吉川トリコのレビュー一覧
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6編からなる連作短編集。
なつみは、若々しい美鈴ママにちょっとだけ嫉妬していた。
女王蜂(クイーンビー)の美鈴ママ。
でも、美しさは見た目だけではなかったのだ。
歳を重ね「おばさん」になるのは罪なのか?
初未は二つの名前を持つ。
佐藤初未とキム・スンエ。
15歳の平凡な女の子に知らされた在日韓国人という事実。
ままならない日常。
出自も性別も、自身ではどうしようもない。
映画の印象的なシーンに絡め、それぞれの登場人物が明るく力強く
そして前向きに描かれている。
吉川トリコさんは名古屋在住作家さん。
地名など馴染みのある場所ばかりで、それも楽しかった。 -
Posted by ブクログ
女性を取り巻く、あれこれに、とても敏感な作家さん。
初めて読んだ「ベルサイユのゆり」は、ふざけているのかと思ったけれど、
ちゃんと「ゆり」の意味を込めていたんだよね、あれ以来、
気になる作家さん。
私から見たら、若手だけれど、世の中では中堅か。
本作は、連作短編集。
彼女の世代爆発、映画や海外ドラマが次々登場し、
その上の世代の私にはよくわからないところも多々あり。
それでも、40代主婦がチアダンスチームを作り・・・
そこから仲間が広がり、今の世で、マイノリティゆえの何かを
抱えている人物が次々にスポットを浴びる。
こういった世の中の切り取りが、本当に、この人は上手。
ちゃんと物語の中で読 -
Posted by ブクログ
8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変 -
Posted by ブクログ
ネタバレあの人のことを語らせて。
パリ旅行者に話しかけてきた幽霊は、マリー・アントワネットの女官長だったランバル公妃。彼女はマリー・アントワネットの近くにいた人々から話を聞き、慕っていた王妃に再び会う時の土産話にしようと考えたのだ。そして彷徨うこと幾星霜。2018年のパリで、ランバル公妃の口から語られる、マリー・アントワネットという人のこと。
様々に王妃と関わり、王妃を愛した人たちから語られる王妃の姿。それはその人が命を終える時にランバル公妃が聴いたからか、語るその人自身についての語りでもある。あの時代を、革命を、どのように生き抜いたのか。女性として、自分として、何を求めて生きたのか。18世紀の人
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