の者たちを呼び寄せる深い闇の世界を、卓抜した筆致で描ききった短篇怪異小説集。秋成壮年の傑作。崇徳院が眠る白峯の御陵を訪ねた西行の前に現れたのは――(「白峯」)ほか、全九編を収載。
  • 海道記の研究 本文篇 研究篇
    -
    1巻9,350円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 海道記の本文研究、およびその国語学的研究。
  • 海豹と雲
    -
    1巻880円 (税込)
    北原白秋による作品。
  • 「垣間見」る源氏物語 紫式部の手法を解析する
    3.0
    1巻3,850円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「垣間見」は、男女の恋の展開だけに有効だったのか?幻想の垣間見論を突き崩す。
  • カインの末裔
    -
    1巻110円 (税込)
    北海道の厳しい大自然の中で、もがく農民たち。野生児、広岡仁右衛門。彼は真面目に働けば誰よりも大金を儲けることができるのだが、不幸が重なり何もかもうまくいかなくなる。生きていく厳しさ、そして凄まじい描写で最後まで目が離せない。アダムとイブの息子、カインのようにどこまでも彷徨の人生を歩むのが、広岡仁右衛門であり、我々なのか。
  • かきつばた・無心状
    -
    著者は知人の家で池の中にかきつばたの狂い咲きを見た。が、見たものはそれだけではなかった。水面には女の死体が浮いていたのだ―終戦時の混乱を描いて鬼気迫る「かきつばた」。早稲田の貧乏学生の著者は田舎の兄に送るつもりだった無心状を、あろうことかレポートと取り違えて敬愛する師・吉田絃二郎に提出してしまった―ほのぼのと心なごむ青春回想記「無心状」。名品全15編。
  • 柿の種
    4.2
    日常のなかの不思議を研究した物理学者で、随筆の名手としても知られる寺田寅彦の短文集。大正9年に始まる句誌「渋柿」への連載から病床での口授筆記までを含む176篇。「なるべく心の忙(せわ)しくない、ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という著者の願いがこめられている。(解説=池内 了)

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  • 柿本人麻呂 ことばとこころの探求
    -
    1巻6,380円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 天武・持統朝を中心に活躍した歌人、「歌聖」柿本人麻呂。本書はその人麻呂の相聞歌と挽歌の抒情、景と情との関連、そして、武田祐吉が描く人麻呂像の可能性を、人麻呂の作品における歌表現の検討から論じる。
  • 鍵がドアをあけた 日本語の無生物主語他動詞文へのアプローチ
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    1巻3,520円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 伝統的な日本語では用いられにくいと論じられてきた、「コピー用紙が、私の手を切った」「あの事件は、彼を驚かした」のような、無生物主語の他動詞文。現代日本の文学作品と新聞社説から豊富な用例を取り出し、中国語との対照も視野に入れて、タイプや特徴を分析。現代日本語における無生物主語他動詞文に関する現象に、新たな研究成果をもたらした書。
  • 書くための文章読本(インターナショナル新書)
    4.2
    日本語の文章で力点が置かれるのは圧倒的に文末。文末は、文の全体に書き手の意思を伝え、情報の核を据えるところ。そして、もっとも記憶に残りやすい。だから文章におけるパンチの効かせどころだと著者は説く。ところが日本語では最後に動詞がくるので、付け足しがしにくく、その大切な文末が弱い。さらに「です」「だ」などが連続して単調になりがちだという弱点もある。これらをどう解決するか。『日本語のレトリック』『メタファー思考』などのベストセラーがある言語学者が向田邦子、筒井康隆、井上ひさしなどの名文を引いて丁寧に構造を分析し、わかりやすく解説。プロの文章テクニックが身につき、伝わる文章が書けるようになる、まさに「書くための」文章読本。また引用されたバラエティに富む名文で、日本語の美しさや豊かさ、作家の技が堪能できる。実践的でありながら楽しい1冊! ○斎藤美奈子氏(文芸評論家)推薦! 「日本語のお荷物「文末」が、かくもエキサイティングだったとは!」
  • 書く人はここで躓く! 作家が明かす小説の「作り方」
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    小説は「書き方」ではなく「作り方」が重要だ! 「ファーストシーンは後に書け」「描写と情報の違い」「題名の付け方」など、芥川賞作家・村田沙耶香さんも推薦の実践的小説教室。新装版。
