河童 他二篇

河童 他二篇

506円 (税込)

2pt

「河童」は、ある精神病患者の談話を筆録したという形で書かれたユートピア小説。ここに描かれた奇妙な河童の国は、戯画化された昭和初期の日本社会であり、また、生活に、創作に行きづまっていた作者の不安と苦悩が色濃く影を落している。脱稿後半年を経ずして、芥川は自ら命を断った。(解説=吉田精一)

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河童 他二篇 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    (河童)面白く読んだ。どうなのかな、河童の国とこの人間の国、どちらが住み良いかな。芥川はどう思っていたのかな。生きにくかったのかな。

    0
    2024年07月22日

    Posted by ブクログ

    本編収録の『蜃気楼』について


    話のない話

    『蜃気楼』に対する直接的な評価を記す前に、少し考えてみたいことがあります。そのことが、『蜃気楼』 の魅力の片鱗を知る前提となるはずです。それは、言語の機能についてです。

    当然のことではありますが、言語はあくまで表象であり、そのものではありません。「愛

    0
    2018年05月05日

    Posted by ブクログ

    河童について。物語としてはとても面白かったが、読む前に聞いていた人間社会の風刺とはそこまで強く結びつかなかった。私が現代に生きているから?感受性が足りないから?だが相変わらずアフォリズムの宝庫だった。彼の中でベスト3に入る作品かもしれない。蜃気楼について。解説を読むまですんなりと理解できなかった。こ

    0
    2015年11月12日

    Posted by ブクログ

    今までに「羅生門」や「鼻」や「蜘蛛の糸」などといったものは読んだが、どれも特に思うことはなかった。でも本作の「河童」は「蜃気楼」「三つの窓」を含め、始めてなんだこれはと当惑した。これが芥川が評価される根源なのか、といった具合に。もちろん他にもその要素はあるんだろうけど、少なくとも、この皮肉か嫌味か愚

    0
    2014年11月18日

    Posted by ブクログ

    ユーモアとは、批判することだと理解した。批判することはユーモアを含むことだとも理解した。批判を伝える手段としてのユーモアのベストな作品。

    0
    2013年04月20日

    Posted by ブクログ

    人間らしさが強調されてた作品だった。
    芥川竜之介が、河童好きなのは知らなかった。
    ビスマルクのことば(正直は最良の外交である)が出てくるとは思わなかった。
    芥川も、ビスマルクに興味を持ってたのかな?

    "蜃気楼"は楽しく読めたが、"三つの窓"はいくら時代と言え

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    『河童』・・・面白おかしく読み進めていたら、なんだか所々、重く暗くなってきて、後半は心がざわざわしてしまった。産まれるか否かを自分で決めることになっていること、また、産まれた時が老人で徐々に若返っている河童が、だから欲に囚われずに幸せだというのが印象的。
    他の二篇も薄暗い話なのだけど、妙な綺麗さがあ

    0
    2025年04月03日

    Posted by ブクログ

    芥川龍之介の晩年の著書3作が収録。
    "河童"、"蜃気楼"は同じ頃に脱稿した作品で、共に1927年3月号の別雑誌に掲載されました。
    "三つの窓"は本書の解説によると同年7月号の文学雑誌「改造」に掲載、同年、7月24日が芥川龍之介の没月日なので

    0
    2020年12月30日

    Posted by ブクログ

    『河童』
    河童の国の話を通して人間の社会や風俗を風刺している。単なる寓話のような比喩物語ではなく独自の世界観を持ったユーモアあふれる作品になっている。

    『蜃気楼』
    蜃気楼を見に行く話。幻想的だか妙なリアリティがある物語で、まさに蜃気楼のような印象。

    『三つの窓』
    鼠、三人、一級戦闘艦×× の三部

    0
    2011年10月25日

    Posted by ブクログ

    生きづらさを感じる者が求める理想郷とは何だろうか。

    そういえば或る女がいた。女は理想郷を求め海へ飛び込み、北朝鮮へと亡命した。しかしそこは女の言う理想郷では無かった。女は祖国へ帰りたいと言った。

    この小説を読みながらその女が重なる。
    恐らく女はまた理想郷を求め、生きづらいと否定し排除して行くので

    0
    2011年02月28日

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