吉川トリコのレビュー一覧

  • 流れる星をつかまえに

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    6編からなる連作短編集。
    なつみは、若々しい美鈴ママにちょっとだけ嫉妬していた。
    女王蜂(クイーンビー)の美鈴ママ。
    でも、美しさは見た目だけではなかったのだ。
    歳を重ね「おばさん」になるのは罪なのか?

    初未は二つの名前を持つ。
    佐藤初未とキム・スンエ。
    15歳の平凡な女の子に知らされた在日韓国人という事実。

    ままならない日常。
    出自も性別も、自身ではどうしようもない。
    映画の印象的なシーンに絡め、それぞれの登場人物が明るく力強く
    そして前向きに描かれている。

    吉川トリコさんは名古屋在住作家さん。
    地名など馴染みのある場所ばかりで、それも楽しかった。

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    2022年09月26日
  • 流れる星をつかまえに

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    女性を取り巻く、あれこれに、とても敏感な作家さん。
    初めて読んだ「ベルサイユのゆり」は、ふざけているのかと思ったけれど、
    ちゃんと「ゆり」の意味を込めていたんだよね、あれ以来、
    気になる作家さん。
    私から見たら、若手だけれど、世の中では中堅か。

    本作は、連作短編集。
    彼女の世代爆発、映画や海外ドラマが次々登場し、
    その上の世代の私にはよくわからないところも多々あり。
    それでも、40代主婦がチアダンスチームを作り・・・
    そこから仲間が広がり、今の世で、マイノリティゆえの何かを
    抱えている人物が次々にスポットを浴びる。

    こういった世の中の切り取りが、本当に、この人は上手。
    ちゃんと物語の中で読

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    2022年09月13日
  • 流れる星をつかまえに【試し読み】

    購入済み

    考えさせられる

    読んでいるととても考えさせられる、連続短編集作品です。話ごとに登場する人物はほとんどが皆何らかの悩みを持っており、周囲の人々と関わる日常を追うパターンがみられています。年齢も境遇も当然一人一人が別々な世界で生きているわけですが、悩んでいるのは自分だけではないことや、前向きに生きることの必要性を感じられる内容だといえます。

    #深い

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    2022年09月01日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
    各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。

    1話目
    ◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
    どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。

    2話目
    ◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
    韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変

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    2022年08月28日
  • ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

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    マリーアントワネットの日記のスピンオフ‥マリーアントワネットの日記よりは、読みやすかったのが第一の感想。でもやっぱり順番としては、マリーアントワネットの日記を読んでからの方が断然いいと思います!やっぱり、マリーアントワネットって天真爛漫でありながら王妃としての自尊心もあって、誰からも愛される‥やっぱりその人柄に惹きつけられます。私も百合にハマっちゃったかな(笑)

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    2022年07月13日
  • マリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫nex)

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    前作Roseで少し慣れたのか、今作はさほどつまずかずに読み切れたと思います。読み終えて楽しかったなぁ~と感じました。マリーアントワネットの明るくて前向き、物事をプラス思考にとらえることができるのは特技といってもいいかと思います。落ち込むことはあっても、王妃のプライドでそれを周囲の人に悟らせない…周囲の人や、読み手はマリーアントワネットに親しみを持つことができます。さすが、吉川トリコさんです!

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    2022年07月12日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    読み始めて思ったことは、正直ついていくのがやっと(汗)‥文字数が多く感じ注釈も読みながらって結構時間がかかる‥これは、読みきれるか不安にもなりました。でも、段々とこの感じか心地よくなって、最後まで楽しく読めました!マリーアントワネットの場面場面の思いに共感しながら、Bleuも読みたいと思います。

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    2022年07月12日
  • マリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫nex)

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    これは…ワクワクドキドキボロ泣きの冒険小説です!
    中編あたりで、プチトリアノンの贅沢な環境に怒りを覚え、フランスを捨てて逃げる描写に、結果がわかっていながらもハラハラドキドキし、Aとの最後のロマンスに、ちょっとちょっとf^_^;と焦りながら微笑ましく思い、最後の陛下との別れや断頭台へ向かう描写にはもうボロ泣きし…
    なによりこれがトワネットの頭の中の日記だったことにびっくりし!
    漫画みたいな表紙に騙されることなかれ!ギャル語を侮るなかれ!
    なかなか面白い本ですよこれは☆

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    2022年06月21日
  • おんなのじかん

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    ネタバレ

    吉川さんのリアルな感情が描かれていて、
    「そうなんだ!」と思うことから、
    「わかる!わかる!」と思えることまで
    たくさん詰まっています!