  • かぐや姫幻想 : 皇権と禁忌
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    1巻2,376円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 物語文学の祖『竹取物語』。神話や幻想に彩られた聖女・かぐや姫の物語には天と地が互いを禁忌とする帝=皇権の“罪”が深々と主題化されている…不死の物語・物語の不死。『源氏物語』、そして三島『豊饒の海』へ…。

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  • 駈込み訴え(乙女の本棚)
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第33弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 あの人は、私の女をとったのだ。いや、ちがった! あの女が、私からあの人を奪ったのだ。 「ずたずたに切りさいなんで、殺して下さい」。男はそう言って、自らの師の居場所を密告した。 太宰治の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズではイェイツ『春の心臓』、江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 蜻蛉日記形成論
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    1巻8,250円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文学史上に偶発的に存在した蜻蛉日記。本書では、この日記は、上・中・下それぞれ個別に成立したとの立場をとる。蜻蛉日記はいかに成立したのかを探る、王朝女流文学研究者必読の書。
  • 蜻蛉日記研究序説
    -
    1巻8,800円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 蜻蛉日記の基礎的な課題について調査研究した結果を掲載。徹底的な内部徴証を中心とし、綿密な考証と丹念な調査をつくす。物語と和歌との関係も念頭に置き、王朝女流日記全体に通じる方法などにも言及する。
  • 蜻蛉日記の表現と和歌
    -
    1巻7,480円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 蜻蛉日記の特質において、中巻までを「蜻蛉日記らしさ」という枠組みの中で捉え、下巻は「私歌集的」といった格付けがなされてきた。表現の奥に潜む悲哀、言わざる思いを隠す方向性などを獲得した下巻の表現位相に注目する。
  • 蜻蛉日記の美意識
    -
    1巻16,019円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 源氏物語、枕草子を生み出した平安女流作品の源ともいえる蜻蛉日記とはどんな作品なのか。自らの愛を一途に訴えかけ、苦悩の中で女性として精一杯純粋に生き尽くしたあかしである日記作品の特質を明らかにしていく。
  • 火山列島の思想
    -
    日本人の心の原像とは何か? われわれの祖先たちはいかなる意識をもってこの火山列島に生き、またそれはどのようにわれわれの心に刻みこまれているのだろうか? 原始の日本人の呪術的想像力、そして古代的社会機構によるその変容のプロセスに、徹底した実証、渾身の学問的想像力で迫る、日本古代文学研究史上の記念碑的作品。
  • 梶井基次郎全集 全一巻
    4.0
    ほとんど無名のうちに夭折しながらも後年、三島由紀夫をして「デカダンスの詩と古典の端正との結合、熱つぽい額と冷たい檸檬との絶妙な取り合はせであつて、その肉感的な理知の結晶ともいふべき作品は、いつまでも新鮮さを保ち、おそらく現代の粗雑な小説の中に置いたら、その新しさと高貴によつて、ほかの現代文学を忽ち古ぼけた情けないものに見せるであらう」と云わしめた梶井基次郎の全集。難解な語句には注を付し、すべての作品はもとよりの習作・遺稿までを網羅した全一巻。
  • 梶井基次郎の肖像
    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 梶井基次郎の実生活と文学作品、そして時代背景から作家の全体像を見極めようとしています。病気療養していた伊豆・湯ヶ島温泉で行われた梶井基次郎をしのぶ会「檸檬忌」での講演に加筆したものです。

