吉川トリコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
あらすじを読んで謎解きものかと思ったが違った。やっぱり吉川トリコが描くのは、女たちの心の深淵だ。
高校時代の仲良し5人組。
「銀チョコラバーズ」とチーム名をつけて、くっつき合って笑い合って「5人揃えば最高で最強」だと信じていた。きっと誰もが経験したことがある、輝きに満ちた怖いもの知らずの日々。
卒業から2年後、仲間の一人がバラバラ死体で発見され、彼女の死にそれぞれが罪の意識を抱えながら16年の月日を経て、4人は再会する。
「本当に知りたいことのほとんどを私たちは卒業してから学ぶことになる。多くの場合、その学習には痛みを伴う。時には大きな喪失が要らないおまけのようについてくる。」p156 -
-
Posted by ブクログ
普段ほとんどエッセイを読まないのですが私の好きな漫画家さんがTwitterで話題にされていたので読んでみたら、面白くてあっという間に読み終わりました。不妊治療などにおける女性特有の葛藤や、世間のここが変だなというところ、日常でのもやもやなど、ばっさり辛口で突っ込んでくれていて痛快でした。短編だからちょっとした隙間時間に読めます。ただ世代がちょっとズレているからか時事ネタ流行ネタなど正直、なにいってるのか分からないところもあったのが残念。出来れば注釈をつけてほしかったです。あとがきの「思っちゃいけないことなんて、ほんとうはひとつもないはずなのだ。」という一説が心に残りました。
-
Posted by ブクログ
どこかで読んだことのあるような文章、と思ったら『マリー•アントワネットの日記』の方でした。
女性にまとわりつく固定観念や呪縛など、客観的かつ堂々たる当事者としてあれやこれや書かれているので、あるあるだわ〜と思うことしきり。
ただ、私はサブカルなどに興味や接点を持たずに生きてきたせいか、吉川さんの言い回しや表現がどうにも肌に馴染んでこないことがあるのが残念だった。そこが吉川さんの本の面白いところでもあるのに!
『こうして俺は父になる(のか)』を読んだ時のような、ふーん、今はこういう風に書くのがいいのか。
なんというか、読むのに疲れる。
もっと普通な文章で書くんじゃだめなのか、のような。
-
Posted by ブクログ
ネタバレマリーアントワネットを身近に感じる日記。
ほんとうにこんなことを思っていたのかしら?
なんて。少し興味をもったりして。
マリーアントワネットだからって
幸せだったとは限らないんだなって。
どんな有名な人でも、歴史に残る人でも、
それぞれに壁はあるし悩みもあるし、
辛いことを乗り越えているんだなって思った。
マリーアントワネットが残す、男尊女卑、というか。
そういう概念を当たり前と思って受け入れていたけど
思えばなんじゃそりゃ!気持ち悪い!って思う。
そこまで深く、物事を考えてなかったんだなって。
その視点がすごいな〜って思った。
ルイ15世が御逝去されて、さて2人はどうしたのか、
すこーし -
-
Posted by ブクログ
やりての妻と別居するため、田舎の写真館に父とともに引っ越した小学三年生のミドリ。そこには、髪を伸ばし、派手な服装でオネエ言葉を使う源三がいた。父と源三はいつも楽しそうにふざけあっているが、ピアノもなく地元の同級生の意地は悪く…。
ミドリ、広(父)、花世、源三、貴美子(母)のそれぞれの視点から、離婚しかけの家庭、同性愛に子供を受け入れる家庭、学校などを描くアンソロジー型の小説である。
「ミはミドリのミ」という、他愛のない話からスタートし、離婚の話、花世の話など、どんどん重いテーマになっていくが、それらを源三が「めんどくせーな」の一言で突っぱねていく。そこが本作の醍醐味であろう。
ただ、いか
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。