    深く考えすぎず、「面白かった〜」と思える一冊です。

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    2022年06月19日
  • ラブソングに飽きたら

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    山内マリコさん作品記録 11

    超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史
    (山内マリコさん)と
    雨宿りの歌(あさのあつこさん)が
    印象的。

    こういった短編集でないと出会えない、
    出会わなかったであろう作家さんの
    作品も読むことができて良かった。

    川上未映子さんの作品は
    わたしにはまだ難しいな、、
    もう少し大人になったら分かるのだろうか。

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    2022年03月20日
  • おんなのじかん

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    女性にまつわる偏見を40代の著者が多様な見方で斬っている本。
    著者もまだはっきりと割り切れていない部分があるのがリアルで読んでいておもしろい。
    私も不妊治療の経験があるので、不妊治療・流産の章は共感が満載だった。「諦めないことより諦めることの方がずっと難しい」「できることなら夫といっしょに子育てがしたかった」など胸が痛い…。
    子連れの友達に対する気持ちもわかりすぎる。

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    2022年03月08日
  • おんなのじかん

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    読みやすい文体で書かれていたのでサラッと読んだけど、不妊治療のくだりは結構しんどかったなぁ。
    ただ各種エンタメ、コロナだったり本当に直近のことであーわかるわかるって点も多かった。

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    2022年03月06日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    独特で面白い。マリーアントワネットが現代言葉で書いた日記という設定。

    14歳の夫婦関係に悩む少女時代から様々な経験をして、38歳で処刑されるまで。

    子供や夫への愛にほろっと涙が出るシーンもあり、基本的にはおちゃらけた終始明るい文調だけど着実に死の瞬間に近づいているのがわかって、なんとも言えない気持ちになる。

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    2022年02月14日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    『女子的生活』と名前忘れたけど神様の話が良かった。
    女子的生活は文庫本になってて続編があるからこの本読んで気に入った人は買ってみるといいと思う。

    神様の話も良かったな。見た目に囚われちゃいけないと思った。

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    2022年01月30日
  • 少女病

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    ネタバレ

    家庭内うまくいかなさそうな状況なのに
    家族それぞれなんだかんだとみんなのことを
    想っていて、小競り合いもあるけど
    いつも最後は笑っていて

    長女も立派に恋をしてお嫁にいって
    次女も最愛の人と出会えて、そして別れて
    夢にむかっていく
    三女も姉から家族からの依存をやめ
    本当の意味での大人になっていくし

    母親も母になりたくないと言いながら
    本当は誰よりも娘のことを想っている。

    どの章の最後も温かくなる終わり方で好き。

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    2022年01月22日
  • ずっと名古屋

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    東海地方に愛着があるから、でらおもろいら。どの主人公も全部自分なんじゃないかと思ってしまう。作者の力量にしびれた。

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    2021年12月16日
  • ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    あの人のことを語らせて。

    パリ旅行者に話しかけてきた幽霊は、マリー・アントワネットの女官長だったランバル公妃。彼女はマリー・アントワネットの近くにいた人々から話を聞き、慕っていた王妃に再び会う時の土産話にしようと考えたのだ。そして彷徨うこと幾星霜。2018年のパリで、ランバル公妃の口から語られる、マリー・アントワネットという人のこと。

    様々に王妃と関わり、王妃を愛した人たちから語られる王妃の姿。それはその人が命を終える時にランバル公妃が聴いたからか、語るその人自身についての語りでもある。あの時代を、革命を、どのように生き抜いたのか。女性として、自分として、何を求めて生きたのか。18世紀の人

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    2021年12月11日
  • おんなのじかん

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    いやー、痛快でした。
    自分の中で解決しないモヤモヤした思いを吉川トリコさんが
    活字にしてくださって。
    きれいに晴れ渡った青空に
    スコーンと上がったホームランボールを見上げるような
    そんな気持ち良さを感じさせるエッセイ。
    でも「これで卒業」は、不妊治療をやめると決断した吉川さんのさみしさが伝わってきて涙を誘う。
    〈諦めないことより諦めることのほうがずっと難しい〉
    この先も読みますよ。

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    2021年11月30日
  • おんなのじかん

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    おもしろかった。ご本人もあとがきでおっしゃっているが、タイムリーな話題や言葉づかいがたくさん出てくるので、後から今の価値観を知るのにとても参考になると思う。というか女性にまつわる自由な考え方はいつまでも「古っ!」にならないでほしい。

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    2021年10月21日
  • 夢で逢えたら

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    女性の生きにくさが、分かりやすい題材と重くなりすぎないタッチで描かれています。

    ここに描かれているエピソードの数々をどれだけ「おかしい」と思えるかで、女性の生きにくさが改善されていくのだと思う。

    一人一人の人をただ尊重するだけの事なのに、なぜそれが難しいのか。
    そもそも、「世界の半分の人を尊重しない」なんて、誰が聞いてもおかしいと言うことに気付けば変わりそうなのに。

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    2021年08月09日