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  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    穂村弘推薦! 1980年代に彗星の如く現れ、突如姿を消した天才ゴス歌人。 その謎に満ちた生涯を、彼の作品と関係者の証言で追う、異色の伝記小説。 1990年に亡くなった紫宮透(しぐう・とおる)という歌人がいて、友人だったんだけど----。 歌人が遺した31首の短歌から紐解かれていく彼の生涯。 虚構と現実が入り乱れた作品世界で、「私」が見つけた真実とは。 1980年代の日本を舞台に繰り広げられる、当時の若者文化と短歌が混ざり合った「ザ・文化系」の青春グラフティ。 『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』の著者、待望の書き下ろし長編小説! ●穂村弘・推薦文 極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。 著者プロフィール 高原 英理(たかはら えいり) 1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人賞評論部門優秀作を受賞。著書に『怪談生活』『ゴシックハート』(立東舎)、『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)、『うさと私』(書肆侃侃房)、『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)、『抒情的恐怖群』(毎日新聞社)、編著に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン----文学的ゴシック作品選』(ちくま文庫) など。
  • 春日懐紙の書誌学
    5.0
    鎌倉時代の歌会の記録であり、裏面が万葉集の書写に利用された「春日懐紙」。現存の史料を綿密に調べ、利用法の詳細を解き明かす。
  • 風が吹いたら時事川柳
    -
    1巻880円 (税込)
    時事川柳専門結社「川柳瓦版の会」同人となってまもなく20年を迎える著者による、時事川柳を中心にテーマ別に分けて収録した一書。著者は時事川柳の魅力を、日々のニュースに加えて、日常の生活において、ちょっとした感動や面白さを詠む、あるいは個人的な心の変化や思いを「人間の社会の今」として17音にまとめることにあると語る。時事川柳のネタは世界中に、たとえニュース性がなくても日常にいくらでも転がっており、「風が吹いただけでも時事川柳は生まれる」とも。著者の感性で掴み取られた時事川柳の幅広い作品群を堪能できる。「一、歳時記の時事川柳」「二、定番の時事川柳」「三、番外の川柳」の3章立て。 新年のたった二文字でリフレッシュ 花マルがたくさん欲しいカレンダー 不景気も地震も火事も秘書のせい 色々な指紋の付いている談話 総選挙祭り好きにはたまらない イチローも打てぬ日がありほっとする タイガースファンを見るのが面白い やせた運ばかり集まるハローワーク ボーナスで笑った師走あったっけ あのドアホどこ行ってんと寂しそう
  • 風立ちぬ
    -
    1巻110円 (税込)
    美しい自然に囲まれた高原のサナトリウム。結核に冒されている節子に付き添い死の影におびえながら、二人で残された時間を共に生きる物語。生の意味と幸福感が描かれ、風のように去ってゆく時の流れ。生きることよりは死ぬことの意味を問うと同時に、死を越えて生きることの意味をも問うた堀辰雄の代表作。読みやすくするため、現代の言葉に近づけました。
  • 風立ちぬ
    -
    1巻330円 (税込)
    「それらの夏の日々、一面に薄(すすき)の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった」…散文で描かれた最も純粋な詩と称えられた「風立ちぬ」と、精神的危機からの脱皮を描いた「美しい村」の堀辰雄の代表作2編。

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  • 風の里から―原発事故7年目の死
    -
    1巻1,400円 (税込)
    「2021年3月11日、福島第一原発事故から10年目の日、福島の空は穏やかに晴れ渡り、いずれのテレビ局も、10年前の災害特集をセレモニーのごとく流していた。その前日、国連からは、10年前繰り返し流された「ただちに健康に影響はありません」に重なるように、「フクシマ原発事故と健康被害の因果関係はみられない」との声明が出された。その陰で、2018年7月14日、福島第一原発より65キロ離れた風下の里に住んでいたひとりの女性が、きっちり7年後に急性骨髄性白血病を発症、4カ月の闘病の後に死亡していた」「東京で40年間看護師として働き、故郷に戻ってきた彼女は、この地を心ひそかに「風の里」と称し、その日常を日記にしたためた。……この書は、一人の被災当事者の目に映った、「ありのままの記録」である」(「はじめに」より)。 著者は、東日本大震災前夜から2018年まで綴られた日記の叙述をたどりつつ、亡くなった彼女の思いに耳を澄ます。

