吉川トリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての作家さんでした。
なんだか漫画を読んでるみたいな感覚でサクサク読めました。
瀬名の口悪いしめちゃくちゃだけど情に熱くてあったかくて
家族思いの感じもかっこいいし、
唯の、ひねくれた口の利き方で相手や読み手をイライラさせるんだけど、コンビニなんかに置いてある寄付箱に必ず寄付をするとか、キルトづくりが趣味とか
強がっていろいろさめて生きている感じがするけど、やっぱり寂しがりやで頑張り屋さんで
毎日を慎ましく生きている感じとかもなんかかわいかったりとか…
余命宣告とか、お金で人を買うとかともすれば、暗い感じに受けがちなお話が軸になっているけど、
二人のお互いを思い気持ちが
喧嘩してるんだ -
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Posted by ブクログ
本屋でブラウジングをしていたら、印象的なタイトルに目が止まり、気になって買わずにいられなかった。
コロナ禍の話が懐かしくなって来た今日この頃、
でもあの頃より生活が苦しい気がする今日この頃…
何のためにお金を稼ぐのか、貯めるのか?
最低限の生活を送るため?
老後の不安のため?
では、1年後に死ぬと言われたらお金の不安に囚われないのか?その方が幸せなのか…?
私はお金は手段にすぎないことを忘れないようにしたい。
無駄を削ぎ落として効率的に生きるなら、とことんお金にこだわり、煩わしい人間関係に気を遣わず、淡々と仕事と家事をこなす生活を送ればいい。
でも私はそんな味気ない人生まっぴらだと思う。 -
Posted by ブクログ
中小企業の事務員という(収入がそこまで多くない)立場ながら、徹底した節約を続けてきた主人公(40歳独身OL)が、ある日突然子宮がんを宣告される。その瞬間、「孤独でつつましく生きていくよりサッサと死んだ方がマシ、ちょっと安心。せっかくだから散財しよ。」という思考に至るのでビックリ!
なんじゃコイツは、大丈夫か???と思ってしまう。彼女の恋愛観・結婚観・人生観もぶっとんでいて、男性読者としては「ヤバイ女」と序盤早々からレッテルを貼ってしまったのだが、ページが進むにつれて、これまでの人生や家族の事情(実母のこと)が次第に明かされていき、どうしてこのような歪んだ思考に辿り着いたのか、納得してしまう。
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Posted by ブクログ
ジャケ借りしたらその中身とのギャップに戦慄した…
高校の仲良し5人組、卒業後にその内の1人 三千花が残虐な事件に巻き込まれて殺されてしまう
それから16年後 ライターになった志津が三千花に何があったのか、旧友と再会して事件を紐解いていく という話
なんかもう、女の暗くて黒い感情が詰まっていた本だった
でも程度の差はあれど、どの感情に対しても「分かる…」って思ってしまった
嫉妬と羨望は紙一重だし、潜在的なコンプレックスゆえの見栄も張るし、リターンがないものは無意味というのも頷けるし、こびりつくような寂しさにも覚えがある
三千花が死んだのは自分のせい、という罪の意識をみんなそれぞれ抱えていたけ -
Posted by ブクログ
お金で買えないものなんてある?
子宮頸がんで余命1年といわれた40歳独身女性の唯。
これまで中小企業の事務員として、地道に働き節約し20歳で買ったマンションのローンも完済間近のところに告げられた余命宣告。そんな宣告を受けた後、病院のロビーでピンクの頭の男にお金を貸して欲しいと言われ、投げやりな気持ちでお金を貸し、返済しない代わりにそのお金でその男を「かう」という選択をしたという話である。
前半は唯の視点、後半はピンク頭の男、瀬名の視点で描かれて話は進んでいく。
子どもの頃から継母との関係性や家族の問題から、結婚やお金にドライな唯と、情に熱く貧しいながらに家族愛を大切にしてきた瀬名の考え方 -
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Posted by ブクログ
一気に読んでしまいました。
序盤の
"べつに、楽しくなくても私は平気ですけど。
なんの楽しみもなく、ただ生きてるだけの人間がいたってよくないですか?
この世に生まれたからには生きなくちゃいけない。生きてる限り、生きなくちゃいけない。"
というような彼女の感覚に共感を覚えながら読みすすめたら、ええ?という展開に。
ジェットコースターのようなお話でした。
自分の人生の長さに諦めを感じつつ老後の心配をしてコツコツ生きてた唯が、余命がわかった衝動でお金を通して人と関わることをはじめ、いろんな怖さ故に突き放したり衝突したりしながら、諦めてたはずの人生を生きはじめる。
とても読みや -
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