吉川トリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現実にはありえないぶっ飛んだ設定、かつ都合が良すぎる展開ではあるんだけど、ハッとさせられるメッセージが沢山あった。今が絶望でも明日何があるかわからないこら長生きするもんだな、と思える本だった。瀬名みたいな人いいなぁ。
「三食ちゃんと食べてるはずなのに、いつもおなかが空いているような心細さがあって、四十一歳にもなって寂しさと空腹が似ていることに気づいた。」
「唯っていつもそうだよな。見た目とか雰囲気だけで勝手に人を判断して、勝手にカテゴライズする。」
「今後二度と私は瀬名を変えようとしない。だから、瀬名も私を変えようとしないで。」
「人間にはさまざまな側面がある。目の前の相手を単純にカテゴライ -
Posted by ブクログ
時々挟まるテレビ・お笑いネタのお陰でさくさく読めた。
私はまだ社会で働いていない学生だし、そもそも異性や一昔前の価値観の元で生きる人間とは全くと言っていいほど関わりがないけど、それでもメディアやSNS上での誰かの発言などで時折心の中にざらりと嫌な感覚が生まれることはあるから、多分この時代を生きる女性は多かれ少なかれ共感出来る部分があると思う。
作中ではフェミニズムを意識するようになることを「一度でも目覚めてしまったら、王子様が迎えにくることを夢見ていた幸福な女の子には戻れない」という風に描かれていたけど、一度そういう視点を得てメディアを見たらもう前と同じ見方は出来ないよなあと思う。
結局メ -
Posted by ブクログ
誰かと一緒に楽しく暮らしたいのに
何か上手くいかない、アンソロジー8編
各部屋間取り付きでイメージが湧きますね
「それでは二人組を作ってください」朝井リョウ
これは「何様」に収録されていた短編ですね
ぞわり、隠しきりたい心情をえぐるタイプの
大好きなやつ。何者→何様で読んでいただけたら幸いです
「女子的生活」坂本司
これは、もしかしたら、昔NHKドラマ10で志尊淳が、めちゃかわ女装男子を演じていた原作ですかな?
意味深なストーリーへの入りも良い
吹っ切れた、女の子になって女の子と付き合いたい、今はまだ女装男子の切れ味良い攻め気味の会話がそそる
「十八階のよく飛ぶ神様」似鳥鶏
悪い神様と良 -
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Posted by ブクログ
一つの家族がどのようにして出来てきたのか、10年ずつ進むのではなく、遡って描かれていて、なかなかというか初めて読みました。
どこかミステリっぽさも感じました
とても印象的なセリフは「なにがいけないのか、みんなだめっていうけど、その理由まで説明してくれないから。倫理的にだめ、道徳的にだめ、世間が許さないからだめ。頭ごなしにそんなこと言われたって、納得できないし、わからない。なんべんもくりかえし飽きるぐらいに考えたけど、どうしても私にはわからない」
このセリフはおそらくこの小説のテーマというか全てだと思う。
自分だったら「好きな人とずっといっしょにいるために」どこまでするだろうか、どこまでできる
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