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  • 風の又三郎
    -
    1巻110円 (税込)
    小さな小学校に、ある風の強い日、不思議な少年が転校してくる。みんなは風の精、風の又三郎ではないかと思います。子供たちの親しみと恐れの気持を生き生きと描く。宮沢賢治の名作。読みやすくするため現代の言葉に近づけました。
  • 風の又三郎
    4.3
    谷川の岸にある小さな小学校にひとりの少年が転校してきた。小学校の子どもたちは、落ち着かない気持ちに襲われながらも、少年にひかれてゆく。少年の周りには、いつも不思議な風が巻き起こっていた……。名作の誉れ高い表題作のほかに、人と熊との宿命的な命のやりとりを哀切をこめて描く「なめとこ山の熊」、峻烈な印象を残す自伝風作品「ガドルフの百合」、仏教的寓話「マグノリアの木」など、賢治世界の多彩な顔を楽しめる作品集。
  • 風の又三郎
    -
    1巻396円 (税込)
    どっどど どどうど どどうど どどう…青いくるみも吹きとばせ…山村の小学校に風のように現われた転校生が巻き起こす騒動を描く表題作のほか、賢治の童話10編。

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  • 家族サーカス
    -
    北島春虎は戦後の闇市から裸一貫でのし上がってきた。今では都内にカラオケスナックを5軒も持つやり手の実業家だ。だが、経営は火の車だった。長男の雄一は就職した早々に上司を殴り、辞表を書くハメに。長女の木枝子はスキーで怪我をするが、こともあろうに怪我をさせた男と家族に内緒で付き合うようになっていた。毎回家族の誰かにまるでサーカスの綱渡りのようなヒヤッとする出来事が起こる、スリル満点の家族模様を描く。出演は若山富三郎、加藤治子、国広富之、藤真利子、川谷拓三、倍賞美津子ほか。向田邦子の単独執筆で全13回。本巻では第1、2、10、12、13話(最終回)の5話分を掲載。昭和54年にフジテレビ系で放送。
  • 家族熱
    -
    黒沼家は祖父・重光、父・謙造、母・朋子、長男・杉男、次男・龍二の5人家族。朋子が後妻に入ったのは13年前。その間、厳しい姑に献身的に仕え、その死に水も取った。大手建設会社部長で仕事一筋の夫には良き妻として、また幼かった2人の子供たちを立派に育ててきた。そうしたある日、朋子は、龍二がある事情から黒沼家を去った実の母親と会っていることを知る。そして朋子の一番の理解者、杉男も会っていた。さらに夫までが仕事に有利な情報を前妻から得ていた。この13年間、この家、家族に注いだ愛は、いったい何だったのか。「私は13年の歳月をドブに捨てたのよ!」という捨てぜりふを吐いて朋子は家を出た。出演は浅丘ルリ子、三国連太郎、三浦友和、田島真吾、志村喬、加藤治子、風吹ジュン、吉行和子ほか。原案・向田邦子、演出・福田新一、服部晴治。向田邦子の単独執筆。全14回を掲載。昭和53(1978)年TBS系で放送。
  • 家族をさがす旅 息子がたどる父の青春
    -
    1巻2,310円 (税込)
    父が緊急入院した!駆けつけた病院で聞かされたのは、父の容体と、異母兄の存在だった。その日から、見知らぬ家族、岩波映画で映画を作っていたという父の青春を辿る旅が始まる……。看護をきっかけに初めて見えてきた父の人生とは、なんだったのか。現役証券マンによる渾身のノンフィクション。

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  • 課題別秀句集 川柳歳事記
    -
    俳句の歳時記に存在にあたる「川柳歳事記」は川柳人必携の一書。本書はその第一弾。 川柳総合雑誌「川柳マガジン」が全国の川柳句会・大会の上位入選作品を厳選し、課題別に編集した川柳版の歳事記。収録句数6045句、課題数2015題。 入門書より手軽で実践的で即戦力に。これ一冊で全国川柳界の作品の傾向と対策が学べる。
  • 「カッコいい」とは何か
    3.8
    1巻1,100円 (税込)
    本書は、「カッコいい」男、「カッコいい」女になるための具体的な指南書ではない。そうではなく、「カッコいい」という概念は、そもそも何なのかを知ることを目的としている。 「カッコいい」は、民主主義と資本主義とが組み合わされた世界で、動員と消費に巨大な力を発揮してきた。端的に言って、「カッコいい」とは何かがわからなければ、私たちは、20世紀後半の文化現象を理解することが出来ないのである。 誰もが、「カッコいい」とはどういうことなのかを、自明なほどによく知っている。 ところが、複数の人間で、それじゃあ何が、また誰が「カッコいい」のかと議論し出すと、容易には合意に至らず、時にはケンカにさえなってしまう。 一体、「カッコいい」とは、何なのか? 私は子供の頃から、いつ誰に教えられたというわけでもなく、「カッコいい」存在に憧れてきたし、その体験は、私の人格形成に多大な影響を及ぼしている。