吉川トリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ー 女性の身体にまつわるタブーよ、くたばれ!私たちはもっと自由になれる。だれかの物差しはもういらない。ー
初めての作家さん。
日頃は人目を気にして言葉に出せない女の面倒くさい、あれこれをズバッと活字で表してくれて、
うんうん分かるよ〜!っと共感できることも多々。
特に冠婚葬祭の恰好や儀式については爆笑でした。
ほんと女ってつくづく面倒くさいな〜と思いながら。笑
ウェディングケーキを食べさせ合うファーストバイトを〝まさに憤死しそうな謎演出。男も女もどちらも自分が食うために働くのだし、どちらかが病める時はどちらかが助ければいいし。〃と言ったり。
ほんとそうだよな〜、ってかなんでもかんでも女任せ -
Posted by ブクログ
親世代、子世代それぞれの生が同じ大きな物語の中でつむがれるのが、日本文化の年齢性を超越しようともがく意志を感じさせる。先生と生徒というのもそうかな。
でもよく考えてみると、子供向けの小説の中で、子どもの姿が大人にはどう見えているかを描いていた古田足日なんかもある意味同じなのかな。今思えば、ああした小説(『宿題ひきうけ株式会社』など)を読んで育ったことが社会学者としての僕の現在につながっている気がする。
でもこの小説で描かれる親世代、子世代それぞれの世界は子ども向けの小説とは違って、より対等なものになっていて、それは現実の私たちの世界における若い世代がより大人の世界とつながっている部分を映してい -
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とことん現代語&マリーアントワネット視点で綴られる日記を読んでいくと、悲劇のフランス王妃が、かわいいものと楽しいことが大好きで、ファッションに夢中で、こなれた感じの悪い先輩に憧れて、恋愛に一喜一憂して、傲慢で浅はかで、だけど繊細な、要するに普通のイマドキの女の子にしか思えなくなってくる。
調子には乗りすぎたアントワネットだけど、その代償が、夫や友達皆殺しの上で斬首だなんて、いくらなんでもオーバーキルすぎる。
マリーアントワネットは、憎悪をぶつけてくる群衆に自分のことを「知らないからこそ嫌えるってこともあるのかもしれません」と思う。
確かに今でも、芸能人や、皇族や、ちょっと気に食わない親族や同 -
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6編からなる連作短編集。
なつみは、若々しい美鈴ママにちょっとだけ嫉妬していた。
女王蜂(クイーンビー)の美鈴ママ。
でも、美しさは見た目だけではなかったのだ。
歳を重ね「おばさん」になるのは罪なのか?
初未は二つの名前を持つ。
佐藤初未とキム・スンエ。
15歳の平凡な女の子に知らされた在日韓国人という事実。
ままならない日常。
出自も性別も、自身ではどうしようもない。
映画の印象的なシーンに絡め、それぞれの登場人物が明るく力強く
そして前向きに描かれている。
吉川トリコさんは名古屋在住作家さん。
地名など馴染みのある場所ばかりで、それも楽しかった。 -
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女性を取り巻く、あれこれに、とても敏感な作家さん。
初めて読んだ「ベルサイユのゆり」は、ふざけているのかと思ったけれど、
ちゃんと「ゆり」の意味を込めていたんだよね、あれ以来、
気になる作家さん。
私から見たら、若手だけれど、世の中では中堅か。
本作は、連作短編集。
彼女の世代爆発、映画や海外ドラマが次々登場し、
その上の世代の私にはよくわからないところも多々あり。
それでも、40代主婦がチアダンスチームを作り・・・
そこから仲間が広がり、今の世で、マイノリティゆえの何かを
抱えている人物が次々にスポットを浴びる。
こういった世の中の切り取りが、本当に、この人は上手。
ちゃんと物語の中で読 -
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8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変
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