吉川トリコのレビュー一覧
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死生観が私と同じだった。独身40歳女性の主人公は癌で余命一年と宣告されて感じたのが「この先何年も生きなくていいんだ、と安堵した」。末期といえど一年。否二年三年正確な寿命がわからないなら今までの貯金をぜんぶ使おうとするも渋られ、では一年と決めて自殺するかと思っても迷惑を被る人がでてくる。1人で生きていくことも困難なのに、1人で死んでいくことも許されない。生きることを恐れていた。いつかくる貧困に怯え不安があるなかで余命一年は肩の荷がおりた。とあって共感しかなくこの本を買おうとおもった。そんな中でホストの男をかうことになる。買っても主人公の死生観はかわらなかったが、ホストという接客のプロの立ち振る舞
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お金がある人生が幸せかと、ありふれた言葉だけど、何が幸せかを改めて考えさせられました。
堅実な生活を送ってきた、40歳の独身OL片倉唯は、ある日、病院で余命一年の宣告を受ける。その帰りに、見ず知らずのホストの瀬名からお金を貸しいと言われ、お金を貸す代わりに、そのお金の分だけ唯に尽くして欲しいと取引を持ちかける。
人生楽しいことがなくちゃ、生きてちゃいけないのかという言葉が、心に残りました。人生楽しまなきゃ、損って思いましたが、それだってお金があるこらこそ。改めて、人生ってなんだろうなと思う。
お金よりも、人との繋がりも大切かもしれないけど、お金があるから割り切るという考えも怖いなと思う。 -
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ほんタメであかりんがお勧めしていたので読んでみました。
2029年から1979年までの50年に渡る家族の様子を描いた作品で、10年ずつ時間を遡りながら進む新しい形の作品でした。
幸せな家族の中に見えてくる些細な違和感の正体が時間を遡る毎に明らかになっていき、前提を覆された時の驚きや納得する瞬間がとても面白い作品でした。
ここまで前提が覆されるともう一度読み返さないとと気が済まなくなり、また読み返しています。
謎が解けてスッキリした!という感じではなく、人によって解釈がいかようにも取れる作品だと思いますが、小説は本来こうでなくちゃな、と思った作品でした。 -
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ネタバレ往年の人気ポルノ女優で、世間を騒がせてばかりの、困った母を持った娘が、母の死をきっかけに、もしかしたら父かもしれない映画監督と一緒に、関係者にインタビューをしてまわるという話。本人自身は、親のことを隠してアイドルをやっていたが、そろそろ同期がだいたい卒業してしまって、身の振り方を考えている時期にあるという。
おかあさんの自分本位な行動にふりまわされて、いろいろと不愉快な目に合わされてきて、義父との問題などもあって、早くから自立せざるをえなかった女の子が、一方では、おかあさんへのあこがれの気持ちなどもあって、そうした複雑な感情を、母の死に際してどうやって整理していくかというところが、なかなか説 -
Posted by ブクログ
タイトルと可愛い表紙に惹かれて買いました。星5つじゃ足りない!星8つぐらいつけたい。
とても読みやすくて、面白い。読み始めたら止まらない、全く飽きない。文章が堅苦しくないので、最後まで楽しく読める作品。
コスパ重視の唯の生き方や考え方にすごく共感する。唯とは少し違うけど、私はバツイチ子持ちの三十代半ばで、買い物のときはコスパのことしか考えていない。常にマイボトルのお茶を持ち歩き、職場では地味なお弁当を食べてる。
唯の気持ちがすごく分かる。生きてる今も誰にも頼らずに、死んだ後にも人に迷惑を掛けないようにと常に考えながら生きるのは、とても苦しい。唯の病気が分かったときの気持ちに共感しすぎて、
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