にも拘らず、このそもそもの問いに真正面から答えてくれる本には、残念ながら、これまで出会ったことがない。 そのことが、「私とは何か?」というアイデンティティを巡る問いに、一つの大きな穴を空けている。 更に、自分の問題として気になるというだけでなく、21世紀を迎えた私たちの社会は、この「カッコいい」という20世紀後半を支配した価値を明確に言語化できておらず、その可能性と問題が見極められていないが故に、一種の混乱と停滞に陥っているように見えるのである。 そんなわけで、私は、一見単純で、わかりきったことのようでありながら、極めて複雑なこの概念のために、本書を執筆することにした。これは、現代という時代を生きる人間を考える上でも、不可避の仕事と思われた。なぜなら、凡そ、「カッコいい」という価値観と無関係に生きている人間は、今日、一人もいないからである。 「カッコいい」について考えることは、即ち、いかに生きるべきかを考えることである。 ――「はじめに」より
  • かっこうわるつ
    -
    後妻に入った珠子(池内淳子)だが、3年前に夫を亡くし、一念発起して不動産屋を開くために下北沢に引っ越してきた。姑のとめ(初音礼子)と義理の息子の洋二郎(岡田裕介)も一緒だ。店舗を紹介してくれた不動産屋の信昭(杉浦直樹)は珠子に一目惚れ。隣りに住む水道工事店の完治(藤岡琢也)も独身で、珠子が気になって仕方がない。昭和47~48年にTBS系で放送。全15回のうち、向田邦子が唯一執筆した第10話を掲載。
  • 河童 他二篇
    3.7
    「河童」は、ある精神病患者の談話を筆録したという形で書かれたユートピア小説。ここに描かれた奇妙な河童の国は、戯画化された昭和初期の日本社会であり、また、生活に、創作に行きづまっていた作者の不安と苦悩が色濃く影を落している。脱稿後半年を経ずして、芥川は自ら命を断った。(解説=吉田精一)

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  • 闊歩する漱石
    3.5
    夏目漱石の『坊っちゃん』は、あだ名づくしで書かれた反・近代小説。『三四郎』は、都市小説のさきがけ。そして『吾輩は猫である』は、価値の逆転、浪費と型やぶりによる言葉のカーニバルーー。漱石の初期3作をモダニズム文学としてとらえ、鑑賞し、分析し、絶賛する。東西の古典を縦横無尽に引いて、斬新明快に語る、最も自由な画期的な漱石論。漱石の楽しさを語ろう!
  • 葛飾土産
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    麻布・偏奇館から終の棲家となる市川へ。「戦後はただこの一篇」と石川淳が評した表題作ほか、「東京風俗ばなし」などの随筆、短篇小説「にぎり飯」「畦道」、戯曲「停電の夜の出来事」など十九編を収めた戦後最初の作品集。巻末に久保田万太郎翻案による戯曲「葛飾土産」、石川淳「敗荷落日」を併録する。〈巻末エッセイ〉石川美子 【目次】 にぎり飯/心づくし/秋の女/買出し/人妻/羊羹/腕時計/或夜/噂ばなし/ ■付録 葛飾土産(久保田万太郎)/敗荷落日(石川淳)
  • 桂宮本宇津保物語 俊蔭巻 宮内庁書陵部蔵
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 書陵部蔵、桂宮本俊蔭巻(零本)を若干縮小した影印本。本書は前田家本系に属し、「まゝ前田家本系に共通する書入を本文中に混じてゐる」ことによって、前田家13行本と極めて密接な関係を有すことが証される。別冊解説では、底本の書誌他、14行本との異同一覧等を記載。
  • 桂宮本蜻蛉日記(上) 宮内庁書陵部蔵
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 諸本中、最も古く、種々の点より最善本とされる書陵部蔵本を若干縮小し、精密に影印。該本は岩波文庫本や日本古典全書本の底本に使用され、広く世に紹介されたもの。巻末に書誌他、書名等について詳述した解説を付す。
  • 桂文我 上方落語全集 第七巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    7-1 一眼国 7-2 石返し 7-3 乙女狐 7-4 鴻池の犬 7-5 五里五里芋 7-6 さじ加減 7-7 崇徳院 7-8 長襦袢 7-9 蛸坊主 7-10 茶碗屋裁き 7-11 七草 7-12 貧乏花見 7-13 餅犬 7-14 算段の平兵衛 7-15 ろうそく喰い
