すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
12/30に読み始め、結構ページ数もあったので、年跨ぎになると思っていたが、あまりの面白さに大晦日の内に読み終えてしまった。
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風が、その場にいた高校生の錬とともに犯人を追いかけるも、もう少しというところで取り逃がす。しかし、犯人が落としたストラップに見憶えがあって…という出だし。
二日間だけの探偵コンビを組むことになった春風と錬の距離感も好ましい、爽やかな学園ミステリーと見えたお話だったが、もう一人の主要人物・理緒が登場する段になっていきなり緊迫感を増した。
そこから二つの話が結びつくまで、いや結びついてからも、思いもかけない展開が続き、ま -
Posted by ブクログ
この人の文章力はとにかくすごい。
EU離脱に関して”地べた”目線で書き上げられた別の本を読んだ際にはその目線の鋭さと優しさに感嘆したが、本書ではさらに中学生の感性にまで寄り添っていている。それでいて、描かれるテーマ・投げかけられる読者への問いは鋭く、何度もハッとさせられた。
中学生の”ぼく”が、こんなにも洞察に満ちており、時に達観していたり、時に素直に思い悩んでいることを母ちゃんに打ち明けたりととても素敵な少年。
まさにこの親にしてこの子あり、本当に素晴らしい子育てなのだと思う。きっと、なにものも押し付けず、対等に向き合っているんだろうなと勝手に想像して尊敬する。
英国に限らず世界の分断は -
購入済み
とある12月のお話
この子の手を握るのは自分を抱きしめることに似ている気がした(本文より)
全38頁
恋人と別れたばかりの遥ちゃんが天使を拾って、数日一緒に暮らすとても短いけど印象に残るお話でした。
この天使ちゃんは遥の心を具現化した姿なのかな?
遥ちゃん自身のように感じました。
周りの固定観念から輪の中から弾き出されて疎外感を持ったり、天使の羽も天使の輪も本当の自分の姿なのに、自分を取り繕ったりしない本当の自分のままで生きていく生き辛さ生き苦しさみたいなものを感じるお話でした。
でも最後の1頁、空を見上げる遥ちゃんの心に光がさせばいいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二重人格攻め、最高ーーー!
<圧倒的“光”属性の受けが、闇堕ち寸前のラスボスを救う為に奮闘する救済BL>
一人称視点・チート主人公なので、古き良き“なろう主人公”感があり、なろう系が苦手な方には刺さらないかも。
個人的には、無邪気でどんな苦境にもへこたれない明るさ1000%の主人公が可愛くて、“救済”と言う重めのテーマにも関わらず暗くならずに楽しめました。
そして、二重人格攻めがめっちゃ良い……!
オラオラやんちゃ系・優しいお兄さん系のタイプ違いが楽しめて一粒で二度美味しく、
どちらの人格も大切にされていて(片方が消滅する事もなく)、受けとの接点や交流が丁寧に描かれていたので『二人が -
Posted by ブクログ
シジュウカラのことが好きになってしまった。こういう動物の生態に関する本は初めて読んだけど、著者の鈴木さんの、鳥たちへの情熱が伝わってきてとてもおもしろい。あと、貰ったキャベツをひと玉一日で食べ切ろうとしたりする生命力というか忍耐力...?もおもしろい。笑
私は言葉が好きで、だからこそ言葉を持たない・意思疎通ができない動物には興味がもてないのだと思っていた。でもシジュウカラには言葉があるということを知り、動物や言語そのものに対する見方が変わってしまった。それは外国語を使ってはじめて外国に友達ができた日の衝撃と感動に似ている。言語とはなんだろう。口から音が出ると知った動物が、それを使って何かを他 -
Posted by ブクログ
これぞ中公新書の物語シリーズの真骨頂。一つのテーマに沿って歴史を学びつつ、取り上げられる人物の人間臭い部分も同時に知る。歴史を読むこと、物語を楽しむことが共存している感覚がとてもいい。それでいて筆者は歴史の仔細について全く妥協していず、自分の立場や意見もはっきり述べる。その態度がかっこいい。コラムを挟んで無名の人々に対して言及するスタンスについても冒頭で自ら立てた旗をしっかり見据えている行為で感心させられる。
フランス革命って偉大だな。いまの自分があるのはこれのおかげかも?と思いながら読んだ。「フランス革命」という字面をみただけでお腹いっぱいという感覚がするくらいにはその出来事の自体の偉大 -
Posted by ブクログ
とてもとても丁寧に綴られた、1人の女性の人生譚。たった一瞬の選択の失敗であまりにも大きなものを失ってしまったその後の彼女の歩む道のり。数奇な運命と狂おしいほどの葛藤が混じりあい、時には絶望に苛まれながらも、それでも息子への呼びかけを支えにして生きる日常。過去と現在を行きつ戻りつ、明らかにされないことについての想像を膨らませつつ、とてもゆっくりと読者は主人公に寄り添っていく。だから終盤の邂逅の描写は、小説的というよりも妙にリアルなものであった。単純な感涙では済まされないものであった。最後の最後で、「熟柿」の語感はそれまでの不穏なものから穏当なものへと変化する。もしかしたらこの瞬間を描くためだけに