吉川トリコのレビュー一覧

  • ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

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    「マリーアントワネットの日記」スピンオフ。脳裏にトワネット節の余韻が残っている。今作は幽霊となったランバル公妃が、革命時に翻弄された主立った面々のもとへ世界各地を訪問。マリーアントワネットを話題にぶっちゃけトークした内容を、フランスを訪れた旅人に夜を通して語りつくす短編集。発想が面白いし、はっちゃけた文章は変わらず。マリー・テレーズの章が良かったなぁ、吉川トリコさんこれが一番描きたかったんじゃないかなぁ。今度別作品も読んでみよー。

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    2021年05月10日
  • マリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    「フランス王妃マリー・アントワネット」に隠された心。

    ルイ15世が崩御し、とうとうフランス王妃となったマリー・アントワネット。自分の思うままに、寂しさや不安を押し込めながら、愛するものを愛し続けたアントワネットがどうなったか。

    本人の日記というスタイルで、本人の視点から様々な事件が描かれているので、アントワネットの持ち上げられたら乗っちゃう危うさや、愛を得るための過剰なまでのサービス精神、隠された不安、マリア・テレジアの娘らしい不屈の精神などが、ところどころに現れている。

    Aで表されるフェルゼンとの愛、そして固い絆。木訥で控えめ、偏屈でとても「ヴェルサイユ人」らしくない夫・ルイ16世への

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    2021年05月04日
  • 光の庭

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    昔は仲の良かった同級生も月日が経つとともに大きく変化していくよなぁ。
    違って当たり前と思っておかないと、数十年経ってから会ったりできないかもしれない。

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    2021年02月16日
  • 夢で逢えたら

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    テレビ時代のおわり、コロナ禍のはじまり、そして男尊女卑の名残… 様々な角度から見て過渡期と言える現在にこの作品を読めて良かったです。
    「女」芸人、「女子」アナであるがための生きづらさ、理不尽さ、そして葛藤の描写がリアルで引き込まれました。様々な出来事や出会い、衝突を経て価値観や生き方を日々ブラッシュアップしていく様が痛快で、自分も 目の前の事象を"なんとなく"で過ごさずに意志を持ち、貫きながら生きていきたいと思った。女の人生にイージーモードはない!

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    2021年01月07日
  • 夢で逢えたら

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    生きづらい女たちのカウンター的な物語。クソみたいな男たちをやっつけるシーンが何度か出てくるけど、そこそこ傷は負わせるものの徹底的にやっつける爽快感までたどり着かない感じがリアルで、TV業界とかを誇張して描いてるのと対照的に丁寧で誠実な感じがした。

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    2021年01月03日
  • 夢で逢えたら

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    TBSラジオのアフターシックスジャンクションを聴いて購入!
    柚木麻子さん、宇垣美里さんオススメ本とのこと。
    性別問わずたくさんの人に読んで欲しい。

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    2020年11月23日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    浅井リョウ「それでは二人組を作ってください」
    飛鳥井千砂「隣の空も青い」
    越谷オサム「ジャンピングニ―」
    坂木司「女子的生活」
    徳永圭「鳥かごの中身」
    似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
    三上延「月の砂漠を」
    吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
    以上8つの短編集。

    率直な感想を述べると、私には少し難しかった。
    同居人との間には特別な価値観があり、そしてその形の多様さはとても素敵だと思う。
    しかし、若輩者の私には実感が伴わなかった。
    この物語を楽しむには私の経験が足りない。
    逆に言えば、もっともっと多様な人と出会っていけば、きっとどこかで共感できることだろう。

    以下は、いくつか気になった作品に

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    2020年10月07日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    朝井リョウ、飛鳥井千沙、越谷オサム、坂木司、徳永圭、似鳥鶏、三上延、吉川トリコという8人の作家が、それぞれ「部屋に住む」ということをテーマに綴ったアンソロジー。

    それぞれの作家性というか、クリエイターの個性あふれる物語で非常に面白かった。

    「住む」ってのは衣食住のひとつを占めるとてもとても大事なマテリアルだし、更に異性とどんな形であれ一緒にひとところに住む、ともなれば「物語」は自ずと生まれるわけで。

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    2020年07月13日
  • 夜更けのおつまみ

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    ポプラ社のPR誌「Astra」掲載の‘おつまみ’をテーマにしたアンソロジー。大作家の随筆をワンテーマであちこちから抜いて集めたシリーズもバラバラぶりがよいけど、お題のために書かれた、わりと若めの作家さんのエッセイはブレてなくて、おいしそうでいいなあ。おつまみ作って飲みたくなるなあ。夜中にw

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    2020年05月25日
  • しゃぼん

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    扇情的でもない、色っぽいでもないし、艶っぽいでもない、エロチックなんてモノでもない、けど、エロいんだよなあ。

    フランス革命のヒロインを描いた別な作品を読んで、トリコさんに興味を持って。

    ひきこもりニートな花の色々匂うような、色気だったり、生活臭だったり、洗濯洗剤の香だったり、ハルオは何故?そばにいるのか?

    他の三編も、また、愛?二人でいることを淡々と描く。

    男性としては、私の年齢が言わせるのか、出てくるヒロインたちに共感できなかった、ちょっと肌が合わなかったかな?