  • 桂文我 上方落語全集 第六巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    第六巻では―― 2パターンの「狼講釈」など、 上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた 珠玉の高座、十五席を再現している〈解説付き〉 〝芸能博士〟と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することに取り組んでおり、噺家生活四十年で上演した噺は七百以上を数えます。  この全集では、そうした噺のなかから厳選したネタを、本人の解説付きで紹介し、収集した貴重な演芸資料も数多く掲載しています。大師匠方の思い出話などを綴るコラムも読み応えたっぷりです。 第六巻に収録されているのは、 ・はかり餅 ・肝つぶし ・軒付け ・口入屋 ・佐野山 ・三年酒 ・試し酒 ・持参金 ・出歯吉 ・伊勢松坂扇屋怪談 ・大盞 ・左甚五郎猫餅 ・五両残し ・数珠繋ぎ ・狼講釈〈その一・その二〉   の十五席。  落語では、人間の生死を題材にしたネタも数多くありますが、切実な内容のものは少なく、気楽に聞ける噺になっていることが多いです。第六巻では「肝つぶし」「三年酒」など、半分以上が人間の生死に絡んでいるネタとなっています。 「読んで楽しむ」落語の世界を、ぜひご堪能ください。 第七巻 所収予定 7-1 一眼国 7-2 石返し 7-3 乙女狐 7-4 鴻池の犬 7-5 五里五里芋 7-6 さじ加減 7-7 崇徳院 7-8 長襦袢 7-9 蛸坊主 7-10 茶碗屋裁き 7-11 七草 7-12 貧乏花見 7-13 餅犬 7-14 算段の平兵衛 7-15 ろうそく喰い
  • 桂文我 上方落語全集 第五巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    上演ネタ・七百席以上! 四代目桂文我が満を持して世に放つ上方落語の集大成、第五巻刊行! 第五巻では―― ファンも多い『蜆売り』『道具屋』など、上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた珠 玉の高座、十五席を再現している〈解説付き〉。 “芸能博士”と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、 大師匠と同様に落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでも あります。現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することに取り組 んでおり、噺家生活四十年で上演した噺は七百以上を数えます。 この全集では、そうした噺のなかから厳選したネタを、本人の解説付きで紹介 し、収集した貴重な演芸資料も数多く掲載しています。大師匠方との思い出話な どを綴るコラムも読み応えたっぷりです。 第五巻に収録されているのは、 ・お盆 ・占い八百屋 ・猫の災難 ・箒屋娘 ・湯文字誉め ・稲川 ・春雨茶屋 ・高野土産 ・大黒の読切 ・法華長屋 ・蜆売り ・道具屋 ・始末の極意 ・吹替息子 ・打飼盗人 の十五席。 よく知っているネタもあれば、はじめて目にするネタもあるでしょう。第五巻には「蜆売り」が収録されていますが、“桂文我の蜆売り”は大変ファンが多い演目です。 「読んで楽しむ」落語の世界を、ぜひご堪能ください。 第六巻所収予定 6-1 はかり餅 6-2 肝つぶし 6-3 軒付け 6-4 口入屋 6-5 佐野山 6-6 三年酒 6-7 試し酒 6-8 持参金 6-9 出歯吉 6-10 伊勢松坂扇屋怪談 6-11 大盞 6-12 左甚五郎猫餅 6-13 狼講釈 6-14 五両残し 6-15 数珠繋ぎ
  • 桂文我 上方落語全集 第四巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    第四巻では―― 「時うどん」「外法頭」など、 上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた 珠玉の高座、十五席を再現している〈解説付き〉 〝芸能博士〟と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することに取り組んでおり、噺家生活四十年で上演した噺は七百以上を数えます。  この全集では、そうした噺のなかから厳選したネタを、本人の解説付きで紹介しています。著者が収集した貴重な演芸資料も、多数写真で紹介しています。また、大師匠方の思い出話などを綴るコラムも読み応えたっぷりです。 第四巻に収録されているのは、 ・時うどん ・お貞の話 ・木挽茶屋 ・借家怪談 ・裏の松風 ・八問答 ・外法頭 ・毛布芝居 ・とろろん ・吉野狐 ・月宮殿星の都 ・盆唄 ・螢の探偵 ・焼物取り ・南海道牛かけ   の十五席。  よく知っているネタもあれば、はじめて目にするネタもあるでしょう。上方落語の「時うどん」と東京落語の「時そば」についての比較・検証は、とても興味深いです。  著者は言います。「私の場合、書いた落語が城の石垣であり、ライブの高座が、その日の天守閣の形になる」と。「天守閣」たるライブの魅力にはかないませんが、書いた落語=「石垣」には、読むからこそわかる奥深い魅力があります。 「読んで楽しむ」落語の世界を、ぜひご堪能ください。 第五巻 所収予定 5-1 しじみ売り 5-2 道具屋 5-3 始末の極意 5-4 吹替息子 5-5 打飼盗人 5-6 お盆 5-7 占い八百屋 5-8 猫の災難 5-9 箒屋娘 5-10 湯文字誉め 5-11 稲川
