発売前から気になっており予約して購入。
語彙力豊富で、文章がとにかく読みやすく美しく勉強になりました。
さっと読めます。
すごくセンセーショナルなフレーズ。”ネオ・ネグレクト”
前々から子育てにコスパ・タイパはないと思っていて。
お金は出すからあとはよろしく、ないし、お金を出した分結果を出して。
みたいなアウトソーシング。
小受中受界隈なのか。英才教育界隈なのか。
うまく言葉にできないもやもやがずっと気になっていた。
私が子育ての軸としている佐々木正美さんや、汐見稔幸さん、小川大介さんなどが唱えているような「こどものありのままを信じて見守る」「こどもは促成栽培できない」というような子育ての本質とされるものからどんどん遠ざかっているなって感じていて。
一度手にした生活水準・快適さってなかなか手放せないよね。
お金に困っていない大人同士で日々を快適に暮らしている中、子どもという、”ままならない”ものが加わる。
泣き声笑い声はしゃぐ声喧嘩する声、ドタバタ音。大人だけでは起こり得ない音、散らかる部屋、果てしない家事、話しても伝わらないもどかしさ、一人の時間が持てない辛さ。
子どもが体調を崩せば仕事を休んだり、預けたり、心身ともに負荷が加わって。
学歴・習い事・身に着けるものから旅行など目に見えるものが気になったり。
子どもを育てるって本当に大変だと思う。
特に現代においては。
子育てで失敗しちゃいけない、したくない。
自分はこうしてきたからこのやり方が正しいはずだ。
SNSで見かけたあの人はこうしてる、我が家もこうしなきゃ。
でも、うちの子だけはきっと特別だから…もっとやらなきゃ。
便利なグッズはどんどん頼ればよいと思う。
忙しくてさ、出来ることにも使える時間にも限りがある。
手間暇をかけた分が愛情の証拠みたいなのはわかるけど、それがすべてじゃなくてよいと思う。
でもそれらはあくまでも子どもファーストであって欲しいと思う。
”ただただ今の大人が楽をするためだけ”ではなく、未来の子どものことを考えたグッズであったり、サービスであって欲しいと願ってしまう。
子どもの顔を見てる?体の調子はどう?心はどう動いてる?言葉遣いや態度、人への接し方の様子に変わりはない?
楽する育児。頑張らない育児。無理をしない育児。
わかるよ。逃げたいよ、楽になりたいよ。辛いよ。快適に暮らしたい。
スマートに暮らしたい。SNSみたいにキラキラしたい。
わかる。
それでも"我慢"出来るのが大人なのかなって思ってる。
結婚も育児も”忍耐”はやっぱり…わかる。
他人と暮らすのって大変だもん。
漢字の圧なのか、言葉としての重みが大げさなのかはわからないけど、
夫ないし子どもないし、"自分以外"の他人と生活するんだもん。
思いやりも譲歩も優しさも大事でさ。一人の時みたいに、子どもなしの時みたいに自分ファースト、あるがままってのはやっぱり難しいのさ。
私も日々葛藤してる。すごく闘ってる。苦手な"我慢"頑張ってしてる。
でも、子育ては一生じゃない。
子どもが大人になるまではやっぱり責任は親にあって、見届ける義務があるよねって思ってる。
いつか子どもたちが大きくなって、私たちに接してくれる態度が子育ての答え合わせになるのかなって思ってる。
子どもが心身共に健康であって欲しい。
たくさん寝て、たくさん食べて、たくさん遊んで欲しい。
周りの人と関わりを持って愛情をもらって、大切にして、されて。
時には傷ついたり傷つけながら他人との距離を学んで。
そうやって心と体の健康の土台さえ育っていれば、やるべきことはいつか"その時"が来たら自分で見つけられるんだ。自分のために頑張れるんだ。
生きる意味を見失わず、自分はこれがやりたいんだって思える大人になって欲しい。
子どもは社会の宝。預かりもの。大切に育てて、未来に繋ぐの。
あまりこんなワールドワイドな、大きなことを言うのらしくなさを感じるし、恥ずかしいし、歌詞みたいでむずむずするけど、これが私の願いだよ。