    #しゃぼん
    #吉川トリコ
    #吉川トリコさん
    #小説好き
    #小説好きと繋がりたい
    #小説
    #読書記録
    #読書

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    2020年03月17日
  • 夜更けのおつまみ

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    お酒もおつまみも、好みがそれぞれなのが面白い。
    酒ではなくつまみがテーマなのに、つまみを美味しく食べるために飲むのではなく、酒を美味しく飲むために食べているのですよ!と開き直っている執筆者がチラホラ混じっているのが微笑ましくてよい。
    オイルサーディンは美味しい。

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    2020年03月14日
  • 女優の娘

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    有名なポルノ女優の母親が亡くなり、アイドルをしてる娘がいることが判明し…という設定が面白そうで読んでみた。
    ポルノ女優の娘であることの葛藤というより、普通に家族の問題、アイドルが抱える問題(恋愛禁止だとか、消耗されてるだとか)に関する小説って感じだったな。

    序盤から登場人物が多くて、しかもあだ名ばかり出てくるから「え、誰だっけ?」って何度かなった。
    主人公より10歳ほど年上の私には、全体的に興味がない、ついていけない話だったなぁ。
    劇場型アイドルの管理しきれない様は妙に生々しくて、そういうのに興味ある若い人は、楽しく読めるのかな。

    表紙は森川葵でふつーにめちゃんこ可愛いですが、主人公はブス

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    2020年02月24日
  • ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

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    面白かった。読む順番を間違えたっぽい。
    先にマリーアントワネットの日記を読んでから読むべきだった。
    軽く書かれてるけど、フランス革命当時の女性は貴族も平民も大変だったんだろうなと知識のない私でも感じた。
    マリーアントワネットの日記も読んでみよう

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    2020年02月06日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    誰かと一緒に暮らすことをテーマにしたアンソロジーですが、それぞれの作家さん達があまりにも個性的な設定を駆使したお陰でそれなりに面白いのですが、まとまりが無さ過ぎる一冊になってしまった印象です。

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    2020年01月01日
  • マリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫nex)

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    クライマックスに向けて、マリーアントワネットの緊迫感が伝わってきて、はらはらした。

    アルジャーノンに花束をみたいな感じに思った。

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    2020年01月01日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    若者言葉、ネット用語満載のハイテンションなマリーアントワネットによる日記。

    各ページに2、3個は注釈があるぐらい、イマドキの言葉で綴られている。
    ストーリー展開自体は、マリーアントワネットがフランスに嫁いで…というお話なので、そこに驚きはないが、マリーアントワネットがイマドキの若者みたいに感じられて面白かった。

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    2019年12月16日
  • 女優の娘

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    女はこうしなくてはいけないの?母娘はこうあるべき?アイドルってかわいくてきらきらしてないといけない?そんなことを知らないうちに突きつけられ息苦しくなりまた。お話は突然死んだポルノ女優だった母とアイドルの娘が、自分と母のあり方を見つめ直しながら、母の半生を探すような展開になっていますが、それよりも主人公「いと」の、女性の生き方を問うような疑問や後悔などが、きりきり胸を刺し最後まで気が抜けません。ラストには希望が。彼女が成長した姿をまた見たい気分です。

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    2019年11月12日
  • 女優の娘

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    久しぶりに吉川トリコさんの作品読んだなぁ…面白かったです。女優の娘、とあるけどポルノ女優と知らずに読み始めたのでびっくりしたし、さぞかし霧子は妖艶で美しかったんだろうなと、文字だけで感じた。そう感じさせる吉川トリコさんの筆力に圧倒されつつも、結局父親は誰だったんだろうと邪推してしまうわたしはきっとつまらない人間なんだろな…

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    2019年10月04日
  • 女優の娘

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    この表現は正しくないかもしれないけれど、思っていたより「普通の物語」だった。

    ポルノ女優の娘、アイドルとしての自分、埋まらなかった母娘の溝と、溝から溢れた濁ったなにか。
    誰もが不完全で、孤独で、身勝手で、それは別に特別なことではなく誰の日常でも起こりうる。だから普通と思えたのかな。

    誰かの主役でいることは、幸せなのか、そうじゃないのか。本当に血は水よりも濃いのか。
    なんだかいろんなことを一気に考えさせられるけれど、結果的に「答えはひとつじゃないし、誰かの答えは決して自分には当てはまらない」に戻る。同じところをぐるぐる旋回してるような読書体験だった。



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    2019年09月01日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    全部のお話に部屋の見取り図がついてて、これ見るのが楽しい♪

    △それでは二人組を作ってください 朝井リョウ
    主人公がヤな子で、さすが朝井リョウというか、隠れブラックだった。読後感があまりよくない。
    ○隣の空も青い 飛鳥井千砂
    男二人でダブルの部屋に出張、という設定が笑えた。主人公より、同室の先輩がいい味出してる。日韓関係を盛り込んで、希望もあって、○
    ×ジャンピングニー 越谷オサム
    ダメんずとズルズル同棲話。この手の話はあまり興味が持てない。私小説、リッチな日本の時代版て感じ。でも、最終話よりは、終わり方が爽やかかな。
    ○女子的生活 坂木司
    なるほど!と

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    2019年07月25日