  • 桂文我 上方落語全集<第二巻>
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    1巻2,750円 (税込)
    上演ネタ・七百席以上! 桂文我が満を持して世に放つ 上方落語の集大成、第二巻刊行! 第二巻では―― 「包丁間男」「青菜」「佐々木裁き」など、 上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた 珠玉の高座、十五席を再現している〈解説付き〉  〝芸能博士〟と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することにも取り組んでおり、噺家生活四十年で上演した噺は七百以上を数えます。  この全集では、そうした噺のなかから厳選したネタをテキストに起こし、本人解説付きで紹介しています。著者が収集した貴重な演芸資料も、できるかぎり写真で紹介しています。また、大師匠方との思い出話などを綴るコラムも読み応えたっぷりです。 第二巻に収録されているのは、 強欲五右衛門 蛸芝居 京の茶漬 能狂言 紺田屋 佐々木裁き 雑穀八 四四十六 青菜 秋刀魚芝居 住吉駕籠 短期息子 馬子茶屋 包丁間男 厄払い  の十五席。  知っているネタもあれば、はじめて目にするネタもあるでしょう。どんなネタでも、著者自身による解説が付いていて読者の理解を助けてくれるのが、本書の大きな魅力の一つです。  著者の大ファンである小説家の江上剛氏は、「解説なんか不要ではないかと考える人がいるかもしれないが、それは大いなる間違い。この解説が、まるで文我さんが噺の枕を語っているようで面白い」と言います。また、「落語全集などと重々しく、ちょっと気取った感じもするが、全くそんなことはない」とも…。  「読んで楽しむ」落語の世界を、ぜひご堪能ください。 第三巻 所収予定 3-1 二人癖 3-2 始末の極意 3-3 道具屋 3-4 絵手紙 3-5 苫ケ島 3-6 胴乱の幸助 3-7 べんちゃら屋 3-8 豊竹屋 3-9 景清 3-10 花筏 3-11 しじみ売り 3-12 まんじゅうこわい 3-13 癪の合薬 3-14 吹き替え息子 3-15 打飼盗人
  • かなしき日本語
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    1巻2,640円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本語は深く悲しんでいる。「一億総発信者」の時代、己が思いを誤りなく伝えるには、その文章に最も適切なことばを探らなくてはならない。ことばが軽んじられている今、日本語への愛と哀惜の情を抱いてやまない著者が、厳密な考証と滋味溢れる文章で織り成す日本語時評。
  • かなしみの場所
    3.0
    離婚して雑貨を作りながら細々と生活する果那。離婚のきっかけになった事件のせいで家では眠れず、雑貨の卸先「梅屋」で熟睡する日々。昔々、子供の頃に誘拐されたときのことが交錯する、静かで美しい物語。
  • 仮名手本忠臣蔵
    -
    赤穂浪士ドラマの原点であり、大星由良之助(=大石内蔵助)の忠義やお軽勘平の悲恋などでおなじみの浄瑠璃、忠臣蔵。文楽や歌舞伎で上演され続けている名作を松井今朝子の全訳で贈る、決定版現代語訳。
  • 蟹工船
    -
    1巻110円 (税込)
    想像を絶する過酷な労働環境。監督の浅川は労働者たちを使い捨てにする。生きながら少しづつ死んでいく。ワーキングプアの状況は現代にも似ている。果たして労働者たちはどうするのか……。小林多喜二の名作文学。
  • 蟹工船 一九二八・三・一五
    3.7
    おい地獄さえぐんだで-函館から出港する漁夫の方言に始まる「蟹工船」。小樽署の壁の日本共産党万歳! の落書に終わる「三・一五」。小林多喜二(1903-1933)25歳のときの2作は、地方性と党派性にもかかわらず思想評価をのりこえプロレタリア文学の古典となった。搾取と労働、組織と個人。歴史は未だ答えず。[解説=蔵原惟人]

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  • 蟹の町
    -
    処女作「雪洞にて」は、山岳カメラマンが朝の光で樹氷を撮ろうと雪の斜面に掘った穴に潜む短い時間の心理と回想を、瑞々しく綴った秀作。「蟹の町」は、詩性にあふれた筆致が不思議な町を浮かび上がらせる快作。他の2篇も、暖かい人々の情景を描かせれば日本一と注目を集める作家の、みごとな出発点となる小説だ。詩的感性あふれる鮮烈なデビュー作。内海文学の原点がここにある!
