感情タグBEST3
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友情というより互助会。納得!
40代でチアダンスを始めたママチームと、その子供たち、学校の先生の連作短編。
前向き元気パワーをもらえる1冊。
映画をたくさん知ってたらもっと楽しめたのかな。
Posted by ブクログ
親世代、子世代それぞれの生が同じ大きな物語の中でつむがれるのが、日本文化の年齢性を超越しようともがく意志を感じさせる。先生と生徒というのもそうかな。
でもよく考えてみると、子供向けの小説の中で、子どもの姿が大人にはどう見えているかを描いていた古田足日なんかもある意味同じなのかな。今思えば、ああした小説(『宿題ひきうけ株式会社』など)を読んで育ったことが社会学者としての僕の現在につながっている気がする。
でもこの小説で描かれる親世代、子世代それぞれの世界は子ども向けの小説とは違って、より対等なものになっていて、それは現実の私たちの世界における若い世代がより大人の世界とつながっている部分を映しているように思える。
そのような中で、プロム開催のために爆走する女子高生たちは、悟りすぎている若い世代への私たちの期待を反映しているようだし、子育てをはじめてから、若いころの夢を実現させようとしている主婦たちの姿は、年齢の壁を乗り越えたいという私たち自身の野望を映しだしているように思える。
コロナの流行はシンデレラの12時の鐘のようだったけど、それならその現実を乗り越える新たな魔法を私たちは欲しいと切実に思った。
また全体的に女性視点が強く反映されたストーリーで、男性がそこにどう関わっていいんだろうという課題を課されているようにも感じられた。
Posted by ブクログ
6編からなる連作短編集。
なつみは、若々しい美鈴ママにちょっとだけ嫉妬していた。
女王蜂(クイーンビー)の美鈴ママ。
でも、美しさは見た目だけではなかったのだ。
歳を重ね「おばさん」になるのは罪なのか?
初未は二つの名前を持つ。
佐藤初未とキム・スンエ。
15歳の平凡な女の子に知らされた在日韓国人という事実。
ままならない日常。
出自も性別も、自身ではどうしようもない。
映画の印象的なシーンに絡め、それぞれの登場人物が明るく力強く
そして前向きに描かれている。
吉川トリコさんは名古屋在住作家さん。
地名など馴染みのある場所ばかりで、それも楽しかった。
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女性を取り巻く、あれこれに、とても敏感な作家さん。
初めて読んだ「ベルサイユのゆり」は、ふざけているのかと思ったけれど、
ちゃんと「ゆり」の意味を込めていたんだよね、あれ以来、
気になる作家さん。
私から見たら、若手だけれど、世の中では中堅か。
本作は、連作短編集。
彼女の世代爆発、映画や海外ドラマが次々登場し、
その上の世代の私にはよくわからないところも多々あり。
それでも、40代主婦がチアダンスチームを作り・・・
そこから仲間が広がり、今の世で、マイノリティゆえの何かを
抱えている人物が次々にスポットを浴びる。
こういった世の中の切り取りが、本当に、この人は上手。
ちゃんと物語の中で読ませてくれる。
そして、必ず、人と人とのつながりの暖かさを感じさせてくれる。
そこが好き。
Posted by ブクログ
柚木麻子さんの推薦文に惹かれて、吉川トリコさんの作品に初めて手を伸ばした。
前半は引き込まれてぐいぐい読み進めていたが、最終話のプロムに関する熱い気持ちがピンと来なくて、そこに至るまでの情熱の理由もあまり描かれておらず、結果としてオムニバスとしての面白さがかなり薄れてしまった。
Posted by ブクログ
一見「普通」に見える人たちでも、何らかの葛藤を抱えて生きている。
そんな人たちが、なにか大事なものをみつけて、それを掴もうと一生懸命になる物語り。
「時代のサイクルが日毎に速くなって、どこもかしこもものや情報であふれているのに、なにか大事なものをつかみそこねているような不安がつねにうっすら貼りついている。[...] だから私もせっせと映画館に通っている。浜辺の砂からひとつぶの光る石を拾いあげるみたいに、虫取り網を天高く掲げて流れ星を追いかけるみたいに」。(197~198ページ)
Posted by ブクログ
各話主人公は違えど、同じコミュニティの中で登場人物は繋がっており、まとう空気に統一感があって、読みやすかった。
総じてみんな「前向き」!
元気をもらえる一冊でした♪
Posted by ブクログ
「ママはダンシング・クイーン」「私の名前はキム・スンエ」「彼が見つめる親指」
「私はそれを待っている」「36年目の修学旅行」「プロムへようこそ」
6話収録の連作短編集。
共通するテーマは『ままならない日常』。
ゲイである事に葛藤する男子高生や、在日韓国人である事を知らされた姉妹など、どれもデリケートな問題だが本作ではドラマや映画を絡めながらカラリと明るい筆致で描かれる。
だからこそ余計に彼ら、彼女達の苦悩が伝わって来て応援し応援される自分がいた。
同じ場所に留まっていても何も変わらない。
一歩踏み出す勇気を貰える作品。