  • 金子光晴 〈戦争〉と〈生〉の詩学
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 金子光晴は、時代背景と密接に絡み合いながら、「反戦・抵抗」の詩人、ある時は自由な個人主義者として、またニヒリズム・エロチシズムを鍵にして、近年では「家族愛」の詩人としてと、様々に読まれてきたが、本書は立ち止まり、その文学的営為を改めて整理・点検する。
  • 可能性としての連歌
    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 連歌は異質なものを出会わせ、思いがけない発想やイメージを生み出す装置である。連歌の成立と歴史、俳諧のながれ、近代連句論、可能性としての連歌、現代連歌の試みを論じる。

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  • 荷風のリヨン : 『ふらんす物語』を歩く
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    本書は資料的な裏付けに基づき、著者自身が一年かけて、実際にリヨンの町を歩きまわり、『ふらんす物語』と同じ百年前の、荷風が散策した当時の町を捜し求め、検証した記録である。

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  • 桂文我 上方落語全集 第三巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    上演ネタ・七百席以上! 桂文我が満を持して世に放つ 上方落語の集大成、第三巻刊行 第三巻では、『饅頭怖い』『歯抜き茶屋』など、上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた珠玉の高座、十五席を再現している 〈解説付き〉。 〝芸能博士〟と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することにも取り組んでおり、噺家生活四十年で上演した噺は七百以上を数えます。 この全集では、そうした噺のなかから厳選したネタをテキストに起こし、本人解説付きで紹介しています。著者が収集した貴重な演芸資料も、できるかぎり写真で紹介しています。また、大師匠方との思い出話などを綴るコラムも読み応えたっぷりです。 第三巻に収録されているのは、 二人癖 絵手紙 胴乱の幸助 ベンチャラ屋 豊竹屋 景清 花筏 饅頭怖い 癪の合薬 てないど 五人裁き 高野駕籠 歯抜き茶屋 大仏餅 裏の裏 の十五席。 知っているネタもあれば、はじめて目にするネタもあるでしょう。よく知っている『饅頭怖い』が上方落語だと、こんなに長い噺だったのかと驚くかもしれま せん。 著者は言います。「私の場合、書いた落語が城の石垣であり、ライブの高座が、その日の天守閣の形になる」と。「天守閣」たるライブの魅力にはかないませんが、書いた落語=「石垣」には、読むからこそわかる奥深い魅力があります。 「読んで楽しむ」落語の世界を、ぜひご堪能ください。
  • 壁を破る 【小田実全集】 世界のなかの体験と思想
    -
    本書は1962年から64年にかけて著者が、日本と世界とが積極的に結びつき、その上で日本独自の立場を築き上げようと志して書いた国際関係論だ。かつてのフルブライト留学生たちを訪ね歩くことで、自分にとって、また私たちにとって、アメリカとは何か、日本とは何かを考えた。作者は、日本が「アメリカのつくったもう一つの日本」であることを欲しない。日本は、かつて自分たちが侵略したアジア・アフリカを避けて通ることは出来ないことを、初めての韓国訪問の中で考えた。
  • 鎌倉時代物語集成 第一巻
    -
    1~8巻10,679~15,485円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]あきぎり(村上文庫)/あさぢが露(天理図書館)/あまのかるも(宮内庁書陵部)/在明の別(天理図書館)
  • 上方落語『東の旅』通し口演 伊勢参宮神賑
    -
    1巻3,080円 (税込)
    上方落語「旅ネタ」ジャンルの代表作、完全復刻。 著者自身による解説と貴重な資料を収載。 太平の世となった江戸時代に、「一生に一度はお伊勢さま」と言われるほど大流行したお伊勢参りを題材にした大河落語。大坂から見て伊勢は東にあるため、通称『東の旅』としても知られる。 喜六と清八というウマの合う二人の若者が大坂から奈良を通り伊勢神宮に参拝し、鈴鹿峠を越えて近江・京都をまわり大坂へ戻るまでの道中を描く。 『伊勢参宮神賑』は旅の道すがらに巻き起こるそれぞれが独立した噺の総称で、全編を通して口演されることは約百年以上なかった。時代を追うごとに演じられなくなり消滅してしまった噺もあるため、全体の三分の二ほどしか残っておらず、伊勢参りネタにもかかわらず伊勢神宮に参拝する場面が欠落していた。それを落語に関する資料・文献の収集家としても知られる著者が綿密なリサーチのうえ復元し、一部創作を加えて全二十二席によみがえらせた。 上方落語の陽気さ賑やかさをお供に、「七度狐」で狐に化かされ、「うんつく酒」では弁口達者で危機を切り抜け、「宮巡り」で伊勢神宮を参拝及び観光し、宿屋で騒動を繰り広げる。当時の風情や風俗を感じられる落語読本。 ――これからは、この二十二席が『東の旅』の典拠となるだろう。 民俗学者・旅の文化研究所所長 神崎宣武 ※本書は『上方落語『東の旅』通し口演 伊勢参宮神賑』(2014年10月、青蛙房)を加筆修正したものです。

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